JP3239222U - 手袋 - Google Patents

手袋 Download PDF

Info

Publication number
JP3239222U
JP3239222U JP2022002123U JP2022002123U JP3239222U JP 3239222 U JP3239222 U JP 3239222U JP 2022002123 U JP2022002123 U JP 2022002123U JP 2022002123 U JP2022002123 U JP 2022002123U JP 3239222 U JP3239222 U JP 3239222U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
finger
disposable
warmer
finger tube
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022002123U
Other languages
English (en)
Inventor
達哉 塚本
Original Assignee
株式会社エーゾン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社エーゾン filed Critical 株式会社エーゾン
Priority to JP2022002123U priority Critical patent/JP3239222U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3239222U publication Critical patent/JP3239222U/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gloves (AREA)

Abstract

【課題】使い捨てカイロを挿納することで比較的薄くても手指や甲部の保温を図ることができ、使い捨てカイロの出し入れも容易で、必要な際には四指を容易に開放して効率良く細かい作業を行うことが可能な手袋を提供する。【解決手段】筒体と、これの先端部に延設された指筒4を備え、これらの内面のうち装用時に手の甲側に当接する面に使い捨てカイロ挿納部を備え、筒体と指筒の境界付近の装用時に掌側に当接する面に四指穴6を備え、筒体には親指筒7を備えた手袋1とする。また、使い捨てカイロ挿納部の開口部に一組のスナップボタンを備えることができる。さらに、指筒先端部にループ15を、筒体外面の装用時に手の甲側に対応する面の開口部付近にボタン14をそれぞれ備えることとすることも出来る。【選択図】図9

Description

本考案は、手袋に係るものである。より詳しくは、いわゆる使い捨てカイロを挿納することが可能とされ、主に手指の保温を目的に装用される手袋に関する。
気温の低い環境、例えば、冬季の屋外や冷蔵倉庫内などでの作業時には、切傷などからの保護に加え、凍傷の予防や良好な感覚の維持のために手指の保温が必要であり、この目的で手袋が使用される。一般に保温効果の高い手袋は編成組織等からなる厚い保温層を備えることが多い。しかし、厚い手袋を装用していると手指で感覚を得難くなるため、荷物の運搬のような単純作業であっても取り落としのような事故を誘発しやすいほか、小さいものを掴むことが困難であるので細かい作業を行うことは不可能であるといった課題があった。
このため、比較的厚みの薄いものであっても手指の高い保温効果を得ることが出来る様々な手袋が提案されてきた。これらの中で、特開2000-303224号公報には、ファスナーを備える挿入部が設けられ、該挿入部にいわゆる使い捨てカイロを挿納可能とされた手袋が開示されている。なお、使い捨てカイロとは、不織布等の空気を透過する袋に鉄粉他を封入した構造とされ、鉄粉が酸化する際の発熱作用によって暖を取る物品であり、市場で多く流通しており、容易に入手可能である。
同公報の図1には、親指を除く4本の指(以下、「四指」という)を一つの袋状部に挿入するいわゆるミトンタイプの手袋であって、手の甲にあたる部分、四指にあたる部分、親指にあたる部分のそれぞれにファスナーを備えたポケット状の使い捨てカイロの挿納部を備えた手袋が開示されている。本手袋であれば、装用時の手指に挿納部に挿納した使い捨てカイロが発する熱が伝わるので、手袋の厚みが比較的薄くとも手指が冷えにくい。このため、凍傷の予防や手指の良好な感覚の維持が達成される。
しかしながら、本手袋では親指を除く4本の指、及び、親指に常に使い捨てカイロが取り付けられた状態となるので、物を掴む・握るといった単純な動作には支障が少ないものの、細かい作業が必要な際には障害となるという課題があった。また、使い捨てカイロのみならず、ファスナーが設けられる部分が他の部分に対して厚みや重みが大きくなり、また硬さが出て曲がりにくくなるため、本手袋装用時に違和感を感じさせるものであった。
実用新案登録第3129771号公報には、使い捨てカイロを挿納できる使い捨てカイロ収納部を設けた半楕円形の伸縮性カバーを備え、カバー先端部とカバー開口部に面テープを備え、これが手袋甲部に接続された手袋が開示されている。
同公報の図2に表示される通り、本手袋は、伸縮性カバーに設けられた使い捨てカイロ収納部に使い捨てカイロを挿納した状態で、四指部に該伸縮性カバーを被せることが可能とされている。これにより、伸縮性カバーを四指部に被せた状態で使用すれば、四指部に集中的に保温効果が得られることになる。また、同公報の図1に表示される通り、細かい作業を行う際には四指から伸縮性カバーを外して手袋甲部に面テープで固定することで四指が解放され、使い捨てカイロの取り付けられていない状態で作業を行うことが出来るとともに、手の甲部が集中的に保温されることになる。
しかしながら、四指と手の甲部を同時に使い捨てカイロで保温することはできない。また、使い捨てカイロの収納部の開口部や先端部を面テープで固定するため、使い捨てカイロが脱落したり使い捨てカイロの収納部がぶらぶらと揺れ動いてしまうことは無いものの、面テープは編成組織や織成組織に張り付きやすいため、本手袋の装用時にこれらでできた物品に触れると意図しない張り付きが発生しやすい。なお、面テープは、不織布等で構成されることが多い使い捨てカイロの外装にも張り付くことがあり、スムーズな出し入れの妨げとなるという問題があった。
特開2000-303224号公報 実用新案登録第3129771号公報
本考案が解決しようとする課題は、以上で説明した問題点を解決した手袋を提供することである。すなわち、使い捨てカイロを挿納することで比較的薄くても手指や手の甲部の保温を図ることができ、使い捨てカイロの出し入れも容易で、必要な際には四指を容易に開放して効率良く細かい作業を行うことが可能な手袋を提供することである。
なお、親指以外の四指のそれぞれに対応した袋体を備える手袋に対して、四指に対応する一つの袋体を備えるものをミトンと称して区別することがあるが、特に言及した場合を除き、本考案においてはこれらを区別せずにいずれも手袋と称呼する。また、親指や四指を挿入する部分が袋体とされている、つまり、指袋を備えている手袋に対して、親指や四指を挿入する部分が筒体とされている、つまり先端が開放された指筒を備えているものを指抜きグローブと称して区別することがあるが、本考案においてはこれらも区別せずにいずれも手袋と称呼する。また、手袋の主要な構成材料として、糸を編んで布状とした編成組織や、糸を織って布状とした織成組織、皮革など様々なものが利用されるが、どの材料で構成しても本考案の作用効果は得られる。以下では説明の便宜上、手袋の主要な構成材料を代表して編成組織と称呼するが、本考案の構成材料は編成組織に限定されるものではない。すなわち、本考案は、前記の通り、編成組織、織成組織、皮革等を含む任意の材料を主要な構成材料としたものを包含するものである。
(1)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
手を挿入可能とされた筒体と、
該筒体の先端部に延設され四指を挿入可能とされた指筒と、
該筒体と該指筒の内面のうち、装用時に手の甲側に当接する面に、使い捨てカイロを挿納可能とされた使い捨てカイロ挿納部を備え、
該筒体と該指筒の境界付近の装用時に掌側に当接する面に、四指を突き出すことが可能とされた四指穴を備えている、
ことを特徴とする、手袋としている。
筒体とは、柔軟性を備えた編成組織(すでに説明した通り、織成組織その他の材料を含む概念である)で構成される筒状の構造体であり、一端の開口部から手を差し入れて装用することが出来、掌や手の甲を覆うように作られる。なお、筒体は柔軟性を備えるのみならず、適度な弾性を備えることが好ましい。これにより、装用時のフィット感を高め、または、手袋が容易に手から抜け落ちることを防止できるからである。弾性は、例えばゴム糸を加えた編成組織としたり、あるいはウレタン弾性繊維を合糸した糸による織成組織とするなど、任意の常法によって付与することができる。
筒体の先端部、つまり、手を差し入れる開口部の逆側の端には、やはり編成組織で構成した筒状の構造体である指筒が設けられる。指筒の開口部は筒体の先端部とつなげられており、筒体の開口部からに手を差し入れた際に筒体の先端部から突き出した四指が指筒に挿入されることになる。なお、筒体と指筒を別々に製造したものを縫い合わせて一体に組み立てても良いが、初めから筒体と指筒を一体に編成しても良い。つまり、筒体や指筒といった名称は、本考案の機能の理解のために便宜上つけた部分の名称であり、物理的に独立した部品として存在するとは限らない。
筒体と指筒は一体となって長尺の筒構造を構成するが、これを装用した際に手の甲に当接する側の内面に袋状の構造である使い捨てカイロ挿納部を備える。使い捨てカイロ挿納部の構造は、いわゆる使い捨てカイロを挿納可能であれば任意であるが、典型的には筒体と指筒の手の甲に当接する面の内側に布状の仕切りを備えることで実現できる。布状の仕切りと筒体や指筒の隙間にできる袋状構造に使い捨てカイロを挿納し、これと布状の仕切りを挟んで逆側の筒体や指筒に手を挿入することで手袋として装用するのである。
なお、使い捨てカイロ挿納部は、ほぼ筒体と指筒の全長に等しい長さ(ほぼ手袋の開口部から指先までの長さ)であるので、幅に対して長さがかなり長い、細長い袋体となる。このため、広く市場に流通している使い捨てカイロ1つを使い捨てカイロ挿納部に挿納した場合、使い捨てカイロを使い捨てカイロ挿納部の奥深くに挿納すると四指に対応する指筒部のみが保温され、または、使い捨てカイロを使い捨てカイロ挿納部開口部付近に浅く挿納すると手の甲に対応する筒体部のみが保温されることになる。いずれの状態で装用するかについては、手袋の装用者が手のどの部分を重点的に保温したいかによって選択すればよい。また、使い捨てカイロを使い捨てカイロ挿納部に挿納した状態で手袋を装用すると、手袋に手が挿入されることで手袋の編成組織が引っ張られて張力が発生する。このため、使い捨てカイロが使い捨てカイロ挿納部内で強い摩擦力で固定されて容易には動いたり脱落したりすることはない。なお、使い捨てカイロ2つを準備し、一方を使い捨てカイロ挿納部の奥深く、他方を使い捨てカイロ挿納部開口部付近の浅い位置に挿納しても良いことは言うまでもない。この場合は、四指と手の甲の両方に保温効果が得られることになる。
筒体と指筒の境界付近には、装用時に掌側に当接する面に四指穴を備えている。四指穴は掌が挿納される筒体と四指を挿納可能とした指筒の境目の掌側に設けられているのであるから、ここに四指を通して手袋の外部に露出させることができる。これによって、四指の保温が必要な時には四指を指筒に挿入して保温を図る一方、細かい作業を行う際には四指穴から四指を手袋の外部に突き出し、手袋から露出させて作業を行うことができる。また、この際には指筒を手首側に折り返して指先の作業の邪魔にならないようにすることができるが、使い捨てカイロ挿納部の奥側深くとの開口部付近の浅い位置に使い捨てカイロが挿納されていると、指筒と筒体の境目付近に使い捨てカイロが挿納されていない部分ができるので折り返しが容易であるという利点もある。
(2)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記筒体及び前記指筒の内面の、少なくとも一部には赤外線反射加工が施されている、
ことを特徴とする、(1)に記載の手袋としている。
本考案に係る手袋にとっての保温とは、手袋の装用者の手指や使い捨てカイロが発生する熱が外部へ逃げてしまう経路を遮断することで達成されるのだが、熱の伝導形態は大きく伝導、対流、放射であって、これらのうち伝導の影響については空気を多く含む繊維などで編成された熱抵抗の大きな編成組織等で小さくすることができ、対流の影響についても手袋を装用することで手指に触れる空気が外気と自由に入れ替わることがなくなるのでやはり小さくすることができる。
一方、放射の影響については、赤外線反射加工を行うことで、熱伝導を小さくすることができることが知られている。赤外線反射加工とは、金属光沢面などが熱の伝導への寄与の大きな赤外線の吸収・放射をほとんどせずに反射する性質があることを利用したもので、編成組織のような布状の物品にアルミニウムを多く含む塗料を印刷によって付着させるいわゆるアルミプリント処理や、アルミニウム蒸着処理等を行った繊維を布状に加工したものなど、放射の影響を小さくして保温性を高めることのできる様々な赤外線反射加工法が実用に供されている。
本件考案に係る手袋においては、装用者の手指が発する熱を外部に逃がさないことは当然であるが、使い捨てカイロが発生する熱は遮ることなく装用者の手指に伝導させることが好ましい。そこで、筒体及び指筒の内面に赤外線反射加工を施すことで、手袋の外部へ熱が逃げにくくしている。
なお、手袋内部と手袋外部の間の熱抵抗を大きくするという意味では、手袋、つまり、筒体や指筒の外面に赤外線反射加工を施してもほぼ同じ効果が得られるのであるが、アルミプリント処理やアルミニウム蒸着処理などの赤外線反射加工の多くは摩擦などに弱く容易に毀損してしまう他、汚れなどによっても性能を落としてしまう。したがって、様々なものをつかんで摩擦にさらされたり汚れが付着したりしやすい手袋外面ではなく、手袋の内面に赤外線反射加工を施すこととしている。また、赤外線反射加工は原理的には赤外線を反射すれば機能を発現できるはずのものであるが、現実に広く実用とされている例では可視光も反射するため、金属光沢を呈してしまう。このことは、手袋の意匠の選択の範囲を制限してしまう。例えば、手袋の外面に赤外線反射加工を施すと、黒色の手袋を提供することは困難である。したがって、手袋の内面に赤外線反射加工を施すことは意匠の多様性を確保する点でも好ましい。
ところで、本考案に係る手袋は、使い捨てカイロ挿納部を備えることを特徴とするが、使い捨てカイロ挿納部の一部と、筒体や指筒の一部が共通の部材で構成される場合がある。具体的には、筒体や指筒のうち、装用時に手の甲側にあたる部分が、使い捨てカイロ挿納部の一部をも構成することがある。このような構成の場合は赤外線反射加工は使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、手袋を装用した際に外部側となる面に施され、内部側、つまり、手指側には施されない。使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、手指側に赤外線反射加工を施してしまうと、使い捨てカイロ挿納部に挿納した使い捨てカイロの発する熱が手指に伝導することを妨げてしまうからである。
赤外線反射加工は筒体及び指筒の内面全体に施されると効果が最大化する点で好ましい。しかしながら、重点的に保温を行いたい箇所のみに赤外線反射加工を施すことも可能である。例えば、細かい作業を行う際に特に重要な指先の保温を重視して指筒部のみに赤外線反射加工を施すことができる。あるいは、手指の甲側は風が当たりやすいために熱の逃げやすい経路になりやすいので、この部分に集中的に赤外線反射加工を施し、物をつかんだりする際に発生する摩擦などで赤外線反射加工が毀損しやすい手指の掌側には最初から赤外線反射加工を施さないこととすることができる。
本考案においては、
前記赤外線反射加工はアルミプリント処理にて行われ、該アルミプリント処理による該赤外線反射加工部の被覆率は80%未満とされている、
ことを特徴とする、(2)に記載の手袋としている。
すでに説明した通り、アルミプリント処理によって手指や使い捨てカイロの発する熱が外部へ逃げてしまう経路を遮断して高い保温効果を得ることができるのだが、アルミプリント処理を施した面は通常の編成組織や織成組織と比較して空気が通りにくいため、使い捨てカイロが十分な発熱をできなくなる恐れがある。使い捨てカイロは鉄粉等が酸化する際に発生する熱を利用したものであるので、酸素が不足すると熱の発生が止まってしまうからである。特に本発明は手袋に係るものであり、大きく見たときに長尺の袋体を形成する手袋はもともと空気の出入りが少ない構造であるので、手袋の素材が空気を通しにくいものである場合に使い捨てカイロを挿納すると構造的に発熱が止まりやすいのである。
そこで、赤外線反射加工部の面積に対してアルミプリント処理を行う面積の割合が80%未満となるようにする。具体的には、アルミプリント処理を全面にわたって均一に行うのではなく、多数の小さな丸模様を印刷(いわゆるドットプリント)したり、縞模様を印刷(いわゆるストライププリント)することができる。このようにすることで、アルミプリント処理が行われることによる保温性の向上と、アルミプリントが行われていない部分の編成組織を介した使い捨てカイロの発熱に必要な通気性を両立することができるのである。
(3)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記指筒の先端部が閉じられている、
ことを特徴とする、(1)または(2)に記載の手袋としている。
本考案に係る手袋において、指筒の先端を開放していわゆる指ぬきグローブの形態とした場合は、装用時に指筒先端より指先を突き出した状態とすることができるので、常時細かい作業を行う際に都合がよいが、指先部には手袋の保温作用が及ばないために指先が冷えやすいほか、開放されている指筒の先端部から外気が出入りするため手袋としての保温性はある程度は低下してしまう。
そこで、指筒の先端を閉じていわゆるミトンの形態とすることで、手袋としての良好な保温性を確保することができる。なお、細かい作業を行う際には、四指を四指穴から突き出して手袋の外部に露出させれせば良い。四指を四指穴から突き出したり、指筒に挿入したりする作業はほんの数秒で行えるものであるが、あまりに頻繁にこれが発生すると煩わしく感じる可能性がある。従って、常時の細かい作業に適した手袋としては指筒の先端部が開放された形態のものを利用し、細かい作業がしばしば発生するような場合に適した手袋としては指筒の先端部が閉じた形態のものを利用するとよい。
(4)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記筒体の側面に、装用時に親指を突き出すことが可能とされた親指穴を備えている、
ことを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載の手袋としている。
人の親指は他の四指と向き合う方向にあり、物をつかむ際、特に細かいものをつまんだりする際に極めて重要な役割を果たす指である一方で、太く強い力を出すことができ比較的冷えにも強い。細かい作業を行う際に親指の動きを妨げないよう、筒体の側面に親指穴を設けてここから親指を突き出すことを可能とする。なお、このようにすると、親指には本考案に係る手袋の保温効果は及ばないのだが、手の甲が使い捨てカイロによって温められることや、手指を使う作業をしていない際には親指をほかの四指で包み込むようにして親指の保温を図ることができるなどのため、存外大きな問題とならない。
なお、親指穴は必ずしも断面形状が円や楕円のように面積のある構造とする必要はなく、任意の形態をとることができる。例えば、筒体の長手方向に沿って設けたスリットとして構成することもでき、このようにすれば意匠性上の利点や製造の容易さの点での利点が得られる。
(5)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記筒体の側面に、装用時に親指を挿入することが可能な親指筒を備えている、
ことを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載の手袋としている。
すでに説明した通り、親指は比較的冷えに強く、また、細かいものをつまんだりする際に極めて重要な働きをするので動きを妨げることは好ましくないのであるが、低温環境下で常時作業を継続する場合にはやはり冷えによって感覚が鈍くなる、いわゆるかじかんだ状態になりうる。そこで、筒体の側面に装用時に親指を挿入することが可能な親指筒をそなえ、親指の保温を図れるようにすることが好ましい。
なお、親指筒の先端は開放状態とし、親指の先端を外部に露出可能とすることができる。細かい作業を行う際には、少なくとも親指の先端部分(おおむね第一指の第一関節より先端側の部分)が手袋の外部に露出していることが好ましいからである。ただし、親指筒が実質的に親指を完全に覆うことが可能な長さとすることは妨げない。このようにしても、親指筒の先端部分を折り返すことで一時的に親指の先端部分を外部に露出させることで細かい作業への対応も可能であり、また、言うまでもなく保温性の点で優れているからである。
(6)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記使い捨てカイロ挿納部の開口部付近に一組の使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタンを備えている、
ことを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載の手袋としている。
本考案においては、使い捨てカイロ挿納部に小型の使い捨てカイロを挿納して使用するのであるが、本考案に係る手袋の装用中に使い捨てカイロが使い捨てカイロ挿納部から滑り出てしまうことがありえる。現実には、使い捨てカイロ挿納部内面と使い捨てカイロの外装の摩擦によってこのようなことは起こりにくいのだが、使い捨てカイロ挿納部の開口部が開いていると、装用者に使い捨てカイロが滑り出てしまわないかと不安を与えてしまうことになる。
そこで、使い捨てカイロ挿納部の開口部付近に一組の使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタンを設けることが好ましい。このスナップボタンによって使い捨てカイロ挿納部の開口部が開閉可能となるので、本考案に係る手袋の装用者の使い捨てカイロが滑り出てしまうことについての不安が解消する。なお、スナップボタンとは、雄側と雌側の一組のボタンを対向させた状態で押圧を加えると、ボタンに設けられた凹部と凸部が篏合して固定し、強い力で引くと篏合が解除されて分離するというもので、伝統的な金属のものにくわえ、軽量で取付も容易な樹脂のものなどが広く流通している。本考案においては、手袋に取り付ける部品であることから軽量であり、角のような引っ掛かりを生じる箇所が無く、意匠性にも優れたものが数多く流通している樹脂製のスナップボタンを用いることが好ましい。
(7)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、前記筒体と前記指筒の境界近傍に対応する位置に少なくとも一組の使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンを備え、該使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることが可能とされている、
ことを特徴とする、(1)~(6)のいずれかに記載の手袋としている。
本考案においては、使い捨てカイロ挿納部は筒体から指筒にわたって設けられる細長い袋構造であるので、小型の使い捨てカイロを使い捨てカイロ挿納部の指筒部に対応する位置に一つ、筒体部に対応する位置に一つの計二つを挿納することが通常の使用法である。このようにすることで、指筒を手首側に折り返して四指穴から四指を突き出して細かい作業を行う際にも、指筒と筒体の境目付近に使い捨てカイロが挿納されていない部分ができるので折り返しが容易であるなどの利点もあるのだが、使い捨てカイロが使い捨てカイロ挿納部内で滑って移動してしまうことがある。通常は、使い捨てカイロ挿納部内面と使い捨てカイロの外装の摩擦によってこのようなことは起こりにくいのだが、使い捨てカイロは比較的重いので、手を振ったりした場合の遠心力や、歩行時の重力と振動によって、使い捨てカイロ挿納部の筒体に対応する位置に挿納した使い捨てカイロが、使い捨てカイロ挿納部の指筒側に移動してしまうことがある。
そこで、使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、筒体と指筒の境界付近に対応する位置に一組の使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンを設けることが好ましい。使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、筒体と指筒の境界付近に対応する位置に設けた一組のスナップボタンを篏合させると、筒体と指筒の境界付近で使い捨てカイロ挿納部が分割されるので、手を振ったりした際の遠心力等で、使い捨てカイロ挿納部の筒体側に挿納した使い捨てカイロが指筒側に移動してしまうようなことが確実に防止される。また、対になるスナップボタンを重ねて押圧を加えるだけで篏合固定し、強めに引きはがすだけで篏合が解除されるので利便性も高い手袋とすることができる。
なお、スナップボタンではなく、一組の面状の基部のそれぞれに微細な鉤とループを多数設けることでお互いの面が張り付くようにした、いわゆる面ファスナーを利用することも可能である。もっとも、鉤側の面ファスナーは対応するループ側の面ファスナー以外の編成組織にも張り付きやすく、使い捨てカイロ挿納部の内面に設けた際には意図しない個所で面ファスナーが固定するなどの不便を発生しやすいため、スナップボタンを用いることがより好ましい。
(8) 以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記使い捨てカイロ挿納部の内面であって、前記筒体と前記指筒の境界近傍に対応する位置のうち、装用時に手指に当接する側に使い捨てカイロ挿納部分離ボタンを備え、装用時に外部になる側に使い捨てカイロ挿納部分離ボタンホールを備え、該使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることが可能とされている、
ことを特徴とする、(1)~(6)のいずれかに記載の手袋としている。
すでに説明した通り、スナップボタンによって使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることを可能とした手袋は取り扱いが容易で機能も申し分ない。しかし、取り扱いという点ではやや劣るものの、ボタンとボタンホールを用いた伝統的なボタンによっても、使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切るという機能は達成できる。また、伝統的ボタンには、スナップボタンとは異なる意匠性があり、これを好む需要者も存在することから、スナップボタンに変えて伝統的なボタンを使用した手袋とすることも本考案の好ましい一形態である。なお、使い勝手の理由により、使い捨てカイロ挿納部分離ボタンは使い捨てカイロ挿納部の内面であって装用時に手指に当接する側に設け、使い捨てカイロ挿納部分離ボタンホールは装用時に外部になる側に設けることが好ましい。使い捨てカイロ挿納部分離ボタンが手袋の外側に向かって設けられていないと、ボタンの掛け外しを行うことが難しくなるからである。
(9)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記指筒の先端付近と前記筒体の開口部付近に少なくとも一組の指筒固定スナップボタンを備え、該指筒を該筒体の開口部付近で折り返して該筒体の開口部付近に固定することが可能とされている、
ことを特徴とする、(1)~(8)のいずれかに記載の手袋としている。
すでに説明したとおり、本考案に係る手袋においては、通常時は指筒部に四指を挿納して保温を図りつつ、必要時には四指穴から四指を突き出すことで細かい作業を行う際にも不便がない。しかし、四指穴から四指を突き出している状態では指筒が筒体にぶら下がっている状態になり、これが揺れ動くことが細かい作業を行う妨げになることがある。特に、使い捨てカイロ挿納部の指筒に相当する位置に使い捨てカイロを挿納して四指の保温を図っていた場合には、使い捨てカイロの重さのために指筒が揺れ動くことによる細かい作業への障害はより大きくなる。
そこで、指筒の先端付近と筒体の開口部付近に対になるスナップボタン(指筒固定スナップボタン)を備え、四指穴から四指を突き出した際に、指筒を折り返し、指筒の先端部を筒体の開口部付近と指筒固定スナップボタンによって固定できるようにすることが好ましい。このようにすると、指筒、及び、使い捨てカイロ挿納部の指筒に対応する位置に挿納された使い捨てカイロは、装用者の手の甲に固定されて揺れ動くことはなくなり、細かい作業も支障なく行えるようになる。
また、スナップボタンであるので、指筒の先端付近と筒体の開口部付近に設けられた指筒固定スナップボタンを重ね合わせて押圧を加えるだけで篏合固定し、強めに引きはがすだけで篏合が解除されるため、利便性も高い。
なお、スナップボタンに変えて面ファスナーを用いることも可能である。もっとも、(7)の場合と同じく鉤側の面ファスナーが対応するループ側の面ファスナー以外の編成組織や織成組織に張り付くなどの不便が生じるので、スナップボタンを用いることがより好ましい。
(10)以上説明した課題を解決するため、本考案においては、
前記指筒の略先端に指筒固定ループを備え、
前記筒体の外面のうち、装用時に手の甲側に対応する側の開口部付近に指筒固定ボタンを備え、
前記指筒を該筒体の開口部付近で折り返して該該指筒固定ループを該指筒固定ボタンに掛けて固定することが可能とされている、
ことを特徴とする、(1)~(8)のいずれかに記載の手袋としている。
すでに説明した通り、本考案に係る手袋を四指穴から四指を突き出している状態では指筒が筒体にぶら下がっている状態で揺れ動くため、細かい作業を行う妨げになることがある。そこで、指筒の略先端に指筒固定ループを備え、筒体の外面のうち、装用時に手の甲側に対応する側の開口部付近に指筒固定ボタンを備えることとすることが好ましい。指筒固定ループとは、紐又は紐状とした布が輪を形成するように指筒先端に取り付けたものである。指筒固定ボタンとは、指筒固定ループを掛けられる大きさのボタンを筒体の手の甲側の開口部付近に取り付けたものであり、材質や形状は取付の便利または意匠上の都合で任意のものを使用可能である。
指筒固定ループは紐や紐状とした布などで構成することで極めて軽量かつ柔軟なものを実現できるので、敏感な指先に装用される指筒に設けても装用者に違和感をほぼ与えることがない。また、指筒と同一または類似の材料で構成することで目立ちにくく、手袋としての意匠を損ねることもない。なお、指筒固定ループをいわゆるゴム紐のような弾性に富む材料で構成することも好ましい形態である。より小さな指筒固定ループとしてさらに小型で目立たなくしても、引き伸ばしながら指筒固定ボタンに掛けることができる他、いったん指筒固定ボタンに掛けてしまうと収縮した指筒固定ループが外れてしまうことはほぼないからである。ところで、指筒の略先端に固定ループを備え、とは、指筒の最も先端にあたる縁部に固定ループが設けられるのみならず、指筒の近傍に固定ループが設けられる場合をも含む概念である。指筒を筒体に備えた指筒固定ボタンの固定することが固定ループの目的であるので、指筒の先端に近い部分に固定ループが設けられていればこの目的は達せられるからである。例えば、指筒の先端から約2cm以内程度であれば指筒の略先端に固定ループを備えていると言える。
(1)手を挿入可能とされた筒体と四指を挿入可能とされた指筒の内面に、使い捨てカイロを挿納可能とされた使い捨てカイロ挿納部を備えたので、必要に応じて使い捨てカイロ挿納部に使い捨てカイロを挿納して四指または手の甲またはこれらの両方を必要に応じて保温することができるという効果を奏する。
筒体と指筒の境界付近の掌側に四指穴を設けたので、四指穴から四指を突き出して手袋の外部に露出させることが可能で、細かい作業を行う際の不便がない。また、この際、指筒部は筒体との境界付近で手の甲側に折り返しておくことができるので、指筒部が作業の障害になりにくいという効果を奏する。
(2)筒体及び指筒の内面の少なくとも一部に赤外線反射加工を施したので、手指や使い捨てカイロの発する熱が反射され、外部へ逃げてしまう経路が遮断されるので、より保温性の高い手袋とすることができるという効果を奏する。また、赤外線反射加工は筒体及び指筒の内面に施されるので、装用時に手指と使い捨てカイロ挿納部に挿納した使い捨てカイロとの間には赤外線反射加工を施した編成組織は存在しない。このため、使い捨てカイロの発した熱が遮られることなく良好に手指に伝導するという効果を奏する。
また、汚れたり摩擦で損傷することの少ない筒体や指筒の内面に赤外線反射加工を施したので、長期間にわたって赤外線反射加工による保温性能を維持できるほか、金属光沢に限られない様々な意匠の手袋を実現できるという効果を奏する。
赤外線反射加工をアルミプリント処理にて行ったので、必要な個所、つまり、手指や使い捨てカイロの発する熱が外部へ逃げる経路となる部分にのみ赤外線反射加工を行うことが比較的容易かつ安価に行うことができ、保温性の高い手袋を安価に提供できるという効果を奏する。また、赤外線反射加工部のアルミプリント処理の被覆率を80%未満としたので、使い捨てカイロの発熱に必要な酸素の供給が妨げられることがなく、挿納した使い捨てカイロの発熱が良好となるという効果を奏する。
(3)指筒の先端部が閉じられているので、本考案に係る手袋の保温性がさらに高まるという効果を奏する。
(4)筒体の側面に、装用時に親指を突き出して手袋の外部に露出させることが可能とされた親指穴を備えているので、親指の動きを妨げられることなく細かい作業を行うことができるという効果を奏する。
また、親指穴を筒体の長手方向に沿って設けたスリットとしたので、意匠性に優れ、かつ、安価に製造が可能になるという効果を奏する。
(5)筒体の側面に、装用時に親指を挿入することが可能な親指筒を備えているので、装用時に親指の先端部分(おおむね第一指の第一関節より先端側の部分)を手袋の外部に露出しつつ、親指の胴部分(おおむね第一指の第一関節よりも根本側の部分)を親指筒で包むことになるので、細かい作業時の作業性と保温性の両立を図ることができるという効果を奏する。
使い捨てカイロ挿納部の開口部付近に使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタンを備えたので、使い捨てカイロ挿納部の開口部を開閉することができ、本考案に係る手袋の装用中に、使い捨てカイロ挿納部に挿納した使い捨てカイロが意図せず滑り出てしまうことを防止できるという効果を奏する。また、対になる使い捨てカイロ開口部スナップボタンを重ね合わせて押圧するのみで使い捨てカイロ挿納部の開口部を閉じることができ、強めに引きはがすだけで開口部を開くことのできる利便性の高い手袋とすることができるという効果を奏する。
(7)使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、筒体と指筒の境界近傍に対応する位置に一組の使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンを備えて使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることを可能としているので、使い捨てカイロ挿納部に挿納した使い捨てカイロが手を振ったりした場合の遠心力や歩行時の重力と振動などによって移動してしまうことがなくなるという効果を奏する。
また、使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンによって使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることとしたので、対になる使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンを重ねて押圧を加えるだけで篏合固定し、強めに引きはがすだけで篏合が解除される利便性の高い手袋とすることができるという効果を奏する。なお、面ファスナーのように意図しない箇所に対して張り付くような不便も生じないという利点もある。
(8)使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、装用時に手指に当接する側に使い捨てカイロ挿納部分離ボタンをそなえ、装用時に外部になる側に使い捨てカイロ挿納部分離ボタンホールを備えて、使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることを可能としているので、(6)と同様の効果が得られる。
また、技術的効果ではないが、伝統的なボタンに特有の優れた意匠性が得られることも利点である。
(9)指筒の先端付近と筒体の開口部付近に一組の指筒固定スナップボタンを備えたので、四指穴から四指を突き出した際に、指筒を折り返し、指筒の先端部を筒体の開口部付近と指筒固定スナップボタンによって固定することができる。これにより、指筒、及び、使い捨てカイロ挿納部の指筒に対応する位置に挿納された使い捨てカイロは装用者の手の甲に固定されて揺れ動くことはなくなり、細かい作業も支障なく行えるようになるという効果を奏する。
また、指筒の先端付近と筒体の開口部付近に設けられたスナップボタンを重ね合わせて押圧を加えるだけで篏合固定し、強めに引きはがすだけで篏合が解除されるため、利便性の高い手袋となる。
(10)指筒の略先端に指筒固定ループを備え、筒体の開口部付近に指筒固定ボタンを備えたので、四指穴から四指を突き出した際に、指筒を折り返し、指筒の先端部を筒体の開口部付近と指筒を、指筒固定ループを指筒固定ボタンに掛けることで固定することができる。これにより、(9)と同様の効果を奏する。また、指筒固定ループは紐又は紐状とした布のように極めて軽量かつ柔軟なもので実現できるので、敏感な指先に装用される指筒に設けても装用者に違和感をほぼ与えないという効果を奏する。
本考案の実施例の手の甲側を示した説明図である。 本考案の実施例の掌側を示した説明図である。 A-A’部の断面を示した説明図である。 B-B’部の断面を示した説明図である。 本考案に係る手袋を装用した状態を示した説明図である。 本考案に係る手袋を装用した状態を示した説明図である。 本考案に係る手袋の別の実施例を装用した状態を示した示した説明図である。 本考案に係る手袋の別の実施例を装用した状態を示した示した説明図である。 本考案に係る手袋の別の実施例を装用した状態を示した示した説明図である。 本考案に係る手袋の別の実施例の断面を示した説明図である。
以下、図面を用いて本考案の実施例について説明する。
図1は、本考案に係る手袋の一実施例の手の甲側から見た状態を示した説明図であり、図2は同手袋の掌側から見た状態を示した説明図である。また、該手袋の内部構造を明示するため、図3には図2中に示すのA-A’部における断面の説明図を、図4には図1中に示すB-B’部における断面の説明図を示した。さらに、本考案に係る手袋の特徴の理解を容易にするため、本手袋を四指に指筒を被せた状態で装用した状態を図5に、さらに、本手袋を四指に指筒を被せない状態で装用した状態を図6に示している。また、これらの説明図間では符号は共通としている。なお、図から明らかなとおり、これらは本考案に係る手袋の左手側を示したものである。
本手袋(1)は、主にポリエステル・ポリウレタン混紡糸による編成組織にて構成しており、手を差し入れることを可能とされた筒体(2)と、連結されており、四指を挿入可能とされた指筒(4)を備える。筒体(2)と指筒(4)の内部にはこれらを連通した細長い袋状の使い捨てカイロ挿納部(9)が設けられている。使い捨てカイロ挿納部(9)には、本手袋の装用者が手を差し入れる筒体開口部(3)と隣接して使い捨てカイロ挿納部開口部(10)が設けられており、ここから市販の使い捨てカイロを使い捨てカイロ挿納部(9)に挿納して手指の保温を図ることが出来る。なお、使い捨てカイロ挿納部(9)の奥深くに使い捨てカイロを挿納すると指を集中的に保温することが出来、浅めに使い捨てカイロを挿納すると手の甲部分を集中的に保温することが出来る。もちろん、2つの使い捨てカイロを挿納して指と手の甲を同時に保温することも可能である。
筒体(2)と指筒(4)の内面には、図3や図4にアルミプリント部(11)として表れているとおり、アルミプリントを行っている。アルミプリントは、金属光沢面が赤外線を反射する性質を利用して放射による熱伝導を遮断する赤外線反射加工の一種で、アルミニウム微粉末を分散した塗料を印刷することでその部分の熱抵抗を高くすることが出来るものである。本考案に係る手袋では、手指や使い捨てカイロ挿納部に挿納した使い捨てカイロの発する熱が外部に逃げることを防ぐ一方、使い捨てカイロが発する熱の手指への伝導は妨げないことが必要であるので、アルミプリント部(11)は手袋の最外面を構成する編成組織の内面に施しており、使い捨てカイロ挿納部(9)のうち手指の仕切りにあたる部分については施していない。また、使い捨てカイロは発熱に酸素を必要とするが、空気の透過性が劣るアルミプリント部の影響で使い捨てカイロの発熱が停止することが無いよう、アルミプリント部は被覆率80%未満のドット印刷として十分な酸素の供給がなされるようにされている。
筒体(2)には親指穴(8)が設けられ、ここから手袋外部に親指を突き出して手袋を装用する。本実施例では親指穴(8)は、筒体(2)の長手方向に沿って設けたスリットとして構成している。
筒体(2)と指筒(4)の境界付近の掌側には四指穴(6)が設けられ、ここから手袋外部に四指を突き出して手袋を装用することが出来る。細かい作業をする際にはこの状態で素手での作業を行うことができ、通常時は四指を指筒(4)に挿入して保温を図るのである。なお、本実施例では四指穴(6)は、筒体(2)と指筒(4)の境界付近に設けたスリットとして構成している。
本手袋の手の甲側にあたる面のうち、筒体(2)と指筒(4)の連結部付近には使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタン(12)が設けられている。図4に表れているとおり、使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタン(12)は使い捨てカイロ挿納部(9)の内側で勘合するように一組が取り付けられており、これを篏合させることで使い捨てカイロ挿納部(9)が筒体側と指筒側に分離される。これにより、使い捨てカイロ挿納部(9)に挿納した使い捨てカイロが移動してしまうことが防止される。なお、スナップボタンであるので、対になる使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンを重ね合わせて押圧を加えるだけで勘合し、強めに引くだけで勘合が解除されるため、使い勝手は頗る良好である。
本手袋の手の甲側にあたる面のうち、指筒(4)の先端部付近及び筒体(2)の筒体開口部(3)付近には一対の指筒固定スナップボタン(13)が設けられている。四指穴(6)から四指を突き出して本手袋を装用する際には、指筒(4)を手首側に折り返して、指筒固定スナップボタン(13)を篏合させると、指筒(4)が筒体(2)と一体に固定され、揺れ動くこともなくなるので細かい作業の障害になることもない。ナップボタンであるので、容易に勘合及び解除できることは、使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンの場合と同様である。
本実施例に係る手袋を装用した状態の説明図である図5に示す通り、本実施例に係る手袋は通常時には、四指は指筒(4)に挿入されて保温が図られ、同図には表れていないが使い捨てカイロ2つが使い捨てカイロ挿納部の指筒(4)と筒体(2)に対応する箇所にそれぞれ挿納され、これらの間は使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタン(12)にて分離され、親指は親指穴(8)から突き出した状態で装用される。
本実施例に係る手袋を装用した状態の説明図である図6に示す通り、細かい作業を行う際には四指穴(6)から四指を突き出し、指筒(4)は折り返して筒体(2)に固定して使用される。指筒(4)の固定は、同図には表れていないが指筒固定スナップボタン(13)を使用して行う。
図7は、本考案に係る手袋の別の一実施例を、四指に指筒を被せた状態で装用した状態を示した説明図である。本実施例は、多くの構成が実施例1と共通であるため、実施例1と差異がある点について主に説明する。
本実施例においては、指筒(4)の先端部が閉じられておらず、指筒開口部(5)として開放されている。指筒開口部(5)は、本実施例に係る手袋(1)を装用した場合に装用者の指先(概ね四指の第一関節よりも先端側)が露出するように設定されており、指筒(4)によって四指を保温しつつ、一定程度細かい作業を行うことも可能とされている。
なお、より緻密な作業をする際には、同図には表示されていない四指穴(6)から四指を突き出し、四指の全体を露出した状態で行うことが出来る。この際、指筒(4)を折り返して、指筒固定スナップボタン(13)によって筒体(2)に固定することが出来ることは実施例1の場合と同様である。
また、筒体(2)には親指筒(7)を備え、親指の胴部(概ね第一関節よりも根本側)の保温を図ることが可能とされている。親指筒(7)は先端部が親指穴(8)として開放されており、親指の先(概ね第一関節よりも先端側)が露出するように設定されており、親指筒(7)によって親指を保温しつつ、一定程度細かい作業を行うことが可能とされている。
本実施例のその他の構成、例えば、使い捨てカイロ挿納部やアルミプリント部の構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
図8は、本考案に係る手袋の別の一実施例を、四指に指筒を被せた状態で装用した状態を示した説明図であり、図9は本手袋を四指に指筒をかぶせない状態で装用した状態を示した説明図である。また、本実施例に係る手袋の内部構造を明示するため、図10には本手袋の断面の説明図を示した。切断面は図中には明示されないが、実施例1におけるB-B’部と同様の断面を示している。本実施例は、多くの構成が実施例1と共通であるため、実施例1と差異がある点について主に説明する。
本手袋(1)において、指筒(4)の先端部に指筒固定ループ(15)が設けられ、筒体の装用時に手の甲側に対応する面の開口部付近に指筒固定ボタン(16)が設けられている。指筒固定ループ(15)は弾性のあるゴム紐で構成している。図8に示すように、指筒を四指に被せて装用している際には、指筒固定ループ(15)は指筒(4)の先端に設けられたごく小さく軽いゴム紐にすぎず、装用者に違和感を与えることはない。つぎに、図9に示すように、指筒を四指に被せずに装用する際には、指筒(4)を四指穴(6)付近で折り返し、指筒固定ループ(15)を指筒固定ボタン(16)に掛けることで固定する。指筒固定ループ(15)は弾性あるゴム紐で構成されるので、いったん指筒固定ボタン(16)に掛けると収縮して容易には外れることがない。
また、図10に現れている通り、使い捨てカイロ挿納部(9)の使い捨てカイロ挿納部開口部(10)付近に、一組の使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタン(14)を設けている。これにより、使い捨てカイロ挿納部(9)に使い捨てカイロを挿納したのちに使い捨てカイロ挿納部開口部(10)を閉じることができ、装用中に使い捨てカイロが滑り出るという懸念は解消する。
ところで、本実施例においては、使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンは省略した。使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタン(14)を閉じると、使い捨てカイロ挿納部(9)にある程度の張力が掛かるため、使い捨てカイロ外装との摩擦によって容易には使い捨てカイロが移動してしまうことがないからである。もっとも、必要に応じて使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタンを備えることは何ら妨げるものではない。
本実施例のその他の構成、例えば、使い捨てカイロ挿納部やアルミプリント部の構成は、実施例1と同様であり、親指筒の構成は実施例2と同様であるので説明を省略する。
以上説明した通り、本考案は、使い捨てカイロを挿納することで比較的薄くても手指や甲部の保温を図ることができ、使い捨てカイロの出し入れも容易で、必要な際には四指を容易に開放して効率良く細かい作業を行うことが可能な手袋を提供するものであり、その産業上の利用可能性は頗る高い。
1 手袋
2 筒体
3 筒体開口部
4 指筒
5 指筒開口部
6 四指穴
7 親指筒
8 親指穴
9 使い捨てカイロ挿納部
10 使い捨てカイロ挿納部開口部
11 アルミプリント部
12 使い捨てカイロ挿納部分離スナップボタン
13 指筒固定スナップボタン
14 使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタン
15 指筒固定ループ
16 指筒固定ボタン

Claims (10)

  1. 手を挿入可能とされた筒体と、
    該筒体の先端部に延設され四指を挿入可能とされた指筒と、
    該筒体と該指筒の内面のうち、装用時に手の甲側に当接する面に、使い捨てカイロを挿納可能とされた使い捨てカイロ挿納部を備え、
    該筒体と該指筒の境界付近の装用時に掌側に当接する面に、四指を突き出すことが可能とされた四指穴を備えている、
    ことを特徴とする、手袋。
  2. 前記筒体及び前記指筒の内面の、少なくとも一部には赤外線反射加工が施されている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の手袋。
  3. 前記指筒の先端部が閉じられている、
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の手袋。
  4. 前記筒体の側面に、装用時に親指を突き出すことが可能とされた親指穴を備えている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の手袋。
  5. 前記筒体の側面に、装用時に親指を挿入することが可能な親指筒を備えている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の手袋。
  6. 前記使い捨てカイロ挿納部の開口部付近に一組の使い捨てカイロ挿納部開口部スナップボタンを備えている、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の手袋。
  7. 前記使い捨てカイロ挿納部の内面のうち、前記筒体と前記指筒の境界近傍に対応する位置に少なくとも一組のスナップボタンを備え、該使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることが可能とされている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の手袋。
  8. 前記使い捨てカイロ挿納部の内面であって、前記筒体と前記指筒の境界近傍に対応する位置のうち、装用時に手指に当接する側にボタンを備え、装用時に外部になる側にボタンホールを備え、該使い捨てカイロ挿納部を先端側と開口部側に区切ることが可能とされている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の手袋。
  9. 前記指筒の先端付近と前記筒体の開口部付近に少なくとも一組のスナップボタンを備え、該指筒を該筒体の開口部付近で折り返して該筒体の開口部付近に固定することが可能とされている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の手袋。
  10. 前記指筒の略先端に指筒固定ループを備え、
    前記筒体の外面のうち、装用時に手の甲側に対応する側の開口部付近に指筒固定ボタンを備え、
    前記指筒を該筒体の開口部付近で折り返して該該指筒固定ループを該指筒固定ボタンに掛けて固定することが可能とされている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の手袋。
JP2022002123U 2022-06-25 2022-06-25 手袋 Active JP3239222U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022002123U JP3239222U (ja) 2022-06-25 2022-06-25 手袋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022002123U JP3239222U (ja) 2022-06-25 2022-06-25 手袋

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3239222U true JP3239222U (ja) 2022-09-27

Family

ID=83398831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022002123U Active JP3239222U (ja) 2022-06-25 2022-06-25 手袋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3239222U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10499695B2 (en) Transformable clothing
US5444874A (en) Easy access hand covering
US6253381B1 (en) Wearing apparel with mittens or gloves in the sleeves
US2603790A (en) Hand covering
US9009865B2 (en) Cuff with positionable tab
US20140250565A1 (en) Transformable glove
US20160128400A1 (en) Cold Weather Gloves and Mittens
US20120066812A1 (en) Combination garment including hat, scarf and gloves
US4330887A (en) Terry cloth gloves (terry grippers)
US20120144544A1 (en) Garment used for skateboard riding
US8856965B1 (en) Shirt system with sealed glove and sleeve
US20140352043A1 (en) Bed bug protective garment
US20100325776A1 (en) Hand-Covering Garment
US20220175067A1 (en) Hybrid mitten-glove with index finger sheath
US20130185842A1 (en) Infant Hand and Forearm Mittens
US5515547A (en) Mitten-glove combination for the hands
US9220307B2 (en) Dual-use handcovering for protecting the hand of wearer from the atmospheric conditions in the surrounding environment
JP3239222U (ja) 手袋
US20120204318A1 (en) Personal apparel garment particularly for health conscious three-finger-glove hand cover prophylactics
JP3244053U (ja) 手袋
US20190142084A1 (en) Modular Sanitation Outfit
KR20130109637A (ko) 방한 장갑
JP2021172925A (ja) 介護用上着
JP4324739B2 (ja) スポーツ用首巻き
JP3094773U (ja) ゴルフ手袋

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3239222

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150