JP2021025153A - アームカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】アームカバーで覆われている部位の一部を積極的に冷却したり加熱したりし得るアームカバーを提供する。【解決手段】実施形態のアームカバー10では、着用者の前腕を手根まで筒状に覆う腕スリーブ11の他端部には、着用者の手背や手掌を覆う手スリーブ13が接続されており、手スリーブ13には着用者の中指95を挿通可能な環状の指ループ16が接続されている。そして、手スリーブ13は、指ループ16の接続部に開口するポケット18を内部に有する。つまり、指ループ16の接続部に開口するポケット18が着用者の手背や手掌を覆う手スリーブ13に内蔵されている。これにより、例えば、このポケット18に冷凍済みの保冷剤20や使い捨てタイプのカイロを収容することが可能になる。したがって、アームカバー10で覆われている部位の一部として着用者の手背部分や手掌部分を冷却したり加熱したりすることができる。【選択図】図4
Description
本発明は、着用者の前腕や手を覆うアームカバーに関するものである。
着用者の前腕や手を覆うアームカバーとして、例えば下記特許文献1に開示されるものがある。このアームカバーは、使用者の上腕部から手甲部までを覆う筒状であり、上腕部側に収納部を設け、その収納部に補強材を収納する。このように構成することで、収納部側が使用者の上腕の裏側に来るようにアームカバーを着用すると、収納部側に収納された補強材が上腕部側をずれ落ちにくくする。そのため、アームカバーの上腕部端部がずれ落ちることなく使用することが可能になり、また腕への締め付けもないことから長時間使用することもできる。
ところで、ランニング時にアームカバーを着用するランナーが近年増加している。紫外線による日焼けを防ぐことに加えて、上腕や前腕がアームカバーの着圧により適度に圧迫されることから、ランニング時の腕の振りによる筋肉の揺れが抑制されて腕の疲労が軽減され得ることが一因とされている。その反面、典型的なアームカバーは、着用者の上腕や前腕から手根(手首)までを筒状に覆うタイプのものが多いため、保温には適しているものの、積極的な冷却には不向きである。
このため、上記特許文献1のアームカバーでは、上腕や前腕を含めてアームカバーで覆われている部位の一部を積極的に冷却しようとしても難しい。このような部位の一部は、例えば血管の多い部位であり、そこを冷やすことによって血液を介して体温の低下を促し得るというニーズに応えることが可能となる。
また、上記特許文献1のアームカバーでは、アームカバーで覆われている部位の保温はできても発熱機能は備えていない。そのため、例えば、寒冷期等においては、アームカバーで覆われている部位を暖めたいというニーズもあり得るものの、そのような場合に保温を超えるような積極的な加熱までは行うことができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、アームカバーで覆われている部位の一部を積極的に冷却したり加熱したりし得るアームカバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1発明のアームカバーは、着用者の前腕を手根まで筒状に覆う前腕カバー部と、前記前腕カバー部の手根側に接続されて前記着用者の手背を覆う手カバー部と、前記着用者の指を挿通可能であって前記手カバー部に接続される環状のループ部と、を備え、前記手カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有することを特徴とするものである。
このようなアームカバーによれば、着用者の前腕を手根まで筒状に覆う前腕カバー部の手根側には、着用者の手背を覆う手カバー部が接続されており、この手カバー部には着用者の指を挿通可能な環状のループ部が接続されている。そして、手カバー部は、ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する。つまり、ループ部の接続部や接続部付近に開口する袋体が着用者の手背を覆う手カバー部に内蔵されている。これにより、例えば、この袋体に冷凍済みの保冷剤、吸熱剤や放熱材等の冷却体、または使い捨てタイプや再利用タイプのカイロ等の発熱体を収容することが可能になる。
また、上記目的を達成するため、第2発明のアームカバーは、着用者の前腕を手根まで筒状に覆う前腕カバー部と、前記前腕カバー部の手根側に接続されて前記着用者の手掌を覆う手カバー部と、前記着用者の指を挿通可能であって前記手カバー部に接続される環状のループ部と、を備え、前記手カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有することを特徴とするものである。
このようなアームカバーによれば、着用者の前腕を手根まで筒状に覆う前腕カバー部の手根側には、着用者の手掌を覆う手カバー部が接続されており、この手カバー部には着用者の指を挿通可能な環状のループ部が接続されている。そして、手カバー部は、ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する。つまり、ループ部の接続部や接続部付近に開口する袋体が着用者の手掌を覆う手カバー部に内蔵されている。これにより、例えば、この袋体に冷凍済みの保冷剤、吸熱剤や放熱材等の冷却体、または使い捨てタイプや再利用タイプのカイロ等の発熱体を収容することが可能になる。
さらに、第3発明のアームカバーは、請求項1又は2に記載のアームカバーにおいて、前記袋体は、前記手カバー部の内布と外布を有し、前記ループ部は、一端側が前記袋体の開口部分の前記外布に接続され、他端側が前記袋体の開口部分の前記内布に接続されることを特徴とするものである。これにより、ループ部に通された着用者の指によって、袋体の外布及び内布は両布が重なるようにして指元方向に引っ張られることから、袋体の開口を塞ぐことが可能となる。
本発明のアームカバーによると、手カバー部が袋体を有するため、この袋体に、冷凍済みの保冷剤、吸熱剤や放熱材等の冷却体、または使い捨てタイプや再利用タイプのカイロ等の発熱体を収容することが可能となる。したがって、アームカバーで覆われている部位の一部として着用者の手背部分や手掌部分を積極的に冷却したり加熱したりすることができる。また、ループ部に通された着用者の指によって、袋体の外布及び内布は両布が重なるようにして指元方向に引っ張られることから、袋体の開口を塞ぐことが可能となる。したがって、袋体に収容された保冷剤等を開口から外部に出にくくすることができる。
次に、本発明のアームカバーの一実施形態を各図を用いて説明する。まず、図1〜図3を参照して本実施形態のアームカバー10の構成について説明する。これらの図に示すように、アームカバー10は、主に、腕スリーブ11、手スリーブ13及び指ループ16により構成されており、これらは、例えば、伸縮性に優れたポリウレタン繊維や速乾機能を有するポリエステル繊維等からなる布地を縫製したものである。
腕スリーブ11は、使用者(以下「着用者」という)の上腕(肘から肩に近い側の腕)及び前腕(肘から手93に近い側の腕)91を手根(手首)92まで筒状に包むように覆い得る形状に縫製された筒状部であり、例えば、長さが約30cmに設定されている。また幅は、腕スリーブ11を平らな面に置いた状態(以下「平面載置状態」という)においては、肩側の一端部11aが約10cmに設定され、手根92側の他端部11bは約9.5cmに設定されている。つまり、腕スリーブ11は、一端部11aから他端部11bに向けてやや先細の筒状に形成されている。以下、単に「幅」と表現した場合には対象物(対象部分)の平面載置状態の幅をいう。
腕スリーブ11の一端部11aには、ゴム編み部12が設けられている。ゴム編み部12は、筒状の周方向の伸縮性を向上させて上腕に対する締付力を高めた部分であり、リブと呼ばれる場合もある。本実施形態では、ゴム編み部12は、例えば、腕スリーブ11の長さの約10分の1(約3cm)に設定されている。ゴム編み部12により、着用者の上腕において、腕スリーブ11の上端側が肘の方向に位置ズレ(ずり落ち)を起こしにくくしている。
手スリーブ13は、少なくとも着用者の手背(手の甲)93aを覆い得るものであり、本実施形態では、着用者の手背93aに加えて手掌93bも覆い得る筒状に構成されている。即ち、手スリーブ13の一端部13aは、腕スリーブ11の他端部11bに縫着(接続)され、他端部13bは、指を出せるように開口している。本実施形態では、手スリーブ13の一方の側部には、母指(親指、第一指)94を出し得る親指ホール19が設けられている。これにより、親指ホール19からは母指94を出し、手スリーブ13の他端部13bからは示指(人差し指、第二指)、中指(第三指)95、薬指(第四指)及び小指(第五指)を出せるようにしている。
本実施形態では、手スリーブ13は、1枚の筒状の布を半分に折り返して内部に環状の空間が形成されるように両端部を腕スリーブ11の他端部11bに縫合している。そして、腕スリーブ11との縫合部分である一端部13aの幅が、折り返し部分である他端部13bの幅よりも少し小さくなるように設定されている。つまり、手スリーブ13は平面載置状態で台形状を有するように構成されている。本実施形態では、例えば、一端部13aが約8cm、他端部13bが約10cmになるように、一端部13aだけにギャザー寄せ部分を設けて幅を小さくしている。これにより、着用者の手根92の部分に緩やかな締め付け感を生じさせている。
手スリーブ13には、半分に折り返されて両端が縫合されることによって外布14と内布15とにより形成される環状の空間が存在する。本実施形態では、この空間は、手スリーブ13の幅方向ほぼ中央において開口してポケット18として機能する。即ち、手スリーブ13は、外布14と内布15とから構成されて内部にポケット18を有すると共に、ポケット18と連通する開口部17を幅方向ほぼ中央に有する。本実施形態では、ポケット18は、例えば、幅が約9cmであり、奥行きが約8cmである。また、開口部17は、例えば、約4cmの開口幅を有する。
指ループ16は、両端部が幅広に形成されている帯状布であり、一端部16aが開口部17付近の外布14に、また他端部16bが開口部17付近の内布15に、それぞれ縫着(接続)されている。つまり、指ループ16は、開口部17の上下の手スリーブ13の布14,15にそれぞれ縫い付けられて、例えば、着用者の中指95が挿通可能な環状に構成されている。本実施形態では、例えば、一端部16aから他端部16bまでの長さは、約9cmに設定されている。
指ループ16の両端部16a,16bは、ポケット18の開口部17を構成する外布14と内布15にそれぞれ接続されているため、一端部16aと他端部16bを両者が離れる方向に引っ張ることによって、ポケット18の開口部17を大きく開けることが可能になる。本実施形態では、ポケット18には、図3(B)や(C)に示すように、例えば、保冷剤20や氷を収容することができる。
保冷剤20は、例えば、主に、水、高吸水性樹脂、防腐剤等により構成されており、蓄冷剤と呼ばれる場合もある。保冷剤20は、常温状態では保冷効果はないため、冷凍庫等により凍らせた後に使用される。つまり、冷凍されたものが使用される。本実施形態では、図4に示すように、保冷剤20は、短手方向長さが開口部17の開口幅よりも小さく長手方向長さがポケット18の奥行きよりも小さい短冊形状のものを3本使用する。
このように構成されるアームカバー10は、例えば、図4に示すように着用者の手背93aを手スリーブ13が覆うように、また親指ホール19から母指94が出るように着用される。指ループ16の一端部16aと他端部16bが離れる方向に引っ張ると開口部17を大きく開けることができるため、ポケット18に保冷剤20等が収容されていない場合には、そのようにして開口部17を開けて保冷剤20等をポケット18内に入れる。
本実施形態では、前述したように、開口部17の開口幅が約4cmであり、ポケット18の幅が約9cm、奥行きが約8cmである。そのため、保冷剤20は、冷凍後のサイズが、例えば、短手方向長さが約3cm、長手方向長さが約7cm、厚さが約1cm、のものを3本使用する。指ループ16は、外布14と内布15に縫着されているため、90度捻ることにより中指95を通すことが可能になる。指ループ16は、中指95の付け根(指元)付近に達するまで挿通させる。
また、指ループ16は、両端部が幅広に形成されており、開口部17の外布14との縫着部(接続部)の縫着幅(接続幅)は、開口部17の開口幅と略同じ約4cmとされている。同様に、開口部17の内布15との縫着部(接続部)の縫着幅(接続幅)は、開口部17の開口幅と略同じ約4cmとされている。また、開口部17の外布14との縫着部(接続部)、及び、開口部17の内布15との縫着部(接続部)は、何れも開口部17の一端部から他端部に亘って縫着部(接続部)が形成されている。即ち、開口部17の開口幅の略全てに亘って縫着部(接続部)が形成されている。
これにより、指ループ16に通された着用者の中指95によって、ポケット18の外布14及び内布15は両布が重なるようにして中指95の指元方向に引っ張る際に、ポケット18の開口部17をより確実に塞ぐことが可能となる。したがって、ポケット18に収容された保冷剤20等が開口部17から外部に出にくくなるので、着用者がランニング等において腕を前後に大きく振るような動作をした場合においても、ポケット18から保冷剤20等が外部に飛び出すことを防止することができる。
これにより、指ループ16に通された中指95によって、ポケット18の開口部17付近の外布14と内布15が重なるようにして指ループ16を介して中指95の指元方向に引っ張られることから、ポケット18の開口部17を塞ぐことが可能となる。そのため、例えば、着用者がランニング時に腕を前後に大きく振ったり、運動時に腕を上下や左右に大きく振ったりしても、ポケット18内の保冷剤20等が開口部17から外に飛び出てしまうのを防ぐことが可能になるので、着用者の手背93a部分を冷却することができる。
尚、手背93aや手掌93bを冷却することは、夏期(温暖期)のランニングやマラソン等の運動時における熱中症対策として非常に有効であることが実証されている。そのため、本実施形態のアームカバー10による手背93aの積極的な冷却は、夏期(温暖期)の熱中症対策に最適であり、また後で図5を参照して説明するように、アームカバー10による手掌93bの積極的な冷却も熱中症対策に極めて有効である。
また、本実施形態のアームカバー10は、ポケット18の開口部17を閉じる構造が中指95を通す指ループ16だけであり、例えば、面ファスナー、線ファスナーやスナップボタン等を使用しない。そのため、面ファスナー、線ファスナーやスナップボタン等を使用した場合に比べると、開閉時の使い勝手が非常に良好である。そのため、例えば、ポケット18内の保冷剤20等の冷却効果が低下した場合に新たな保冷剤20を交換する際にも、着用者が容易に交換作業を行うことができる。
また、指ループ16は、腕スリーブ11や手スリーブ13と同様の素材(布地)を使用して構成されるため、面ファスナー、線ファスナーやスナップボタン等を使用した場合に比べて洗濯やクリーニングの際にも破損するおそれも少ない。
尚、図2(A)に示すように、ポケット18は、環状の空間を矩形状に仕切る縫合部18aを手スリーブ13の幅方向両側に設けてもよい。これにより、ポケット18は、手スリーブ13の幅方向両側で縫合部18aによって閉じられるため、ポケット18に収容された保冷剤20等が手スリーブ13の幅方向に移動する範囲を規制することが可能になる。したがって、ポケット18内の保冷剤20等を適切な部位に留めることが可能となるので、着用者の手背93a部分を一層効果的に冷却することができる。縫合部18aは、同図においては図面表現上の便宜から一点鎖線により表されている。
以上説明したように本実施形態のアームカバー10では、着用者の前腕91を手根92まで筒状に覆う腕スリーブ11の他端部11bには、着用者の手背93aを覆う手スリーブ13が接続されており、この手スリーブ13には着用者の中指95を挿通可能な環状の指ループ16が接続されている。そして、手スリーブ13は、指ループ16の接続部又は接続部付近に開口するポケット18を内部に有する。つまり、指ループ16の接続部や接続部付近に開口するポケット18が着用者の手背93aを覆う手スリーブ13に内蔵されている。これにより、例えば、このポケット18に冷却済みの保冷剤20を収容することが可能になる。したがって、アームカバー10で覆われている部位の一部として着用者の手背93a部分を冷却することができる。
また、本実施形態のアームカバー10では、ポケット18は、手スリーブ13の外布14と内布15を有し、指ループ16は、一端部16aがポケット18の開口部17付近の外布14に接続され、他端部16bがポケット18の開口部17付近の内布15に接続されている。これにより、指ループ16に通された着用者の中指95によって、ポケット18の外布14及び内布15は両布が重なるようにして中指95の指元方向に引っ張られることから、ポケット18の開口部17を塞ぐことが可能となる。したがって、ポケット18に収容された保冷剤20等が開口部17から外部に出にくくなるので、着用者がランニング等において腕を前後に大きく振るような動作をした場合においても、ポケット18から保冷剤20等が外部に飛び出すことを防止することができる。
尚、アームカバー10を、図5に示すように着用してもよい。即ち、手スリーブ13が着用者の手掌を覆うように着用してもよい。この場合には、親指ホール19の位置が左右逆になることから、例えば、右手用のアームカバー10は左手用のアームカバー10になり、左手用のアームカバー10は右手用のアームカバー10になる。このようにアームカバー10を着用した場合には、指ループ16の接続部や接続部付近に開口するポケット18が着用者の手掌93bを覆う手スリーブ13に内蔵されているので、ポケット18に冷却済みの保冷剤20を収容することが可能になる。したがって、アームカバー10で覆われている部位の一部として着用者の手掌93b部分を冷却することができる。
また、このようにアームカバー10を手掌用に着用した場合においても、指ループ16に通された着用者の中指95によって、ポケット18の外布14及び内布15は両布が重なるようにして中指95の指元方向に引っ張られることから、ポケット18の開口部17を塞ぐことが可能となる。したがって、ポケット18に収容された保冷剤20等が開口部17から外部に出にくくなるので、着用者がランニング等において腕を前後に大きく振るような動作をした場合においても、ポケット18から保冷剤20等が外部に飛び出すことを防止することができる。
また、図示していないが、例えば、内布15の内側(ポケット18内側)に幅広の熱伝導シートや金属箔テープを貼付したり縫合したりしてもよい。これにより、内布15と保冷剤20の間に介在する熱伝導シート等が手背93aや手掌93bにフィットすることによって手背93a等と保冷剤20等との間の熱伝達効率が向上するため、保冷剤20等による冷却効果を高めることが可能になる。
尚、上述した実施形態では、腕スリーブ11が着用者の上腕及び前腕91を覆うことが可能に構成したが、前腕91だけを覆うように構成してもよい。この場合には、腕スリーブ11の長さは、例えば約15cmに設定される。これにより、必要となる布地が少なくて済むので製品コストを低減することが可能になる。
また、上述の実施形態では、手スリーブ13が着用者の手の手背93a及び手掌93bを覆うことが可能な筒形状に構成したが、本発明ではこのような構成に限られることはなく、内部にポケット18(袋体)を有する構成であれば、例えば、手甲のように手背93aだけを覆うように構成してもよい。この場合にも、必要となる布地が少なくて済むので製品コストを低減することが可能になる。
さらに、上述の実施形態では、着用者の中指95を指ループ16に通し得る構成を例示して説明したが、本発明ではこのような構成に限られることはなく、着用者の指であれば、例えば、中指95以外の指(母指、示指、薬指、小指)を指ループ16に通し得るように構成してもよい。この場合にも、指元方向に指ループ16が引っ張られるため、ポケット18の開口部17を塞ぐことが可能となり、ポケット18内の収容物の飛び出しを防ぐことができる。
さらにまた、上述の実施形態では、ポケット18に収容する物として、冷凍済みの保冷剤20を例示したが、本発明では保冷剤20に限られることはなく、例えば、吸熱剤や放熱材等の冷却体や水を所定の形状に冷凍した氷でもよいし、使い捨てタイプや再利用タイプのカイロ等の発熱体でもよい。これにより、夏場等の温暖期においては、アームカバー10で覆われている部位の一部として着用者の手背93a部分や手掌93b部分を積極的に冷却することができ、また冬場等の寒冷期においては、アームカバー10で覆われている部位の一部として着用者の手背93a部分や手掌93b部分を積極的に加熱することができる。
また、上述の実施形態では、開口部17の開口幅と、指ループ16の縫着部(接続部)の縫着幅(接続幅)とを、略同じ幅としたが、このような態様に限られることはなく、開口部17の開口幅と、指ループ16の縫着部(接続部)の縫着幅(接続幅)とが、異なってもよい。例えば、指ループ16の縫着幅(接続幅)が開口部17の開口幅よりも大きくてもよい。この場合、開口部17は縫着部の内側の範囲内に形成されることが望ましい。これにより、ポケット18に収容された収容物が開口部17から外部により確実に飛び出しにくくなる。また、例えば、開口部17の開口幅が指ループ16の縫着幅(接続幅)よりも大きくてもよい。しかしながら、開口部17の開口幅の方が過剰に大きいと、ポケット18に収容された収容物が開口部17から外部に飛び出す可能性がある。そのため、縫着部の端部からはみ出す部分の開口部17の開口幅は、ポケット18に収容する収容物の幅よりも小さく形成する。また、開口部17の開口幅の方が大きい場合、指ループ16の縫着部は開口部の略中心位置にくるように設けるのが好適である。これにより、縫着部の両端部よりはみ出す開口部17の開口幅を極力小さくし、ポケット18に収容された収容物が開口部17から外部に飛び出す可能性を低減できる。
また、開口部17の外布14と指ループ16の縫着部の縫着幅を、開口部17の内布15と指ループ16の縫着部の縫着幅よりも大きくしてもよい。外布14との縫着部の縫着幅を、開口部17の開口幅と略同じ幅とすれば、内布15との縫着部の縫着幅が開口部17の開口幅よりも小さくとも、ポケット18に収容された収容物が開口部17から外部に飛び出すことを防止することができる。
また、上述の実施形態では、アームカバー10の手スリーブ13が着用者の手背を覆うように着用してもよいし、右手のアームカバー10を左手のアームカバー10とし、左手のアームカバー10を右手のアームカバー10として着用することで、図5に示すように、アームカバー10の手スリーブ13が着用者の手掌を覆うように着用することができることを説明した。このように、手スリーブ13が着用者の手背を覆うように着用するか、手掌を覆うように着用するかを選択する際に、右手のアームカバーと、左手のアームカバー10とを交換する態様だけでなく、他の態様を採用することもできる。
すなわち、上述したアームカバー10は、アームカバー10の全体を裏返すことでも使用可能なリバーシブルアームカバーとされている。右手のアームカバー10の手スリーブ13が着用者の手背を覆うように着用してもよいし、当該右手のアームカバー10を裏返して着用することで、当該右手のアームカバー10の手スリーブ13が手掌を覆うように着用することができる。左手のアームカバー10についても同様である。このようなリバーシブルアームカバーとすることで、左右のアームカバー10を、右手は手スリーブ13が手掌を覆い左手は手スリーブ13が手背を覆うように着用したり、右手は手スリーブ13が手背を覆い左手は手スリーブ13が手掌を覆うように着用したり、右手・左手ともに手スリーブ13が手背を覆うように着用したり、右手・左手ともに手スリーブ13が手掌を覆うように着用したりすることができる。これにより、着用者の好みに応じて、手背や手掌を適切に冷却又は保温することが可能となる。
尚、上述のアームカバー10を、腕ではなく、下腿から足根(足首)に装着した場合には足背(足の甲)や足底(足の裏)に対して、上記のように積極的に冷却したり加熱したりすることができる。即ち、上述のアームカバー10を下腿から足根に装着する場合における構成を技術的思想の創作として把握すると、次の[他の発明1]〜[他の発明3]として表現することができる。
[他の発明1]
着用者の下腿を足根まで筒状に覆う下腿カバー部と、
前記下腿カバー部の足根側に接続されて前記着用者の足背を覆う足カバー部と、
前記着用者の趾を挿通可能であって前記足カバー部に接続される環状のループ部と、
を備え、
前記足カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する、ことを特徴とするレグカバー。
[他の発明2]
着用者の下腿を足根まで筒状に覆う下腿カバー部と、
前記下腿カバー部の足根側に接続されて前記着用者の足底を覆う足カバー部と、
前記着用者の趾を挿通可能であって前記足カバー部に接続される環状のループ部と、
を備え、
前記足カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する、ことを特徴とするレグカバー。
[他の発明3]
前記他の発明1又は他の発明2において、
前記袋体は、前記足カバー部の内布と外布を有し、
前記ループ部は、一端側が前記袋体の開口部分の前記外布に接続され、他端側が前記袋体の開口部分の前記内布に接続される、ことを特徴とするレグカバー。
着用者の下腿を足根まで筒状に覆う下腿カバー部と、
前記下腿カバー部の足根側に接続されて前記着用者の足背を覆う足カバー部と、
前記着用者の趾を挿通可能であって前記足カバー部に接続される環状のループ部と、
を備え、
前記足カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する、ことを特徴とするレグカバー。
[他の発明2]
着用者の下腿を足根まで筒状に覆う下腿カバー部と、
前記下腿カバー部の足根側に接続されて前記着用者の足底を覆う足カバー部と、
前記着用者の趾を挿通可能であって前記足カバー部に接続される環状のループ部と、
を備え、
前記足カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する、ことを特徴とするレグカバー。
[他の発明3]
前記他の発明1又は他の発明2において、
前記袋体は、前記足カバー部の内布と外布を有し、
前記ループ部は、一端側が前記袋体の開口部分の前記外布に接続され、他端側が前記袋体の開口部分の前記内布に接続される、ことを特徴とするレグカバー。
上記他の発明1では、着用者の下腿を足根まで筒状に覆う下腿カバー部(腕スリーブ11)の足根側(他端部11b)には、着用者の足背を覆う足カバー部(手スリーブ13)が接続されており、この足カバー部(手スリーブ13)には着用者の趾を挿通可能な環状のループ部(指ループ16)が接続されている。そして、足カバー部(手スリーブ13)は、ループ部(指ループ16)の接続部又は接続部付近に開口する袋体(ポケット18)を内部に有する。つまり、ループ部(指ループ16)の接続部や接続部付近に開口する袋体(ポケット18)が着用者の足背を覆う足カバー部(手スリーブ13)に内蔵されている。これにより、例えば、この袋体(ポケット18)に冷凍済みの保冷剤(保冷剤20)、吸熱剤や放熱材等の冷却体、または使い捨てタイプや再利用タイプのカイロ等の発熱体を収容することが可能になる。したがって、レグカバーで覆われている部位の一部として着用者の足背部分を積極的に冷却したり加熱したりすることができる。
上記他の発明2では、着用者の下腿を足根まで筒状に覆う下腿カバー部(腕スリーブ11)の足根側(他端部11b)には、着用者の足底を覆う足カバー部(手スリーブ13)が接続されており、この足カバー部(手スリーブ13)には着用者の趾を挿通可能な環状のループ部(指ループ16)が接続されている。そして、足カバー部(手スリーブ13)は、ループ部(指ループ16)の接続部又は接続部付近に開口する袋体(ポケット18)を内部に有する。つまり、ループ部(指ループ16)の接続部や接続部付近に開口する袋体(ポケット18)が着用者の足底を覆う足カバー部(手スリーブ13)に内蔵されている。これにより、例えば、この袋体(ポケット18)に冷凍済みの保冷剤(保冷剤20)、吸熱剤や放熱材等の冷却体、または使い捨てタイプや再利用タイプのカイロ等の発熱体を収容することが可能になる。したがって、レグカバーで覆われている部位の一部として着用者の足底部分を積極的に冷却したり加熱したりすることができる。
上記他の発明3では、袋体(ポケット18)は、足カバー部(手スリーブ13)の内布(内布15)と外布(外布14)を有し、ループ部(指ループ16)は、一端側(一端部16a)が袋体(ポケット18)の開口部分(開口部17)の外布(外布14)に接続され、他端側(他端部16b)が袋体(ポケット18)の開口部分(開口部17)の内布(内布15)に接続される。これにより、ループ部(指ループ16)に通された着用者の趾によって、袋体(ポケット18)の外布(外布14)及び内布(内布15)は両布が重なるようにして趾元方向に引っ張られることから、袋体(ポケット18)の開口(開口部17)を塞ぐことが可能となる。したがって、袋体(ポケット18)に収容された保冷剤(保冷剤20)等を開口から外部に出にくくすることができる。
尚、上記のアームカバー10やレグカバーは、使用者がランニング等の運動時に着用する場合を例示して説明したが、アームカバー10やレグカバーの使用場面はこれに限られることはない。例えば、屋内作業や家事労働等さらには団欒時や就寝時等においてもアームカバー10や上記のレグカバーを着用することによって、これらに覆われている部位の一部に対する積極的な冷却や加熱による上述と同様の作用及び効果を得ることができる。
10…アームカバー、11…腕スリーブ(前腕カバー部)、13…手スリーブ(手カバー部)、14…外布、15…内布、16…指ループ(ループ部)、16a…一端部(一端側)、16b…他端部(他端側)、17…開口部(開口部分)、18…ポケット(袋体)、18a…縫合部、19…親指ホール、20…保冷剤。
Claims (3)
- 着用者の前腕を手根まで筒状に覆う前腕カバー部と、
前記前腕カバー部の手根側に接続されて前記着用者の手背を覆う手カバー部と、
前記着用者の指を挿通可能であって前記手カバー部に接続される環状のループ部と、
を備え、
前記手カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する、ことを特徴とするアームカバー。 - 着用者の前腕を手根まで筒状に覆う前腕カバー部と、
前記前腕カバー部の手根側に接続されて前記着用者の手掌を覆う手カバー部と、
前記着用者の指を挿通可能であって前記手カバー部に接続される環状のループ部と、
を備え、
前記手カバー部は、前記ループ部の接続部又は接続部付近に開口する袋体を内部に有する、ことを特徴とするアームカバー。 - 前記袋体は、前記手カバー部の内布と外布を有し、
前記ループ部は、一端側が前記袋体の開口部分の前記外布に接続され、他端側が前記袋体の開口部分の前記内布に接続される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアームカバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019143434A JP2021025153A (ja) | 2019-08-04 | 2019-08-04 | アームカバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019143434A JP2021025153A (ja) | 2019-08-04 | 2019-08-04 | アームカバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021025153A true JP2021025153A (ja) | 2021-02-22 |
Family
ID=74662856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019143434A Pending JP2021025153A (ja) | 2019-08-04 | 2019-08-04 | アームカバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021025153A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023140113A1 (ja) * | 2022-01-24 | 2023-07-27 | 住友ゴム工業株式会社 | ポインティングデバイス操作用スリーブ |
-
2019
- 2019-08-04 JP JP2019143434A patent/JP2021025153A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023140113A1 (ja) * | 2022-01-24 | 2023-07-27 | 住友ゴム工業株式会社 | ポインティングデバイス操作用スリーブ |
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