JP3027852U - コンクリート箱形マンホール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中床版の昇降口から下方へ排水が落下しない
ようにしたコンクリート箱形マンホールを提供する。 【解決手段】 箱形及び筒形のコンクリートブロック
３，５の複数個を中床版４を挟み積層して集水升７を形
成し、その頂部にマンホールブロック９を載設したコン
クリート箱形マンホールにおいて、前記集水桝７内にお
ける前記中床版４の四辺部付近に排水孔１９を貫通して
穿設するとともに、前記中床版４に開設した昇降口１７
の周囲に所定高さの止水堤１８を形成してなり、中床版
４上に落下する排水が排水孔１９から落下して箱ブロッ
ク３の内壁を伝い排水されるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案はコンクリート箱形マンホールに係り、特に箱形及び筒形のコンクリ ートブロックを中床版を介在し積上げて底部を管渠と連結する大型の集水桝を形 成し、頂部に人が出入りするマンホールブロックを連結したものにおける中床版 の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

市街地における路面地下等に排水施設として埋設される管渠には、要所々々に おいて地上から作業員が出入りできるマンホールが設けられている。

【０００３】 従来、このマンホールは、図５に示すように、開口部１１を介して管渠１２， １２と連結する箱形のコンクリートブロック３を底部としてその上にプレキャス トコンクリートブロックからなる中床版４と筒形のコンクリートブロック５を複 数段重ね、頂部に天版６を載せて大型の集水升７を形成し、その天版６に穿設し た穴８に連通して円形筒形のマンホールブロック９を必要な高さに積み上げ地面 Ｅに達して鋳鉄又はコンクリートの蓋１０を冠することによりマンホールを形成 した。

【０００４】 マンホールブロック９及び集水升７の内壁には作業員が昇降するためにステッ プ１５，１５ａ，１５ｂが設けられ、また、管理点検のために作業員が昇降する 際の安全を図るために、マンホールブロック９の直下には作業員が不用意に落下 しても最底部まで落下しないように中床版４が形成されている（実公昭５８−１ ０７６０号参照）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、中床版４は内空高さが３〜５ｍ毎に一箇所設置するのが一般的 であるが、その際、中床版４より上方に位置する流入管１３から流れ落ちる排水 が、中床版４の昇降口１７から下方へ流れ落ち、作業員の昇降の妨げとなること は勿論のこと、昇降口１７から落下した排水が底版インバートコンクリート１４ の摩耗を早めることにより、マンホールそのものの耐久性に悪影響を及ぼすこと になる。

【０００６】 そこで、上記事情に鑑み、この考案は中床版の昇降口から下方へ排水が落下し ないようにしたコンクリート箱形マンホールを提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかるコンクリート箱形マンホールは、箱形及び筒形のコンクリー トブロックの複数個を中床版を挟み積層して集水升を形成し、その頂部にマンホ ールブロックを載設したコンクリート箱形マンホールにおいて、前記集水桝内に おける前記中床版の四辺部付近に排水孔を貫通して穿設するとともに、前記中床 版に開設した昇降口の周囲に所定高さの止水堤を形成してなり、中床版上に落下 する排水が排水孔から落下して集水桝の内壁を伝い排水されるようにしたことを 特徴とする。

【０００８】 そして、前記排水孔は上を小さく下を大きくした孔径の円錐形としたことを特 徴とする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下にこの考案の実施の形態を図に基づき説明する。図１〜３に示すように、 地面から所定深さの穴底に栗石１を敷いて打設したコンクリート基礎２の上に、 上方が開口した箱ブロック３を載置し、箱ブロック３の上に平板状の中床版４を 冠し、この中床版４の上に角筒状の筒ブロック５を二段で重ね、筒ブロック５の 上部を天版６で覆って集水桝７を形成し、かつ、天版６に開設した透孔８上に作 業員が出入りできる程度の小型で筒状のマンホールブロック９を地面Ｅまで必要 数にて積み上げ、最上部のマンホールブロック９には蓋１０が冠せられる。

【００１０】 箱ブロック３は上下二つに別れて成形され、それらの相対向する側壁部にはそ れぞれ半円形の切欠部からなる開口部１１が設けられ、この開口部１１で管渠１ ２をそれぞれ挟持し、かつ、シールして接続してある。そして筒ブロック５には 各家庭等の下水管や雨水溝と接続された流入管１３がシールして接続され集水桝 ７内に開口している。箱ブロック３の底部には底版インバートコンクリート１４ が打設され、内壁部には作業員が昇降するためのステップ１５が階段状に設けら れている。

【００１１】 中床版４は、図２〜４に示すように、受け皿状に上方が開口した断面略凹形の 内底部１６を形成してあり、その内底部１６には前記ステップ１５に作業員が進 入できるように昇降口１７が設けられ、この昇降口１７の周囲には所定高さの止 水堤１８が形成されている。内底部１６の四辺部付近には排水孔１９が貫通して 形成されている。この排水孔１９は、図４に示すように、上を小さく下を大きく した孔径の円錐形とし、排水がその内周面を伝い落ちて箱ブロック３の内壁面を 伝い落ちるように形成されている。

【００１２】 筒ブロック５の内壁部には、作業員が昇降するためのステップ１５ａが階段状 に設けられている。そして、このステップ１５ａはマンホールブロック９の内壁 部に連続して設けられた階段状のステップ１５ｂと一連となっており、地面から 中床版４まで作業員が昇降して出入りし、かつ、中床版４の昇降口１７からステ ップ１５を経て箱ブロック３内の底版インバートコンクリート１４に降りること ができる。

【００１３】 そこで、流入管１３から中床版４に排水が落下すると、排水は止水堤１８に阻 止されて昇降口１７から流れ落ちることなく排水孔１９から落下し、箱ブロック ３の内壁面を伝って底版インバートコンクリート１４上に排水され、管渠１２を 介して排水されるというものである。

【００１４】 なお、大雨など大量の排水が流入管１３から中床版４に落下するときは、排水 孔１９にて処理できなくなるが、その場合は止水堤１８を越えて昇降口１７から オーバーフローするので、集水桝７が閉塞するような事態は生じない。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したこの考案によれば、中床版から落下する排水によって底版インバ ートコンクリートが摩耗することはなく、耐用寿命が長くなる。また、中床版に 落下した排水は止水堤に阻止されて昇降口から落下することはないので、作業員 の昇降の妨げとなるのを解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の形態を示す断面正面図

【図２】中床版の平面図

【図３】図２のＡ−Ａ断面図

【図４】図２のＢ−Ｂ断面図

【図５】従来例の断面正面図

【符号の説明】

３…箱ブロック ４…中床版 ５…筒ブロック ６…天版 ７…集水桝 ９…マンホールブロック １０…蓋 １２…管渠 １３…流入管 １４…底版インバートコンクリート １５，１５ａ，１５ｂ…ステップ １６…内底部 １７…昇降口 １８…止水堤 １９…排水孔

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【手続補正書】

【提出日】平成８年２月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱形及び筒形のコンクリートブロックの
   複数個を中床版を挟み積層して集水升を形成し、その頂
   部にマンホールブロックを載設したコンクリート箱形マ
   ンホールにおいて、前記集水桝内における前記中床版の
   四辺部付近に排水孔を貫通して穿設するとともに、前記
   中床版に開設した昇降口の周囲に所定高さの止水堤を形
   成してなり、中床版上に落下する排水が排水孔から落下
   して集水桝の内壁を伝い排水されるようにしたことを特
   徴とするコンクリート箱形マンホール。
2. 【請求項２】 排水孔は上を小さく下を大きくした孔径
   の円錐形としたことを特徴とする請求項１又は２記載の
   コンクリート箱形マンホール。