JP3027599U - 平型柔軟ケーブル用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハウジングにアクチュエータを回動可能に組
み立てた平型柔軟ケーブル用コネクタであって、アクチ
ュエータの組立が合理的にできて、アクチュエータ側の
係合腕の変形を無くし、また、アクチュエータの回動に
よってハウジング側の係合突部が摩耗しないようにした
平型柔軟ケーブル用コネクタを提供することを目的とし
ている。 【構成】 上面前側に開口部を備えたハウジング２
と、ハウジング２に装着された複数の導電ターミナル５
と、ハウジング２の開口部をに挿入された平型柔軟ケー
ブルを導電ターミナル５のコンタクト部に押圧して保持
するアクチュエータ４とで構成されている。ハウジング
２の後面両側に係合金具１３が圧入して取り付けられ、
この係合金具１３の係合片１４と、アクチュエータ４の
両側に後方に向かって設けた係合腕１１とが係合し、ア
クチュエータ４が係合片１４の回りで回動可能としてあ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、平型柔軟ケーブルをゼロ挿入力で接続できるようにした平型柔軟ケ ーブル用コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上面一側に平型柔軟ケーブルを挿入するための開口部を備えたハウジン グと、開口部を通して挿入された平型柔軟ケーブルの導線と対応するように、ハ ウジングの内部に並列して装着された複数の導電ターミナルと、前記開口部を通 して挿入された平型柔軟ケーブルの端部を導電ターミナルのコンタクト部側に押 圧して保持するためのアクチュエータとで構成された平型柔軟ケーブル用コネク タが公知である。前記アクチュエータは、ハウジングに対して回動可能に取り付 けられて、アクチュエータの回動によってハウジングの開口部を開閉し、これに よって、平型柔軟ケーブルの端部のハウジング内への挿入に要する力がゼロとな るようにしていた。アクチュエータをハウジングに対して回動可能とするために は、通常、絶縁性の樹脂をモールド成形されるハウジングの両側面に係合突部を 一体的に設ける一方、金属または絶縁樹脂製でなるアクチュエータには、ハウジ ングの側面に沿って延びる係合腕を設け、ハウジングの側面において、係合腕の 鉤形の側縁とハウジング側の係合突部を係合させて、アクチュエータがハウジン グの係合突部の回りで回動できるように組み立てられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような構造の平型柔軟ケーブル用コネクタにおいて、アクチュエータの 回動を可能とするための、ハウジングの側面の係合突部と、アクチュエータ側の 、ハウジングの側面に沿って延びる係合腕を係合させる構造には、組立上の問題 点および使用上の問題点があった。即ち、上記のハウジングに対してアクチュエ ータを組み立てるには、アクチュエータの係合腕を、一時的に、ハウジングの係 合突部の端面より外側に広げる必要があり、広げた際の変形が残ってしまう問題 点があった。特にアクチュエータを金属製とした場合に、変形が残り易く、解決 の必要があった。また、使用に際し、アクチュエータの回動によって、係合腕の 鉤形の側縁が係合突部の側面と摺接するので、この摺接によって係合突部が摩耗 する問題点があった。この点も、アクチュエータを金属製とした場合に大きな問 題となり、解決が必要であった。

【０００４】 本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、ハウジングにアクチュエータ を回動可能に組み立てた平型柔軟ケーブル用コネクタであって、アクチュエータ の組立が合理的にできて、アクチュエータ側の係合腕の変形を無くし、また、ア クチュエータの回動によってハウジング側の係合突部が摩耗しないようにした平 型柔軟ケーブル用コネクタを提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案は、上面一側に平型柔軟ケーブルを挿入するため の開口部を備えたハウジングと、開口部を通して挿入された平型柔軟ケーブルの 導線と対応するように、ハウジングの内部に並列して装着された複数の導電ター ミナルと、前記開口部を通して挿入された平型柔軟ケーブルの端部を導電ターミ ナルのコンタクト部側に押圧して保持するためのアクチュエータとで構成された 平型柔軟ケーブル用コネクタにおいて、前記アクチュエータが、ハウジング側に 取り付けた係合金具の係合片と係合しており、この係合片の回りでアクチュエー タを回動させて、ハウジングの開口部を開閉できるようにしてあることを特徴と する平型柔軟ケーブル用コネクタである。

【０００６】 また、上面前側に平型柔軟ケーブルを挿入するための開口部を備えたハウジン グと、開口部を通して挿入された平型柔軟ケーブルの導線と対応するように、ハ ウジングの内部に並列して装着された複数の導電ターミナルと、前記開口部を通 して挿入された平型柔軟ケーブルの端部を導電ターミナルのコンタクト部側に押 圧して保持するためのアクチュエータとで構成された平型柔軟ケーブル用コネク タにおいて、ハウジングの後面両側に、係合金具が圧入によって取り付けてあり 、係合金具に、ハウジングの側面に沿って下方に垂下する係合片が設けてあると 共に、前記アクチュエータは、ハウジングの両側面に沿ってハウジングの後方に 延びる係合腕を有しており、この係合腕と前記係合片を係合させて、アクチュエ ータが係合片の回りで回動可能としてあり、アクチュエータの回動によってハウ ジングの開口部の開閉ができるようにしてあることを特徴とする平型柔軟ケーブ ル用コネクタである。

【０００７】 前記において、ハウジングに取り付けられる係合金具は、ソルダーテイルを一 体に有しているのが望ましい。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、アクチュエータの係合腕をハウジングに取り付けた係合金具 の係合片と係合させて回動可能としたので、係合腕の鉤形の側縁は係合金具の係 合片と摺接する構造となる。従って、ハウジングには摩耗する部分を無くするこ とができ、また、係合片は金属製であるため、摺接による摩耗をきわめて少なく することができる。また、アクチュエータのハウジングへの組立は、係合金具を ハウジングに取り付ける前にするようにして、係合片を外側に広げる必要を無く することができ、組立時の係合片の変形を無くすることができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付の図を参照して説明する。

【００１０】 図１乃至図５が実施例の平型柔軟ケーブル用コネクタ１を示したもので、絶縁 性の樹脂をモールド成形したハウジング２の上面前側（図１において左側）に開 口部３が形成され、この開口部３を覆うようにアクチュエータ４が設けられてい る。ハウジング２内には、前面２ａおよび後面２ｂから交互に、複数の導電ター ミナル５が並列状態に装着され、各導電ターミナル５のコンタクト部６を開口部 ３に臨ませて、アクチュエータ４の下面と対向するようにしてある。

【００１１】 前記アクチュエータ４は、表面に絶縁性の樹脂をコーティングした金属板を打 ち抜いて成形したもので、図６乃至図８に示した形状となっている。即ち、前記 開口部３を覆う大きさとした本体部７が断面Ｕ字状に成形されて上板８と下板９ とから成り、上板８の後方（図６において上方）両側に延長して形成した突片１ ０を介して、ハウジング２の側面２ｃに沿って後方に向かう係合腕１１が連設さ れ、また、前方に向かって係止腕１２が連設されている。係合腕１１は、アクチ ュエータ４が、前記開口部３の開閉を行うための回動動作ができるようにするた めのものであり、また、係止腕１２は、アクチュエータ４が開口部３を閉鎖した 状態を維持するために設けられたものである。

【００１２】 係合腕１１は、一側縁に鉤形の側縁１１ａを形成したＴ字状の形状とされ、ハ ウジング２の側面２ｃに沿って後方に延び、ハウジング２の後面２ｂの両側に設 けた係合金具１３からハウジング２の側面２ｃに沿って下方に垂下する係合片１ ４と係合している。また、係止腕１２は、Ｌ字状の形状とされ、ハウジング２の 側面２ｃに設けたＬ字状の突条１５に沿わせて係止できるようにしてある。

【００１３】 前記係合金具１３は、ハウジング２の後面２ｂの両側部に圧入によって取り付 けられているもので、図９乃至図１１に示したような構造をしている。即ち、前 縁１６ａに圧入突起１７を形成した基板１６の上縁に直角に水平片１８を連設し 、水平片１８の外縁から下方に向けて前記係合片１４を垂下させていると共に、 基板１６の下縁後方にはソルダーテイル１９を突出させて設けた形状としてある 。この係合金具１３の圧入突起１７をハウジング２の後面２ｂ側両側に設けた穴 ２０（図１５参照）に圧入によって取り付けると、水平片１８がハウジング２の 上面２ｄと略面一となると共に、係合片１４がハウジング２の側面２ｃの外側に 沿って下方に向かい、また、ソルダーテイル１９が導電端子５のソルダーテイル ２１と略一線に並ぶようになっている。

【００１４】 図１２は、上記の実施例の平型柔軟ケーブル用コネクタ１に平型柔軟ケーブル ２２を接続する様子を説明する図である。図に示したように、アクチュエータ４ をハウジング２の前方にスライドさせ（）、次いで、アクチュエータ４を矢示 ２３のように回動させてハウジング２の開口部３を開口する（）。次に、開口 部３へ平型柔軟ケーブル２２の端部を挿入し（）、続いて、アクチュエータ４ を矢示２４のように回動させて開口部３を閉鎖し（）、閉鎖したアクチュエー タ４をハウジング２の後方にスライドさせて（）、アクチュエータ４側の係止 腕１２をハウジング２側の突条１５に沿う様にして係止し、閉鎖の状態を維持す るようにする。このような操作によって、平型柔軟ケーブル２２の導線が導電タ ーミナル５のコンタクト部６に当接して電気的に接続され、その状態が維持され る。

【００１５】 上記のようにして、アクチュエータ４を回動させる際、アクチュエータ４はハ ウジング２側に設けた係合金具１３の係合片１４の回りで回動し、係合腕１１の 鉤形の側縁１１ａが係合片１４と摺接する。この互いに摺接する係合腕１１およ び係合片１４は金属で成るため、摺接による摩耗をきわめて少なくすることがで き、確実な回動操作が可能な状態を長期に亘って維持することができる。

【００１６】 また、上記実施例の平型柔軟ケーブル用コネクタ１は、係合金具１３をハウジ ング２の後面２ｂに取り付けるのを、アクチュエータ４の装着後に行うことがで き、これによって、アクチュエータ４の係合腕１１の変形も避けることができる 。図１３乃至図１７は、アクチュエータ４および係合金具１３のハウジング２へ の装着の様子を説明する図である。先ず、図１３および図１４に示したように、 係合金具１３を取り付けていないハウジング２の開口部３にアクチュエータ４を 被せる。アクチュエータ４は前方にスライドした位置に設定する。次に、図１４ の矢示２５のように、アクチュエータ４を後方にスライドさせて、図１５の状態 とし、この状態で、図１６に示すハウジング２の後面２ｂ両側に形成した穴２０ に係合金具１３の圧入突起１７が合うように、係合金具１３をハウジング２の上 方から位置設定した後、図１７の矢示２６のように、係合金具１３をハウジング ２側に進めて、圧入突起１７を穴２０に圧入して、係合金具１３の取付を完了す る。

【００１７】

【考案の効果】

以上に説明したように、請求項１、２の本考案によれば、アクチュエータの係 合腕をハウジングに取り付けた係合金具の係合片と係合させて、この係合片の回 りでアクチュエータが回動するようにしたので、回動中心を構成する係合片は摩 耗がきわめて少なく、アクチュエータの確実な回動操作が可能な状態を長期に亘 って維持することができる効果がある。また、アクチュエータをハウジングに装 着した後に、係合金具を取り付けるようにできるので、アクチュエータの装着に 際し、係合腕が変形することを無くし、合理的に組立ができる効果がある。

【００１８】 また、請求項３の本考案によれば、係合金具のソルダーテイルを基板等に半田 付けすることができ、ハウジングと基板等の一体性を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の側面図である。

【図２】 同じく実施例の平面図である。

【図３】 同じく実施例の正面図である。

【図４】 図３のＡ−Ａ線における断面図である。

【図５】 図３のＢ−Ｂ線における断面図である。

【図６】 本考案の実施例のアクチュエータの平面図
である。

【図７】 同じく実施例のアクチュエータの側面図で
ある。

【図８】 同じく実施例のアクチュエータの断面図で
ある。

【図９】 本考案の実施例の係合金具の正面図であ
る。

【図１０】 同じく実施例の係合金具の平面図である。

【図１１】 同じく実施例の係合金具の拡大した側面図
である。

【図１２】 本考案の実施例に平型柔軟ケーブルを接続
する様子を説明する図である。

【図１３】 本考案の実施例の組立の様子を説明する図
で、ハウジングにアクチュエータを位置設定する状態の
図である。

【図１４】 同じく組立の様子を説明する図で、アクチ
ュエータを後方にスライドする際の図である。

【図１５】 同じく組立の様子を説明する図で、ハウジ
ングに係合金具を位置設定する状態の図である。

【図１６】 同じく組立の様子を説明する図で、ハウジ
ングの穴の部分の断面図である。

【図１７】 同じく組立の様子を説明する図で、係合金
具をハウジングに圧入する際の図である。

【符号の説明】

１ 平型柔軟ケーブル用コネクタ ２ ハウジング ２ａ ハウジングの前面 ２ｂ ハウジングの後面 ２ｃ ハウジングの側面 ２ｄ ハウジングの上面 ３ 開口部 ４ アクチュエータ ５ 導電ターミナル ６ コンタクト部 ７ アクチュエータの本体部 ８ 本体部の上板 ９ 本体部の下板 １０ 突片 １１ 係合腕 １１ａ 鉤形の側縁 １２ 係止腕 １３ 係合金具 １４ 係合片 １５ 突条 １６ 係合金具の基板 １７ 圧入突起 １８ 水平片 １９ 係合金具のソルダーテイル ２０ 穴 ２１ 導電ターミナルのソルダーテイル ２２ 平型柔軟ケーブル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面一側に平型柔軟ケーブルを挿入す
   るための開口部を備えたハウジングと、開口部を通して
   挿入された平型柔軟ケーブルの導線と対応するように、
   ハウジングの内部に並列して装着された複数の導電ター
   ミナルと、前記開口部を通して挿入された平型柔軟ケー
   ブルの端部を導電ターミナルのコンタクト部側に押圧し
   て保持するためのアクチュエータとで構成された平型柔
   軟ケーブル用コネクタにおいて、前記アクチュエータ
   が、ハウジング側に取り付けた係合金具の係合片と係合
   しており、この係合片の回りでアクチュエータを回動さ
   せて、ハウジングの開口部を開閉できるようにしてある
   ことを特徴とする平型柔軟ケーブル用コネクタ。
2. 【請求項２】 上面前側に平型柔軟ケーブルを挿入す
   るための開口部を備えたハウジングと、開口部を通して
   挿入された平型柔軟ケーブルの導線と対応するように、
   ハウジングの内部に並列して装着された複数の導電ター
   ミナルと、前記開口部を通して挿入された平型柔軟ケー
   ブルの端部を導電ターミナルのコンタクト部側に押圧し
   て保持するためのアクチュエータとで構成された平型柔
   軟ケーブル用コネクタにおいて、ハウジングの後面両側
   に、係合金具が圧入によって取り付けてあり、係合金具
   に、ハウジングの側面に沿って下方に垂下する係合片が
   設けてあると共に、前記アクチュエータは、ハウジング
   の両側面に沿ってハウジングの後方に延びる係合腕を有
   しており、この係合腕と前記係合片を係合させて、アク
   チュエータが係合片の回りで回動可能としてあり、アク
   チュエータの回動によってハウジングの開口部の開閉が
   できるようにしてあることを特徴とする平型柔軟ケーブ
   ル用コネクタ。
3. 【請求項３】 係合金具は、ソルダーテイルを一体に
   有している請求項１または２記載の平型柔軟ケーブル用
   コネクタ。