JP3026965B1 - ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具 - Google Patents

ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具

Info

Publication number
JP3026965B1
JP3026965B1 JP10347243A JP34724398A JP3026965B1 JP 3026965 B1 JP3026965 B1 JP 3026965B1 JP 10347243 A JP10347243 A JP 10347243A JP 34724398 A JP34724398 A JP 34724398A JP 3026965 B1 JP3026965 B1 JP 3026965B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
fitting
torque transmitting
torque
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10347243A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000170729A (ja
Inventor
幸三 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OSG Corp
Original Assignee
OSG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OSG Corp filed Critical OSG Corp
Priority to JP10347243A priority Critical patent/JP3026965B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3026965B1 publication Critical patent/JP3026965B1/ja
Publication of JP2000170729A publication Critical patent/JP2000170729A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 ねじおよびねじ締付工具の一方および他方に
設けられる嵌合穴および嵌合凸部の変形や破損などを共
に回避し、より高い締付トルクでねじを締め付けること
ができるようにする。 【解決手段】 ねじの頭部に形成されるリセス(嵌合
穴)16は、中心線Oまわりに120°間隔で外周側へ
突き出す3つのトルク伝達部22を有する三叉形状を成
しているとともに、隣接するトルク伝達部22の側部2
4は円弧部26を介して滑らかに接続されており、且つ
円弧部26の内接円の直径bはトルク伝達部22の外接
円の直径gに対して0.5g〜0.6gの範囲内で定め
られ、円弧部26の曲率半径Rは0.5b〜0.6bの
範囲内で定められている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はねじ締付構造に係
り、特に、大きなトルクで締め付けることができるねじ
とねじ締付工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】ねじ締結の基本は、トルク伝達部
に加えられる締付トルクをねじの締付軸力に変換して、
2つ以上の部品、部材を一体的に固定することである。
したがって、ねじに設けられるトルク伝達部の形状と締
付トルクを直接に伝達するねじ締付工具(ビットなど)
との嵌合状態は、常に一対のものとして考える必要があ
る。特に近年、様々な製品の軽薄短小化が喧伝され、そ
れに使用されるパーツ類も小型化される傾向が強く、ね
じ部品においても、よりミニチュア化と同時に相対的に
高い締付トルクを付与することが要求される場合が多く
なって来ている。
【0003】現在、ねじ部品に使用されているトルク伝
達リセスは十字穴が多いが、昨今ではトルク伝達力の優
れたトルクス穴やライン穴等が実用化されている。図6
の(a) はS形十字穴(JIS規格B1012)、(b) は
トルクス(JASO F116)、(c) はライン穴(実
用新案登録第1281779号)を示す図で、それぞれ
上段は平面図、下段は縦断図であり、Oは中心線であ
る。ねじ部品の軽薄短小化において、ねじ部品に設けら
れるトルク伝達リセスは、上記のリセス等を比例的に小
さくすれば使用できるが、それでは十分な締付トルクを
確保することが困難で、リセスの破壊ヤねじ締付工具の
破損、早期摩耗等の不具合が発生する。すなわち、S形
十字穴では、ねじ締付工具との係合部位の傾斜角によっ
てカムアウト分力が発生してリームアウトし易く、トル
クスやライン穴では、ねじ締付工具の先端が極端に細く
なり、十分なトルクを伝達する前にねじ締付工具の羽根
部分(外周側への突出部分)に破壊や摩耗が発生する。
【0004】これ等は、リセスとねじ締付工具との嵌合
において、トルクを伝達するねじ締付工具の羽根部分と
トルクを受動するリセスの被伝達部との係合状態や、双
方の体積割合に不具合があることに起因している。大径
のねじでは、ねじ締付工具の羽根部分の幅寸法が大きく
なって十分な強度が得られるので、一般に必要な締付ト
ルクを伝達できるが、1.0mm程度以下のミニチュア
ねじで従来のトルク伝達部形状を比例的に縮小したリセ
スおよびねじ締付工具を採用した場合、十字穴ではカム
アウトに対する推力が必要になり、締付け以外の分野に
も悪影響を与え、トルクスやライン穴ではねじ締付工具
の羽根部が細くなり過ぎて、必要な締付トルクに達する
前に羽根部が破損し易い。
【0005】一方、特開平10−30625号公報に
は、いじり防止のために三叉形状のリセスが提案されて
いるが、このようなリセスにおいても、ミニチュアねじ
のために単に比例的に小さくしただけでは、溝幅が狭く
なり過ぎてねじ締付工具の強度を十分に確保することが
できない。このような三叉形状の場合、前記溝幅を大き
くすることが可能で、ねじ締付工具の羽根部の幅寸法を
大きくして強度を高くすることができるが、逆にリセス
の溝が変形する(潰れる)可能性がでてくる。
【0006】なお、一般的には上記のようにねじ側にリ
セスすなわち嵌合穴が設けられ、ねじ締付工具側に羽根
部すなわち嵌合凸部が設けられる場合が多いが、ねじ側
に嵌合凸部を設けてねじ締付工具側に嵌合穴を設けるこ
とも可能で、その場合も同様の問題が生じる。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、ねじおよびねじ締付
工具の一方および他方に設けられる嵌合穴および嵌合凸
部の変形や破損などを共に回避し、より高い締付トルク
でねじを締め付けることができるようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、ねじおよびそのねじを締め付けるね
じ締付工具の一方および他方に設けられているととも
に、それぞれ中心線まわりに120°間隔で外周側へ突
き出す3つのトルク伝達部を有する三叉形状を成してい
て互いに嵌合される嵌合穴および嵌合凸部から成り、前
記ねじ締付工具が回転させられることによりそのトルク
伝達部を介して前記ねじに締付トルクを伝達するねじ締
付構造であって、(a) 前記トルク伝達部は、前記中心線
からの突出方向と平行な一対の直線状の側部を有すると
ともに、隣接するトルク伝達部の側部は、それぞれ一定
の曲率半径Rの円弧部を介して滑らかに接続されている
一方、(b) 前記3つのトルク伝達部の先端の外接円の直
径をg、前記3つの円弧部の内接円の直径をbとした
時、次式(1) および(2) を共に満足することを特徴とす
る。 0.5g≦b≦0.6g ・・・(1) 0.5b≦R≦0.6b ・・・(2)
【0009】第2発明は、第1発明のねじ締付構造にお
いて、(a) 前記嵌合穴は、開口部に近づくに従って大径
となる係合用傾斜部を有し、その係合用傾斜部の途中で
前記嵌合凸部の先端部と係合させられるようになってい
て、その係合部位で前記(1)式および(2) 式を満足する
一方、(b) 前記係合用傾斜部の前記中心線に対する傾斜
角をα、該係合用傾斜部と係合する前記嵌合凸部の係合
部位の中心線に対する傾斜角をβとした時、次式(3) 、
(4) 、および(5) を総て満足することを特徴とする。 0°<α≦8° ・・・(3) 0°≦β≦8° ・・・(4) β≦α ・・・(5)
【0010】第3発明は、第2発明のねじ締付構造にお
いて、(a) 前記係合用傾斜部は前記嵌合穴の円弧部に設
けられていて、その嵌合穴の途中で前記嵌合凸部の先端
と係合させられるようになっているとともに、その係合
用傾斜部の傾斜角αは3°〜8°の範囲内で設定されて
いる一方、(b) 前記嵌合穴のトルク伝達部の外周側の先
端面は開口部に近づくに従って大径となるように前記中
心線に対して10°〜20°の角度範囲で傾斜させられ
ていることを特徴とする。
【0011】第4発明は、第1発明〜第3発明の何れか
のねじ締付構造に記載の前記嵌合穴または前記嵌合凸部
を備えていることを特徴とするねじである。
【0012】第5発明は、第1発明〜第3発明の何れか
のねじ締付構造に記載の前記嵌合穴または前記嵌合凸部
を備えていることを特徴とするねじ締付工具である。
【0013】
【発明の効果】第1発明のねじ締付構造においては、互
いに嵌合される嵌合凸部および嵌合穴が三叉形状を成し
ているとともに、その三叉形状の隣接するトルク伝達部
の側部は、それぞれ一定の曲率半径Rの円弧部を介して
滑らかに接続されており、且つ3つのトルク伝達部の先
端の外接円の直径g、3つの円弧部の内接円の直径b、
および円弧部の曲率半径Rは前記(1) 式および(2) 式を
満足するように定められているため、嵌合凸部の破損お
よび嵌合穴の変形が共に抑制され、より高い締付トルク
でねじを締め付けることができるようになる。
【0014】すなわち、(1) 式および(2) 式を満足する
ように三叉形状を構成すると、トルク伝達部の内側の領
域(嵌合凸部側の部材に相当;図3(b) のEB 参照)
と、中心線まわりにおいてトルク伝達部の間に位置する
領域(嵌合穴側の部材に相当;図3(b) のER 参照)と
の面積の差が小さく、嵌合凸部および嵌合穴の強度の調
和が図られるのである。
【0015】また、各部の数値について具体的に検討す
ると、三叉形状の隣接するトルク伝達部の側部は一定の
曲率半径Rの円弧部を介して滑らかに接続されていると
ともに、その曲率半径Rは内接円の直径bの50%以
上、言い換えれば外接円の直径gの25%以上であるた
め、特に嵌合凸部側のトルク伝達部の根元の応力集中が
防止される。曲率半径Rは内接円の直径bの60%以
下、すなわち外接円の直径gの36%以下であるため、
各トルク伝達部に突出方向と平行な直線状の側部が確保
され、締付トルクを効率良く伝達できる。一方、内接円
の直径bが外接円の直径gの50%以上であるため、嵌
合凸部の心厚を十分に確保できて高い機械的強度が得ら
れるとともに、60%以下であるため、トルク伝達部の
突出寸法を十分に確保できて締付トルクを効率良く伝達
できるとともに嵌合穴の変形が抑制される。
【0016】第2発明では、嵌合穴に係合用傾斜部が設
けられ、その係合用傾斜部の途中で嵌合凸部の先端部と
係合させられるとともに、係合用傾斜部の傾斜角αは8
°以下で、嵌合凸部の傾斜角βは8°以下で且つα以下
であるため、両者の間に大きな静止摩擦が発生する。こ
れにより、ねじ締付工具にねじが保持(付着)され易
く、ロボットによるねじの自動締付が可能となる。な
お、鋼と鋼の静止摩擦係数は一般に0.14以下と言わ
れており、tan8°≒0.1405であるため、ねじ
およびねじ締付工具が共に鉄鋼材料製であれば、傾斜角
αを8°以下にすることにより適当な静止摩擦が得られ
ると考えられる。
【0017】第3発明では、上記係合用傾斜部が嵌合穴
の円弧部に設けられていて、その嵌合穴の途中で嵌合凸
部の先端と係合させられるとともに、その係合用傾斜部
の傾斜角αは3°〜8°の範囲内で設定されている一
方、嵌合穴のトルク伝達部の外周側の先端面は開口部に
近づくに従って大径となるように中心線に対して10°
〜20°の角度範囲で傾斜させられているため、第2発
明の効果を維持しながら、嵌合穴を鍛造加工によって容
易に高い精度で形成できる。すなわち、それ等の傾斜が
抜け勾配になるため、鍛造加工後の嵌合穴からのパンチ
の抜けが容易になり、嵌合穴を高い精度で鍛造加工でき
るようになるのである。
【0018】第4発明のねじ、および第5発明のねじ締
付工具は、実質的に上記第1発明〜第3発明と同様の作
用効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】ここで、ねじ締付構造は、一般的
にはねじ側に嵌合穴(リセス)が設けられ、ねじ締付工
具側に嵌合凸部(羽根部)が設けられる場合が多いが、
ねじ側に嵌合凸部を設けてねじ締付工具側に嵌合穴を設
けることも可能である。それ等の嵌合穴および嵌合凸部
は、軸方向に略平行に設けることも可能であるが、付着
性や鍛造成形性の点で第2発明や第3発明のように中心
線に対して傾斜する傾斜部(傾斜面)を設けることが望
ましい。
【0020】また、本発明は特に径寸法が小さくて締付
トルクが得られ難いミニチュアねじ、例えば直径が2m
m程度以下のねじの締付構造に好適に適用されるが、通
常のねじ締付構造に適用することも可能で、嵌合凸部の
破損や嵌合穴の変形が抑制されることから、締付トルク
が同じであればそれ等の材質を安価なものに変更できる
等の利点が得られる。
【0021】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
説明する。図1は、本発明の一実施例であるミニチュア
ねじ10を示す図で、(a) は頭部12側から見た平面図
で、(b) は軸心と直角な方向から見た一部を省略した正
面図である。このミニチュアねじ10は、M0.8×
0.2の雄ねじ部14を備えているとともに、頭部12
には、締付用の嵌合穴としてリセス16が設けられてい
る。頭部12の直径は約1.4mmで、厚さは約0.2
mmである。
【0022】図2の(a) は、上記リセス16の拡大平面
図で、(b) は(a) におけるB−B断面図である。また、
図3の(a) は、ねじ締付工具としてのビット18の先端
側に設けられた嵌合凸部20がリセス16内に挿入さ
れ、その先端部20aがリセス16と係合させられた状
態を示す中心線Oを含む断面図(図2(b) に相当)で、
(b) は両者の係合部分における中心線Oと直角な断面形
状を説明する図である。中心線Oは、リセス16や嵌合
凸部20の中心で、ミニチュアねじ10の軸心と一致す
る。これ等の図において、リセス16は、中心線Oまわ
りに120°間隔で外周側へ突き出す3つのトルク伝達
部22を有する三叉形状を成しており、トルク伝達部2
2は、中心線Oからの突出方向と平行な一対の直線状の
側部24を有するとともに、隣接するトルク伝達部22
の側部24は、それぞれ一定の曲率半径Rの円弧部26
を介して滑らかに接続されている。
【0023】上記リセス16の円弧部26は、軸方向の
開口側へ進むに従って大径となるように、中心線Oに対
して傾斜角αで外周側へ傾斜させられており、嵌合凸部
20の先端部20aは、その円弧部26の途中部分に係
合させられる。円弧部26は係合用傾斜部として機能
し、傾斜角αは約5°45′である。また、トルク伝達
部22の外周側の先端面28は、軸方向の開口側へ進む
に従って大径となるように、中心線Oに対して傾斜角ε
で外周側へ傾斜させられており、傾斜角εは約15°で
ある。
【0024】一方、前記嵌合凸部20は、中心線Oに対
して直角な断面がリセス16と同様な三叉形状を成して
おり、詳しい図示は省略するが、中心線Oまわりに12
0°間隔で外周側へ突き出す3つのトルク伝達部29を
有する三叉形状を成しており、トルク伝達部29は、中
心線Oからの突出方向と平行な一対の直線状の側部31
を有するとともに、隣接するトルク伝達部29の側部3
1は、それぞれ一定の曲率半径Rの円弧部30を介して
滑らかに接続されている。円弧部30は、先端部20a
側へ向かうに従って小径となるように、中心線Oに対し
て傾斜角βで内周側へ傾斜させられている。傾斜角βは
前記傾斜角αよりも小さく、約5°30′である。ま
た、トルク伝達部29の外周側の先端面32は、先端部
20a側へ向かうに従って小径となるように、中心線O
に対して傾斜角θで内周側へ傾斜させられている。傾斜
角θは前記傾斜角εと略同じで約15°である。
【0025】図3の(b) において実線で示す三叉形状の
内側は、実質的に嵌合凸部20の断面形状(先端部形
状)を表しており、その三叉形状の外側は実質的にリセ
ス16が設けられた頭部12の断面形状を表している。
かかる図3の(b) において、寸法gは、3つのトルク伝
達部22、29の先端の外接円36の直径で、寸法b
は、3つの円弧部26、30の内接円38の直径であ
り、Pは曲率半径Rの円弧部26、38の曲率中心であ
る。本実施例では、直径g≒0.52mmで、直径b=
0.5g≒0.26mm、曲率半径R=0.5b=0.
25g≒0.13mmである。また、fはトルク伝達部
22の幅寸法で、次式(6) から本実施例では幅寸法f≒
0.19mmになる。なお、円弧部30と26とが係合
させられるように、リセス16のトルク伝達部22の外
周側への突出寸法は、図3の(a) から明らかなように嵌
合凸部20のトルク伝達部29の外周側への突出寸法よ
り僅かに大きくされており、厳密には図3の(b) に示す
外接円36よりも外周側に位置している。 f=g・sin60°−2R ・・・(6)
【0026】このようなねじ締付構造、或いはミニチュ
アねじ10、ビット18においては、互いに嵌合される
嵌合凸部20およびリセス16が三叉形状を成している
とともに、その三叉形状の隣接するトルク伝達部22、
29の側部24、31は、それぞれ一定の曲率半径Rの
円弧部26、30を介して滑らかに接続されており、且
つ直径b=0.5gで、曲率半径R=0.5bとされて
いるため、嵌合凸部20の破損およびリセス16の変形
が共に抑制され、より高い締付トルクでねじを締め付け
ることができるようになる。
【0027】すなわち、b=0.5g、R=0.5bに
設定すると、図3の(b) に示すようにトルク伝達部2
2、29の内側すなわち嵌合凸部20のトルク伝達部2
9の領域EB と、トルク伝達部22、29の間に位置す
る領域(リセス16側の部材に相当)ER との面積の差
が小さく、嵌合凸部20およびリセス16の強度の調和
が図られるのである。
【0028】また、三叉形状の隣接するトルク伝達部2
2、29の側部24、31は一定の曲率半径Rの円弧部
26、30を介して滑らかに接続されているとともに、
その曲率半径Rは内接円38の直径bの50%、言い換
えれば外接円36の直径gの25%であるため、特に嵌
合凸部20側のトルク伝達部29の根元の応力集中が防
止され、且つ各トルク伝達部22、29には、突出方向
と平行な直線状の側部24、31が確保されるため、締
付トルクを効率良く伝達できる。一方、内接円38の直
径bが外接円36の直径gの50%であるため、嵌合凸
部20の心厚を十分に確保できて高い機械的強度が得ら
れ、且つトルク伝達部22、29の突出寸法を十分に確
保できて締付トルクを効率良く伝達できるとともにリセ
ス16の変形が抑制される。
【0029】また、リセス16の円弧部26は傾斜角α
≒5°45′で傾斜させられ、その円弧部26の途中部
分に嵌合凸部20の先端部20aが係合させられるた
め、両者の間に大きな静止摩擦が発生する。これによ
り、ビット18にミニチュアねじ10が良好に保持(付
着)されるようになり、ロボットによるミニチュアねじ
10の自動締付が可能となる。なお、ミニチュアねじ1
0およびビット18は何れも鉄鋼材料製(ミニチュアね
じ10は炭素鋼などで、ビット18はクロムモリブデン
鋼やハイス鋼など)で、それ等の静止摩擦係数は一般に
0.14以下と言われており、tan8°≒0.140
5であるため、傾斜角α≒5°45′の本実施例によれ
ば、この点からも適当な静止摩擦が得られると考えられ
る。
【0030】また、上記のようにリセス16の円弧部2
6には傾斜角α≒5°45′の傾斜が設けられている一
方、トルク伝達部22の先端面28には傾斜角ε≒15
°の傾斜が設けられているため、そのようなリセス16
を鍛造加工によって容易に高い精度で形成できる。すな
わち、それ等の傾斜が抜け勾配になるため、鍛造加工後
のリセス16からのパンチの抜けが容易になり、所定形
状のリセス16を高い精度で鍛造加工できるのである。
【0031】また、円弧部26に傾斜角αで傾斜が設け
られると、図2の(a) の平面図から明らかなように、ト
ルク伝達部22の両側部(側面)24は、開口側へ向か
うに従って両側、すなわち中心線Oまわりの周方向へ拡
がるように傾斜させられるため、その側部24に嵌合凸
部20の側部31が係合して締付トルクが加えられる際
に、その嵌合凸部20をリセス16から押し出そうとす
るカムアウト分力が発生するが、傾斜角αは約5°4
5′で、側部24における周方向の傾斜角度はそれより
も十分に小さいため殆ど問題にならず、締付トルクが効
率良く伝達される。なお、リセス16の底部における円
弧部26の曲率半径Rと、上端開口部における曲率半径
Rは同じ寸法で、共に0.13mmである。
【0032】また、このような三叉形状のリセス16を
有するミニチュアねじ10によれば、これを緩めるため
にはビット18のように三叉形状の特殊な工具が必要で
あるため、一般の人が簡単にねじを緩めることができ
ず、いじり防止の効果も得られる。
【0033】図4および図5は、前記図2、図3に相当
する図で、リセス40およびビット42の嵌合凸部44
の中心線Oと直角な断面形状は何れも三叉形状であり、
直径bおよび曲率半径Rの設定が異なるだけで、それ以
外(傾斜角α、β、ε、θなど)は前記実施例と同じで
ある。すなわち、直径gは約0.52mmで同じである
が、直径b=0.6g≒0.312mmで、曲率半径R
=0.6b=0.36g≒0.187mmであり、幅寸
法fは約0.22mmになる。
【0034】この場合も前記実施例と同様の効果が得ら
れるが、かかるリセス40を設けたミニチュアねじ10
およびビット42を用いて実際に締付試験を行ったとこ
ろ、400gf・cm〜450gf・cmの締付トルク
で何の問題もなく1000本のねじを締め付けることが
可能であった。これに対し、図7に示すように従来のラ
イン穴を単に比例的に縮小しただけのねじ締付構造の場
合、200gf・cm程度の締付トルクでは問題ない
が、確実な締付トルクを与えるために250gf・cm
〜300gf・cmのトルクで締め付けたところ、4〜
5本のねじを締め付けるだけでビットの摩耗、破損が発
生した。図7の記号g、b、R、fは、前記実施例と同
じもので、括弧内の数字は具体的な寸法(mm)であ
る。なお、ミニチュアねじ10の材質は炭素鋼で、ビッ
ト42の材質はクロムモリブデン鋼である。
【0035】また、以上の説明では直径g≒0.52m
mの場合について説明したが、例えば表1に示すNo.0
0〜No.6のように、ねじの大きさに応じて種々の寸法
のリセスや嵌合凸部を採用できる。表1は、何れもb=
0.5g、R=0.5bであるが、前記(1) 式、(2) 式
を満足する範囲で適宜変更できる。
【表1】
【0036】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるミニチュアねじを示す
図で、(a) は頭部側から見た平面図、(b) は一部を省略
した正面図である。
【図2】図1のミニチュアねじに設けられたリセスを示
す図で、(a) は平面図、(b) は(a) のB−B断面図であ
る。
【図3】図2のリセスとビットの嵌合凸部との係合状態
を示す図で、(a) は中心線Oを含む断面図、(b) は係合
部位における中心線Oと直角な両者の断面形状を説明す
る図である。
【図4】本発明の他の実施例のリセスを示す図で、(a)
は平面図、(b) は(a) のB−B断面図である。
【図5】図4のリセスとビットの嵌合凸部との係合状態
を示す図で、(a) は中心線Oを含む断面図、(b) は係合
部位における中心線Oと直角な両者の断面形状を説明す
る図である。
【図6】従来のリセスの形状を説明する図である。
【図7】従来のライン穴を比例的に縮小した場合の各部
の寸法を示す図である。
【符号の説明】
10:ミニチュアねじ(ねじ) 12:頭部 1
4:雄ねじ部 16、40:リセス(嵌合穴) 1
8、42:ビット(ねじ締付工具) 20、44:嵌
合凸部 20a:先端部 22、29:トルク伝達
部 24、31:側部 26:円弧部(係合用傾斜
部) 28:先端面 30:円弧部 36:外接円 38:内接円
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 23/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじおよび該ねじを締め付けるねじ締付
    工具の一方および他方に設けられているとともに、それ
    ぞれ中心線まわりに120°間隔で外周側へ突き出す3
    つのトルク伝達部を有する三叉形状を成していて互いに
    嵌合される嵌合穴および嵌合凸部から成り、前記ねじ締
    付工具が回転させられることにより該トルク伝達部を介
    して前記ねじに締付トルクを伝達するねじ締付構造であ
    って、 前記トルク伝達部は、前記中心線からの突出方向と平行
    な一対の直線状の側部を有するとともに、隣接するトル
    ク伝達部の側部は、それぞれ一定の曲率半径Rの円弧部
    を介して滑らかに接続されている一方、 前記3つのトルク伝達部の先端の外接円の直径をg、前
    記3つの円弧部の内接円の直径をbとした時、次式(1)
    および(2) を共に満足する 0.5g≦b≦0.6g ・・・(1) 0.5b≦R≦0.6b ・・・(2) ことを特徴とするねじ締付構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の前記嵌合穴または前記
    嵌合凸部を備えていることを特徴とするねじ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の前記嵌合穴または前記
    嵌合凸部を備えていることを特徴とするねじ締付工具。
JP10347243A 1998-12-07 1998-12-07 ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具 Expired - Lifetime JP3026965B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10347243A JP3026965B1 (ja) 1998-12-07 1998-12-07 ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10347243A JP3026965B1 (ja) 1998-12-07 1998-12-07 ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3026965B1 true JP3026965B1 (ja) 2000-03-27
JP2000170729A JP2000170729A (ja) 2000-06-20

Family

ID=18388899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10347243A Expired - Lifetime JP3026965B1 (ja) 1998-12-07 1998-12-07 ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3026965B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150369A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 オーエスジーシステムプロダクツ株式会社 ねじ締付構造、ねじ、およびねじ締付工具

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1536150B1 (en) * 2002-05-27 2010-05-19 OSG Corporation Threaded fastener wrenching structure
JP5155888B2 (ja) * 2009-01-08 2013-03-06 日東精工株式会社 ねじおよびドライバビット
EP4212282A1 (en) * 2011-08-25 2023-07-19 Infastech Intellectual Properties Pte. Ltd. Tapered lobular driver and fastener
KR101692051B1 (ko) * 2016-05-04 2017-01-09 주식회사 원컴 분실방지기능을 구비한 다보

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150369A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 オーエスジーシステムプロダクツ株式会社 ねじ締付構造、ねじ、およびねじ締付工具
CN102803758A (zh) * 2009-06-24 2012-11-28 Osg系统产品株式会社 螺钉紧固构造、螺钉以及螺钉紧固工具
JP5238076B2 (ja) * 2009-06-24 2013-07-17 オーエスジーシステムプロダクツ株式会社 ねじ締付構造、ねじ、およびねじ締付工具
US8545156B2 (en) 2009-06-24 2013-10-01 Osg System Products Co., Ltd. Screw tightening structure, screw and screw tightening tool
RU2513676C2 (ru) * 2009-06-24 2014-04-20 ОЭсДжи СИСТЕМ ПРОДАКТС КО., ЛТД. Структура затяжки винта, винт и инструмент для затяжки винта
CN102803758B (zh) * 2009-06-24 2015-01-07 Osg系统产品株式会社 螺钉紧固构造、螺钉以及螺钉紧固工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000170729A (ja) 2000-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6997085B2 (en) Threaded-fastener wrenching structure, threaded fastener and wrenching tool
JP5238076B2 (ja) ねじ締付構造、ねじ、およびねじ締付工具
JP4801837B2 (ja) ネジ山付留め具のための渦巻型駆動システム
EP2753835B1 (en) Negative drive angle
ZA200208041B (en) Tool joint.
US20100104397A1 (en) Screw and driver bit
JP3026965B1 (ja) ねじ締付構造、およびねじとねじ締付工具
JPH06509859A (ja) ねじ山付き固定部材、特にねじとねじ締め工具
WO2003100272A1 (fr) Configuration pour serrage de vis, vis et outil de serrage de vis
US20210231157A1 (en) External screw member
JP2009008174A (ja) ステアリングシャフトとヨークの結合構造
CN219673222U (zh) 波发生器、谐波减速器及机器人
JP2007327535A (ja) ねじの緩み止め構造
US20020039523A1 (en) Fastener including a head and a shank at least partially including a threaded portion
JP2573244Y2 (ja) ね じ
JP3989203B2 (ja) ねじ締付構造、ねじ部材、およびねじ締付工具
JPH11294474A (ja) 締結方法及びベアリングの締結方法
JPH03163207A (ja) ねじ
JP7296676B1 (ja) 締結具、雄ねじ側部材、雌ねじ側部材
JPH08145065A (ja) スプライン継手
US20230321799A1 (en) Anti-Slip Fastener Driver
US20210122015A1 (en) Ratchet wrench and method for assembling the same
JP3322049B2 (ja) フレーム支承部材及びフレーム連結構造
JP2000304172A (ja) 樹脂製ねじの機構
JPH082861Y2 (ja) テープリール

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120128

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150128

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150128

Year of fee payment: 15

S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150128

Year of fee payment: 15

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150128

Year of fee payment: 15

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150128

Year of fee payment: 15

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term