JP3026792B2 - 作動流体 - Google Patents

作動流体

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幸雄 大牟礼
真裕 野口
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Daikin Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機、ヒートポ
ンプなどにおいて使用される作動流体に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、作動流体乃至冷媒とし
ては、クロロフルオロ炭化水素、フルオロ炭化水素、こ
れらの共沸組成物並びにその近辺の組成の組成物が知ら
れている。これらは、フロン又はフロン系冷媒と称され
ており、現在冷凍機用の作動流体としてはトリクロロフ
ルオロメタン(フロン-11)、ジクロロジフルオロメタ
ン(フロン-12)などが主に使用されている。
【0003】しかしながら、近年、大気中に放出された
場合に、ある種のフロンが成層圏のオゾン層を破壊し、
その結果、人類を含む地球上の生態系に重大な悪影響を
及ぼすことが指摘されている。従って、オゾン層破壊の
可能性の高いフロンについては、国際的な取り決めによ
り、使用及び生産が制限されるに至っている。制限の対
象となるフロンの一種に上記の様に汎用されているフロ
ン-11およびフロン-12がある。
【0004】冷凍・空調設備の普及に伴い、需要が毎年
増大しているフロンの使用及び生産の制限は、居住環境
をはじめとして、現在の社会機構全般に与える影響が大
きい。従って、オゾン破壊問題を生じる危険性の無い或
いはその危険性の低い新たな冷媒の開発が緊急の課題と
なっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、大気中に放
出された場合にもオゾン層に及ぼす影響が小さいか或い
は影響のない新たな冷媒を得るべく、種々研究を重ねて
きた。その結果、ヘプタフルオロプロパンが、その目的
に合致する要件を具備していることを見出した。また、
ヘプタフルオロプロパンがヒートポンプ用の作動流体と
しても優れた性質を具備していることを併せて見出し
た。
【0006】すなわち、本発明は、ヘプタフルオロプロ
ンからなる作動流体に係る。
【0007】本発明で使用するヘプタフルオロプロパン
としては、CHF2CF2CF3(以下フロン-227caとい
う)およびCF3CHFCF3(以下フロン-227eaとい
う)が挙げられる。これらは、それぞれ単独で使用して
も良く、或いは両者を併用しても良い。以下において
は、特に必要でないかぎり、フロン-227caを以て両者を
代表させる。
【0008】本発明で使用するフロン-227caの主な物性
は、以下の通りである。
【0009】 沸点 −18.3℃ 臨界温度 102.7℃ 臨界圧力 32.4kg/cm2・a 分子量 170
【0010】本発明において、フロン-227caには、必要
に応じ、安定剤を併用することが出来る。即ち、過酷な
使用条件下により高度の安定性が要求される場合には、
安定剤を作動流体重量の0.01〜5%程度添加することが
できる。
【0011】安定剤としては、プロピレンオキシド、1,
2-ブチレンオキシド、グリシドールなどのエポキシド
類;ジメチルホスファイト、ジイソプロピルホスファイ
ト、ジフェニルホスファイトなどのホスファイト類;ト
リラウリルトリチオフォスファイトなどのチオホスファ
イト類;トリフェノキシホスフィンサルファイド、トリ
メチルホスフィンサルファイドなどのホスフィンサルフ
ァイド類;ホウ酸、トリエチルボレート、トリフェニル
ボレート、フェニルボロン酸、ジフェニルボロン酸など
のホウ素化合物;2,6-ジ-tert・ブチルパラクレゾールな
どのフェノール類;ニトロメタン、ニトロエタンなどの
ニトロアルカン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ルなどのアクリル酸エステル類;その他ジオキサン、te
rt・ブタノール、ペンタエリスリトール、パライソプロ
ペニルトルエン;などを添加することができる。
【0012】また、本発明においては、フロン-227ca重
量の50%までの範囲内で、フロン-227caと沸点の±50℃
以内の沸点を有する他の化合物を混合することが出来
る。この様な化合物としては、ペンタフルオロジメチル
エーテルなどのエーテル類;パーフルオロエチルアミン
などのアミン類などが例示される。
【0013】
【発明の効果】本発明で使用するフロン-227caは、比較
的易分解性であり、且つオゾン層に影響を及ぼす塩素原
子及び臭素原子を含まないので、オゾン層の破壊問題を
生じる危険性はない。
【0014】また、フロン-227caは、高分子化合物に対
する溶解性が低いので、既存の冷凍機器などにおける材
料変更などを行うことなく、そのまま使用可能である。
【0015】さらに、フロン-227caは、不燃性なので、
通常の冷凍機器などにおいて、やはりそのまま使用可能
である。
【0016】さらにまた、本発明のフロン-227caは、冷
媒としてだけではなく、ヒートポンプなどの作動流体と
しても有用である。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。
【0018】実施例1 冷媒としてフロン-227caを使用する1馬力の冷凍機にお
いて、凝縮器における冷媒の(I)凝縮温度〔℃〕およ
び(II)蒸発温度〔℃〕を表1に示す数値とし、凝縮器
過冷却度を0℃として、運転を行った。
【0019】表1に各条件下における(III)蒸発圧力
〔kg/cm2〕、(IV)凝縮圧力〔kg/cm2〕、(V)冷凍
能力〔kcal/m3〕および(VI)吐出ガス温度を示す。
【0020】比較例1 フロン-227caに代えてフロン-11を使用する以外は実施
例1と同様にして、冷凍機の運転を行なった。その結果
を表1に併せて示す。
【0021】
【表1】 蒸発温度 凝縮温度 蒸発圧力 凝縮圧力 冷凍能力 吐出ガス ℃ ℃ kg/cm 2・a kg/cm 2・a Kcal/m 3 温度 ℃ 実施例1 5 40 2.57 7.58 404 40.0比較例1 5 40 0.51 1.77 115 52.0
【0022】実施例2 操作条件を一部変更する以外は実施例1と同様にして、
冷凍機の運転を行なった。その結果を表2に示す。
【0023】比較例3〜4 フロン-227caに代えてフロン-11を使用する以外は実施
例2と同様にして、冷凍機の運転を行なった。その結果
を表2に併せて示す。
【0024】
【表2】 蒸発温度 凝縮温度 蒸発圧力 凝縮圧力 冷凍能力 吐出ガス ℃ ℃ kg/cm 2・a kg/cm 2・a Kcal/m 3 温度 ℃ 実施例2 5 50 2.14 9.87 287 50.0比較例2 5 50 0.41 2.39 87 64.7
【0025】表1及び表2に示す結果から、本発明によ
る作動流体は、従来の作動流体に比して、優れた冷凍能
力を発揮することが明らかである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プタフルオロプロパンからなる作動流
    体。
  2. 【請求項2】 冷媒としてヘプタフルオロプロパンを使
    用する冷凍機。
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