JP3026495U - 温室の換気窓装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】防虫網により日照が阻害されるおそれはなく、
また、防虫網に駆動アームの貫通穴を形成したりする必
要のない温室の換気窓装置を提供することにある。 【解決手段】温室屋根１１の一部に設けた換気窓１と、
該換気窓に一端のヒンジ部３を介して開閉自在に設けら
れた換気扉２と、温室内部から延びていて前記換気扉を
開閉駆動する駆動アーム４とからなり、前記換気窓解放
時に害虫が侵入するのを防ぐための防虫網７を備えた温
室の換気窓装置において、前記防虫網７の一端７ａを前
記換気窓２の内側縁部に、他端７ｂを最大解放状態とし
た換気扉２の側縁部にそれぞれ固定すると共に換気扉の
前端縁２ａと換気窓の内側縁部１ａとの間に張設された
防虫網の中間部７ｃを前記駆動アーム４に固定し、駆動
アームの引き込み動作により防虫網が温室内部に引き込
まれるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、温室の換気窓装置に係り、特に換気窓解放時に害虫が侵入するのを 防ぐための防虫網を備えた換気窓装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

温室屋根の一部に設けた換気窓にヒンジ部を介して開閉する押し開き式の換気 扉を設けて該換気扉を温室内部から延びる駆動アームで開閉駆動する換気窓装置 において、前記換気窓を覆うように防虫網を張設することがある。

【０００３】 この場合、前記駆動アームは防虫網を貫通して駆動する構成となるから、防虫 網には前記駆動アームの移動範囲の貫通穴が必要となると共に駆動アームの非駆 動時に貫通穴を閉塞する手段を設けなければならない。

【０００４】 従来の前記閉塞手段としては一般的には貫通穴に毛ブラシやゴム板を配置した 構成である。 一方、前記の閉塞手段では毛ブラシやゴム板に曲げ癖がついて間隙を確実に閉 塞することができないから、これを改良するものとして、防虫網に前記貫通穴を 有するカバープレートを配置すると共に駆動アーム側には該駆動アームに追従移 動するスライドプレートを嵌め込んで前記カバープレートとスライドプレートと を重ね合わせるように構成した換気窓も提案されている（例えば、実開平５−７ ４２４７号）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、防虫網はメッシュの細かいものが使用されるのが一般的であるから、 従来のように換気窓に防虫網を平面的に張設する形式では、防虫網が日照を阻害 する欠点がある。

【０００６】 また、防虫網に形成された駆動アームの貫通穴を閉塞する手段として毛ブラシ やゴム板等の閉塞部材を配置する形式では閉塞部材の摩耗や曲げ癖により間隙を 確実に閉塞することができない欠点があった。

【０００６】 一方、前記の従来提案の換気窓のようにカバープレートとスライドプレートを 配置する形式においては駆動アームの移動に追従して貫通穴を閉塞できるから貫 通穴の閉塞手段としては有効であるが、このカバープレートやスライドプレート が日照を阻害することとなる。

【０００７】 本考案の目的は、前記のような従来の換気窓の欠点を解消し、防虫網により日 照が阻害されるおそれはなく、また、防虫網に駆動アームの貫通穴を形成したり する必要のない温室の換気窓装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の温室の換気窓装置は、温室屋根の一部に設けた換気窓と、該換気窓に 一端のヒンジ部を介して開閉自在に設けられた換気扉と、温室内部から延びてい て前記換気扉を開閉駆動する駆動アームとからなり、前記換気窓解放時に害虫が 侵入するのを防ぐための防虫網を備えた温室の換気窓装置において、前記防虫網 の一端を前記換気窓の内側縁部に、他端を最大解放状態とした換気扉の側縁部に それぞれ固定すると共に換気扉の前端縁と換気窓の内側縁部との間に張設された 防虫網の中間部を前記駆動アームに固定し、駆動アームの引き込み動作により防 虫網が温室内部に引き込まれるように構成したものである。

【０００９】

【作用】

駆動アームを駆動して換気扉が開かれると防虫網の他端が追従移動して持ち上 げられ、換気扉の側縁部と換気窓の側縁部との間に防虫網が張られる。 また、駆動アームを逆方向に駆動して換気扉が閉じられようとすると、換気扉 の前端縁と換気窓の内側縁部との間に張設された防虫網の中間部７ｃが駆動アー ムに固定されているから、防虫網は駆動アームに追従して温室内部に引き込まれ る。

【００１０】 換気扉の開の状態及び閉の状態においては防虫網は縦方向又は斜め方向に張架 された形態となるから日照を阻害することはない。

【００１１】

【考案の実施の態様】

図１に示すように、温室は屋根１１の一部に換気窓１が並列的に多数設けられ ると共に、該換気窓１に棟１２に設けたヒンジ部３を介して開閉自在となる押し 開き式の換気扉２が設置され、この換気扉２は温室内部から延びている駆動アー ム４で開閉駆動される。

【００１２】 駆動アーム４は棟方向に設置された回転軸５にリンク機構６を介して連結され 、回転軸５の正逆回転に伴って換気扉２が開閉する。

【００１３】 前記換気窓１の解放時に害虫が侵入するのを防ぐための防虫網７はその一端７ ａを前記換気窓１の内側縁部１ａに、他端７ｂを最大解放状態とした換気扉２の 側縁部２ａにそれぞれ固定すると共に換気扉２の前端縁と換気窓１の内側縁部１ ａとの間に張設された防虫網７の中間部７ｃを前記駆動アーム４に固定し、駆動 アーム４の引き込み動作により防虫網７が、図１の仮想線及び図２に示すように 、温室内部に引き込まれるように構成する。

【００１４】 前記防虫網７を固定するには板ばね型の受け具８ａを所定の位置に固定し、防 虫網７を押え具８ｂで押し込んで固定する。なお、図中、１３は合掌、１４は屋 根板ガラスを示している。

【００１５】 前記回転軸５の回転によりリンク機構６を介して駆動アーム４が押し上げられ 、換気扉２が開く。このとき防虫網７の他端７ｂが追従移動して持ち上げられ、 換気扉２の側縁部と換気窓１の側縁部との間に防虫網７が張られる。 また、回転軸５の逆転により駆動アーム４を逆方向に駆動し、換気扉２が閉じ られようとすると、換気扉２の前端縁と換気窓１の内側縁部１ａとの間に張設さ れた防虫網の中間部７ｃが駆動アーム４に固定されているから、防虫網７は駆動 アーム４に追従して温室内部に引き込まれる。

【００１６】 図１及び図２に示すように、換気扉２の開の状態及び閉の状態においては防虫 網７は太陽光Ｆに対して縦方向又は斜め方向に張架された形態となるから日照を 阻害することはない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の温室の換気窓装置によれば、構成が簡単であるのは勿論、防虫網に駆 動アームのための貫通穴を設ける必要がないと共に該貫通穴を閉塞する手段を要 しないから構成が簡単であり、しかもその閉塞手段により日照を疎外することも ない。

【００１８】 また、換気扉の開の状態及び閉の状態において防虫網が縦方向又は斜め方向に なるから影になることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る温室の換気窓装置の実施例を示す
要部の側面図。

【図２】換気扉の閉の状態を示す換気窓装置を示す側面
図。

【符号の説明】

１ 換気窓 ２ 換気扉 ２ａ 前側縁部 ３ ヒンジ部 ４ 駆動アーム ５ 回転軸 ６ リンク機構 ７ 防虫網 ７ａ 防虫網の一端 ７ｂ 防虫網の他端 ７ｃ 防虫網の中間部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 温室屋根の一部に設けた換気窓と、該換
   気窓に一端のヒンジ部を介して開閉自在に設けられた換
   気扉と、温室内部から延びていて前記換気扉を開閉駆動
   する駆動アームとからなり、前記換気窓解放時に害虫が
   侵入するのを防ぐための防虫網を備えた温室の換気窓装
   置において、前記防虫網は一端が前記換気窓の内側縁部
   に、他端が最大解放状態とした換気扉の側縁部にそれぞ
   れ固定されると共に換気扉の前端縁と換気窓の内側縁部
   との間に張設された防虫網の中間部が前記駆動アームに
   固定されていて、駆動アームの引き込み動作により防虫
   網が温室内部に引き込まれるように構成したことを特徴
   とする温室の換気窓装置。