JP3025981B2 - アクティブマトリクス液晶表示素子および投射型アクティブマトリクス液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス液晶表示素子および投射型アクティブマトリクス液晶表示装置

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JP3025981B2
JP3025981B2 JP3228371A JP22837191A JP3025981B2 JP 3025981 B2 JP3025981 B2 JP 3025981B2 JP 3228371 A JP3228371 A JP 3228371A JP 22837191 A JP22837191 A JP 22837191A JP 3025981 B2 JP3025981 B2 JP 3025981B2
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友紀 郡島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画素電極毎に能動素子
を配置したアクティブマトリクス液晶表示素子及び投射
型アクティブマトリクス液晶表示装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、近年その低消費電
力、低電圧駆動等の特長を生かしてパーソナルワードプ
ロセッサー、ハンドヘルドコンピューター、ポケットT
V等に広く利用されている。中でも注目され、盛んに開
発されているのが、画素電極毎に能動素子を配置したア
クティブマトリクス液晶表示素子である。
【0003】このような液晶表示素子は当初は、D
動的散乱)型の液晶を用いた液晶表示素子も提案され
ていたが、DS型では液晶中を流れる電流値が高いた
め、消費電流が大きいという欠点があり、現在ではTN
(ツイストネマチック)型液晶を用いるものが主流とな
っており、ポケットTVとして市場に現われている。T
N型液晶では、漏れ電流は極めて小さく、消費電力が少
ないので、電池を電源とする用途には適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アクティブマトリクス
液晶表示素子をDSモードで使用する場合には、液晶自
身の漏れ電流が大きい。このため、各画素と並列に大き
な蓄積容量を設ける必要があり、かつ、液晶表示素子自
体の消費電力が大きくなるという問題点を有していた。
【0005】TNモードにおいては、液晶自身の漏れ電
流は極めて小さいので、大きな蓄積容量を付加する必要
はないし、液晶表示素子自体の消費電力は小さくでき
る。しかし、TNモードでは、2枚の偏光板を必要とす
るので、光の透過率が小さいという問題点を有してい
る。特に、カラーフィルターを用いてカラー表示を行う
場合には、入射する光の数%しか利用できないこととな
り、強い光源を必要とし、そのため結果として消費電力
を増加させてしまう。
【0006】また、画像の投影を行う際には極めて強い
光源を必要とし、投影スクリーン上で高いコントラスト
が得られにくいことや、光源の発熱による液晶表示素子
への影響という問題点を有している。
【0007】そこで、TNモードの課題を解決すべく、
ネマチック液晶を樹脂マトリクス中に分散保持した液晶
樹脂複合体を使用して、その散乱−透過特性を利用した
10V以下の低電圧で駆動できるモードが提案されてい
る。しかし、階調表示を行う際、特に、低電圧領域(暗
い表示領域)で応答性が悪く、残像が生じやすいという
問題点を有していた。
【0008】また、同じ構成のアクティブマトリクス液
晶表示素子を複数個用いてカラー化した際には、色によ
って透過特性等が異なるため、カラーバランスが充分で
なく、特定の色が目立って見えたりして、きれいなカラ
ー表示が得られにくいという問題点を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、複数の色光源と、各色
光源からの光が入射する複数のアクティブマトリクス液
晶表示素子と、アクティブマトリクス液晶表示素子から
出射した光を合成投射する投射光学系とを有する投射型
アクティブマトリクス液晶表示装置において、アクティ
ブマトリクス液晶表示素子には、画素電極毎に能動素子
を設けたアクティブマトリクス基板と対向電極を設けた
対向電極基板との間に液晶樹脂複合体が挟持され、誘電
異方性が正のネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分散
保持され、電圧の印加時または非印加時のいずれかの状
態においてその樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶
の屈折率とほぼ一致するようにされ、一つの液晶アクテ
ィブマトリクス液晶表示素子の有する構成パラメータ
(添字xで表記する)として、樹脂マトリクス中に分散
保持される各色の液晶の平均粒子径Rx(μm)、電極間
間隙dx (μm) 、液晶の比誘電率異方性Δεx 、弾性定
数K33x(10-12N)、粘度ηx(cSt)、屈折率異方性Δnx、各
色の主波長λx(μm) とすると、 Δnx 2・Δεx/(K33x・ηx) > 0.0011 (1) 4(K33xx)0.5 >Rx>(K33x/Δεx)0.5 (2) の関係を満足し、さらに、少なくとも一組のアクティブ
マトリクス液晶表示素子の構成パラメータ(添字i,j
で表記する、ただし、i≠j)について、 Δni・Rii ≒Δnj・Rjj (3) かつ、di/Ri ≒dj/Rj (4) の関係を満足するか、または、 Δni・di 2/ λi ≒Δnj・dj 2/ λj (5) の関係を満足することを特徴とする投射型アクティブマ
トリクス液晶表示装置を提供する。
【0010】また、 Δnx 2・Δεx/(K33x・ηx) > 0.0014 (1A) の関係を満足することを特徴とする上記投射型アクティ
ブマトリクス液晶表示装置を提供する。
【0011】また、色光源がRGB3色の色光源であ
り、(1) 、(2) 式をRGB3色に対応せしめられたアク
ティブマトリックス液晶表示素子の各構成パラメータ
(添字R,G,Bで表記する)が満足し、さらに、(3)
、(4) 、(5) 式を満足する代わりに、 ΔnR・RRR ≒ΔnG・RGG ≒ΔnB・RBB (3A) かつ、dR/RR ≒dG/RG ≒dB/RB (4A) の関係を満足するか、または、 ΔnR・dR 2/ λR ≒ΔnG・dG 2/ λG ≒ΔnB・dB 2/ λB (5A) の関係を満足する上記投射型アクティブマトリクス液晶
表示装置を提供する。
【0012】さらに、λ i >λj とした場合、Δnj≦Δ
niの関係を満足する上記投射型アクティブマトリクス液
晶表示装置、及び、に対応せしめられたアクティブ
マトリックス液晶表示素子の構成パラメータである屈折
率異方性Δnx、平均粒子径Rxがいずれも 0.2 < Rx・ Δnx < 0.7 (6) の関係を満足する上記投射型アクティブマトリクス液晶
表示装置、及び、アクティブマトリックス液晶表示素子
の構成パラメータ(添字xで表記する)として、液晶樹
脂複合体に印加される最大実効印加電圧Vx(V)とする
と、色のアクティブマトリックス液晶表示素子の構成
パラメータが、 3Rx < dx < 9Rx (7) 0.6Rx・Vx < dx < 1.2Rx・Vx (8) の関係を満足する上記投射型アクティブマトリクス液晶
表示装置を提供する。
【0013】さらに、RGB3色のカラーフィルターを
有し、画素電極毎に能動素子を設けたアクティブマトリ
クス基板と、対向電極を設けた対向電極基板との間に、
誘電異方性が正のネマチック液晶が樹脂マトリクス中に
分散保持され、電圧の印加時または非印加時のいずれか
の状態においてその樹脂マトリクスの屈折率が使用する
液晶の屈折率とほぼ一致するようにされた液晶樹脂複合
挟持されたアクティブマトリクス液晶表示素子にお
いて、構成パラメータとして、樹脂マトリクス中に分散
保持される各色の液晶の平均粒子径R(μm) 、緑色に対
応する電極間間隙をd G (μm) 、液晶の比誘電率異方性
Δε、弾性定数K33(10-12N) 、粘度η(cSt) 、屈折率異
方性Δn とすると、 Δn2・ Δε/(K33・η) > 0.0011 (1B) 4(K33/η)0.5 >R > (K33/ Δε)0.5 (2B) 0.2 <R・Δn < 0.7 (6B) 3R < dG < 9R (7B) の関係を満足し、さらに、少なくとも2色に対応した構
成パラメータ(色について、添字iまたはjで表記す
る。ただし、i≠j)として、各色の主波長λ i (μm)
およびλ j (μm) 、電極間間隙d i (μm) およびd j (μ
m)とすると、 di 2i ≒dj 2j (5B) の関係を満足することを特徴とするアクティブマトリク
ス液晶表示素子、及び、そのアクティブマトリクス液晶
表示素子に、投射用光源と投射光学系とを組み合わせた
ことを特徴とする投射型アクティブマトリクス液晶表示
装置を提供する。
【0014】本発明の投射型アクティブマトリクス液晶
表示装置では、アクティブマトリクス基板と対向電極基
板との間に挟持される液晶材料として、電気的に散乱状
態と透過状態とを制御しうる液晶樹脂複合体を挟持した
アクティブマトリクス液晶表示素子を用いているため、
偏光板が不要であり、透過時の光の透過率を大幅に向上
できる。さらに、液晶樹脂複合体中の平均粒子径RX(μ
m)、両電極間隙dX(μm)が色毎に設定されている。
そのため本発明では、投射表示で、色バランスが良く、
明るく、コントラスト比の良い表示が得られる。
【0015】また、TN型液晶表示素子に必須の配向処
理や発生する静電気による能動素子の破壊といった問題
点も避けられるので、液晶表示素子の製造歩留りを大幅
に向上させることができる。
【0016】さらに、この液晶樹脂複合体は、硬化後は
フィルム状になっているので、基板の加圧による基板間
短絡やスペーサーの移動による能動素子の破壊といった
問題点も生じにくい。
【0017】また、この液晶樹脂複合体は、比抵抗が従
来のTNモードの場合と同等であり、DSモードのよう
に大きな蓄積容量を画素電極毎に設けなくてもよく、能
動素子の設計が容易で、かつ、液晶表示素子の消費電力
を少なく保つことができる。従って、TNモードの従来
の液晶表示素子の製造工程から、配向膜形成工程を除く
だけで製造が可能になるので、生産が容易である。
【0018】液晶樹脂複合体の比抵抗としては、 5×10
9 Ωcm以上のものが好ましい。さらに、漏れ電流等によ
る電圧降下を最小限にするために、1010Ωcm以上がより
好ましく、この場合には大きな蓄積容量を画素電極毎に
付与する必要がない。
【0019】画素電極に設けられる能動素子としては、
トランジスタ、ダイオード、非線形抵抗素子等があり、
必要に応じて1つの画素に2以上の能動素子が配置され
ていてもよい。このような能動素子とこれに接続された
画素電極とを設けたアクティブマトリクス基板と、対向
電極を設けた対向電極基板との間に上記液晶樹脂複合体
を挟んで液晶表示素子とする。
【0020】本発明の液晶表示素子は、直視型表示素
子、投射型表示素子の両方で用いることができる。直視
型表示素子として用いる場合、得たい表示特性に応じ
て、バックライト、レンズ、プリズム、ミラー、拡散
板、光吸収体、カラーフィルターなどを組み合わせて表
示装置を構成すればい。
【0021】本発明の液晶表示素子は、特に、投射型表
示装置に適しており、投射用光源、投射光学系などと組
み合わせて、投射型液晶表示装置とすることができる。
本発明の投射型アクティブマトリクス液晶表示装置とし
ては、複数の色光源及び投射光学系を用いる。これら色
光源及び投射光学系は、従来から公知の投射用光源、レ
ンズ等の投射光学系が使用でき、通常は上記複数の液晶
表示素子を各色光源に対応して配置し、これによる像を
合成して投射するようにされていればよい。
【0022】この色光源は、色毎に専用の光源を使用し
てもよいし、1つの光源の光を分光して使用してもよ
い。この色光源から出た光は、アクティブマトリクス液
晶表示素子に入射させられる。本発明ではこれらの複数
枚のアクティブマトリクス液晶表示素子が、光源の色毎
にその特性を合せて使用される。これらのアクティブマ
トリクス液晶表示素子から出射した光が、混合されて投
射される。これにより明るく、色バランスがよく、高コ
ントラスト比の投射映像が得られる。
【0023】本発明では、液晶樹脂複合体として細かな
孔の多数形成された樹脂マトリクスとその孔の部分に充
填された誘電異方性が正のネマチック液晶とからなり、
電圧の印加時または非印加時のいずれかの状態において
その樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶の屈折率と
ほぼ一致するようにされ、使用する液晶の屈折率異方性
Δn が0.18以上である液晶樹脂複合体を用いることが好
ましい。特に、その樹脂マトリクスの屈折率が使用する
液晶の常光屈折率(no)とほぼ一致するようにされること
が好ましい。
【0024】この液晶樹脂複合体をアクティブマトリク
ス基板と、対向電極基板との間に挟持して液晶表示素子
とする。この液晶表示素子の電極間への電圧の印加状態
により、その液晶の屈折率が変化し、樹脂マトリクスの
屈折率と液晶の屈折率との関係が変化し、両者の屈折率
が一致した時には透過状態となり、屈折率が異なった時
には散乱状態となる。
【0025】この細かな孔の多数形成された樹脂マトリ
クスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶樹
脂複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液晶が
封じ込められたような構造であるが、個々のマイクロカ
プセルが完全に独立していなくてもよく、多孔質体のよ
うに個々の液晶の液泡が細隙を介して連通していてもよ
い。
【0026】本発明の液晶表示素子に用いる液晶樹脂複
合体は、ネマチック液晶と、樹脂マトリクスを構成する
硬化性化合物とを混ぜ合わせて溶液状またはラテックス
状にしておいて、これを光硬化、熱硬化、溶媒除去によ
る硬化、反応硬化等させて樹脂マトリクスを分離し、樹
脂マトリクス中にネマチック液晶が分散した状態をとる
ようにすればよい。
【0027】この硬化性化合物を、光硬化または熱硬化
タイプにすることにより、密閉系内で硬化できるため好
ましい。特に、光硬化タイプの硬化性化合物を用いるこ
とにより、熱による影響を受けなく、短時間で硬化させ
ることができ好ましい。
【0028】具体的な製法としては、従来の通常のネマ
チック液晶と同様にシール材を用いてセルを形成し、注
入口からネマチック液晶と硬化性化合物との未硬化の混
合物を注入し、注入口を封止して後、光照射をするか加
熱して硬化させることもできる。
【0029】また、本発明の液晶表示素子の場合には、
シール材を用いなく、例えば、対向電極としての透明電
極を設けた基板上にネマチック液晶と硬化性化合物との
未硬化の混合物を供給し、その後、画素電極毎に能動素
子を設けたアクティブマトリクス基板を重ねて、光照射
等により硬化させることもできる。
【0030】もちろん、その後、周辺にシール材を塗布
して周辺をシールしてもよい。この製法によれば、単に
ネマチック液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物をロ
ールコート、スピンコート、印刷、ディスペンサーによ
る塗布等の供給をすればよいため、注入工程が簡便であ
り、生産性が極めてよい。
【0031】また、これらのネマチック液晶と硬化性化
合物との未硬化の混合物には、基板間隙制御用のセラミ
ック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペーサ
ー、顔料、色素、粘度調整剤、その他本発明の性能に悪
影響を与えない添加剤を添加してもよい。
【0032】電圧非印加時に散乱状態である素子に、こ
の硬化工程の際に特定の部分のみに十分高い電圧を印加
した状態で硬化させることにより、その部分を常に光透
過状態にすることができるので、固定表示したいものが
ある場合には、そのような常透過部分を形成してもよ
い。逆に、電圧非印加状態に透過状態である素子の場合
には、同様にして常散乱部分を形成できる。
【0033】なお、この液晶樹脂複合体を使用した液晶
表示素子の透過状態での透過率は高いほどよく、散乱状
態でのヘイズ値は80%以上であることが好ましい。
【0034】本発明では、電圧印加状態または非印加状
態のいずれかで、樹脂マトリクス(硬化後の)の屈折率
が、使用する液晶の屈折率と一致し、逆の状態では樹脂
マトリクスの屈折率が、使用する液晶の屈折率と一致し
ないようにされる。
【0035】これにより、樹脂マトリクスの屈折率と液
晶の屈折率とが一致した時に光が透過し、一致しない時
に光が散乱(白濁)することになる。この素子の散乱性
は、従来のDSモードの液晶表示素子の場合よりも高
く、高いコントラスト比の表示が得られる。
【0036】本発明では、特に、電圧を印加している状
態で、樹脂マトリクス(硬化後の)の屈折率が、使用す
る液晶の常光屈折率(no)と一致するようにされることが
好ましい。これにより、電圧印加時に透過状態になるの
で、光透過時の透過率が高くなりかつ均一に透過するの
で、表示のコントラスト比が向上する。
【0037】本発明の目的は、この液晶樹脂複合体を挟
持したアクティブマトリクス液晶表示素子を用いた投射
型アクティブマトリクス液晶表示装置の最適な構成を提
供することにある。即ち、階調表示の際にも応答が速
く、残像のない表示が得られ、色バランスが良く、かつ
透過時に高い透過率を有し、散乱時に高い散乱性(遮光
性)を有し、明るく、コントラスト比の大きなアクティ
ブマトリクス液晶表示素子を提供するものである。
【0038】上記液晶樹脂複合体を用いたアクティブマ
トリクス液晶表示素子の電気光学特性を決める要因とし
ては、使用する液晶の屈折率(常光屈折率no、異常光屈
折率ne)、比誘電率(ε//、ε⊥、//及び⊥は夫々液晶
分子軸に平行、垂直を示す)、粘η、弾性定数K33 、
並びに使用する樹脂の屈折率np、比誘電率εp 、弾性
率、並びに樹脂マトリクス中に分散保持される液晶の平
均粒子径Rx、体積分率Φ、両基板の電極間間隙(液晶樹
脂複合体の厚み)dx、能動素子により画素部分の液晶樹
脂複合体に印加される最大実効印加電圧Vx等が挙げられ
る。
【0039】ここで液晶平均粒子径Rxとは、液晶が独立
した粒子または一部が連通した粒子である場合には、そ
の粒子の最大直径を意味し、液晶の多くが連通した構造
の場合には、液晶のディレクターの向きが互いに相関を
持つ領域の最大直径を意味する。
【0040】樹脂マトリクス中に分散保持される液晶
は、独立した粒子、または一部が連通した粒子であるこ
とが好ましい。これは、高い散乱能と低電圧で駆動した
際の高い透過性を両立させるために有効である。散乱は
液晶と樹脂の界面の存在により引き起こされる。このた
め、この界面の面積が大きいほど散乱性は向上する。あ
る最適な液晶粒子径で、この界面の面積を増大させるた
めには、独立して樹脂と分離した液晶量を多くする、即
ち、液晶粒子密度を多くすることが重要である。
【0041】しかし、樹脂と分離した液晶量を増大して
いくと、いずれ夫々の液晶粒子が連通するようになり、
さらには液晶が全て連通した構造を取るようになり、こ
れは樹脂と分離した液晶界面の喪失につながるため、散
乱能の低下につながる。
【0042】また、駆動電圧を低くするためには、樹脂
中に保持される夫々の液晶の領域に対し、ほぼ等しい駆
動電界が与えられることが重要である。このためには、
液晶が明確な界面を樹脂との間に持つ方が有利であり、
界面の喪失は駆動電界の分散につながり、コントラスト
比の低下と駆動電圧の上昇を生じる傾向がある。このた
め、樹脂中に分散保持される液晶は、高密度に存在する
独立粒子または一部が連通した粒子であることが好まし
い。
【0043】本発明の液晶樹脂複合体を用いたアクティ
ブマトリクス液晶表示素子の電気光学特性としては、無
電圧時に高い散乱性を有し、かつ、電圧印加時に高い透
過性を有すること、即ち、高い表示コントラスト比を持
つことが望まれる。このような液晶表示素子を用いて、
投射型の表示を行った場合、高輝度かつ高コントラスト
比の表示を得ることができる。このような表示を得るた
めには、上記の要因が最適な関係を持つことが必要であ
る。
【0044】これらの要因の中でアクティブマトリクス
液晶表示素子の電気光学特性を決定する特に重要な要因
は、使用する液晶の屈折率(屈折率異方性Δn =異常光
屈折率ne−常光屈折率no)、液晶の比誘電率異方性Δ
ε、粘度η、弾性定数K33 、平均粒子径R 、粒子径分
布、両基板の電極間間隙dxであり、色光源の主波長λX
に応じて、各液晶表示素子毎に液晶の平均粒子径R、両基
板の電極間間隙dXを定めて最適化する。
【0045】使用する液晶の屈折率異方性Δn(=ne
no) は、無電圧時における散乱性に寄与し、高い散乱性
を得るには、ある程度以上大きいことが好ましく、具体
的にはΔn >0.18が好ましく、特にΔn >0.22が好まし
い。また、使用する液晶の常光屈折率noは樹脂マトリク
スの屈折率npとほぼ一致することが好ましく、この時電
圧印加時に高い透明性が得られる。具体的にはno−0.03
<np<no+0.05の関係を満たすことが好ましい。
【0046】本発明の最も大きな目的は、階調表示の際
にも速い応答性を示し、色バランスのよい液晶樹脂複合
体を用いたアクティブマトリクス液晶表示素子及び投射
型アクティブマトリクス液晶表示装置を得ることであ
る。以下の説明では、樹脂マトリクスの屈折率が、使用
する液晶の常光屈折率(no)と一致するようにされ、電圧
印加時に透過状態になる液晶表示素子を例にして説明す
る。
【0047】液晶樹脂複合体は、スタティックで駆動す
る際、オフ状態と十分高い(飽和電圧以上の)オン状態
で駆動されるため、数十msec以下の応答性を有しており
一般に高速表示に適したものである。しかし、階調表示
の際には中間調を表示するために飽和電圧よりも低い電
圧も用いられ、スタティック駆動での応答より遅い状態
が存在する。階調表示時の応答性は低電圧側での表示
(暗い表示)ほど応答が遅くなる傾向があり、特に、オ
フ状態から低い透過率状態への変化が最も遅く、スタテ
ィック駆動時の応答の数十倍以上遅くなることもある。
【0048】樹脂マトリクス中に分散保持される液晶の
平均粒子径R は非常に重要な要因であり、無電圧時の散
乱性、電圧印加時の液晶の動作特性に寄与する。
【0049】階調表示の際の応答性を決定する重要な要
因は、樹脂中に保持される液晶の平均粒子径R 、及び、
その形状、用いる液晶の比誘電率異方性Δε、弾性定数
K33(10-12N)、粘度η(cSt) 等である。
【0050】階調表示の際にも残像のない表示得られ
るのは、樹脂マトリクス中に分散保持される液晶の平均
粒径子Rx( μm) と、用いる液晶の比誘電率異方性Δε
x 、粘度ηx(cSt)、弾性定数K33x(10-12N )が、各色ご
とに、 Δnx 2・Δεx/(K33x・ηx) > 0.0011 (1) 4(K33x/ ηx)0.5 >Rx>(K33x/Δεx)0.5 (2) の関係を満たす時である。
【0051】この範囲においては、階調表示時の各電圧
における液晶に働くトルクバランスがとれ、残像のない
表示が得られると共に、液晶の駆動に要する電界が低く
抑えられる。なお、ここで用いられる液晶の物性値は室
温での値である。
【0052】樹脂マトリクス中に分散保持される液晶の
平均粒径Rxは、応答性に強く依存しRxが大きくなると応
答速度は急激に遅くなる。一方、Rxが小さくなると応答
速度は速くなるがその駆動に要する電圧が高くなってし
まう。
【0053】最適なRxの領域は、液晶の静電エネルギ
ー、弾性エネルギー、液晶に働くトルクのバランスによ
り決定され、表示に支障のない応答性の得られるための
Rx範囲は4(K33x/ η)0.5 未満かつ(k33x/Δε)0.5
表される。
【0054】液晶の弾性定数は液晶に蓄積される弾性エ
ネルギーを決定するが、液晶樹脂複合体においては、と
くに弾性定数K33xによるベンドエネルギーが大きな役割
を果たし、応答特性、駆動特性即ち、液晶に働く弾性ト
ルクと深く関与する。比誘電率異方性は、液晶に働く電
気的トルクすなわち駆動に必要な電圧と関与し、粘度は
液晶に働く粘性トルクと関与する。これらのトルクのバ
ランスを最適化したのが、上記した関係であり、この範
囲内では階調表示において動画の表示に適した応答特性
が、比較的低い電圧で得ることができる。
【0055】複数の色光源と複数枚のアクティブマトリ
クス液晶表示素子を用い、それらの画像を合成投射する
投射型アクティブマトリクス液晶表示装置の場合、中間
調において残像がなく、比較的低い電圧で駆動できるた
めには、全てのアクティブマトリクス液晶表示素子で、
(1) 式を満たしている必要がある。中でも、(1) 式の値
が0.0014より大きくすることがより好ましい。即ち、
(1) 式は、以下の(1A)式式のようにされることが好まし
い。 Δnx 2・Δεx/(K33x・ηx) > 0.0014 (1A)
【0056】さらに、夫々の素子における液晶の屈折率
異方性Δnx、比誘電率異方性Δεx、ベンドの弾性定数K
33x(10-12N)、粘度ηx(cSt)、液晶の平均粒子径Rx(μ
m)が、 4(K33x/ ηx)0.5 >Rx>(K33x/Δεx)0.5 (2) を満足していることが重要である。
【0057】単位動作液晶量あたりの散乱性を高めるた
めには、各色のアクティブマトリクス液晶表示素子で、 0.2 < Rx・Δnx < 0.7 (6) を満足するようにする。
【0058】液晶表示素子の平均粒子径Rxが(6) 式の範
囲よりも小さい場合、応答速度は速くなるが、単位動作
液晶量当りの散乱能が低下すると共に、駆動に必要な電
圧が高くなる。逆に、平均粒子径Rxが(6) 式の範囲より
も大きい場合、低電圧で駆動可能になるが、単位動作液
晶量当りの散乱能が低下すると共に、応答速度が遅くな
る。
【0059】液晶の粒子径は、均一であることが望まし
い。粒子径に分布がある場合、大きな液晶粒子は散乱能
の低下に、小さな液晶粒子は駆動電圧の上昇につなが
り、結果として、駆動電圧の上昇とコントラストの低下
を招く。粒子径の分散σは平均粒子径の0.25倍以内が望
ましく、0.15倍以内がよりましい範囲である。なお、
平均粒子径、分散は体積で重み付けをした平均、分散で
ある。
【0060】十分なコントラストを達成するには、電極
間間隙dx(μm)も重要であり、液晶の平均粒子径R
x(μm)に対して、 3Rx < dx < 9Rx (7) の関係を満たす範囲がましい。
【0061】また、1個のセルで多色カラー表示する場
合、即ち、1つのセル内に複数色設ける場合には、通常
は液晶も1種類しか使用できないので、上記の(1) 、
(2) 、(6) 式は以下のような(1B)、(2B)、(6B)式にな
る。 Δn2・ Δε/(K33・η) > 0.0011 (1B) 4(K33/η)0.5 >R > (K33/ Δε)0.5 (2B) 0.2 < R・Δn < 0.7 (6B)
【0062】なお、この(1B)式は、(1) 式が(1A)式であ
ることが好ましいと同様、(1C)式の関係を満たすことが
好ましい。 Δn2・ Δε/(K33/η) > 0.0014 (1C)
【0063】また、用いる波長の中間領域で、 3R < d < 9R (7C) の関係を満たす範囲がましい。1つのセル内にRGB
3色設ける場合には、可視光の帯域の中間領域が緑色な
ので、 3R < dG < 9R (7B) の関係を満たすようにすればよい。
【0064】1つのセル内にRGB3色設けて、カラー
表示をする場合、液晶表示素子の平均粒子径R が(6B)式
の範囲よりも小さい場合、散乱性は短波長側の方が強い
という波長依存性を持つようになり、また、液晶の動作
により高い電圧を必要とするため、消費電力が増大する
という問題も生じる。逆に、平均粒子径R が(6B)式の範
囲よりも大きい場合、散乱性の波長依存性は小さいもの
の、全可視光線域にわたって散乱性が弱くなり、コント
ラスト比が低下し、透過時から散乱時への応答性が遅く
なるという問題点も生じる。このため、上記の範囲とさ
れる。
【0065】この場合、緑の光源に対する液晶表示素子
の電極間間隙dGも重要な要因である。dGを大きくする
と、無電圧時の散乱性は向上する。しかし、dGがあまり
大きすぎると、電界印加時の充分な透明性を達成するた
めに高い電圧を必要とし、消費電力の増大や、従来のT
N用の能動素子、駆動用ICが使用できないといった問
題が生じてくる。また、dGを小さくすると、低電圧で高
い透明性が得られるが、無電圧時の散乱性は減少してい
く。このため、無電圧時の散乱性と電圧印加時の高透明
性を両立させるためには、dG(μm)が、前記した(7B)
式を満足するようにされる。
【0066】また、色毎の特性を揃えるためには、その
対象となる液晶表示素子で、Δn・R/λ並びにΔn・d2/ λ
をほぼ一致させる。具体的には、以下のようにする。 Δni・Rii ≒Δnj・Rjj (3) かつ、di/Ri ≒dj/Rj (4) の関係を満足するか、または、 Δni・di 2/ λi ≒Δnj・dj 2/ λj (5) の関係を満足するようにされる。
【0067】(3)、(4)式の条件が満たされている場合に
は、光の位相条件を揃えることにより、液晶粒子による
散乱強度を色に対しほぼ揃えることができ、オフ状態、
または中間調表示状態における電圧透過率特性をほぼ揃
え、色バランスのよい表示を得ることができる。実際の
カラー表示の際には、駆動回路による微調整などと組み
合わせることにより、より色バランスのとれたカラー表
示が得られる。
【0068】色毎の特性は、(5) 式のように各色に対す
る液晶の平均粒子径を一定にして、Δnx・dx 2/ λx を一
致させることによっても揃えることができる。従って、
特性を揃えたい液晶表示素子の組において、(3) 、(4)
式の関係、または、(5) 式の関係のいずれかにより色補
正を行うことができる。
【0069】3色以上のために3個以上の液晶表示素子
を用いる場合、その内一部は(3) 、(4) 式の関係を満足
し、他の一部は(5) 式の関係を満足するようにしてもよ
い。また、それらの内一部の色間では補正すべき差が少
ない場合には、影響の大きい一部の色間のみ、(3) 、
(4) 式または(5) 式で色補正を行うようにすることもで
きる。
【0070】具体的に、RGB3色とした場合も、3個
の液晶表示素子間全て(3) 、(4) 式または(5) 式で色補
正を行えば、最も良い補正ができるが、少なくともそれ
ら3個の液晶表示素子の内、一対の液晶表示素子間で、
(3) 、(4) 式または(5) 式で色補正を行うようにしても
よい。
【0071】具体的には、夫々次のようになる。 ΔnR・RRR ≒ΔnG・RGG 、かつ、dR/RR ≒dG/RG 、 ΔnR・RRR ≒ΔnB・RBB 、かつ、dR/RR ≒dB/RB 、 ΔnG・RGG ≒ΔnB・RBB 、かつ、dG/RG ≒dB/RB の3組の関係の内、少なくとも1組の関係を満足する
か、または、 ΔnR・dR 2/ λR ≒ΔnG・dG 2/ λG 、 ΔnR・dR 2/ λR ≒ΔnB・dB 2/ λB 、 ΔnG・dG 2/ λG ≒ΔnB・dB 2/ λB の3つの関係の内、少なくとも1つの関係を満足するよ
うにされる。
【0072】RGB3色全てを色補正する場合には、
(3) 、(4) 、(5) 式は、夫々次のようになる。 ΔnR・RRR ≒ΔnG・RGG ≒ΔnB・RBB (3A) かつ、dR/RR ≒dG/RG ≒dB/RB (4A) の関係を満足するか、または、 ΔnR・dR 2/ λR ≒ΔnG・dG 2/ λG ≒ΔnB・dB 2/ λB (5
A) の関係を満足する。
【0073】また、全てを色補正するとしても、R
の補正は(3) 、(4) 式の条件で行い、GB間の補正
はこの場合、(5) 式の条件で行うようにしてもよい。
【0074】特に、RGB3色間の色補正については、
一般に赤(R)における光学特性が、緑(G)、青
(B)の光学特性と大きく異なるため、RとG、及びR
B間の補正が最も重要である。従って、例えば駆動回
路側の負担は増えるが、GとB用の液晶表示素子は同一
の液晶表示素子を用い、GとBとの間の補正は駆動回路
で行い、RとG及びRとB間の補正を、前記は(3) 、
(4) 式または(5) 式の関係で行うようにすることもでき
る。この場合には、RGB用の液晶表示素子として3種
類の液晶表示素子を製造するのではなく、2種類の液晶
表示素子を製造すればよいので、製造上の利点がある。
【0075】(5) 式の条件下では、コントラスト比など
の面では(3) 、(4) 式の場合より若干不利になるが、各
色における散乱特性をほぼ揃えることができ、色バラン
スのとれた表示を得ることが可能である。この場合、各
色に用いる液晶が同一の場合、電極間間隙のみにより色
毎の特性をほぼ揃えることが可能であり、製造が容易で
あるし、カラーフィルターと組み合わせることにより1
個の液晶表示素子で色バランスのとれた複数色表示が可
能である。
【0076】同一の液晶を用いる場合、カラーフィルタ
ーと併用する場合は、(5) 式は、i≠jとして、 di 2i ≒dj 2j (5B) とされる。カラーフィルターを用いる場合は、各色のカ
ラーフィルターの部分で(5B)式に従って、電極間間隙を
揃えることにより、色バランスのよい表示が得ることが
できる。
【0077】この場合にも、RGB3色とした場合に
は、(5B)式は、次のようになる。 dR 2R ≒dG 2G ≒dB 2B (5C) ただし、この場合も、例えば、GとB間では電極間間隙
で補正を行わず、RととG及びRとB間でのみ補正を行
い、GとB間の色補正を駆動回路により行うことも可能
である。この場合にはdR 2R ≒dG 2G またはdR 2
R ≒dB 2B となる。
【0078】オフ時の散乱強度を最大とする液晶粒子径
は、λとΔn とに深く関与し、前述のように、Δn・R/λ
により単位動作液晶当りの散乱強度は決定する。従っ
て、(3) 、(4) 式で色毎の特性を揃えようとする場合、
各色で同一の液晶を用いると長波長側で用いる液晶ほど
平均粒子径を大きくする必要がある。平均粒子径が大き
くなると応答時間が長くなるという特性を考慮すると、
特に長波長側で用いる液晶ほど、Δn はより大きなもの
が望ましい。
【0079】用いる液晶の選定は、 (1)式に示した粘
度、弾性定数、比誘電率異方性と平均粒子径との関係を
も考慮して、行うことができ、用いる液晶に対して、希
望する応答特性、駆動電圧、コントラスト比等に応じ
て、色毎の特性が揃った動画表示を得ることができる。
【0080】なお、使用する液晶の屈折率異方性Δn
は、前述のごとくΔn >0.18とされることが好ましく、
色毎に液晶を変える場合には、各液晶毎に上記式を満足
するようにされることが好ましい。
【0081】(3) 、(4) 式または(5) 式の条件で、色バ
ランスを補正する場合、各色における屈折率異方性は、
上記の範囲内で設定することが可能であり、λi >λj
とした場合、Δnj≦Δniの関係を満足するようにされる
ことが好ましい。具体的には、色光源としてRGBの三
色を用いる場合、ΔnB≦ΔnG≦ΔnRとなるようにするこ
とが好ましい。
【0082】ΔnB≒ΔnG≒ΔnRの条件は、各色の液晶表
示素子におけるΔn をほぼ揃えるものであり、夫々の素
子に同一の液晶を用いることができるという利点を有す
る。この場合、色毎の特性は、(3) 、(4) 式により液晶
の平均粒子径と電極間間隙、または(5) もしくは(5C)式
により電極間間隙によって補正することが可能である。
【0083】ΔnB<ΔnG<ΔnRの条件下では、長波長領
域で用いる液晶表示素子の液晶ほど大きなΔn を有して
いるため、液晶樹脂複合体の構造、並びに電極間間隙を
色毎に大きく変える必要がないという利点を有してい
る。特に、Δn/λを夫々の色でほぼ一致させた場合に
は、ほぼ同一の構造の液晶樹脂複合体とほぼ同一の電極
間間隙を用いることにより、色バランスを取ることが可
能である。
【0084】ΔnB≒ΔnG<ΔnRまたはΔnB<ΔnG≒ΔnR
の条件は、2種類の液晶により、3色の特性をほぼ揃え
るものでり、色毎の特性は、(3) 、(4) 式により液晶
の平均粒子径と電極間間隙、または(5) 式により電極間
間隙によって補正することが可能である
【0085】両基板の電極間間隙dXの絶対値は、使用す
る印加電圧に応じて、表示輝度、コントラスト比が最適
となるように選択すればい。最大印加電圧と両電極間
間隙は、以下のような範囲とすることが好ましい。 0.6Rx・Vx < dx < 1.2Rx・Vx (8)
【0086】この範囲内では、従来のTN用の能動素
子、駆動用ICを用いて高いコントラスト比を有する表
示が可能である。(8) 式の範囲内におけるdxの設定は、
用いる液晶の比誘電率異方性Δε(=ε//−ε⊥)、弾
性定数との関係により、適当に設定することが可能であ
る。一般には、大きなΔε、例えばΔεが5より大きい
液晶を用い、最大実効印加電圧で充分な透明性が得られ
るような範囲で、dxを最大にすることが好ましい。
【0087】上記のように、電圧印加時に透明状態、無
電圧時に散乱状態となる液晶樹脂複合体を用いたアクテ
ィブマトリクス液晶表示素子において、(1) 〜(4) 式
条件、または(1) 〜(3) 及び(5) の条件を全て満足
する液晶表示素子は、(8) 式の電圧範囲、即ち、従来の
TN用の能動素子や駆動用ICを用いて、高いコントラ
スト比を持ち明るく、色バランスのとれた投射型のカラ
ー動画表示が可能である。具体的には、コントラスト比
100以上、電圧印加時の透過率が70%以上、階調表示時
の応答時間が200msec 以下の表示が可能である。
【0088】上記素子を反射型で用いる場合には、光は
2度液晶樹脂複合体を通過するので、散乱時の散乱性が
増大する。従って、(7) 式の範囲内で、dxを薄くするこ
とが可能で、(8) 式によって決められる最大駆動電圧も
低減できる。
【0089】また、無電圧時の散乱性を向上させるに
は、液晶樹脂複合体の動作可能な液晶の体積分率Φを増
加させることが有効であり、Φ>20%が好ましく、より
高い散乱性を有するにはΦ>35%が好ましく、さらには
Φ>45%が好ましい。一方Φがあまり大きくなると、液
晶樹脂複合体の構造安定性が悪くなるため、Φ<70%が
好ましい。
【0090】本発明の液晶表示素子は、電圧が印加され
ていない場合は、一定方向に配列していない(樹脂マト
リクス壁面に影響を受けて配列)液晶と、樹脂マトリク
スとの屈折率の違いにより、散乱状態(つまり白濁状
態)を示す。このため、本発明のように投射型表示装置
として用いる場合には、電極のない部分は光が散乱さ
れ、画素部分以外の部分に遮光膜を設けなくても、光が
投射スクリーンに到達しないため、黒く見える。このこ
とにより、画素電極以外の部分からの光の漏れを防止す
るために、画素電極以外の部分を遮光膜等で遮光する必
要がないこととなり、遮光膜の形成工程が不要となると
いう利点も有する。
【0091】これに所望の画素に電圧を印加する。この
電圧を印加された画素部分では、液晶が電界方向に平行
に配列し、液晶の常光屈折率(no) と樹脂マトリクスの
屈折率(np) とが一致することにより透過状態を示し、
当該所望の画素で光が透過することとなり、投射スクリ
ーンに明るく表示される。
【0092】この素子に、この硬化工程の際に特定の部
分のみに充分に高い電圧を印加した状態で硬化させる
とにより、その部分を常に光透過状態とすることができ
るので、固定表示したいものがある場合には、そのよう
な常透過部分を形成してもよい。
【0093】また、本発明のアクティブマトリクス液晶
表示素子は、カラーフィルターを設けることによりカラ
ー表示を行うことができる。このカラーフィルターは、
1個の液晶表示素子に3色設けてもよいし、1個の液
晶表示素子に1色設けてこの3色に対応した液晶表
示素子を3個組み合わせてもよい。このカラーフィルタ
ーは、基板の電極面側に設けてもよいし、外側に設けて
もよい。また、液晶樹脂複合体中に染料、顔料等を混入
しておくことにより、カラー表示を行うようにしてもよ
い。
【0094】図1は、本発明の投射型アクティブマトリ
クス液晶表示装置のダイクロイックプリズムを用いた例
の模式図である。
【0095】図1において、 1は光源、 2は凹面鏡、 3
はコンデンサーレンズ、 4は分光用ダイクロイックプリ
ズム、5A、5B、5C、5Dは鏡であり、 1〜5Dで色光源を構
成する。6A、6B、6Cは各色に対応した液晶樹脂複合体を
挟持したアクティブマトリクス液晶表示素子、 7は合成
用ダイクロイックプリズム、 8は投射レンズ、 9は直進
光以外を除去するためのアパーチャー、10は投射するス
クリーンである。 7〜9で投射光学系を構成している。
【0096】図2は、本発明の投射型アクティブマトリ
クス液晶表示装置のダイクロイックプリズムを用いない
例の模式図である。
【0097】図2において、11は光源、12は凹面鏡、13
はコンデンサーレンズ、15A 、15B、15C はダイクロイ
ック鏡であり、11〜15C で色光源を構成する。16A 、16
B 、16C は各色に対応した液晶樹脂複合体を挟持したア
クティブマトリクス液晶表示素子、18A 、18B 、18C は
各色毎に設けられた投射レンズ、19A 、19B 、19C は各
色毎に設けられた直進光以外を除去するためのアパーチ
ャー、20は投射するスクリーンである。 18A〜 19Cで投
射光学系を構成している。
【0098】図3は、本発明の投射型アクティブマトリ
クス液晶表示装置に用いるアクティブマトリクス液晶表
示素子の断面図である。
【0099】図3において、21はアクティブマトリクス
液晶表示素子、22はアクティブマトリクス基板用のガラ
ス、プラスチック等の基板、23はITO(In2O3-SnO2)、
SnO2等の画素電極、24はトランジスタ、ダイオード、非
線形抵抗素子等の能動素子、25は対向電極基板用のガラ
ス、プラスチック等の基板、26はITO、SnO2 等の対向
電極、27は両基板間に挟持された液晶樹脂複合体を示し
ている。
【0100】本発明の能動素子としてTFT(薄膜トラ
ンジスタ)等の3端子素子を使用する場合、対向電極基
板は全画素共通のベタ電極を設ければよいが、MIM素
子、PINダイオード等の2端子素子を用いる場合に
は、対向電極基板はストライプ状のパターニングをされ
る。
【0101】また、能動素子として、TFTを用いる場
合には、半導体材料としてはシリコンが好適である。特
に多結晶シリコンは、非結晶シリコンとは異なり、感光
性がないため、光源からの光を遮光膜により遮光しなく
ても誤動作しなく、好ましい。この多結晶シリコンは、
本発明のように投射型液晶表示装置として用いる場合、
強い投射用光源を利用でき、明るい表示が得られる。
【0102】また、従来のTN型液晶表示素子の場合に
は、画素間からの光の漏れを抑止するために、画素間に
遮光膜を形成することが多く、このついでに能動素子部
分にも同時遮光膜を形成することができ、能動素子部分
に遮光膜を形成することは全体の工程にあまり影響を与
えない。即ち、能動素子として多結晶シリコンを用い
て、能動素子部分に遮光膜を形成しないことにしても、
画素間に遮光膜を形成する必要があれば、工程を減らす
ことはできない。
【0103】これに対して、本発明では、前述の如く、
樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶の常光屈折率(n
o)とほぼ一致するようにされた液晶樹脂複合体を使用す
ることにより、電圧を印加しない部分では光が散乱して
投射された投射スクリーン上では黒くなるため、画素間
に遮光膜を形成しなくてよい。
【0104】このため、能動素子として多結晶シリコン
を用いた場合、多結晶シリコンは感光性が低いため、光
による誤動作を生じにくい。このため、能動素子部分に
遮光膜を形成しないまたは形成しても遮光性の厳密性が
要求されないので、遮光膜を形成する工程をなくした
り、簡略化でき、生産性が向上する。
【0105】なお、アモルファスシリコンを用いても、
その半導体部分に遮光膜を形成すれば、使用することが
できる。また、電極は通常は透明電極とされるが、反射
型の液晶表示装置として使用する場合には、クロム、ア
ルミニウム等の反射電極としてもよい。
【0106】本発明の液晶表示素子及び液晶表示装置
は、このほか赤外線カットフィルター、紫外線カットフ
ィルター等を積層したり、文字、図形等を印刷したりし
てもよいし、複数枚の液晶表示素子を用いたりするよう
にしてもよい。
【0107】さらに、本発明では、この液晶表示素子の
外側にガラス板、プラスチック板等の保護板を積層して
もよい。これにより、その表面を加圧しても、破損する
危険性が低くなり、安全性が向上する。
【0108】本発明では、前述の液晶樹脂複合体を構成
する未硬化の硬化性化合物として光硬化性化合物も使用
が好ましく、中でも光硬化性ビニル系化合物の使用が好
ましい。具体的には、光硬化性アクリル系化合物が例示
され、特に、光照射によって重合硬化するアクリルオリ
ゴマーを含有するものが好ましい。
【0109】本発明で使用される液晶は、正の誘電異方
性を有するネマチック液晶であればよく、樹脂マトリク
スの屈折率がその液晶の常光屈折率(no)と一致するよう
な液晶が好ましく、単独で用いても組成物を用いても
いが、動作温度範囲、動作電圧など種々の要求性能を満
たすには組成物を用いた方が有利といえる。
【0110】また、液晶樹脂複合体に使用される液晶
は、光硬化性化合物を用いた場合には、光硬化性化合物
を均一に溶解することが好ましく、光露光後の硬化物は
溶解しない、もしくは溶解困難なものとされ、組成物を
用いる場合は、個々の液晶の溶解度ができるだけ近いも
のが望ましい。
【0111】液晶樹脂複合体を製造する場合、従来の通
常の液晶表示素子のようにアクティブマトリクス基板と
対向電極基板とを電極面が対向するように配置して、周
辺をシール材でシールして、注入口から未硬化の液晶樹
脂複合体用の混合液を注入して、注入口を封止してもよ
いし、一方の基板上に硬化性化合物と液晶との未硬化の
混合物を供給し、他方の対向する基板を重ね合わせるよ
うにして製造してもよい。
【0112】本発明の液晶表示素子は、液晶中に2色性
色素や単なる色素、顔料を添加したり、硬化性化合物と
して着色したものを使用したりしてもよい。
【0113】本発明では、液晶樹脂複合体として液晶を
溶媒として使用し、光露光により光硬化性化合物を硬化
させることにより、硬化時に不要となる単なる溶媒や水
を蒸発させる必要がない。このため、密閉系で硬化でき
るため、従来のセルへの注入という製造法がそのまま採
用でき、信頼性が高く、かつ、光硬化性化合物で 2枚の
基板を接着する効果も有するため、より信頼性が高くな
る。
【0114】このように液晶樹脂複合体とすることによ
り、上下の透明電極が短絡する危険性が低く、かつ、通
常のTN型の表示素子のように配向や基板間隙を厳密に
制御する必要もなく、透過状態と散乱状態とを制御しう
る液晶表示素子を極めて生産性良く製造できる。
【0115】この液晶表示素子は、基板がプラスチック
や薄いガラスの場合には、保護のために、外側にプラス
チックやガラス等の保護板を積層することが好ましい。
【0116】本発明の液晶表示装置は、駆動のために電
圧を印加する時には、前述の(8) 式の最大実効電圧以
下、通常は前述の最大実効電圧が画素の電極間の液晶樹
脂複合体に印加されるように駆動されればよい。
【0117】本発明の色光源、投射光学系、投射する投
射スクリーン等は従来からの光源、投射光学系、投射ス
クリーンが使用でき、色光源と投射光学系との間に本発
明のアクティブマトリクス液晶表示素子を配置すればよ
い。この場合、投射光学系は図1のように複数のアクテ
ィブマトリクス液晶表示素子の像を光学系を用いて合成
してから投射するようにしてもよいし、図2のように複
数のアクティブマトリクス液晶表示素子の像を個々に投
射スクリーンに投射して投射スクリーン上で合成するよ
うにしてもよい。
【0118】また、色光源も、前記の例では、1つの光
源から分光して用いたが、あらかじめ複数色の光源を別
個に設けてアクティブマトリクス液晶表示素子に入射す
るようにしてもよい。
【0119】これらの色光源に用いられる光源として
は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ等があり、凹面鏡、コンデンサーレンズ等を組み
合わせて光の利用効率を上げることができる。また、こ
れに冷却系を付加したり、赤外線カットフィルターや紫
外線カットフィルターを組み合わせて使用したり、LE
D等のTVチャンネル表示等を付加したりしてもよい。
【0120】特に、この投射型の表示をする場合、光路
上に拡散光を減ずる装置、例えば、図1、図2の9 、19
A 、19B 、19C 示されるようなアパーチャーやスポット
を設置することがにより、表示コントラストを大きくす
ることができる。
【0121】即ち、拡散光を減ずる装置とは、液晶表示
素子を通過した光の内、入射光に対して直進する光(画
素部分が透過状態の部分を透過する光)を取り出し、直
進しない光(液晶樹脂複合体が散乱状態の部分で散乱さ
れる光)を減ずるものであればよい。特に、直進する光
は減ずることなく、直進しない光である拡散光を減ずる
ことが好ましい。
【0122】この拡散光を減ずる装置は、図1、図2の
ように、投射光学系と投射スクリーンとの間に設けても
いし、投射光学系の中に、例えば、投射光学系が複数
のレンズからなる場合にはレンズとレンズとの間に配置
するようにしてもよい。この拡散光を減ずる装置は、前
記したようなアパーチャーやスポットに限られなく、例
えば、光路上に配置された小面積の鏡であってもよい。
また、特別なアパーチャー等を用いなくとも、投射用レ
ンズの焦点距離、口径を、拡散光が除去されるように選
択してもよい。
【0123】また、マイクロレンズ系なども用いること
もできる。具体的には、液晶表示素子の投射光学系側に
マイクロレンズアレイと細やかな穴がアレイ化されたス
ポットアレイを配置して、不要な拡散光を除去すること
ができる。この場合、拡散光除去に必要な光路長を非常
に短くすることができるため全体の投射型表示装置をコ
ンパクトにできるという利点を持つ。光路長の短縮に関
しては、投射光学系の中に拡散光を減ずる装置を組み込
むことも有効である。この場合、独立に投射光学系と拡
散光を減ずる装置を設置するより光学系がシンプルにな
ると共に、サイズを小さく抑えることができる。
【0124】これらの光学系は、鏡、ダイクロイック
鏡、プリズム、ダイクロイックプリズム、レンズ等と組
み合わせ、画像の合成、カラー化ができるとともに、カ
ラーフィルターと組み合わせることによっても画像のカ
ラー化が可能である。
【0125】投射スクリーン上に到達する直進成分と散
乱成分との比は、スポット、鏡等の径及びレンズの焦点
距離により制御可能で、所望の表示コントラスト、表示
輝度を得られるように設定すればよい。
【0126】アパーチャーのような拡散光を減ずる装置
を用いる場合、表示の輝度を上げるためには、投射用光
源から液晶表示素子に入射される光はより平行であるこ
とが好ましく、そのためには高輝度でかつできるだけ点
光源に近い光源と、凹面鏡、コンデンサーレンズ等を組
み合わせて投射用光源を構成することが好ましい。
【0127】また、上記の説明では、主として透過型で
説明したが、反射型の投射型表示装置であっても例え
ば、スポットの代わりに小型の鏡を配置して必要な光の
みを取り出すようにすることができる。
【0128】
【作用】特に、本発明では、前記のような構成を有して
いるので、液晶樹脂複合体に印加される最大実効電圧V
を10V以下にすることができるとともに、中間調表示に
おいても高速の応答性が得られるため、従来のTN用の
アクティブマトリクス液晶表示素子に使用したような能
動素子や駆動用ICを用いて、動画表示が容易にでき
る。
【0129】また、各色のバランスが良く、駆動回路に
特別の補正回路を組み込まなくても色の美しい階調表示
が可能である。
【0130】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0131】実施例1 ガラス基板(コーニング社製7059基板)上にクロムを60
nm蒸着して、パターニングしてゲート電極とした。引き
続きシリコンオキシナイトライド膜と非晶質シリコン膜
をプラズマCVD装置で堆積した。これをレーザーを用
いてアニールした後、パターニングして多結晶シリコン
とした。これにリンドープ非晶質シリコン、クロムを夫
々プラズマCVD、蒸着装置を用いて堆積し、多結晶シ
リコンを覆うようにパターニングして、第1層目のソー
ス電極、ドレイン電極とした。
【0132】さらに、ITOを蒸着した後、パターニン
グして画素電極を形成した。続いて、クロム、アルミニ
ウムを連続蒸着して、パターニングして、第2層目のソ
ース電極、ドレイン電極とした。その際、画素電極と、
第1層目のドレイン電極及び第2層目のドレイン電極と
を接続するようにした。この後、再び、シリコンオキシ
ナイトライド膜をプラズマCVD装置で堆積し保護膜と
し、アクティブマトリクス基板を作成した。
【0133】全面にベタのITO電極を形成した同じガ
ラス基板による対向電極基板と、前に製造したアクティ
ブマトリクス基板とを電極面が対向するように配置し
て、内部に直径約11.0μmのスペーサーを散布して、そ
の周辺を注入口部分を除き、エポキシ系のシール材でシ
ールして、電極間間隙dGが11.0μmの空セルを製造し
た。
【0134】Δn が約0.24、Δεが約16、K33 が約15
(×10-12N)、粘度が約37cSt のネマチック液晶をアク
リレートモノマー、2官能ウレタンアクリレートオリゴ
マー、光硬化開始剤と均一に溶解した溶液をセルに注入
し、紫外線露光により液晶樹脂複合体を硬化させ、アク
ティブマトリクス液晶表示素子を作成した。液晶量は68
wt%、電極間間隙dGは約11μm、液晶の平均粒子径は約
1.6μmであった。
【0135】同様にして、赤色用としてdR=13.5μm、
RR= 1.9μm、青色用としてdB= 9.5μm、RB= 1.5μ
mのセルを製造した。
【0136】これらの素子を用い、図1に示すように投
射用光源と投射光学系とを組み合わせて投射型液晶表示
装置とした。スポットの直径φと、レンズの焦点距離f
とにより定まる集光角をδ(δ=2tan-1(φ/2f))と
して、この集光角を 6°とした。ビデオ信号で駆動し、
スクリーン上に画像を投影したところ、中間調表示にお
いても、残像がなく色バランスのよい動画表示が得ら
れ、スクリーン上でのコントラスト比は約 130であっ
た。
【0137】応答時間(RGBを同時動作し白黒で測定
下90%の透過率変化)は、 8V→ 0Vで10msec、 0V→
8Vで15msecであり、 0V→飽和透過率×0.2 (約16
%)では、110msec であった。
【0138】比較例1 実施例1の緑用液晶表示素子を3枚準備し、それらをR
GBの3色光源と組み合わせて、実施例1と同様の投射
型表示装置を構成した。
【0139】この投射型表示装置により得られた表示
は、全体に赤っぽい画像であり、特に、中間調の表示で
その傾向が顕著であった。また、3枚の液晶表示素子と
も電界を印加しない状態にしたところ、投射スクリーン
は黒くならずに、暗い赤色になった。これは、RGBに
よって液晶の閾値電圧特性が異なることにより生じたも
のと思われ、RGB毎に印加電圧−透過率特性を調査し
てみると、中間調の領域では同じ印加電圧においてRが
最も透過率が高く、Bが最も低くなっていた。
【0140】比較例2 実施例1の液晶樹脂複合体の代りに、通常のネマチック
液晶を注入し、TN型液晶表示素子とした投射型アクテ
ィブマトリクス液晶表示素子を製造した。
【0141】この液晶表示素子に実施例1の投射用光源
と投射光学系とを組み合わせて用いて投射型液晶表示装
置とし、実施例1と同様に駆動したところ、投射スクリ
ーン上の表示輝度は、実施例1の場合の約1/3 と暗く、
コントラスト比は 100程度のものが得られた。
【0142】応答時間は、 5V→ 0Vで25msec、 0V→
5Vで30msecであり、 0V→飽和透過率×0.2 (約 6
%)では、 160msecであった。
【0143】実施例2〜3、比較例3 実施例1とほぼ同様にして、液晶の平均粒子径R 及び電
極間間隙d を変化させてアクティブマトリクス液晶表示
素子を製造した。その液晶表示素子の 8Vの電圧印加時
における透過率T8V、投射光学系を用いて投射した時の
スクリーン上でのコントラスト比CR、 0V→飽和透過
率×0.2(約16%)での応答時間τを測定した。
【0144】なお、各色毎の液晶表示素子の液晶の平均
粒子径RX及び電極間間隙dXは次のとおりとした。 実施例2の赤用はRR= 1.6μm、dR=11.5μm、緑用は
RG= 1.6μm、dG=10.0μm、青用はRB= 1.6μm、dB
= 9.5μmとした。 実施例3の赤用はRR= 1.9μm、dR=13.5μm、緑用は
RG= 1.6μm、dG=11.0μm、青用はRB= 1.6μm、dB
=10.0μmとした。 比較例3の赤用はRR= 3.0μm、dR=15.5μm、緑用は
RG= 2.5μm、dG=13.0μm、青用はRB= 2.3μm、dB
=11.0μmとした。
【0145】その結果を表1に示す。なお、色バランス
は実施例2、3及び比較例3のいずれも良いものであっ
た。
【0146】
【表1】
【0147】実施例4 実施例1とほぼ同様にして液晶表示素子を作成した。た
だし、各色の液晶表示素子に用いる液晶の平均粒子径及
び電極間間隙は一定(R = 1.7μm、d =11.0μm)と
し、液晶の物性を次のように変化させた。
【0148】赤用は液晶のΔn =約0.29、Δε=約16、
K33 =約16(×10-12N)、粘度=約52cSt 。 緑用は液晶のΔn =約0.24、Δε=約16、K33 =約15
(×10-12N)、粘度=約37cSt 。 青用は液晶のΔn =約0.22、Δε=約15、K33 =約16
(×10-12N)、粘度=約34cSt 。
【0149】これらの素子を用い、図1に示すように投
射用光源と投射光学系とを組み合わせて投射型液晶表示
装置とした。集光角は 5°とした。駆動電圧を実効値で
7Vとし、ビデオ信号で駆動し、スクリーン上に画像を
投影したところ、中間調表示においても、残像がなく
バランスのよい動画表示が得られ、スクリーン上でのコ
ントラスト比は約 130であった。
【0150】応答時間は、 7V→ 0Vで20msec、 0V→
7Vで20msecであり、 0V→飽和透過率×0.2 (約16
%)では、100msec であった。
【0151】実施例5 実施例1とほぼ同様にして液晶表示素子を作成した。た
だし、各色の液晶表示素子に用いる液晶の物性、平均粒
子径、電極間間隙を次のように変化させた。
【0152】赤用は液晶のΔn =約0.29、Δε=約16、
K33 =約16(×10-12N)、粘度=約52cSt 、RR= 1.5μ
m、dR=11.0μm。 緑用は液晶のΔn =約0.24、Δε=約16、K33 =約15
(×10-12N)、粘度=約37cSt 、RG= 1.5μm、dG=1
1.0μm。 青用は液晶のΔn =約0.24、Δε=約16、K33 =約15
(×10-12N)、粘度=約37cSt 、RB= 1.5μm、dB=1
0.0μm。
【0153】これらの素子を用い、図1に示すように投
射用光源と投射光学系とを組み合わせて投射型液晶表示
装置とした。集光角は 5°とした。駆動電圧を実効値で
8Vとし、ビデオ信号で駆動し、スクリーン上に画像を
投影したところ、中間調表示においても、残像がなく
バランスのよい動画表示が得られ、スクリーン上でのコ
ントラスト比は約 120であった。
【0154】応答時間は、 8V→ 0Vで20msec、 0V→
8Vで20msecであり、 0V→飽和透過率×0.2 (約16
%)では、100msec であった。
【0155】実施例6 対向電極をアルミニウム製として、反射型の素子とする
こと、及び、電極間間隙をdR= 6.0μm、dG= 5.0μ
m、dB= 4.5μm、平均粒子径をRR= 1.9μm、RG
1.6μm、RB= 1.5μmとした外は、実施例1とほぼ同
様にして、アクティブマトリクス液晶表示素子を作成し
た。ただし、液晶表示素子の表面の反射率は約 0.3%に
なるようにした。
【0156】これを駆動電圧を実効値で 5Vとし、ビデ
オ信号で駆動し、スクリーン上に画像を投影したとこ
ろ、中間調表示においても、残像がなく色バランスのよ
い動画表示が得られ、スクリーン上でのコントラスト比
は約 100であった。
【0157】応答時間は、 5V→ 0Vで 8msec、 0V→
5Vで12msecであり、 0V→飽和透過率×0.2 (約16
%)では、80msecであった。
【0158】比較例4 Δn が約0.24、Δεが約16、K33 が約18(×10-12N)、
粘度が約54cSt のネマチック液晶を用い、実施例1とほ
ぼ同様にしてアクティブマトリクス液晶表示素子を作成
した。
【0159】各色の液晶の平均粒子径R 及び基板間間隙
d は、赤用はRR= 2.0μm、dR=13.5μm、緑用はRG
1.7μm、dG=11.0μm、青用はRB= 1.5μm、dB=1
0.0μmとした。
【0160】これを駆動電圧を実効値で 8Vとし、ビデ
オ信号で駆動し、スクリーン上に画像を投影したとこ
ろ、特に、暗い中間調表示において残像が見られた。応
答時間は、 8V→ 0Vで40msec、 0V→ 8Vで35msecで
あり、 0V→飽和透過率×0.2(約16%)では、 400mse
cであった。
【0161】実施例7 RGB3色のカラーフィルターを内面に形成した空セル
を形成した。この際に、赤色のカラーフィルター部分の
間隙をdR=11.0μmとし、緑色のカラーフィルター部分
の間隙をdG=10.0μmとし、青色のカラーフィルター部
分の間隙をdB=9.5μmとした。
【0162】この空セルに、ネマチック液晶をアクリレ
ートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、光硬
化開始剤と均一に溶解した溶液を注入し、紫外線露光に
より液晶樹脂複合体を硬化させ、アクティブマトリクス
液晶表示素子を作成した。なお、用いた液晶のΔn は約
0.24、Δεは約16、K33 は約15(×10-12N)、粘度が約
37cSt であった。また、液晶の平均粒子径は 1.5μmと
した。
【0163】背景に黒色吸収体を設置して、この液晶表
示素子をビデオ信号で駆動したところ、残像焼き付き
もなく階調の細やかなカラー表示が得られた。液晶表示
素子のコントラスト比は約 100であった。この液晶表示
素子と投射用光源、投射光学系を組み合わせて、投射型
表示装置とし、スクリーン上に画像を投影したところ、
残像焼き付きもなく階調の細やかなカラー表示が得ら
れ、スクリーン上でのコントラスト比は約70であった。
【0164】実施例8 Δn が約0.24、Δεが約16、K33 が約15(×10-12N)、
粘度が約37cSt のネマチック液晶を用い、実施例1とほ
ぼ同様にしてアクティブマトリクス液晶表示素子を作成
した。各色の液晶の平均粒子径R 及び基板間間隙d は、
赤用はRR= 1.9μm、dR=12.0μm、緑用及び青用は共
通でRG=RB= 1.6μm、dG=dB=10.0μmとした。
【0165】これを集光角約 6°でビデオ信号で駆動
し、スクリーン上に画像を投影したところ、やや青成分
に欠けた画像が得られた。そこで、赤用と緑用は駆動電
圧を実効値で 7Vとし、青用は駆動電圧を実効値で 8V
として、ビデオ信号で駆動し、スクリーン上に画像を投
影したところ、中間調表示においても残像がなく色バラ
ンスの良い動画表示が得られた。スクリーン上でのコン
トラスト比は約 100であった。
【0166】応答時間は、 8V→ 0Vで10msec、 0V→
7V(青用は 8V)で15msecであり、 0V→飽和透過率
×0.2 (約16%)では、 110msecであった。
【0167】
【発明の効果】本発明のアクティブマトリクス液晶表示
素子では、アクティブマトリクス基板と対向電極基板と
の間に挟持される液晶材料として、電気的に散乱状態と
透過状態とを制御しうる液晶樹脂複合体を挟持した液晶
表示素子を用いているため、偏光板が不要であり、透過
時の光の透過率を大幅に向上でき、明るい投射画像が得
られる。
【0168】本発明の液晶表示素子は、電圧が印加され
ない状態で高い散乱性を有し、能動素子により電圧を印
加した状態で高い透過性を有するものであり、従来のT
N型液晶表示素子用の駆動用ICを用いた駆動において
も、高コントラスト比を有し、かつ高輝度の表示が可能
になる。
【0169】さらに、本発明では、色光源毎に液晶表示
素子の特性を最適化しているため、中間調においても色
バランスの良い表示が得られる。さらには、階調駆動を
行った際にも、残像を生じにくいものでもある。
【0170】このため、本発明の液晶表示素子は、投射
型表示に有効であり、明るく色バランスが良く、コント
ラストの良い投射型表示が得られる。また、光源も小型
化できる。
【0171】また、偏光板を用いなくてもよいため、光
学特性の波長依存性が少なく、光源の色補正等がほとん
ど不要になるという利点も有している。また、TN型液
晶表示素子に必須のラビング等の配向処理やそれに伴う
静電気の発生による能動素子の破壊といった問題点も避
けられるので、液晶表示素子の製造歩留りを大幅に向上
させることができる。
【0172】さらに、この液晶樹脂複合体は、硬化後は
フィルム状になっているので、基板の加圧による基板間
短絡やスペーサーの移動による能動素子の破壊といった
問題点も生じにくい。
【0173】また、この液晶樹脂複合体は、比抵抗が従
来のTNモードの場合と同等であり、従来のDSモード
のように大きな蓄積容量を画素電極毎に設けなくてもよ
く、能動素子の設計が容易で、有効画素電極面積の割合
を大きくしやすく、かつ、液晶表示素子の消費電力を少
なく保つことができる。
【0174】さらに、TNモードの従来の液晶表示素子
の製造工程から、配向膜形成工程を除くだけで製造が可
能になるので、生産が容易である。
【0175】また、この液晶樹脂複合体を用いた液晶表
示素子は、応答時間が短いという特長も有しており、動
画の表示も容易なものである。さらに、この液晶表示素
子の電気光学特性(電圧−透過率)は、TNモードの液
晶表示素子に比して比較的なだらかな特性であるので、
階調表示への適用も容易である。
【0176】また、本発明の液晶表示素子は、樹脂マト
リクスの屈折率が使用する液晶の常光屈折率(no)とほぼ
一致するようにすることにより、電圧を印加しない部分
では光が散乱されるため、画素以外の部分を遮光膜によ
り遮光しなくても投射時に光の漏れがなく、隣接画素間
の間隙を遮光する必要がない。
【0177】このため、特に、能動素子として多結晶シ
リコンによる能動素子を用いることにより、能動素子部
分に遮光膜無しまたは簡略な遮光膜を設けるのみで、高
輝度の投射用光源を用いることができ、高輝度の投射型
液晶表示装置を容易に得ることができる。さらにこの場
合には遮光膜を全く設けなくてもよい、または簡略な遮
光膜のみでよいことになり、さらに生産工程を簡便化す
ることができる。
【0178】本発明は、この外、本発明の効果を損しな
い範囲内で種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型アクティブマトリクス液晶表示
装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図2】本発明の投射型アクティブマトリクス液晶表示
装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図3】本発明のアクティブマトリクス液晶表示素子の
基本的な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
光源 : 1、 11 凹面鏡 : 2、 12 アクティブマトリクス液晶表示素子: 6A、 6B、 6C、 16
A、 16B、 16C 投射レンズ : 8、 18A、 18B、 18C 投射スクリーン:10、 20 液晶表示素子 :21 基板 :22、 25 画素電極 :23 能動素子 :24 対向電極 :26 液晶樹脂複合体:27
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−198725(JP,A) 特開 平3−126915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の色光源と、各色光源からの光が入射
    する複数のアクティブマトリクス液晶表示素子と、アク
    ティブマトリクス液晶表示素子から出射した光を合成投
    射する投射光学系とを有する投射型アクティブマトリク
    ス液晶表示装置において、 アクティブマトリクス液晶表示素子には、画素電極毎に
    能動素子を設けたアクティブマトリクス基板と対向電極
    を設けた対向電極基板との間に液晶樹脂複合体が挟持さ
    れ、 誘電異方性が正のネマチック液晶が樹脂マトリクス中に
    分散保持され、電圧の印加時または非印加時のいずれか
    の状態においてその樹脂マトリクスの屈折率が使用する
    液晶の屈折率とほぼ一致するようにされ 一つの液晶アクティブマトリクス液晶表示素子の有する
    構成パラメータ(添字xで表記する)として、 樹脂マトリクス中に分散保持される各色の液晶の平均粒
    子径Rx(μm)、電極間間隙dx (μm) 、液晶の比誘電
    率異方性Δεx 、弾性定数K33x(10-12N)、粘度ηx(cS
    t)、屈折率異方性Δnx、各色の主波長λx(μm) とする
    、 Δnx 2・Δεx/(K33x・ηx) > 0.0011 (1) 4(K33xx)0.5 >Rx>(K33x/Δεx)0.5 (2) の関係を満足し、さらに、少なくとも一組のアクティブ
    マトリクス液晶表示素子の構成パラメータ(添字i,j
    で表記する、ただし、i≠j)について、 Δni・Rii ≒Δnj・Rjj (3) かつ、di/Ri ≒dj/Rj (4) の関係を満足するか、または、 Δni・di 2/ λi ≒Δnj・dj 2/ λj (5) の関係を満足することを特徴とする投射型アクティブマ
    トリクス液晶表示装置。
  2. 【請求項2】Δ nx 2・Δεx/(K33x・ηx) > 0.0014 (1A) の関係を満足する請求項1記載の投射型アクティブマト
    リクス液晶表示装置。
  3. 【請求項3】光源がRGB3色の色光源であり、(1)
    、(2) 式をRGB3色に対応せしめられたアクティブ
    マトリックス液晶表示素子の各構成パラメータ(添字
    R,G,Bで表記する)が満足し、さらに、(3) 、(4)
    、(5) 式を満足する代わりに、 ΔnR・RRR ≒ΔnG・RGG ≒ΔnB・RBB (3A) かつ、dR/RR ≒dG/RG ≒dB/RB (4A) の関係を満足するか、または、 ΔnR・dR 2/ λR ≒ΔnG・dG 2/ λG ≒ΔnB・dB 2/ λB (5A) の関係を満足する請求項1または2記載の投射型アクテ
    ィブマトリクス液晶表示装置。
  4. 【請求項4】λ i >λj とした場合、Δnj≦Δniの関係
    を満足する請求項1、2または3記載の投射型アクティ
    ブマトリクス液晶表示装置。
  5. 【請求項5】に対応せしめられたアクティブマトリ
    ックス液晶表示素子の構成パラメータである屈折率異方
    性Δnx、平均粒子径Rxがいずれも 0.2 < Rx・ Δnx < 0.7 (6) の関係を満足する請求項1、2、3または4記載の投射
    型アクティブマトリクス液晶表示装置。
  6. 【請求項6】アクティブマトリックス液晶表示素子の構
    成パラメータ(添字xで表記する)として、液晶樹脂複
    合体に印加される最大実効印加電圧Vx(V)とすると、 色のアクティブマトリックス液晶表示素子の構成パラ
    メータが、 3Rx < dx < 9Rx (7) 0.6Rx・Vx < dx < 1.2Rx・Vx (8) の関係を満足する請求項1、2、3、4または5記載の
    投射型アクティブマトリクス液晶表示装置。
  7. 【請求項7】RGB3色のカラーフィルターを有し、画
    素電極毎に能動素子を設けたアクティブマトリクス基板
    と、対向電極を設けた対向電極基板との間に、誘電異方
    性が正のネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分散保持
    され、電圧の印加時または非印加時のいずれかの状態に
    おいてその樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶の屈
    折率とほぼ一致するようにされた液晶樹脂複合体挟持
    されたアクティブマトリクス液晶表示素子において、構成パラメータとして、 樹脂マトリクス中に分散保持さ
    れる各色の液晶の平均粒子径R(μm) 、緑色に対応する
    電極間間隙をd G (μm) 、液晶の比誘電率異方性Δε、
    弾性定数K33(10-12N) 、粘度η(cSt) 、屈折率異方性Δ
    n とすると、 Δn2・ Δε/(K33・η) > 0.0011 (1B) 4(K33/η)0.5 >R > (K33/ Δε)0.5 (2B) 0.2 <R・Δn < 0.7 (6B) 3R < dG < 9R (7B) の関係を満足し、さらに、少なくとも2色に対応した構
    成パラメータ(色について、添字iまたはjで表記す
    る。ただし、i≠j)として、各色の主波長λ i (μm)
    およびλ j (μm) 、電極間間隙d i (μm) およびd j (μ
    m)とすると、 di 2i ≒dj 2j (5B) の関係を満足することを特徴とするアクティブマトリク
    ス液晶表示素子。
  8. 【請求項8】請求項7記載のアクティブマトリクス液晶
    表示素子に、投射用光源と投射光学系とを組み合わせた
    ことを特徴とする投射型アクティブマトリクス液晶表示
    装置。
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