JP3025641U - 植物栽培用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内で小型の花卉などを水耕栽培など種々の
植物栽培を行なうための容器であって、とくに壁などに
容易に着脱することができる配置自由度が高い植物栽培
用容器を提供する。 【解決手段】 （ａ）内部に貯水部３を有し、かつ該貯
水部３に連通する開口部４が少なくとも１個形成された
容器本体１と、（ｂ）該容器本体１の側壁の外面に固着
された吸盤２とからなる植物栽培用容器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は植物栽培用容器に関する。さらに詳しくは室内で小型の花卉などを水 耕栽培などによって栽培するための容器であって、とくに壁などに容易に着脱す ることができる配置自由度が高い植物栽培用容器に関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

従来より、室内で小型の花卉などを栽培する方法として、収納容器に所望の植 物の苗および水を入れて水耕栽培を行なうなどの種々の栽培方法が知られている 。かかる水耕栽培は、栽培の手間が掛からないなどの点から、通常の土を用いた 栽培方法に比べて優れている。しかし、その反面、収納容器が転倒したり、激し く揺れたりしたばあいには容器中の水がこぼれて室内を濡らしてしまうという問 題がある。したがって、水耕栽培用の容器は、なるべく転倒や振動のおそれがな い安全な場所に配置する必要があり、配置の自由度が低かった。

【０００３】 本考案は、かかる問題を解消するためになされたものであり、壁などに容易に 着脱することができる配置自由度が高い水耕栽培など種々の植物栽培を行なうた めの植物栽培用容器を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の植物栽培用容器は、（ａ）内部に少なくとも１つの貯水部を有し、か つ該貯水部に連通する開口部が少なくとも１つ形成された容器本体と、 （ｂ）該容器本体の側壁の外面に固着された固着手段と からなることを特徴とする。

【０００５】 前記容器本体における前記貯水部を囲む部分の少なくとも一部が透明材料によ って形成されてなるのが好ましい。

【０００６】 前記固着手段が吸盤であるのが好ましい。

【０００７】 前記吸盤が、その根元部に突設されたボルトを前記容器本体の側壁に穿設され た取付孔を通して容器本体内部まで挿通するとともに前記容器本体の内部から前 記ボルトの先端からナットを締結することにより、容器本体の側壁の外面に固着 されてなるのが好ましい。

【０００８】 前記ボルトの先端に親指および人さし指が同時に届きうる程度の大きさの孔が 開口するように、前記容器本体の少なくとも一部が分離可能であるのが好ましい 。

【０００９】 前記容器本体の開口部の内周縁に沿ってつば部が設けられてなるのが好ましい 。

【００１０】 また、本考案の他の植物栽培用容器は、内部に少なくとも１つの貯水部を有し 、かつ該貯水部に連通する開口部が少なくとも１つ形成された容器本体からなり 、前記容器本体の底部の少なくとも一部が前記貯水部側へ突出されることにより 、中空の突起が形成されてなることを特徴とする。

【００１１】 本考案によれば、容器本体の側壁に吸盤などの固着手段が固着されているため 、壁、家具の側面またはその他の室内の備品の側面に容易に着脱することができ る。したがって、たとえテーブル上で容器の転倒や振動のおそれがあっても、テ ーブル近くの壁などに吸盤を用いて容器を固定しておけば、容器内の水はこぼれ ない。

【００１２】 また、容器本体の底部の少なくとも一部が前記貯水部側へ突出されることによ り、中空の突起が形成されていれば、突起が貯水部内部に収容される内容物に埋 まることにより、当該内容物を安定させることができる。しかも、当該中空の突 起を据置用の台などに突設された突起に嵌合させることにより、容器本体を台に 固定させることができる。このばあい、吸盤を省略することができる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

つぎに、図面を参照しながら、本考案の植物栽培用容器を詳細に説明する。図 １は本考案の植物栽培用容器の一実施例を示す斜視図、図２は図１の植物栽培用 容器の分解斜視図、図３は図１の植物栽培用容器の断面説明図である。

【００１４】 図１に示される植物栽培用容器は、容器本体１および該容器本体１の側壁の外 面にボルト１１およびナット１２を用いて固着された吸盤２とから構成されてい る。

【００１５】 容器本体１は、直径６０ｍｍ程度、高さ６０ｍｍ程度の小型の樽形容器（容量 １７０ｃｃ程度）であり、内部に貯水部３を有し、かつ該貯水部３に連通する開 口部４が上部に形成されている。さらに、開口部４の内周縁に沿って根などの内 容物の飛出しを防止するためのつば部５が設けられている。また、図２に示され るように、容器本体１の側壁には、吸盤２を取り付けるための取付孔６が穿設さ れている。容器本体１外側の取付孔６の周辺部には、吸盤２の根元部７の先端面 に当接して吸盤２のぐらつきを防止するための平坦部８が形成されている。なお 、１３および１４は、本物の樽を模して容器本体１に施した装飾用の溝とたがで ある。

【００１６】 また、前記容器本体１の底部の中央付近が前記貯水部３側へ突出されているこ とにより、中空の突起１５が形成されている。突起１５の形状は、本考案ではと くに限定されるものではなく、図２〜３に示されるようなドーム（半球）状でも よいし、その他の形状として、たとえば、円筒状または多角柱状などであっても よい。突起１５は、貯水部３の内部に収容される根などの内容物に埋まることに より、当該内容物を安定させることができる。

【００１７】 しかも、突起１５内部の空間部へ下方から据置用の台などに突設された固定用 の突起（図示せず）を嵌合して容器本体１を固定して使用することができる。こ のばあい、前記吸盤２を省略することができる。

【００１８】 容器本体１は、後述するボルト１１の先端に親指および人さし指が同時に届き うる程度の大きさの孔を開口させるために、上端から下へ１５ｍｍ程度下がった 位置Ａで上下に分離および結合できるようになっている。具体的には、たとえば 図２〜３に示されるように、容器本体１の上半分１ａ側の下端縁９および下半分 １ｂ側の上端縁１０を互いに直径を異なるように形成し、下端縁９および上端縁 １０が軸線方向に沿って互いに嵌合できるようにすればよい。なお、位置Ａを前 記装飾用のたが１４の位置と一致させることにより、継ぎ目がわかりにくく、見 た目が美しくなる。

【００１９】 また、容器本体１は、適度な強度と液密性とを兼ね備えた着色材料、半透明材 料または透明材料などの材料によって適宜形成すればよいが、とくにポリカーボ ネート、ＡＳ樹脂、スチレン樹脂（ポリスチレン）またはスチロール樹脂（ポリ スチロール）などの透明な合成樹脂によって全体または貯水部３を取り囲む外壁 の一部を形成すれば、貯水部３の内部の水の残量が外部から一目で視認すること ができ、好ましい。

【００２０】 なお、容器本体１の形状は、本考案においてとくに限定されるものではなく、 図１に示される樽形以外に、多角柱、円柱などの適宜の形状を採用すればよい。 また、図１では貯水部３および開口部４をそれぞれ１個ずつ備えている例が示さ れているが、本考案はこれに限定されるものではなく、貯水部３および開口部４ を複数組形成したり、１個の貯水部３につき開口部４を複数個形成してもよい。 これにより、ひとつの容器で２以上の花弁を栽培することができる。

【００２１】 吸盤２は、従来より吸盤の材料として用いられているポリエチレンや塩化ビニ ル樹脂などの合成樹脂から形成され、しかも根元部７にボルト１１が突設されて いる。

【００２２】 吸盤２を容器本体１の側壁に固着するばあい、まず、容器本体１を上下に分 割し、ついで前記容器本体１の取付孔６を通して容器本体１の内部までボルト １１を挿通し、そののち、前記容器本体１の内部から前記ボルト１１の先端か らナット１２を締結し、再び容器本体１の上下を合体させる、ことにより達成 される。この固着方法によれば、容器本体１を上下に分割して取付孔６の直上に 大口径の開口部１６を確保することができるため、ナットを容易に指で締めるこ とができる。

【００２３】 なお、前記実施例では、容器本体１が上下に分割される例をあげて説明したが 、親指および人さし指が同時に入るぐらい開口部４が充分に大きい（またはつば 部５がない）ばあいには、容器本体１は一体形成などの分離できない構造であっ てもよい。

【００２４】 また、前記実施例では吸盤２をボルト締めする例をあげて説明したが、本発明 はこれに限定されるものではなく、種々の固着方法を用いて固着してもよい。た とえば、容器本体の側面に突起を設け、一方、吸盤の根元部に当該突起に対応す る凹部を形成し、これらの突起と凹部との嵌合によって吸盤を固着してもよい。

【００２５】 なお、本実施例では、固着手段として、吸盤を例にあげて説明してきたが、本 考案はこれに限定されるものではなく、壁などの相手部材に容易に着脱できる固 着手段であればいかなるものでも用いることができ、たとえば、マグネットまた はフックなどを採用することができる。

【００２６】 本考案の植物栽培用容器を用いて栽培される植物としては、水耕栽培、または 土植えの植物に潅水する栽培のいずれの栽培方法で栽培される植物であってもよ いが、とくに、矮性のアフリカ産スミレなどの上から水を注ぐよりも下からの潅 水の方が遙かに適する植物、水苔などの植込み材料を利用して栽培される蘭科植 物、元々水耕栽培で育てられた観葉植物または常緑多年草であるサボテンなどが 適している。

【００２７】 なお、容器本体には、水とともに水苔などの保水性を有する材料も一緒に収納 しておけば、水の蒸発を防ぐことができるとともに容器が多少振動しても水がこ ぼれなくなるため好ましい。

【００２８】

【考案の効果】

本考案の植物栽培用容器によれば、吸盤などの固着手段を用いて壁などに容易 に着脱することができるため、配置自由度が高く、しかも転倒や振動によって水 がこぼれる不具合がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の植物栽培用容器の一実施例を示す斜視
図である。

【図２】図１の植物栽培用容器の分解斜視図である。

【図３】図１の植物栽培用容器の断面説明図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 吸盤 ３ 貯水部 ４ 開口部 ６ 取付孔 ７ 根元部 １１ ボルト １２ ナット

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）内部に少なくとも１つの貯水部を
   有し、かつ該貯水部に連通する開口部が少なくとも１つ
   形成された容器本体と、（ｂ）該容器本体の側壁の外面
   に固着された固着手段とからなる植物栽培用容器。
2. 【請求項２】 前記容器本体における前記貯水部を囲む
   外壁の少なくとも一部が透明材料によって形成されてな
   る請求項１記載の植物栽培用容器。
3. 【請求項３】 前記固着手段が吸盤である請求項１記載
   の植物栽培用容器。
4. 【請求項４】 前記吸盤が、その根元部に突設されたボ
   ルトを前記容器本体の側壁に穿設された取付孔を通して
   容器本体内部まで挿通するとともに前記容器本体の内部
   から前記ボルトの先端からナットを締結することによ
   り、容器本体の側壁の外面に固着されてなる請求項３記
   載の植物栽培用容器。
5. 【請求項５】 前記ボルトの先端に親指および人さし指
   が同時に届きうる程度の大きさの孔が開口するように、
   前記容器本体の少なくとも一部が分離可能である請求項
   ４記載の植物栽培用容器。
6. 【請求項６】 前記容器本体の開口部の内周縁に沿って
   つば部が設けられてなる請求項１記載の植物栽培用容
   器。
7. 【請求項７】 内部に少なくとも１つの貯水部を有し、
   かつ該貯水部に連通する開口部が少なくとも１つ形成さ
   れた容器本体からなり、前記容器本体の底部の少なくと
   も一部が前記貯水部側へ突出されることにより、中空の
   突起が形成されてなることを特徴とする植物栽培用容
   器。