JP3025569B2 - 半凝固金属の製造装置 - Google Patents

半凝固金属の製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非樹枝状初晶が金属
融体中に分散した固体−液体金属混合物(以下単に半凝
固金属という)を安定して連続的に製造する装置を提案
するものである。この半凝固金属は溶融金属(一般には
合金)を冷却しながら激しく攪拌して、融体中で生成し
つつある樹枝状晶を、その枝部が消失ないしは縮小して
丸みを帯びた形態に変えて金属融体と分散混在させるこ
とにより得られる。
【0002】
【従来の技術】半凝固金属を連続的に製造する方法に
は、例えば特公昭56−20944 号公報の非樹枝状初晶固体
分を含む合金を連続的に形成するための装置に開示され
ているように、溶融金属を円筒状の冷却攪拌槽内におい
て攪拌子の高速回転により冷却しながら激しく攪拌し
て、溶融金属中に生成しつつある樹枝状晶を、その枝部
が消失ないし縮小して丸みを帯びた形態に変え、これを
分散させて金属融体中に混在するようにしたスラリー状
半凝固金属とし、冷却攪拌槽の底部ノズルから連続的に
排出する方法がよく知られている。
【0003】しかし、この方法は高速回転する縦の回転
軸を有する攪拌用回転子と同心円筒状冷却攪拌槽との隙
間に溶融金属を導き、該槽内で適当な冷却と強烈な攪拌
作用を加えて半凝固状態とし、下方のノズルから半凝固
金属として連続的に排出させるものであるが、この排出
を可能ならしめるためには冷却面での凝固殻の形成・成
長を抑制する必要があり、このため凝固率増加速度 dft
/dt(以下単に凝固速度という)が1%/s以下に制約
されるとともに、冷却速度、凝固速度及び排出速度など
の制御にも難点があった。
【0004】この凝固速度、排出速度などの制御性の改
善手段として、先に出願人会社は他の出願人と共同で、
特開平3−142040号公報に連続的に半凝固金属を製造す
る方法とその装置を提案開示した。この手段は、横軸回
転円筒胴よりなる攪拌用回転子とこの攪拌用回転子の円
筒胴周に沿う凹曲面からなる冷却固定壁との間で形成し
た隙間に向けて溶融金属を連続的に供給し、該すき間内
にて生成する樹枝状晶を攪拌用回転子の回転に基づくせ
ん断力によって破砕し、粒子の細かい非樹枝状晶とし
て、すき間の下方から連続的に排出促進することを特色
とするものである。すなわち、この手段においては、固
定壁と回転軸が横である円筒胴よりなる攪拌用回転子を
用いることから、攪拌用回転子の直径と回転速度の選択
により、十分な冷却速度とせん断効果を与えることが容
易であり、かつ半凝固金属の排出方向に攪拌用回転子を
回転させ排出の流れを助長することにより、固相率のよ
り高い高粘度の半凝固金属の排出を可能ならしめるが、
その反面、攪拌用回転子及び固定壁の冷却抜熱面にて凝
固殻が形成成長し、そのため半凝固金属が通過する隙間
が狭くなって、排出速度の低下ないしは特に排出口にお
いてすき間の閉塞を生じてしまうおそれや、凝固殻生成
による伝熱抵抗の増加に伴う抜熱・冷却速度の低下、攪
拌用回転子端面からの溶湯のもれなどの問題があり、長
時間にわたる操業の安定性及び安定した品質の半凝固金
属の製造に関しなお難点を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、流動性の悪い
半凝固金属をその製造装置から安定して連続排出するた
めには、排出口断面積が安定して確保される必要があ
る。そのための方法として、本出願人会社は特願平2−
418096号明細書に、断熱性の固定壁と回転軸が横である
抜熱能を具備する円筒胴の攪拌用回転子とのすき間で半
凝固金属を製造し、攪拌用回転子の円筒胴周面上に形成
する凝固殻を上記すき間の出側に固定配置した凝固殻剥
離治具でかき落す手段を提案している。
【0006】この手段においては、凝固殻剥離治具は攪
拌用回転子円筒胴周面との間隔を適当に選択して剥離治
具を固定するものであるが、操業中回転子及び凝固殻剥
離治具の熱膨張や凝固殻の付着厚みの変化などがあり、
上記間隔を大きくしすぎるとその間から半凝固金属のも
れが生じ、逆に小さくしすぎると攪拌用回転子及び凝固
殻剥離治具両者の熱膨張のため接触圧が過大となって上
記両者が互に摩耗損傷するなどの問題が発生し、その間
隔の調整が非常に困難であった。
【0007】一方、回転軸が横である攪拌用回転子と固
定壁とで形成するすき間の両側からの溶融金属及び半凝
固金属のもれを防止する手段としては、一般に双ロール
鋳造装置と同様の方法が採用され、攪拌用回転子両側端
面と固定壁両側面に側壁を押し当てる方法が採用されて
いた。しかしながら、半凝固金属の製造にこの方法を用
いると、操業中に側壁と回転子端面との接触面に溶融金
属が浸入し主として攪拌用回転子端面に凝固付着する。
そのため攪拌用回転子端面に押し当てている側壁は押し
戻され、操業を続けるに従って攪拌用回転子端面への溶
融金属の凝固付着が促進し、これに伴って側壁がさらに
押し戻され、ついには固定壁と側壁との間にすき間がで
き、そこから溶融金属がもれ出すという問題があり、長
時間の安定操業を行う場合の難点となっていた。
【0008】この発明は上記した問題点を有利に解決
し、長時間にわたる連続操業が安定してできる半凝固金
属の製造装置を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、連続操業に
おける半凝固金属の製造及び安定な排出を可能ならしめ
るための開発研究を重ね、固定壁の構造及び攪拌用回転
子円筒胴周面に生成する凝固殻を除去する凝固殻剥離治
具の適用を適正化することにより前記した問題を解決で
きることを見出し、この発明を達成したものである。
【0010】すなわち、この発明の要旨は、抜熱能を有
し横軸のまわりに回転する円筒胴よりなる攪拌用回転子
と、該攪拌用回転子の円筒胴周に沿う凹曲面からなる固
定壁との間に溶融金属を連続的に供給し、攪拌用回転子
の回転に基づくせん断力によって粒子の細かい非樹枝状
結晶が懸濁した半凝固金属を製造し、攪拌用回転子と固
定壁との間の下方のすき間から連続的に上記半凝固金属
を排出させるようにした半凝固金属の製造装置におい
て、攪拌用回転子の技熱能に由来した同筒胴周面上に生
成する凝固殻を剥離するための剥離治具を、半凝固金属
の排出流を挟み上記すき間と向いあって攪拌用回転子の
胴周面に面して配置し、上記固定壁は回転子の両側端面
及び凝固殻剥離治具の両側面を覆う固定側壁を一体化し
た構造とし、該固定側壁に対して回転子端面及び凝固殻
剥離治具側面を間隔0.2mm 以下にて塞止して成ることを
特徴とする半凝固金属の製造装置であり、上記凝固殻剥
離治具が攪拌用回転子円筒胴周面との間隔の調整移動と
攪拌用回転子円筒胴周面に対する所定圧力での押し付け
を司る油圧シリンダーを有するものである。
【0011】この発明の具体的構成を図1、図2及び図
3を例にとり説明する。図1はこの発明の半凝固金属の
製造装置を示す説明図であり、図2は図1のA−A断
面、図3は図1のB−B断面を示す説明図である。図中
1は攪拌用回転子、2は固定壁で3はその耐火物内壁、
2′は固定側壁で3′はその耐摩耗性・断熱構造の内壁
であり、これらは一体化(ボルトや溶接による接合一体
化を含む)されている。さらに4は固定壁2に取り付け
た固定壁調節駆動装置、5は溶融金属溜め耐火物内壁、
6は排出口、7は凝固殻剥離治具、8は凝固殻剥離治具
に取り付けた油圧シリンダー、9は固定側壁2′の押し
つけ用ばね、19は固定側壁2′の外拡がりを防止するた
めの着脱可能な固定ボルト、10はばね9、固定ボルト19
の支持板であり、11は攪拌用回転子1の冷却水、12は固
定壁2の加熱ヒーター、13は取鍋、14は注入ノズル、15
は溶融金属、16は凝固殻、17は半凝固金属、18は攪拌用
回転子1の回転駆動装置である。
【0012】この発明の半凝固金属の製造装置は、内部
冷却機能を有する横軸回転円筒胴よりなる攪拌用回転子
1、攪拌用回転子1の両側端面及び凝固殻剥離治具7の
両側面を覆う固定側壁2′を一体化した断熱構造からな
る固定壁2、溶融金属溜め耐火物5、攪拌用回転子1の
円筒胴周面に付着凝固する凝固殻16を切削剥離するため
の凝固殻剥離治具7、凝固殻剥離治具7と攪拌用回転子
1との間隔の調整移動と凝固殻剥離治具7を攪拌用回転
子1の円筒胴周面に対する所定圧力での押しつけを司る
油圧シリンダー8、固定壁2と回転子1とのすき間を調
整するための固定壁2に取り付けた固定壁調節駆動装置
4、攪拌用回転子1の回転駆動装置18から構成する。
【0013】横軸回転円筒胴を持つ攪拌用回転子1は回
転駆動装置18により回転し、溶融金属15を冷却すると共
に冷却されつつある半凝固金属17に攪拌効果を与え微細
な非樹枝状を呈する初晶粒子を均一に分散させる。この
攪拌用回転子1の円筒胴の直径は排出される半凝固金属
17の排出量と冷却能力から決定される。
【0014】攪拌用回転子1は内部に冷却水11を流して
攪拌用回転子1と固定壁2の間の溶融金属15を直接強制
冷却し、目的の固相率を有する半凝固金属17とする。該
半凝固金属17を排出する排出口6においては、耐熱工具
鋼又は耐熱セラミックスなどでできたバイト状凝固殻剥
離治具7を油圧シリンダー8によって回転する攪拌用回
転子1の円筒胴周面に所定圧で押しつけ付着してくる凝
固殻16を切削剥離し、また排出されてくる半凝固金属17
の攪拌用回転子1からの分離と排出を助成する。
【0015】さらに、攪拌用回転子1の両側端面及び凝
固殻剥離治具7の両側面を覆う固定壁2と一体構造の固
定側壁2′は、溶融金属のもれを防止するため固定側壁
2′に対する攪拌用回転子1の端面及び凝固殻剥離治具
7の側面との間隔を0.2mm 以下とするすり合せ構造と
し、さらに、固定側壁2′は、攪拌用回転子1の端面に
付着する凝固殻によって押され変形することを防止する
ために、固定側壁2′の外面にばね9と固定ボルト19及
びその支持板10を設けている。また、固定壁2には、固
定壁2と攪拌用回転子1との間隔を調整するため回転子
の半径方向に移動できる固定壁調節駆動装置4が取り付
けられ、回転子1の上方の耐火物内壁5は、溶融金属15
の注入量の変動を許容できる溶融金属溜めを固定壁2と
で形成させるために設置されている。なお、固定壁2に
はその断熱効果をあげるため加熱ヒーター12を設置する
ことが望ましい。
【0016】
【作用】この発明をさらに詳しく以下に述べる。回転軸
が横である攪拌用回転子1と固定壁2間の両側からの溶
融金属及び半凝固金属のもれを防止する手段として、攪
拌用回転子1の両側端面及び凝固殻剥離治具7の両側面
を覆う固定側壁2′を一体化した断熱構造を有する固定
壁2をそなえた装置とする。ここで、固定側壁2′は固
定側壁2′に対する攪拌用回転子1の両側端面及び凝固
殻剥離治具7の両側面との間隔を0.2mm 以下とし強固に
固定する。なお、上記間隔であれば溶融金属の表面張力
の関係から操業初期においてもここから溶融金属がもれ
出すことはない。
【0017】かくすることにより、操業中攪拌用回転子
1と固定壁2の間に注湯された溶融金属が、攪拌用回転
子1の端面と固定側壁2′の間に侵入し攪拌用回転子1
の端面に凝固付着するが、強固に固定された固定側壁
2′により凝固殻の生長は抑止されるとともに、攪拌用
回転子1の端面と固定側壁2′との間の機密性は良好と
なる。すなわち攪拌用回転子1の端面への溶融金属の凝
固付着が促進し、これが固定側壁2′を外側に押して変
形させ、ここから溶融金属がもれ出すという問題が解決
する。
【0018】なお、攪拌用回転子1の端面に凝固殻が生
成付着することによって固定側壁2′が押され変形する
ことによる外拡がりを防止するために固定側壁2′の先
端外側をばね9又は油圧などによってその外側から押し
つけるとともに固定ボルト19を設け、これらを強固な支
持板10によって支持することが望ましい。
【0019】また、攪拌用回転子1の円筒胴周面に付着
した凝固殻を剥離する凝固殻剥離治具7は、操業中に攪
拌用回転子1の熱膨張や付着した凝固殻の厚みが変化し
ても、油圧シリンダー8を用いて攪拌用回転子1の円筒
胴周面との間に常に所定の圧力で押しつけ、その間隔が
あかないようにすることがよい。これによって溶融金属
や半凝固金属が上記両者の間からもれることがなく、熱
膨張や凝固殻の形成によって生じる攪拌用回転子1及び
凝固殻剥離治具7の摩耗損傷の問題もなくなる。
【0020】かくして、前記した問題点が解決され、排
出口6などにおける閉塞や装置からの溶融金属及び半凝
固金属のもれなどのトラブルが回避でき、操業が容易と
なって目的の半凝固金属を連続的に安定して製造するこ
とができる。
【0021】つぎにこの発明の実施態様を前記した図
1、図2及び図3にもとづいて説明する。溶融金属15を
入れた取鍋13を半凝固金属製造装置の上方所定位置に配
置し、注入ノズル14を開いて、固定側壁2′を一体化し
た断熱機構を有する固定壁2と攪拌用回転子1の上方の
耐火物内壁5とで形成する注入量の変動が許容できる溶
融金属溜めに溶融金属15を注入する。
【0022】溶融金属溜めに注入された溶融金属15は、
固定壁2と横軸回転円筒胴を有する攪拌用回転子1との
間に流入し、冷却水11により水冷された攪拌用回転子1
からの抜熱により温度が降下しつつ攪拌用回転子1によ
り強烈なせん断力が与えられ、微細な非樹枝状を呈する
初晶粒子を均一に分散し非樹枝状晶が懸濁した半凝固金
属17が排出口6から排出される。このとき、攪拌用回転
子1の回転を半凝固金属17の流れを助長する方向に回転
させるとともに、前記したように固定側壁2′に対する
攪拌用回転子1の端面及び凝固殻剥離治具7の側面の間
隔を0.2mm 以下とし固定側壁2′を強固に固定して溶融
金属及び半凝固金属のもれを防止し、攪拌用回転子1の
円筒胴周面に付着した凝固殻16及び半凝固金属17を凝固
殻剥離治具7により攪拌用回転子1から剥離分離させ排
出口6から排出させる。
【0023】かくして攪拌用回転子1の円筒胴周面の表
面状態及び排出口6は同一の状態に維持されるため、抜
熱条件、排出速度が一定となり、高粘度の半凝固金属の
安定した連続排出が可能になる。
【0024】ここで、攪拌用回転子1の円筒胴の直径は
排出される半凝固金属17の排出量と冷却能力から決定し
たものを用い、攪拌用回転子1と固定壁2との間隔は、
攪拌用回転子1の半径方向に移動できる固定壁2に取り
付けた固定壁調節駆動装置4により調整し、あらかじめ
その間隔を所定の値に設定する。
【0025】また、攪拌用回転子1の円筒胴周面に付着
凝固する凝固殻16は、攪拌用回転子1の円筒胴周面に凝
固殻剥離治具7を油圧シリンダー8により所定圧力で押
しつけ凝固殻16を切削剥離する。
【0026】なお、この場合溶融金属と接触する攪拌用
回転子1の円筒胴周面の保護のため、攪拌用回転子1の
円筒胴周面に付着した凝固殻16の一部をセルフコーティ
ングとして残すこともよく、油圧シリンダー8を調整す
ることによって、凝固殻剥離治具7の刃先と攪拌用回転
子1の円筒胴周面との間隔を2mm以下にして攪拌用回転
子1の円筒胴周面上に凝固殻16の一部をセルフコーティ
ングとして残すことにより、攪拌用回転子1と溶融金属
又は半凝固金属との反応などによる損傷を防止し、攪拌
用回転子1の寿命を延長することができる。またこのよ
うに凝固殻をセルフコーティングとして残すことによ
り、適用できる攪拌用回転子1の材料の種類が増加し、
選択の自由度が増大する。
【0027】
【実施例】実施例1 図1に示した排出口6における固定壁2と攪拌用回転子
1の円筒胴周面との間隔を5mmとした半凝固金属製造装
置に、Al−4.5 wt%Cu合金の溶湯を注入し、直径 400mm
φの攪拌用回転子1を250rpmで回転させることによっ
て、攪拌しながら凝固中の平均凝固速度を 4.0%/sで
冷却し、排出口6から排出される半凝固金属17の温度を
連続測定し、その温度から平衡状態図をもとに換算した
固相率が0.40の半凝固金属を排出させた。
【0028】この結果連続的に安定して半凝固金属の製
造ができ、溶湯のもれや、半凝固金属の流れの停滞を生
じることが全くなかった。
【0029】実施例2 実施例1と同様に図1に示した排出口6における固定壁
2と攪拌用回転子1の円筒胴周面との間隔を5mmとした
半凝固金属製造装置に、Al−10wt%Cu合金の溶湯を注入
し、直径 400mmφの攪拌用回転子1を120rpmで回転させ
ることによって、攪拌しながら凝固中の平均凝固速度を
1.4%/sで冷却し、凝固殻剥離治具7の刃先と攪拌用
回転子1との間隔を1mm開けて攪拌用回転子1の円筒胴
周面に1mmの凝固殻のセルフコーティングが施されるよ
うにした。
【0030】この結果、固相率0.38の半凝固金属が安定
して排出できた。なお上記固相率は排出口における半凝
固金属の温度から換算した値である。
【0031】
【発明の効果】この発明はつぎに列記する効果を発揮す
る。 (1) 横軸回転円筒胴の冷却攪拌用回転子を用いるた
め、強冷却と強攪拌が可能となり、微細な非樹枝状を呈
する初晶粒子からなる優れた特性の半凝固金属が製造で
き、流動性が悪く装置内で閉塞が生じやすい高冷却速度
の半凝固金属の製造にも適用でき、特に強冷却が可能な
ため生産能力が増大する。
【0032】(2) 攪拌用回転子両側端面及び凝固殻剥
離治具両側面までを覆う固定側壁を一体化した固定壁を
用いるため、長時間の連続操業時にも装置からの溶湯の
もれがなく、また半凝固金属の装置内融着や閉塞などの
事故がなく、後段の鋳造機、加工装置などへの移送供給
も支障なくでき、後工程を含めて安定した操業が可能と
なる。
【0033】(3) 攪拌用回転子の円筒胴周面に付着す
る凝固殻の剥離用治具を攪拌用回転子円筒胴周面に所定
圧で押しあてることにより回転子の損耗が減少し、さら
に攪拌用回転子の円筒胴周面に凝固殻のセルフコーティ
ングを施すこともできるので回転子の寿命延長及び回転
子材料の選択の融通性が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に使用した半凝固金属の製造
装置を示す説明図である。
【図2】図1におけるA−A断面を示す説明図である。
【図3】図1におけるB−B断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 攪拌用回転子 2 固定壁 2′ 固定側壁 3 耐火物内壁(固定壁) 3′ 耐摩耗性・断熱構造の内壁(固定側壁) 4 固定壁調節駆動装置 5 耐火物内壁(溶融金属溜め) 6 排出口 7 凝固殻剥離治具 8 油圧シリンダー 9 ばね 10 支持板 11 冷却水 12 加熱ヒーター 13 取鍋 14 注入ノズル 15 溶融金属 16 凝固殻 17 半凝固金属 18 回転駆動装置 19 固定ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−142040(JP,A) 特開 平5−15947(JP,A) 特開 平4−274850(JP,A) 特開 平4−238645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/00 B22D 1/00 B22D 11/06 310 B22D 27/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抜熱能を有し横軸のまわりに回転する円
    筒胴よりなる攪拌用回転子と、該攪拌用回転子の円筒胴
    周に沿う凹曲面からなる固定壁との間に溶融金属を連続
    的に供給し、攪拌用回転子の回転に基づくせん断力によ
    って粒子の細かい非樹枝状晶が懸濁した半凝固金属を製
    造し、攪拌用回転子と固定壁との間の下方のすき間から
    連続的に上記半凝固金属を排出させるようにした半凝固
    金属の製造装置において、 攪拌用回転子の技熱能に由来した同筒胴周面上に生成す
    る凝固殻を剥離するための剥離治具を、半凝固金属の排
    出流を挟み上記すき間と向いあって攪拌用回転子の胴周
    面に面して配置し、 上記固定壁は回転子の両側端面及び凝固殻剥離治具の両
    側面を覆う固定側壁を一体化した構造とし、該固定側壁
    に対して回転子端面及び凝固殻剥離治具側面を間隔0.2m
    m 以下にて塞止して成ることを特徴とする半凝固金属の
    製造装置。
  2. 【請求項2】 凝固殻剥離治具が攪拌用回転子の円筒胴
    周面との間隔の調整移動と、攪拌用回転子円筒胴周面に
    対する所定圧力での押し付けを司る油圧シリンダーを有
    することを特徴とする請求項1に記載の半凝固金属の製
    造装置。
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