JPH07251241A - 半凝固金属の製造装置 - Google Patents
半凝固金属の製造装置Info
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- JPH07251241A JPH07251241A JP4385194A JP4385194A JPH07251241A JP H07251241 A JPH07251241 A JP H07251241A JP 4385194 A JP4385194 A JP 4385194A JP 4385194 A JP4385194 A JP 4385194A JP H07251241 A JPH07251241 A JP H07251241A
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- rotor
- metal
- cooling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 長時間にわたって良好な品質の半凝固金属を
安定して製造・排出できる横軸回転胴よりなる攪拌用回
転子を用いる連続式半凝固金属製造装置を得る。 【構成】 横軸回転胴よりなり抜熱能を有する攪拌用回
転子と、該回転子の胴周に面して凹曲面からなる固定壁
と回転子の両端面に面する一対の塞壁とより形成される
冷却・攪拌室よりなり、該冷却・攪拌室に溶融金属を連
続的に供給して半凝固金属を製造し、下方の排出口から
半凝固金属を連続的に排出する半凝固金属製造装置にお
いて固定壁と共に一対の塞壁にもヒーターを配置する。
安定して製造・排出できる横軸回転胴よりなる攪拌用回
転子を用いる連続式半凝固金属製造装置を得る。 【構成】 横軸回転胴よりなり抜熱能を有する攪拌用回
転子と、該回転子の胴周に面して凹曲面からなる固定壁
と回転子の両端面に面する一対の塞壁とより形成される
冷却・攪拌室よりなり、該冷却・攪拌室に溶融金属を連
続的に供給して半凝固金属を製造し、下方の排出口から
半凝固金属を連続的に排出する半凝固金属製造装置にお
いて固定壁と共に一対の塞壁にもヒーターを配置する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非樹枝状初晶が金属
(一般には合金)液体中に分散した固体−液体金属混合
物(以下単に半凝固金属という)を連続して安定的に製
造・排出する装置を提案するものである。
(一般には合金)液体中に分散した固体−液体金属混合
物(以下単に半凝固金属という)を連続して安定的に製
造・排出する装置を提案するものである。
【0002】半凝固金属は、下流の加工工程における加
工装置の熱的負荷を低減させたり、そのまま棒状又は板
状などの半製品として凝固させることにより内部品質の
良好な加工用素材が得られるなど、その有用性から半凝
固金属の安定した工業的生産技術の開発が望まれてい
る。
工装置の熱的負荷を低減させたり、そのまま棒状又は板
状などの半製品として凝固させることにより内部品質の
良好な加工用素材が得られるなど、その有用性から半凝
固金属の安定した工業的生産技術の開発が望まれてい
る。
【0003】
【従来の技術】半凝固金属を連続的に製造・排出する手
段については、例えば特公昭56−20944号公報
(非樹枝状初晶固体分を含む合金を連続的に形成する為
の装置)に開示されているように、一定温度の溶融金属
を円筒状の冷却槽の内面と縦軸の高速回転する攪拌子と
の間に導き、適当な冷却条件のもとで溶融金属に強い攪
拌作用を加えて半凝固金属スラリーとして、底部のノズ
ルから半凝固金属として連続的に排出させる機械攪拌方
式のものが知られている。
段については、例えば特公昭56−20944号公報
(非樹枝状初晶固体分を含む合金を連続的に形成する為
の装置)に開示されているように、一定温度の溶融金属
を円筒状の冷却槽の内面と縦軸の高速回転する攪拌子と
の間に導き、適当な冷却条件のもとで溶融金属に強い攪
拌作用を加えて半凝固金属スラリーとして、底部のノズ
ルから半凝固金属として連続的に排出させる機械攪拌方
式のものが知られている。
【0004】しかしこの手段では、円筒上の冷却攪拌槽
の抜熱面で溶融金属が凝固してその凝固殻が成長し、こ
のため半凝固金属スラリーが通過する隙間が狭くなっ
て、排出速度の低下ないしは隙間を閉塞してしまうおそ
れがあり、さらに、凝固殻の成長に伴う伝熱抵抗の増加
による冷却槽の抜熱速度の低下などもあって、一定品質
の半凝固金属を長時間にわたって安定して排出させるこ
とは困難であった。
の抜熱面で溶融金属が凝固してその凝固殻が成長し、こ
のため半凝固金属スラリーが通過する隙間が狭くなっ
て、排出速度の低下ないしは隙間を閉塞してしまうおそ
れがあり、さらに、凝固殻の成長に伴う伝熱抵抗の増加
による冷却槽の抜熱速度の低下などもあって、一定品質
の半凝固金属を長時間にわたって安定して排出させるこ
とは困難であった。
【0005】一方、上記とは別の機械的攪拌方式で、横
軸のまわりに回転する円筒胴よりなる攪拌子と、この攪
拌子の円筒胴の外周に沿う凹曲面からなる固定壁との間
に形成した隙間に、溶融金属を連続的に供給し、強制冷
却による凝固を生起させながら攪拌子の回転に基づくせ
ん断力によって粒子の細かい非樹枝状初晶が懸濁した半
凝固金属を製造し、この半凝固金属を隙間の下方から連
続的に排出するにあたり、攪拌子に抜熱能をもたせ、固
定壁を断熱性とし、かつ攪拌子の胴周面上で凝固付着す
る凝固殻を剥離治具により掻き落とす手段が特開平4−
238645号公報(半凝固金属の製造方法および装
置)に提案開示されている。しかし、この方式を工業プ
ロセスとして完成させるためには装置内での凝固殻の生
成及び閉塞対策等が未だ不十分であり、品質の優れる半
凝固金属を長時間にわたって安定して排出させることに
関してはなお難点を残していた。また、上記開示例は、
固定壁を断熱性とするため設けるヒーターの加熱方式や
構造あるいは発熱体の材質について特段の配慮がなされ
ていなかった。
軸のまわりに回転する円筒胴よりなる攪拌子と、この攪
拌子の円筒胴の外周に沿う凹曲面からなる固定壁との間
に形成した隙間に、溶融金属を連続的に供給し、強制冷
却による凝固を生起させながら攪拌子の回転に基づくせ
ん断力によって粒子の細かい非樹枝状初晶が懸濁した半
凝固金属を製造し、この半凝固金属を隙間の下方から連
続的に排出するにあたり、攪拌子に抜熱能をもたせ、固
定壁を断熱性とし、かつ攪拌子の胴周面上で凝固付着す
る凝固殻を剥離治具により掻き落とす手段が特開平4−
238645号公報(半凝固金属の製造方法および装
置)に提案開示されている。しかし、この方式を工業プ
ロセスとして完成させるためには装置内での凝固殻の生
成及び閉塞対策等が未だ不十分であり、品質の優れる半
凝固金属を長時間にわたって安定して排出させることに
関してはなお難点を残していた。また、上記開示例は、
固定壁を断熱性とするため設けるヒーターの加熱方式や
構造あるいは発熱体の材質について特段の配慮がなされ
ていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、横軸回転
胴よりなる攪拌用回転子を用いる半凝固金属の製造方式
において、たとえ高融点合金であっても高品質の半凝固
金属を長時間にわたって連続的に安定して製造・排出で
きる半凝固金属の製造装置を提案することを目的とす
る。
胴よりなる攪拌用回転子を用いる半凝固金属の製造方式
において、たとえ高融点合金であっても高品質の半凝固
金属を長時間にわたって連続的に安定して製造・排出で
きる半凝固金属の製造装置を提案することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は以下の
通りである。横軸回転胴よりなる抜熱能を有する攪拌用
回転子と、該回転子の胴周面に面して下せばまりの凹曲
面からなる断熱性の固定壁と、回転子の両端面に面する
一対の塞壁とより形成される冷却・攪拌室よりなり、該
冷却・攪拌室に溶融金属を連続的に供給して冷却し、凝
固を生起させながら攪拌用回転子の回転に基づくせん断
力によって粒子の細かい非樹枝状晶が懸濁した半凝固金
属スラリーを製造し、攪拌用回転子と固定壁との間の下
方に連なる排出口から半凝固金属を連続的に排出する半
凝固金属の製造装置において、固定壁と共に一対の塞壁
にヒーターを配置してなる半凝固金属の製造装置であ
り、上記ヒーターが、発熱体を用いる電気加熱方式であ
り、かつ該発熱体にニクロム又はカンタルスーパーを用
いるものであり、さらに、ヒーターが、発熱体をつづら
おり状に配してあるものである。
通りである。横軸回転胴よりなる抜熱能を有する攪拌用
回転子と、該回転子の胴周面に面して下せばまりの凹曲
面からなる断熱性の固定壁と、回転子の両端面に面する
一対の塞壁とより形成される冷却・攪拌室よりなり、該
冷却・攪拌室に溶融金属を連続的に供給して冷却し、凝
固を生起させながら攪拌用回転子の回転に基づくせん断
力によって粒子の細かい非樹枝状晶が懸濁した半凝固金
属スラリーを製造し、攪拌用回転子と固定壁との間の下
方に連なる排出口から半凝固金属を連続的に排出する半
凝固金属の製造装置において、固定壁と共に一対の塞壁
にヒーターを配置してなる半凝固金属の製造装置であ
り、上記ヒーターが、発熱体を用いる電気加熱方式であ
り、かつ該発熱体にニクロム又はカンタルスーパーを用
いるものであり、さらに、ヒーターが、発熱体をつづら
おり状に配してあるものである。
【0008】
【作用】この発明の作用を実験例に基づいて以下に述べ
る。図1は横軸回転胴よりなる攪拌用回転子を用いる連
続式半凝固金属製造装置の説明図である。この図1に示
す装置は、抜熱能を有する横軸回転胴よりなる攪拌用回
転子1、攪拌用回転子1を冷却するための冷却水2、攪
拌用回転子1の回転駆動装置3、固定壁4−1、攪拌用
回転子1の両端面に面する一対の塞壁4−2、攪拌用回
転子1と固定壁4−1及び塞壁4−2とより形成される
冷却・攪拌室5、固定壁4−1を断熱するためのヒータ
ー6、ヒーターホルダー7、攪拌用回転子1との間隔を
調整するための固定壁4−1の移動用駆動装置8、固定
壁4−1の下方端に設けたせき板9、せき板9のしゅう
動駆動装置10、攪拌用回転子1の円筒胴周面に付着成
長する凝固殻18を切削するための削剥治具11、攪拌
用回転子1との間隔を調整するための削剥治具11の移
動用駆動装置12、排出口13及び排出される半凝固金
属19の固相率センサー14からなる。
る。図1は横軸回転胴よりなる攪拌用回転子を用いる連
続式半凝固金属製造装置の説明図である。この図1に示
す装置は、抜熱能を有する横軸回転胴よりなる攪拌用回
転子1、攪拌用回転子1を冷却するための冷却水2、攪
拌用回転子1の回転駆動装置3、固定壁4−1、攪拌用
回転子1の両端面に面する一対の塞壁4−2、攪拌用回
転子1と固定壁4−1及び塞壁4−2とより形成される
冷却・攪拌室5、固定壁4−1を断熱するためのヒータ
ー6、ヒーターホルダー7、攪拌用回転子1との間隔を
調整するための固定壁4−1の移動用駆動装置8、固定
壁4−1の下方端に設けたせき板9、せき板9のしゅう
動駆動装置10、攪拌用回転子1の円筒胴周面に付着成
長する凝固殻18を切削するための削剥治具11、攪拌
用回転子1との間隔を調整するための削剥治具11の移
動用駆動装置12、排出口13及び排出される半凝固金
属19の固相率センサー14からなる。
【0009】この装置において半凝固金属19は、タン
ディシュ15及び注入ノズル16を介して攪拌用回転子
1と固定壁4−1及び塞壁4−2とで形成される冷却・
攪拌室5に連続的に供給される溶融金属17を、攪拌用
回転子1で抜熱しながらその回転により激しく攪拌する
ことによって、融体中に生成しつつある樹枝状晶の枝部
が消失ないしは縮小して丸みを帯びた形態に変換されて
製造され、下方の排出口13から連続的に排出される。
ディシュ15及び注入ノズル16を介して攪拌用回転子
1と固定壁4−1及び塞壁4−2とで形成される冷却・
攪拌室5に連続的に供給される溶融金属17を、攪拌用
回転子1で抜熱しながらその回転により激しく攪拌する
ことによって、融体中に生成しつつある樹枝状晶の枝部
が消失ないしは縮小して丸みを帯びた形態に変換されて
製造され、下方の排出口13から連続的に排出される。
【0010】一方、攪拌用回転子1の円筒胴周面に付着
成長する凝固殻18は削剥治具11により切削されて半
凝固金属19に混入し排出口13から排出される。
成長する凝固殻18は削剥治具11により切削されて半
凝固金属19に混入し排出口13から排出される。
【0011】この発明は、上記のような装置を改善し、
半凝固金属の製造・排出を極めて容易にするもので、固
定壁4−1と共に一対の塞壁4−2にもヒーターを配置
することを骨子とするものである。そして、さらに、ヒ
ーターを発熱体による電気加熱方式とすること、該発熱
体にニクロム又はカンタルスーバーを用いること、ヒー
ターが発熱体をつづらおり状に配置してなることにあ
る。
半凝固金属の製造・排出を極めて容易にするもので、固
定壁4−1と共に一対の塞壁4−2にもヒーターを配置
することを骨子とするものである。そして、さらに、ヒ
ーターを発熱体による電気加熱方式とすること、該発熱
体にニクロム又はカンタルスーバーを用いること、ヒー
ターが発熱体をつづらおり状に配置してなることにあ
る。
【0012】以下に、この発明の基礎となった実験例に
ついて述べる。おな、実験に先立ち、ヒーターの加熱方
式について種々検討の結果、安易に設置できること、均
一加熱及び温度制御が容易であること、コンパクトであ
ることなどの観点から発熱体を用いる電気加熱方式が最
適であるとの結論に達したものである。
ついて述べる。おな、実験に先立ち、ヒーターの加熱方
式について種々検討の結果、安易に設置できること、均
一加熱及び温度制御が容易であること、コンパクトであ
ることなどの観点から発熱体を用いる電気加熱方式が最
適であるとの結論に達したものである。
【0013】実験は、図1に示した装置の固定壁4−1
のヒーター6及び一対の塞壁4−2にそれぞれ設けるヒ
ーターの発熱体にニクロム又はカンタルスーパーの2種
類を用い、低融点合金、高融点合金について、それぞれ
上記装置により連続的に半凝固金属を製造・排出し、排
出口13の閉塞の有無、固定壁4−1及び塞壁4−2で
の凝固殻の生成状況について調査した。
のヒーター6及び一対の塞壁4−2にそれぞれ設けるヒ
ーターの発熱体にニクロム又はカンタルスーパーの2種
類を用い、低融点合金、高融点合金について、それぞれ
上記装置により連続的に半凝固金属を製造・排出し、排
出口13の閉塞の有無、固定壁4−1及び塞壁4−2で
の凝固殻の生成状況について調査した。
【0014】また、上記において、ヒーターの配置は、
図2及び図3に示すように発熱体をつづらおり状にして
取付けたヒーターホルダー7を固定壁4−1及び塞壁4
−2の背面に配置し、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷
却・攪拌室を形成する部分全面に配置した場合、その下
半分にだけ配置した場合(高融点合金のみ)の2種類と
した。
図2及び図3に示すように発熱体をつづらおり状にして
取付けたヒーターホルダー7を固定壁4−1及び塞壁4
−2の背面に配置し、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷
却・攪拌室を形成する部分全面に配置した場合、その下
半分にだけ配置した場合(高融点合金のみ)の2種類と
した。
【0015】ここに、図2(a)及び(b)は固定壁の
ヒーターの構造を示す説明図、図3(a)及び(b)は
塞壁のヒーターの構造を示す説明図である。これらの図
において、4−1は固定壁、4−2は塞壁、6はヒータ
ー(発熱体)、7はヒーターホルダー、20は発熱体を
ヒーターホルダー7に固定するための固定ピンである。
ヒーターの構造を示す説明図、図3(a)及び(b)は
塞壁のヒーターの構造を示す説明図である。これらの図
において、4−1は固定壁、4−2は塞壁、6はヒータ
ー(発熱体)、7はヒーターホルダー、20は発熱体を
ヒーターホルダー7に固定するための固定ピンである。
【0016】この結果、ヒーター6を、その発熱体にニ
クロムを用い、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・攪
拌室5を形成する部分全面に配置した場合、低融点合金
では問題なく、半凝固金属の製造・排出ができたが、高
融点合金では、排出口13の閉塞や固定壁4−1及び塞
壁4−2での凝固殻の生成などがあって、長時間の連続
操業ができなかった。
クロムを用い、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・攪
拌室5を形成する部分全面に配置した場合、低融点合金
では問題なく、半凝固金属の製造・排出ができたが、高
融点合金では、排出口13の閉塞や固定壁4−1及び塞
壁4−2での凝固殻の生成などがあって、長時間の連続
操業ができなかった。
【0017】一方、ヒーター6を、その発熱体に、より
高温に加熱できるカンタルスーパーを用い、固定壁4−
1及び塞壁4−2の冷却・攪拌室5を形成する部分全面
に配置又はその下半分に配置し、それぞれ高融点合金の
半凝固金属の製造・排出を行ったところ、ヒーター6を
下半分に配置した場合は排出口13の閉塞は防止できた
が、固定壁4−1及び塞壁4−2の上方には凝固殻が生
成した。
高温に加熱できるカンタルスーパーを用い、固定壁4−
1及び塞壁4−2の冷却・攪拌室5を形成する部分全面
に配置又はその下半分に配置し、それぞれ高融点合金の
半凝固金属の製造・排出を行ったところ、ヒーター6を
下半分に配置した場合は排出口13の閉塞は防止できた
が、固定壁4−1及び塞壁4−2の上方には凝固殻が生
成した。
【0018】これに対し、ヒーター6を全面に配置した
場合は、排出口13の閉塞や固定壁4−1及び塞壁4−
2での凝固殻の生成は見られなかった。したがって、合
金の融点に応じてヒーター6の発熱体を選択し、固定壁
4−1及び一対の塞壁4−2にヒーターを好適に配置す
れば、高融点合金でも、高固相率で均一かつ高品質の半
凝固金属を長時間にわたって連続的に製造・排出させる
ことができる。
場合は、排出口13の閉塞や固定壁4−1及び塞壁4−
2での凝固殻の生成は見られなかった。したがって、合
金の融点に応じてヒーター6の発熱体を選択し、固定壁
4−1及び一対の塞壁4−2にヒーターを好適に配置す
れば、高融点合金でも、高固相率で均一かつ高品質の半
凝固金属を長時間にわたって連続的に製造・排出させる
ことができる。
【0019】
【実施例】実施例1 前掲図1に示した装置を使用し、かつ、前掲図2に示し
たように、その固定壁4−1全面に、発熱体がニクロム
のヒーター6を配置し、前掲図3に示したように一対の
塞壁4−2全面に発熱体がニクロムのヒーター6を配置
した場合と、配置しなかった場合のそれぞれについて、
低融点合金であるAl−10mass%Cu合金(液相
線温度:630℃、固相線温度:560℃)の半凝固金
属19の連続的製造・排出を試みた。
たように、その固定壁4−1全面に、発熱体がニクロム
のヒーター6を配置し、前掲図3に示したように一対の
塞壁4−2全面に発熱体がニクロムのヒーター6を配置
した場合と、配置しなかった場合のそれぞれについて、
低融点合金であるAl−10mass%Cu合金(液相
線温度:630℃、固相線温度:560℃)の半凝固金
属19の連続的製造・排出を試みた。
【0020】上記装置において、攪拌用回転子1には、
直径:400mm、幅:135mmのステンレス鋼製円
筒胴よりなるものを用い、固定壁4−1及び塞壁4−2
は耐火物製として、固定壁4−1はヒーター6によって
温度:700℃(内壁面より1mm中へ入った位置をR
シース熱電対で測定した値)に加熱し、塞壁4−2のヒ
ーター6を配置したものについては上記と同様の温度に
加熱して使用に供した。なお、ヒーター6を配置しなか
った塞壁4−2の温度は操業開始前25℃であった。
直径:400mm、幅:135mmのステンレス鋼製円
筒胴よりなるものを用い、固定壁4−1及び塞壁4−2
は耐火物製として、固定壁4−1はヒーター6によって
温度:700℃(内壁面より1mm中へ入った位置をR
シース熱電対で測定した値)に加熱し、塞壁4−2のヒ
ーター6を配置したものについては上記と同様の温度に
加熱して使用に供した。なお、ヒーター6を配置しなか
った塞壁4−2の温度は操業開始前25℃であった。
【0021】かくして、半凝固金属19は、温度:67
0℃の上記合金溶湯すなわち溶融金属17をタンディッ
シュ15からノズル16を介して攪拌用回転子1と固定
壁4−1及び一対の塞壁4−2とで形成する冷却・攪拌
室5に供給し、攪拌用回転子1の回転数:200rp
m、攪拌用回転子と削剥治具11との間隔:1.5mm
とし、さらに攪拌用回転子1とせき板9との間隔を10
mmから4mmの範囲で変化させて排出速度を制御して
製造し、排出口13から固相率:0.5の半凝固金属1
9を連続的に排出させた。
0℃の上記合金溶湯すなわち溶融金属17をタンディッ
シュ15からノズル16を介して攪拌用回転子1と固定
壁4−1及び一対の塞壁4−2とで形成する冷却・攪拌
室5に供給し、攪拌用回転子1の回転数:200rp
m、攪拌用回転子と削剥治具11との間隔:1.5mm
とし、さらに攪拌用回転子1とせき板9との間隔を10
mmから4mmの範囲で変化させて排出速度を制御して
製造し、排出口13から固相率:0.5の半凝固金属1
9を連続的に排出させた。
【0022】この結果、塞壁4−2にヒーター6を配置
せずヒーター6による加熱を行わなかった場合は、操業
開始とともに塞壁4−2に凝固殻が生成し、これが時間
の経過とともに成長し、ついには排出口13が閉塞し、
半凝固金属19の製造・排出が不能となった。それに対
し、塞壁4−2にヒーター6を配置し加熱した場合は、
排出口13が閉塞するようなトラブルがなく、長時間連
続して半凝固金属19を製造・排出できた。
せずヒーター6による加熱を行わなかった場合は、操業
開始とともに塞壁4−2に凝固殻が生成し、これが時間
の経過とともに成長し、ついには排出口13が閉塞し、
半凝固金属19の製造・排出が不能となった。それに対
し、塞壁4−2にヒーター6を配置し加熱した場合は、
排出口13が閉塞するようなトラブルがなく、長時間連
続して半凝固金属19を製造・排出できた。
【0023】実施例2 実施例1と同様に前掲図1に示した装置を使用し、か
つ、前掲図2及び図3に示したように、その固定壁4−
1及び一対の塞壁4−2の冷却・攪拌室5を形成する部
分全面に発熱体がニクロムのヒーター6を配置した場合
と発熱体がカンタルスーパーのヒーター6を配置した場
合、さらに固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・攪拌室
5を形成する部分の下半分に発熱体がカンタルスーパー
のヒーター6を配置した場合のそれぞれについて、高融
点合金である2.5mass%C鋳鉄(液相線温度:1
340℃、固相線温度:1130℃)の半凝固金属19
の連続的製造・排出を試みた。
つ、前掲図2及び図3に示したように、その固定壁4−
1及び一対の塞壁4−2の冷却・攪拌室5を形成する部
分全面に発熱体がニクロムのヒーター6を配置した場合
と発熱体がカンタルスーパーのヒーター6を配置した場
合、さらに固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・攪拌室
5を形成する部分の下半分に発熱体がカンタルスーパー
のヒーター6を配置した場合のそれぞれについて、高融
点合金である2.5mass%C鋳鉄(液相線温度:1
340℃、固相線温度:1130℃)の半凝固金属19
の連続的製造・排出を試みた。
【0024】上記装置において、攪拌用回転子1には、
直径:400mm、幅:135mmのCu製円筒胴より
なるものを用い、固定壁4−1及び塞壁4−2は耐火物
製とし、ヒーター6を配置した部分についてのヒーター
6による加熱温度は、発熱体がニクロムの場合:700
℃、カンタルスーパーの場合:1400℃として使用に
供した。なお、上記温度は固定壁4−1、塞壁4−2と
も内壁面より1mm中へ入った位置でのRシース熱電対
で測定した値である。
直径:400mm、幅:135mmのCu製円筒胴より
なるものを用い、固定壁4−1及び塞壁4−2は耐火物
製とし、ヒーター6を配置した部分についてのヒーター
6による加熱温度は、発熱体がニクロムの場合:700
℃、カンタルスーパーの場合:1400℃として使用に
供した。なお、上記温度は固定壁4−1、塞壁4−2と
も内壁面より1mm中へ入った位置でのRシース熱電対
で測定した値である。
【0025】かくして、半凝固金属19は、温度:13
80℃の上記合金溶湯すなわち溶融金属17をタンディ
ッシュ15からノズル16を介して攪拌用回転子1と固
定壁4−1及び一対の塞壁4−2とで形成する冷却・攪
拌室5に供給し、攪拌用回転子1の回転数:200rp
m、攪拌用回転子1と削剥治具11との間隔:1.5m
mと一定にし、攪拌用回転子1とせき板9との間隔を1
0mmから5mmの範囲で変化させて排出速度を制御し
て製造し、排出口13から固相率0.5の半凝固金属1
9を連続的に排出させた。
80℃の上記合金溶湯すなわち溶融金属17をタンディ
ッシュ15からノズル16を介して攪拌用回転子1と固
定壁4−1及び一対の塞壁4−2とで形成する冷却・攪
拌室5に供給し、攪拌用回転子1の回転数:200rp
m、攪拌用回転子1と削剥治具11との間隔:1.5m
mと一定にし、攪拌用回転子1とせき板9との間隔を1
0mmから5mmの範囲で変化させて排出速度を制御し
て製造し、排出口13から固相率0.5の半凝固金属1
9を連続的に排出させた。
【0026】そして、ヒーター6の発熱体の違いによる
塞壁4−2の加熱上限温度、固定壁4−1及び塞壁4−
2での凝固殻の生成状況、排出口13の閉塞状況などに
ついて調査した。
塞壁4−2の加熱上限温度、固定壁4−1及び塞壁4−
2での凝固殻の生成状況、排出口13の閉塞状況などに
ついて調査した。
【0027】これらの調査結果を以下に示す。図4は、
ヒーターの発熱体の違いによる塞壁の加熱上限温度を示
すグラフである。なお、塞壁4−2の温度は前にも記し
たように内壁面から1mm中へ入った位置の温度で、R
シース熱電対で測定したものである。
ヒーターの発熱体の違いによる塞壁の加熱上限温度を示
すグラフである。なお、塞壁4−2の温度は前にも記し
たように内壁面から1mm中へ入った位置の温度で、R
シース熱電対で測定したものである。
【0028】この図4から、発熱体にニクロムを使用し
た場合、温度の上昇は700℃止まりであったが、カン
タルスーパーを使用した場合は1400℃まで上昇し、
溶融金属17の供給温度以上になることを示していて、
高融点合金の場合のヒーター6の発熱体として、カンタ
ルスーパーが好適であることがわかる。
た場合、温度の上昇は700℃止まりであったが、カン
タルスーパーを使用した場合は1400℃まで上昇し、
溶融金属17の供給温度以上になることを示していて、
高融点合金の場合のヒーター6の発熱体として、カンタ
ルスーパーが好適であることがわかる。
【0029】つぎに、固定壁4−1及び塞壁4−2での
凝固殻の生成状況、排出口13の閉塞状況などの調査結
果を表1にまとめて示す。
凝固殻の生成状況、排出口13の閉塞状況などの調査結
果を表1にまとめて示す。
【表1】 表1から明らかなように、ヒーター6の発熱体がニクロ
ムの場合は、排出口13が閉塞して、半凝固金属19の
製造・排出が不能となった。また、発熱体がカンタルス
ーパーの場合で、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・
攪拌室を形成する部分の下半分にヒーター6を配置した
場合は、排出口13の閉塞は防止できたが、固定壁4−
1及び塞壁4−2の上部に凝固殻が生成し、それが操業
中に脱落して排出される半凝固金属19中に混入し品質
を劣化させた。
ムの場合は、排出口13が閉塞して、半凝固金属19の
製造・排出が不能となった。また、発熱体がカンタルス
ーパーの場合で、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・
攪拌室を形成する部分の下半分にヒーター6を配置した
場合は、排出口13の閉塞は防止できたが、固定壁4−
1及び塞壁4−2の上部に凝固殻が生成し、それが操業
中に脱落して排出される半凝固金属19中に混入し品質
を劣化させた。
【0030】それらに対し、発熱体がカンタルスーパー
で、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・攪拌室を形成
する部分全面にヒーター6を配置した場合は、固定壁4
−1及び塞壁4−2での凝固殻の生成並びに排出口13
の閉塞を防止でき、長時間連続して品質の良好な半凝固
金属を製造・排出できた。
で、固定壁4−1及び塞壁4−2の冷却・攪拌室を形成
する部分全面にヒーター6を配置した場合は、固定壁4
−1及び塞壁4−2での凝固殻の生成並びに排出口13
の閉塞を防止でき、長時間連続して品質の良好な半凝固
金属を製造・排出できた。
【0031】
【発明の効果】この発明は、横軸回転胴よりなり抜熱能
を有する攪拌用回転子と、該回転子の胴周に面して凹曲
面からなる固定壁と回転子の両端面に面する一対の塞壁
とより形成される冷却・攪拌室に、溶融金属を連続的に
供給して半凝固金属を製造し、下方の排出口が半凝固金
属を連続的に排出する半凝固金属の製造装置において、
固定壁と共に一対の塞壁にもヒーターを配置するもので
あり、この発明によれば、良好な一定品質の半凝固金属
を連続的に安定して製造・排出できるようになり、コス
ト低減がはかれるとともに、半凝固金属の工業化、需要
拡大に大きく貢献できる。
を有する攪拌用回転子と、該回転子の胴周に面して凹曲
面からなる固定壁と回転子の両端面に面する一対の塞壁
とより形成される冷却・攪拌室に、溶融金属を連続的に
供給して半凝固金属を製造し、下方の排出口が半凝固金
属を連続的に排出する半凝固金属の製造装置において、
固定壁と共に一対の塞壁にもヒーターを配置するもので
あり、この発明によれば、良好な一定品質の半凝固金属
を連続的に安定して製造・排出できるようになり、コス
ト低減がはかれるとともに、半凝固金属の工業化、需要
拡大に大きく貢献できる。
【図1】横軸回転胴よりなる攪拌用回転子を用いる連続
式半凝固金属の製造装置の説明図である。
式半凝固金属の製造装置の説明図である。
【図2】固定壁のヒーターの構造を示す説明図である。
【図3】塞壁のヒーターの構造を示す説明図である。
【図4】ヒーターの発熱体の違いによる塞壁の加熱上限
温度を示すグラフである。
温度を示すグラフである。
1 攪拌用回転子 2 冷却水 3 回転駆動装置(攪拌用回転子用) 4−1 固定壁 4−2 塞壁 5 冷却・攪拌室 6 ヒーター 7 ヒーターホルダー 8 駆動装置(固定壁用) 9 せき板 10 駆動装置(せき板用) 11 削剥治具 12 駆動装置(削剥治具用) 13 排出口 14 固相率センサー 15 タンディッシュ 16 注入ノズル 17 溶融金属 18 凝固殻 19 半凝固金属 20 固定ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 難波 明彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 株式会 社レオテック内
Claims (5)
- 【請求項1】 横軸回転胴よりなる抜熱能を有する攪拌
用回転子と、該回転子の胴周面に面して下せばまりの凹
曲面からなる断熱性の固定壁と、回転子の両端面に面す
る一対の塞壁とより形成される冷却・攪拌室よりなり、
該冷却・攪拌室に溶融金属を連続的に供給して冷却し、
凝固を生起させながら攪拌用回転子の回転に基づくせん
断力によって粒子の細かい非樹枝状晶が懸濁した半凝固
金属スラリーを製造し、攪拌用回転子と固定壁との間の
下方に連なる排出口から半凝固金属を連続的に排出する
半凝固金属の製造装置において、 固定壁と共に一対の塞壁にヒーターを配置してなる半凝
固金属の製造装置。 - 【請求項2】 ヒーターが、発熱体を用いる電気加熱方
式である請求項1に記載の半凝固金属の製造装置。 - 【請求項3】 発熱体が、ニクロムである請求項1又は
2に記載の半凝固金属の製造装置。 - 【請求項4】 発熱体が、カンタルスーパーである請求
項1又は2に記載の半凝固金属の製造装置。 - 【請求項5】ヒーターが、発熱体をつづらおり状に配し
てなる請求項1,2,3又は4に記載の半凝固金属の製
造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4385194A JPH07251241A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 半凝固金属の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4385194A JPH07251241A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 半凝固金属の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07251241A true JPH07251241A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=12675225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4385194A Pending JPH07251241A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 半凝固金属の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07251241A (ja) |
-
1994
- 1994-03-15 JP JP4385194A patent/JPH07251241A/ja active Pending
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