JPH07155905A - 加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法 - Google Patents

加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法

Info

Publication number
JPH07155905A
JPH07155905A JP34024893A JP34024893A JPH07155905A JP H07155905 A JPH07155905 A JP H07155905A JP 34024893 A JP34024893 A JP 34024893A JP 34024893 A JP34024893 A JP 34024893A JP H07155905 A JPH07155905 A JP H07155905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid
metal
semi
rate
stirrer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34024893A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Uchimura
光雄 内村
Kazusato Hironaka
一聡 廣中
Tsukasa Niide
司 新出
Hiroyoshi Takahashi
広芳 高橋
Akihiko Nanba
明彦 難波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Leotec KK
Original Assignee
Leotec KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Leotec KK filed Critical Leotec KK
Priority to JP34024893A priority Critical patent/JPH07155905A/ja
Priority to US08/296,746 priority patent/US5555926A/en
Priority to CA002131111A priority patent/CA2131111A1/en
Priority to DE69410952T priority patent/DE69410952T2/de
Priority to EP94306357A priority patent/EP0657235B1/en
Priority to KR1019940021924A priority patent/KR950016996A/ko
Publication of JPH07155905A publication Critical patent/JPH07155905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 初晶粒が微細かつ均一に分散した加工性に優
れる半凝固金属を連続的に製造する。 【構成】 攪拌子回転法による半凝固金属の製造方法に
おいて、固液界面せん断ひずみ速度の溶湯固化速度に対
する比の値を8000超えとし、凝固シェルの成長を阻止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工性が良好な固体
−液体金属混合物(以下、半凝固金属という)を安定し
て得ることができる半凝固金属の連続方法を提案するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半凝固金属を連続的に製造する手段とし
て、例えば特公昭56-20944号公報( 非樹枝状初晶固体分
を含む合金を連続的に形成する為の装置) に開示されて
いるように、一定温度の溶融金属を円筒状の冷却槽の内
面と高速回転する攪拌子との間に導き、強い攪拌作用を
加えつつ冷却し、得られた半凝固金属を底部から連続的
に排出させる機械攪拌方式(以下、攪拌子回転法とい
う)のものがよく知られている。また、溶湯の攪拌方式
として電磁力を用いる方式(以下、電磁攪拌法という)
も広く知られている。さらに他の手段として、例えば特
開平4-238645号公報( 半凝固金属の製造方法および装
置) に開示されているように、抜熱能を有する単ロール
( 横軸円筒胴よりなる攪拌用回転子) とロール胴周に沿
う凹曲面からなる固定壁の間に溶湯を供給し、冷却下に
ロールの回転による攪拌を加えつつ排出力を付与して下
方のすき間から連続的に半凝固金属を排出させる方式(
以下、単ロール法という) のものがある。上記いずれの
方式においても、半凝固金属中の固相は溶融金属を冷却
しながら激しく攪拌することによって、融体中に生成し
つつある樹枝状晶の枝部が消失ないしは縮小して丸みを
帯びた形態に変換されて形成される。
【0003】以上のようにして製造した半凝固金属の加
工方法としては、得られた半凝固金属をそのまま加工機
に供給して加工するレオ加工法及び半凝固金属を一旦冷
却・凝固させたのち、半融状態まで再加熱して加工する
チクソ加工法などが知られている。
【0004】半凝固金属をレオ加工又はチクソ加工する
場合、その加工性は、固相率、初晶粒の大きさ、形態及
び均一性などに依存する。すなわち、半凝固金属を加工
する時の固相率が小さすぎた場合(含熱量が多い)、半
凝固金属の一つの大きなメリットである熱負荷の軽減が
損なわれ、逆に固相率が大きすぎた場合は加工に必要な
加工圧の増加や金型キャビティ内への充てん性の悪化な
どの問題が生じる。また、半凝固金属の初晶粒の大き
さ、形態及び均一性などによっても加工性が大きく異な
る。
【0005】したがって、半凝固金属の加工性を改善
し、健全な製品を製造するためには、固相率のみでな
く、初晶粒径や形態及び均一性を制御することが重要に
なる。かかる課題の解決策として例えば特公平3-66985
号公報( スラリー構造金属組成物の製造方法) に、剪断
速度対固化速度の比の値を2×103 〜8×103 の範
囲に保持する方法が提案開示されている。
【0006】一方、半凝固金属の製造を工業プロセスと
して実現させるためには、操業の安定化が不可欠であっ
て、良好な品質が得られること、安定操業が可能である
ことなどを実現することが肝要である。
【0007】しかるに、上記特公平3-66985 号公報の方
法による攪拌子回転法では、冷却槽に成長する凝固シェ
ルと攪拌子とが接触して攪拌子のトルクが上昇するため
連続操業が困難になること、凝固シェルの成長により抜
熱速度が低下して高固化速度が維持できないこと、初晶
粒が集合体を形成し加工性が劣化することなどの問題が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがってこの発明
は、前記した問題点を有利に解決し、攪拌子回転法によ
り微細な初晶粒が均一に分散する加工性の良好な半凝固
金属が安定して得られる半凝固金属の連続製造方法を提
案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨とすると
ころは以下の通りである。 筒状の冷却槽の上方より供給した溶湯を、冷却下に
攪拌子の該冷却槽の中心における回転により攪拌して粒
子の細かい非樹枝状晶が懸濁した固液混合相金属スラリ
ーとし、下方の排出口から排出する半凝固金属の製造方
法において、固液界面せん断ひずみ速度の溶湯固化速度
に対する比の値を8000超えとすることにより、冷却槽に
おける凝固シェルの成長を阻止して高固化速度を維持
し、固液混合相金属スラリー中の初晶粒の粗大化を防止
することを特徴とする加工性の良好な半凝固金属の連続
製造方法である。 項における固液界面せん断ひずみ速度の溶湯固化
速度に対する比の8000超えの値を、冷却槽の抜熱速度、
冷却面積及び容積などによる固化速度の調整と、攪拌子
の回転数による固液界面のせん断ひずみ速度の調整によ
るものとする半凝固金属の連続製造方法である。
【0010】ここに冷却槽の容積とは、冷却槽と攪拌子
との間の空間の溶湯の湯面以下の体積をいう。
【0011】
【作用】この発明の作用を実験例に基づいて以下に述べ
る。図1は攪拌子回転法による半凝固金属製造装置の説
明図である。図1において、1は溶湯、2はタンディッ
シュであり、半凝固金属製造装置は、攪拌子用のモータ
ー3、トルクメーター4、受湯槽5、冷却槽6、保温槽
7、冷却槽6の冷却板8、冷却スプレー9、表面にねじ
溝を有する攪拌子10、ヒーター11、排出量制御用の
スライディングノズル12からなる。
【0012】この図1の装置により、種々条件を変えて
半凝固金属を製造し、排出される半凝固金属を急冷凝固
させて組織を固定して、顕微鏡による金属組織観察によ
り初晶粒の粒径、形態及び分散状況などを調査した。
【0013】また、排出される半凝固金属を熱伝導率が
非常に小さな断熱容器に受け、これをダイキャスト機に
移動・供給してレオ加工すること、排出される半凝固金
属を鋳型に供給して冷却凝固させたのち、再加熱して半
融状態にてダイキャスト機によりチクソ加工することな
どにより、半凝固金属の加工性におよぼす初晶粒の粒
径、形態及び分散の均一性の影響などについても調査し
た。
【0014】この実験において、排出される半凝固金属
の初晶粒の粒径、形態及び分散の均一性は、溶湯の固化
速度、固液界面のせん断ひずみ速度で制御した。そして
この固化速度は、冷却槽6における固相率増大速度であ
り、これは単位溶湯量、単位時間当りの抜熱量に依存す
るので、冷却槽6の抜熱速度(Kcal/m2.s)と冷却面積(m
2)及び冷却槽6と攪拌子10との間の空間の体積すなわ
ち冷却槽6の空隙容積(m3) により調整し、また、排出
される半凝固金属の固相率は排出速度で制御した。な
お、冷却面積、空隙容積は供給される溶湯の湯面以下に
ついてのものである。
【0015】このようにして調整される固化速度は、保
温槽7の下端に設置した熱電対の測温結果に基づいて算
出した固相率と冷却槽6内の滞留時間から下記する(1)
式で計算した。
【0016】 固化速度 (s-1) =dfs/dt ---- (1) ここで、 dfs:排出される半凝固金属の固相率 dt:冷却槽の空隙容積(m3) /排出速度(m3/s)
【0017】一方、固液界面のせん断ひずみ速度は、攪
拌子10の回転数により制御し下記する(2)式で計算し
た。なおこの計算に用いたr3 の値は、別途検討した冷
却槽6の冷却板8上に生成する凝固シェルと攪拌子10
とのクリアランスS(以下単にクリアランスSという)
と攪拌子10のトルク上昇挙動の関係から、トルクが上
昇し始めるクリアランスSを0.8mm として下記する。
(3)により算出した。
【0018】 γ=2・r1 ・r3 ・Ω/(r3 2−r1 2) ----(2) r3 =r2 −D=S+r1 ----(3) ここで γ : 固液界面せん断ひずみ速度(s-1 ) r1 : 攪拌子半径(m ) r2 : 冷却槽内面半径(m) Ω : 攪拌子の角速度(rad/s) S : クリアランス(m) r3 : 冷却槽内の溶湯半径(m) D : 凝固シェル厚(m)
【0019】これらの実験結果を以下に順に述べる。図
2は固化速度及びせん断ひずみ速度と攪拌子10のトル
クの上昇の有無の関係を示すグラフである。この図2に
基づいて攪拌子10のトルクの上昇の有り無しの境界線
を数式化すると下記する(4) 式に示すようになり、攪拌
子10のトルクの上昇のない条件は下記する(5) 式のよ
うになる。ここで凝固シェルの成長が停止する条件は
(4) 式の場合で、固液界面のせん断ひずみ速度が(4)式
より大きい場合凝固シェルの成長はクリアランスSが0.
8mm より大きい位置で阻止される。
【0020】 γ=8033・ (dfs/dt) ----(4) γ≧8033・ (dfs/dt) ----(5) ここで γ:固液界面せん断ひずみ速度(s-1) dfs/dt:固化速度(s-1)
【0021】このようにクリアランスSが0.8mm より大
きくなる条件では攪拌子10の偏心など作業上のトラブ
ルが発生してもトルクの上昇には至ることなく、安定し
た操業が可能になる。したがって、クリアランスS=0.
8mm を用いて(2) 及び(3) 式とから計算したせん断ひず
み速度は、(4) 式で算出された値よりできるだけ大きい
方が好ましい。
【0022】図3は固相率0.3 の半凝固金属を排出した
ときの半凝固金属の初晶粒径と固化速度との関係を示す
グラフである。この図3から明らかなように固化速度が
大きいほど初晶粒径は小径化する。ここで、微細な初晶
粒を得るために固化速度は0.02s-1以上とすることが好
ましい。また、図4(a) に固液界面のせん断ひずみ速度
が 500s-1の場合、図4(b) に固液界面のせん断ひずみ
速度が 15000s-1の場合について、それぞれ排出された
半凝固金属を急冷凝固した試料の金属組織写真を示す。
図4(a) に示すように固液界面のせん断ひずみ速度が小
さい場合初晶粒は集合体を形成しているのに対し、図4
(b) に示すようにせん断ひずみ速度が大きい場合には初
晶粒は均一に分散している。これは固液界面のせん断ひ
ずみ速度が大きい場合、初晶粒はそのせん断力により集
合体が形成しにくいか、あるいは初晶粒が個別に分散さ
れるためと考えられる。
【0023】つぎに、表1はAC4C(Al合金)の半
凝固金属(固相率0.3 )の連続排出の可否及び半凝固金
属をダイキャスト機でレオ加工した場合の金型キャビテ
ィ内への充てん不良率と初晶粒径、固化速度、固液界面
のせん断ひずみ速度及びせん断ひずみ速度/固化速度と
の関係を示し、表2は上記半凝固金属を一度冷却凝固さ
せたのち再加熱して固相率0.3 〜0.35の半融状態にてダ
イキャスト機でチクソ加工した場合の充てん不良率と初
晶粒径、固化速度、固液界面のせん断ひずみ速度及びせ
ん断ひずみ速度/固化速度との関係を示すものである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】これらの表から、固液界面のせん断ひずみ
速度/固化速度が8000以下では攪拌子のトルクが上
昇するため連続排出ができないこと、さらにレオ加工、
チクソ加工の場合ともに固化速度に依存する初晶粒径が
小さくせん断ひずみ速度が大きい方(初晶粒が均一に分
散する)が、充てん不良率が小さく加工性が良好である
ことが分かる。
【0027】以上にように、この発明は攪拌子回転法に
よる半凝固金属の製造方法において、攪拌子トルクの上
昇なしに加工性が良好な半凝固金属を連続的に製造する
ためには、固化速度をできるだけ増大し、固液界面のせ
ん断ひずみ速度もできるだけ大きくし、かつ、上記(5)
式の関係を満足させて操業することが重要であることを
新たに知見したことによるものである。
【0028】かくして、この発明によれば、凝固シェル
の成長の阻止ならびにこの成長に起因する攪拌子に発生
するトルクの上昇を防止し、半凝固金属の初晶粒の微細
化、均一分散化をはかることが容易で、加工性の良好な
半凝固金属を高固相率に至るまで連続排出でき、均一分
散した微細初晶粒、高固相率の半凝固金属の工業プロセ
ス化を容易にするものである。その結果、半凝固金属を
用いるレオ加工、チクソ加工及び鍛造などにおける歩留
りの向上、高品質の加工製品の製造ができるようにな
り、加工エネルギーの大幅な節約と新材料の開発の可能
性を増大させるものである。
【0029】
【実施例】前掲図1に示した半凝固金属製造装置を使用
し、種々の条件でAC4C(Al合金)の半凝固金属の
連続製造を試みるとともに排出された半凝固金属につい
て、レオ加工、チクソ加工を行なった。
【0030】半凝固金属の製造は、適正温度のAC4C
(Al合金)の溶湯1を、タンディッシュ2を介して受
湯槽5に供給し、冷却槽6内で冷却下に表面にねじ溝を
有する攪拌子10の回転により攪拌して細かい初晶粒が
懸濁した固液混合相金属スラリーとし、保温槽7を介し
て排出量制御用のスライディングノズル12から半凝固
金属を排出した。
【0031】上記において、受湯槽5、保温槽7及びス
ライディングノズル12は、埋め込みヒーター11及び
バーナー(図示省略)で目標温度に余熱して用い、溶湯
1の固化速度は、冷却槽6の抜熱速度と冷却面積及びそ
の容積により調整し、固液界面のせん断ひずみ速度は攪
拌子10の回転数により制御した。ここで、攪拌子10
と冷却槽6の冷却板8との初期設定クリアランスは15mm
とした。さらに、排出される半凝固金属の固相率は0.3
になるように、スライディングノズル12により供給さ
れた溶湯が冷却槽6内に滞留する時間を調整することに
より制御した。
【0032】また、冷却板8面上に生成する凝固シェル
の成長の停止は攪拌子10のトルクの上昇がないことに
より確認し、凝固シェル厚は、排出後溶湯が残存しなか
った場合は冷却板8面上に生成している凝固シェル厚を
直接測定し、溶湯が残存し冷却槽6にAl合金地金が残
った場合は凝固組織と成分分析とにより測定した。
【0033】なお、攪拌子10のトルクの上昇挙動と凝
固シェルの成長挙動について調査した結果、トルクが上
昇し始めるのは、攪拌子10と成長する凝固シェルとの
クリアランスSが小さくなってきてほぼ0.8mm に達する
時であることがあらかじめ確かめられたことから、前記
した(2) 及び(3) 式からの固液界面のせん断ひずみ速度
の計算にはクリアランスSに0.8mm を用いた。
【0034】種々の条件で半凝固金属を製造したときの
攪拌子10のトルクの上昇の有無を上記のようにして計
算した固液界面のせん断ひずみ速度と溶湯の固化速度と
の関係で整理した結果が前記図2である。この図のトル
クの上昇の有る無しの境界線は前記(4) 式であらわさ
れ、したがって、トルクの上昇のない条件は前記(5) 式
で示すことができ、固化速度に応じて固液界面のせん断
ひずみ速度を適正化すること、すなわちせん断ひずみ速
度の固化速度に対する比を8000超えとすることにより、
攪拌子10のトルクの上昇が防止でき、半凝固金属の連
続排出ができる。
【0035】一方、排出された半凝固金属の初晶粒径及
び初晶径の分散状態を、銅板の間で半凝固金属を急冷凝
固させた試料の顕微鏡観察により調査した。この調査結
果から初晶粒径と固化速度の関係を示すグラフが前記図
3である。この図から明らかなように排出される半凝固
金属の初晶粒径は固化速度が大きいほど小さくなる。ま
た、固液界面のせん断ひずみ速度を変えた場合の初晶粒
の分散状態を示す金属組織写真が前記図4(a) せん断ひ
ずみ速度:500s-1、固化速度:0.03 s-1、せん断ひずみ
速度/固化速度:15150 、(b) せん断ひずみ速度:1500
0s-1、固化速度:0.03 s-1、せん断ひずみ速度/固化速
度:454550であり、この図4(a) 及び(b) で比較すれば
明らかなように、固液界面のせん断ひずみ速度を大きく
することにより初晶粒は集合体を形成することなく、そ
の分散を均一化することができる。
【0036】つぎに、排出された半凝金属(固相率:0.
3 )を余熱したカオウール製の容器に受け、ダイキャス
ト機まで移送し、ダイキャスト機でレオ加工を行い、一
方、排出された半凝固金属(固相率:0.3 )を鋳型内で
冷却凝固させた鋳片を再加熱して固相率が0.3 〜0.35の
半融状態でダイキャスト機でチクソ加工を行い、それぞ
れ加工製品の充てん不良率(n =50)を調査した。な
お、充てん不良の調査は目視と密度測定により行った。
【0037】前記表1は半凝固金属の連続排出の可否及
びレオ加工した場合、表2はチクソ加工した場合のそれ
ぞれ加工製品の充てん不良率と半凝固金属の初晶粒径、
固化速度、固液界面のせん断ひずみ速度及びせん断ひず
み速度/固化速度との関係を示すものである。
【0038】これらの表から明らかなように、固液界面
のせん断ひずみ速度/固化速度の値が8000以下では
連続排出ができないこと、さらには固化速度を大きくし
て初晶粒径を微細化することにより充てん不良率は改善
されるが、初晶粒径の微細化とともに固液界面のせん断
ひずみ速度を大きくすることにより充てん不良率はさら
に改善される。
【0039】すなわち、この発明の固液界面せん断ひず
み速度の固化速度に対する比の値を8000超えとすること
は、冷却槽における凝固シェルの成長を阻止し連続操業
を容易にするばかりでなく、排出される半凝固金属の加
工性を大幅に改善できる。
【0040】
【発明の効果】この発明は、攪拌子回転法による半凝固
金属の製造方法において、固液界面せん断ひずみ速度の
溶湯固化速度に対する比の値を8000超えとすることによ
り、凝固シェルの成長を阻止して攪拌子に発生するトル
クの上昇を防止し、微細な初晶粒が均一に分散した加工
性の良好な半凝固金属の連続的製造を容易にするもので
あり、この発明によれば、半凝固金属を直接製品に加工
するレオ加工用素材、半凝固金属を凝固させたのち、再
加熱して半融状態で加工するチクソ加工用素材あるいは
半凝固金属を凝固させたのち鍛造する鍛造用素材などと
して用いることにより、ニアネットシェーププロセスを
実現し、加工エネルギーの大幅な削減や歩留りの向上、
さらには半凝固金属を用いた新材料の開発の可能性を増
大させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】攪拌子回転法による半凝固金属製造装置の説明
図である。
【図2】固化速度及びせん断ひずみ速度と攪拌子トルク
の上昇の有無の関係を示すグラフである。
【図3】固相率0.3 の半凝固金属を排出したときの半凝
固金属の初晶粒径と固化速度との関係を示すグラフであ
る。
【図4】(a) は、固液界面のせん断ひずみ速度が500s-1
の場合の排出された半凝固金属を急冷凝固した試料の金
属組織写真である。(b) は、固液界面のせん断ひずみ速
度が15000s-1の場合の排出された半凝固金属を急冷凝固
した試料の金属組織写真である。
【符号の説明】
1 溶湯 2 タンディッシュ 3 モーター 4 トルクメーター 5 受湯槽 6 冷却槽 7 保温槽 8 冷却板 9 冷却スプレー 10 攪拌子 11 ヒーター 12 スライディングノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 広芳 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 株式会 社レオテック内 (72)発明者 難波 明彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 株式会 社レオテック内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の冷却槽の上方より供給した溶湯
    を、冷却下に攪拌子の該冷却槽の中心における回転によ
    り攪拌して粒子の細かい非樹枝状晶が懸濁した固液混合
    相金属スラリーとし、下方の排出口から排出する半凝固
    金属の製造方法において、 固液界面せん断ひずみ速度の溶湯固化速度に対する比の
    値を8000超えとすることにより、冷却槽における凝固シ
    ェルの成長を阻止して高固化速度を維持し、固液混合相
    金属スラリー中の初晶粒の粗大化を防止することを特徴
    とする加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 固液界面せん断ひずみ速度の溶湯固化速
    度に対する比の8000超えの値が、冷却槽の抜熱速度、冷
    却面積及び容積による溶湯の固化速度の調整と、攪拌子
    の回転数による固液界面のせん断ひずみ速度の調整によ
    るものである請求項1記載の加工性の良好な半凝固金属
    の連続製造方法。
JP34024893A 1993-07-19 1993-12-08 加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法 Pending JPH07155905A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34024893A JPH07155905A (ja) 1993-12-08 1993-12-08 加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法
US08/296,746 US5555926A (en) 1993-12-08 1994-08-26 Process for the production of semi-solidified metal composition
CA002131111A CA2131111A1 (en) 1993-12-08 1994-08-30 Process for the production of semi-solidified metal composition
DE69410952T DE69410952T2 (de) 1993-12-08 1994-08-30 Verfahren zur Herstellung thixotroper Metalllegierungen
EP94306357A EP0657235B1 (en) 1993-12-08 1994-08-30 Process for the production of semi-solidified metal composition
KR1019940021924A KR950016996A (ko) 1993-07-19 1994-08-31 반-응고 금속 조성물을 연속적으로 제조하는 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34024893A JPH07155905A (ja) 1993-12-08 1993-12-08 加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07155905A true JPH07155905A (ja) 1995-06-20

Family

ID=18335123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34024893A Pending JPH07155905A (ja) 1993-07-19 1993-12-08 加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07155905A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0013076B1 (en) Process and apparatus for producing metallic slurries
US4960163A (en) Fine grain casting by mechanical stirring
US4621676A (en) Casting of metallic materials
KR100554093B1 (ko) 반응고 성형장치
JP2005034905A (ja) 固液共存状態金属スラリの製造装置
US5555926A (en) Process for the production of semi-solidified metal composition
JP2003504509A (ja) 活性化供給材料
Dock-Young et al. Effects of casting speed on microstructure and segregation of electro-magnetically stirred aluminum alloy in continuous casting process
JPH07155905A (ja) 加工性の良好な半凝固金属の連続製造方法
JP3520993B1 (ja) 固液共存状態金属材料の成形装置
JPH07155906A (ja) 電磁攪拌法による加工性の良好な半凝固金属材料の連続製造方法
JP2004255422A (ja) 固液金属スラリーの製造装置および製造方法
Nakato et al. Continuous semi-solid casting process for aluminum alloy billets
JP3062339B2 (ja) 半凝固金属の製造方法
JPH07214245A (ja) 加工性に優れる半凝固金属の製造方法
Nafisi et al. Semi-Solid Metal (SSM) Technologies
Jones et al. Microstructural evolution in intensively melt sheared direct chill cast Al-alloys
JPH06297097A (ja) 半凝固金属の製造法
JPH07204783A (ja) 加工性の良好な半凝固金属材料の製造方法
JPH06297098A (ja) 半凝固金属の製造法
Lee et al. Microstructural effects of electromagnetic stirring strength and casting speed in continuous casting of al alloy
JP2984065B2 (ja) 半凝固金属の製造方法および装置
JPH07155903A (ja) 半凝固金属の製造装置
JPH06344083A (ja) 半凝固金属の製造方法
Borisov Process for production of aluminum-alloy ingots with non-dendritic thixotropic structure.