JP3025509U - 吸音壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工数が低減できて安価に製造でき、しか
も吸音率が高い吸音壁構造を提供する。 【解決手段】 細長の壁板１に４領域に分けて小孔３を
多数穿孔し、同小孔のある領域の壁板１の裏面に薄いポ
リエステル不織布４と、厚みのあるガラスウール５とを
ゴム系溶剤型接着剤で貼り付けて一体化し、この壁板１
のガラスウール５と躯体壁との間に３センチ程の間隔を
離して壁板１を躯体壁表面に取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、コンクリート建造物・木造建造物・鉄骨建造物等の建物・家屋の内 部の吸音壁・防音壁の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の吸音構造として、音を通過させる小孔を多数穿孔した壁板の裏面に囲い 枠を設け、同囲い枠内にグラスウールを充填し、これを躯体壁の表面から間隔離 して取付ける吸音壁構造を本出願人は開発した。 この吸音壁構造は、壁板の裏面に囲い枠を設ける工程及びグラスウールの充填 作業が必要なため、製造に手間・時間がかかるという問題点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、製造工数 が低減できて安価に製造でき、しかも吸音率が高い吸音壁構造を提供することに ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の構成は、 １） 貫通した小孔を多数穿孔した壁板の有孔領域の壁板裏面に吸音ボードを付 着し、躯体壁と吸音ボード表面との間に所要の間隔を離して上記壁板を躯体壁表 面に取付けたことを特徴とする吸音壁構造 ２） 有孔領域の壁板裏面に不織布を貼り付け、同布織布にガラスウールを用い た吸音ボードを貼り付けて吸音ボードを壁板裏面に付着した前記１）記載の吸音 壁構造 ３） 不織布がポリエステル不織布である前記２）記載の吸音壁構造 ４） 不織布がガラス繊維不織布である前記２）記載の吸音壁構造 にある。

【０００５】

【作用】

本考案では、吸音材を壁板の裏面の有孔領域に付着するものであり、囲い枠を 不要とすることで囲い枠取付作業・吸音材の充填作業が不要となり、作業が吸音 ボートの貼付作業のみで済み、吸音壁板が簡単に且つ安価に製造できる。 更に、ガラスウール等の板状の吸音ボードを使用すれば、吸音材が高密度で均 一に配装できて吸音効果を良好にし、吸音ボードと躯体壁との間の空間の存在を と併せて吸音効果を高めている。 又、吸音ボードをポリエステル不織布・ガラス繊維不織布等の布織布を介して 壁板裏面に貼り付けるものでは、布織布が微細なゴミ・ホコリの進入を防止し、 且つ吸音ボードを強固に壁板に取付けることができる。特にポリエステル不織布 ・ガラス繊維不織布の不織布は、耐久性・耐水性及び強度があり、好ましい不織 布である。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の壁板としては、木質の板材が広く使用され、又穿孔した小孔は音の通 過を許容し、ゴミ・異物が進入しにくい程の小さい孔径のものとする。又吸音ボ ードは、吸音力のある素材を高密度にして保形性を保ち、ボード状にしたもので あり、ガラスウールを密度高く板状にしたものが好ましい。更に、吸音ボードは 壁板裏面に付着されるが、壁板裏面に接着剤・止ネジ・押え板を用いて直接付着 してもよいし、あるいは不織布を貼り付けて積層するように壁板に取付けてもよ い。不織布としては耐久性・耐水性・強度のあるポリエステル不織布又はガラス 繊維不織布が好ましい。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は実施例の縦断面図、図２は実施例のガラスウールの付着を示す拡大断面 図、図３は実施例の壁板の正面図、図４は実施例の壁板の背面図である。 図面に示す実施例は、壁板１として１８００×９００ミリの木板を使用し、こ の壁板１を単位として躯体壁である室壁２に複数枚取付けるものである。壁板１ には長方形の４領域に分けて小孔３を多数穿孔している。又０．１４ミリ厚みの ポリエステル不織布４を３９０×３７０×１５ミリの５０ｋｇ／ｍ³の高密度吸 音ボードであるガラスウール５にゴム系溶剤型接着剤で貼り付けて一体化してい る。このガラスウール５とポリエステル不織布４とを一体化したものを、壁板１ 裏面の４領域の小孔３の孔領域に各２枚毎間隔を離して加熱溶解型（ホットメル ト）接着剤によって貼り付けている。室壁２とガラスウール５の表面の間隔は３ センチ程の間隔を離して吸音のための空気層６を形成している。尚、図中７は壁 板を室壁に固定する格子枠である。 この実施例では、室内の音は壁板１の小孔３から入り、ポリエステル不織布４ を通過し、ガラスウール５に入り、このガラスウール５によってかなり吸音し、 更にこれを通過した音は空気層６内に閉じ込められて、ガラスウール５によって 吸音される。これによってかなりの吸音効果を得ることができた。 又、小孔３から入った微細なゴミ・ホコリは細目のポリエステル不織布４によ ってこれ以上の進入を遮断され、ガラスウール５及び空気層６にゴミ・ホコリが 滞積することがないようにしている。 更に、本実施例は、ガラスウール５にポリエステル不織布４を貼り付けた後壁 板裏面に接着剤で貼り付けるものであるから、製造・組立が容易且つ迅速に行え る。又ガラスウール５を強く壁板裏面に付着でき、ガラスウールのガラス繊維の 飛散も防ぐ。

【０００８】

【考案の効果】

以上の様に、本発明によれば、製造・施工が容易で且つ迅速にでき、しかも吸 音効果も高い吸音壁構造にできた。又、不織布を介して壁板裏面に吸音ボードを 付着するものであれば、ゴミ・ホコリの進入を防ぐとともに吸音ボードの付着力 を高める。特にポリエステル不織布・ガラス繊維不織布の不織布は耐水性・耐久 性があり好ましいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断面図である。

【図２】実施例のガラスウールの付着を示す拡大断面図
である。

【図３】実施例の壁板の正面図である。

【図４】実施例の壁板の背面図である。

【符号の説明】

１ 壁板 ２ 室壁 ３ 小孔 ４ ポリエステル不織布 ５ ガラスウール ６ 空気層 ７ 格子枠

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 貫通した小孔を多数穿孔した壁板の有孔
   領域の壁板裏面に吸音ボードを付着し、躯体壁と吸音ボ
   ード表面との間に所要の間隔を離して上記壁板を躯体壁
   表面に取付けたことを特徴とする吸音壁構造。
2. 【請求項２】 有孔領域の壁板裏面に不織布を貼り付
   け、同布織布にガラスウールを用いた吸音ボードを貼り
   付けて吸音ボードを壁板裏面に付着した請求項１記載の
   吸音壁構造。
3. 【請求項３】 不織布がポリエステル不織布である請求
   項２記載の吸音壁構造。
4. 【請求項４】 不織布がガラス繊維不織布である請求項
   ２記載の吸音壁構造。