JP3025098B2 - コイル用のテーピング装置 - Google Patents

コイル用のテーピング装置

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JP3025098B2
JP3025098B2 JP4090265A JP9026592A JP3025098B2 JP 3025098 B2 JP3025098 B2 JP 3025098B2 JP 4090265 A JP4090265 A JP 4090265A JP 9026592 A JP9026592 A JP 9026592A JP 3025098 B2 JP3025098 B2 JP 3025098B2
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敬司 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ボビンに巻線してな
るコイルボビンに層間テープやバリヤテープをテーピン
グするためのテーピング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のテーピング装置としては、例えば
特開平2−54508号に示されているようなものが知
られている。このテーピング装置は、テープリールから
テープを供給する供給機構と、テープの先端をコイルボ
ビンにセッティングするためのセッティング機構と、及
びテープの巻込みのためにコイルボビンを回転させるボ
ビン回転機構とを備えている。そして、セッティング機
構によるテープの引出し及びコイルボビンへのセッティ
ング、それにコイルボビンによるテープの巻込みの各動
作のために供給機構が左右方向に往復動を行う一方で、
セッティング機構が上下往復動及び左右往復動を行うよ
うになっているもので、このような各機構の往復動の組
合せにより、テープの扱いがより正確になり、テーピン
グの確実性が大きく向上している。
【0003】ところで、この従来のテーピング装置では
前記の各往復動等を行わせる作動源として空圧アクチュ
エータを用いている。そのために、このテーピング装置
を複数設置してテーピング作業を行う作業現場には相当
大きなコンプレッサーが不可欠となる。更にこのコンプ
レッサーが発する騒音やテーピング装置の各空圧アクチ
ュエータの作動音が重なり合って生じる騒音を避けられ
ず、作業環境の悪化や近隣への騒音公害を招いてしま
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明では、
前記従来のテーピング装置におけるような各機構の動作
を空圧アクチュエータを用いずに行うようにしたテーピ
ング装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的のために
この発明では各機構の各往復動をカム機構に行わせるよ
うにしている。具体的には、保持したテープリールから
テープを供給する供給機構と、供給機構にて供給される
テープの先端をコイルボビンにセッティングするための
セッティング機構と、テープ先端がセッティングされた
コイルボビンを回転させてテープの巻込みを行うボビン
回転機構とを備え、そしてセッティング機構が、基準位
置とテープ先端の把持のための把持位置との間で第1往
復動を行うと共に、前記基準位置を起点に前記第1往復
動と交差する方向の第2往復動をコイルボビンへのテー
プ先端のセッティングのために行い、供給機構が、セッ
ティング機構によるテープ先端の把持のための把持位置
とコイルボビンによるテープの巻込みのための巻込み位
置との間で前記セッティング機構の第2往復動と同方向
の第3往復動を行うようにしてなるコイル用のテーピン
グ装置について、セッティング機構をスライド軸を介し
て第1ベース板に取り付ける一方で、供給機構を第2ベ
ース板に固定して設け、そしてスライド軸を第1カム機
構により第1ベース板上で進退動させることにより、セ
ッティング機構に第1往復動を行わせ、また第1及び第
2の各ベース板を第2カム機構により揺動させることに
よりセッティング機構の第2往復動及び供給機構の第3
往復動を行わせるようにしている。
【0006】このようなテーピング装置については、第
1カム機構のカムの回転軸芯と第1、第2の各ベース板
の揺動支点とを一致させるようにすれば、揺動中のテー
プの弛みを避けることができ、テーピングの安定性をよ
り向上させることができる。
【0007】また、このようなテーピング装置において
は、カム機構を用いることによりコンプレッサーを不要
とするという意図を一貫させるためにその他の動作につ
いても空圧アクチュエータ以外で動作させることになる
が、その一つであるテープの把持動作を行うテープ把持
手段については、電磁作動体で作動するトグル機構を用
いるのが好ましい。即ち、トグル機構を用いることによ
り電磁動体の出力を強力な把持力に変換することがで
き、空圧アクチュエータを用いずとも確実で安定的な把
持を行えることになるものである。
【0008】
【実施例】以下この発明の一実施例を説明する。この実
施例によるテーピング装置は、図1及び図2に示すよう
に、テープを上下方向で給送する縦タイプで、箱状に形
成されたフレームボックス1に供給機構2、セッティン
グ機構3及びボビン回転機構4を取り付けてなるもの
で、図1及び図6に示すように、セッティング機構3が
下端の基準位置P1と上端の把持位置P2との間について
上下方向での第1往復動A1を行うと共に、基準位置P1
を起点に左右方向への第2往復動A2を行い、他方供給
機構2が把持位置P3と巻込み位置P4との間について左
右方向の第3往復動A3をセッティング機構の第2往復
動と同時的に行うことにより、セッティング機構3によ
るテープの先端の把持(第1往復動)→セッティング機
構3によるテープ先端のコイルボビン5へのセッティン
グ(第2復動)→コイルボビン5によるテープTの巻込
み(第3往復動)というサイクルが繰り返されてテーピ
ングがなされるようになっている。
【0009】以下それぞれの構造について説明する。供
給機構2は、上から順にリール保持手段10、給送手段
11及びテープ先端調整手段12を配列してなるもの
で、各手段は第2ベース板13の表面に取り付けられて
いる。
【0010】リール保持手段10は、テープリール14
を保持させるためのもので、第2ベース板13の表面に
突設の支持ブラケット(図示せず)に着脱できるように
した保持部材16にてテープリール14を上下動可能な
状態で保持させるようにしてなっている。保持部材16
は、テープの種類に応じて交換的に使用できるようにさ
れ、この例では、バリヤテープのテーピングの場合に後
述のように2カ所同時にできるように2個のテープリー
ルを保持可能なようにしている。
【0011】給送手段11は、テープリール14から繰
り出されたテープTを弛みが生じないように給送するた
めのもので、それぞれ第2ベース板13の表面から突設
された2個のアイドルロール17、17と、このアイド
ルロール17、17の中間にあってテープTに張りを与
える1個のテンションロール18よりなっており、テン
ションロール18は一方向回転構造とされている。
【0012】テープ先端調整手段12は、後述のような
把持のためにテープの先端を調整するためのもので、テ
ープの仮止めを行う仮止め手段19とテープの切断を行
うテープ切断手段20とよりなっており、細かくて扱い
が難しいバリヤテープのテーピングを安定的に行えるよ
うに特別な工夫が施されている。
【0013】その一つは、バリヤテープの場合に要求さ
れる2本のテープの同時処理を可能にするについて仮止
め手段19に施された工夫であり、他の一つは、テープ
切断手段20にガイド体21を設け、このガイド体21
によりコイルボビンへのテープの巻込み仕上時における
テープ側縁の規則を行えるようにしたことである。
【0014】具体的には仮止め手段19は、図3に示す
ように、第2ベース板13に突設の取付ブラケット22
にその長孔23を介して位置決め調節可能として取り付
けられる一対の仮止め台24と、各仮止め台24の貼付
面24fにテープの接着面を押し付けて仮貼り付けを行
う一対の押し付け体25とより形成される。そして、各
押し付け体25の上部を仮止め台24から延設の取付部
に突設した支持軸26に矢示αの如く揺動可能に軸支さ
せる一方で、各押し付け体25の下部を連結棒27で連
結させ、この連結棒27を介して押し付け用ソレノイド
28(図1)により各押し付け体25を同時に揺動させ
ることができるようにしているもので、このような揺動
構造により2本のテープを常に同一タイミングで処理可
能としている。尚、押し付け用ソレノイド28の作動力
は押し付け用進退ロッド29を介して連結棒27に伝え
られるようになっているが、狭い部分への部品の効率的
配置のために、進退ロッド29と押し付け用ソレノイド
28は接続ヒモ30で接続している。
【0015】テープ切断手段20は、前述のようにガイ
ド体21を備えているが、このガイド体21は、図4に
示すように、テープTの一方の側縁を規制するための側
縁ガイド面31が左右両側に形成されると共に、切断さ
れたテープTが矢示βのように反って剥がれてしまうの
を防止するためのテープ受け面32が側縁ガイド面31
の終端に側縁ガイド面31と直交するようにして形成さ
れてなるもので、切断刃33の下面よりその上面が下方
になるようにして取付プレート34の下面に切断刃33
と共に取り付けられている。
【0016】このようなガイド体21は前述のように巻
込み仕上げ時に働くものであるが、その意味について詳
述すると以下の通りである。即ち、テープ切断手段20
は通常は待機位置(図1の状態)に引っ込んでおり、所
定量のテープの巻込みが終わったところで切断用ソレノ
イド35(図1)により前進してテープの切断を行うよ
うになっているが、そのテープ切断の高さ位置は、コイ
ルボビン5が回転した際におけるそのフランジ部5fの
最大回転軌跡より上でなければならなく、特に何回か繰
り返されるテーピングの初めの方については切断した際
の未接着部の長さがかなり長くなってしまう。
【0017】ところが、バリヤテープの場合には幅が
1.5m/mというように非常に細いものもあるので、
前記長い未接着部が最終的な巻込みの際にふにゃふにゃ
してずれてしまい易いが、もしずれて巻かれてしまう
と、その後に繰り返される巻線や層間テープのテーピン
グに大きな支障を来たしてしまう。つまり、このガイド
体21は、このような未接着部をその巻込みの際に位置
ずれしないように規制するもので、このようなガイド体
21を用いるようにしたことにより、細くて扱い難いバ
リヤテープの正確で安定的なテーピングが初めて可能に
なったものである。
【0018】このようなテープ先端調整手段12は、中
間プレート36を介して第2ベース板13に取り付けら
れており、中間プレート36のボルト孔を長孔とするこ
とによりその第2ベース板13に対する取り付け高さ位
置を調節できるようにされている。この調節は各種サイ
ズのコイルボビンに切断刃33の高さ位置を適合させる
ために行われる。
【0019】セッティング機構3は、テープ把持手段3
7をフレームブロック39に取り付けると共に、押圧ロ
ーラ38を第1ベース板41に接続のブラケットプレー
ト38bに取り付けてなるもので、そのフレームブロッ
ク39はスライド軸40の先端部に取り付けられ、さら
にスライド軸40は、第1ベース板41の裏面に突設さ
れた2個の保持ブロック42(図2)により前記第1往
復動のために上下方向に進退動可能な状態にして保持さ
れている。
【0020】テープ把持手段37は、それぞれ先端部に
把持コマ43を有しており、ピン支持部を支点にして回
動することにより各々の把持コマの把持面が接・離可能
となるようにされた一対の把持アーム44、44及び一
端がそれぞれ把持アーム44の基端にピン接続されると
共に互いの他端がピン接続された一対の出力リンク4
5、45により形成される把持部46と、この把持部4
6を作動させる把持用ソレノイド47とよりなってお
り、両出力リンク45、45のピン接続部に中間ロッド
48を介して把持用ソレノイドの作動力を矢示Xの如く
加えることにより両リンクをトグル構造として働かせる
ようにしているもので、これによりソレノイドの作動力
を強力な把持力に変えることができるようになってい
る。尚、一方の把持コマ43に取り付けられている押圧
バネ49は、後述のセッティング動作の際にテープTを
コイルボビン5に押し付けるためのものである。
【0021】押圧ローラ38は、コイルボビン5による
テープの巻込みの際にテープが接着し易いように押圧力
を加えるためのもので、スプリングにより矢示γ(ガン
マ)方向への付勢力が与えられた揺動アーム50の先端
に取り付けられている。フレームブロック39は、スラ
イド軸40に固定される固定用フレーム部材51とテー
プ把持手段37を取り付けるための保持用フレーム部材
52とを調節ネジ53及び回転防部材54により接続し
てなっており、固定用フレーム部材51に対する保持用
フレーム部材52の間隔W(図6)を調節できるように
されている。これは前述のテープ先端調整手段12の高
さ位置調節に対応してなされる調節で、コイルボビンの
サイズに合わせて把持手段37及び押圧ローラ38の高
さ位置を調節するためのものである。
【0022】ここで、このような調節がなされても、セ
ッティング機構3が上端の把持位置P2に至った際には
把持コマ43の上端と仮止め台24の下端との間隔が常
に一定となるようにされ、仮止め台24の下方に一定の
長さで突き出ているテープTの先端を確実に把持できる
ようにされているが、その構造については後述する。
【0023】以上説明した供給機構2及びセッティング
機構3は、それぞれ第2ベース板13乃至第1ベース板
41に支持させて設けられるものであるが、これは前記
各往復動をカム機構により行わせるために工夫されたも
のである。以下この点について説明する。
【0024】カム機構は、図5に示すように第1カム5
5及び第1カムフォロワー56よりなる第1カム機構
と、第2カム57及び第2カムフォロワー58よりなる
第2カム機構とを図2に見られるようにギア59、60
により連動状態にして形成されている。
【0025】第1カム機構は、スライド軸40を上下動
させてセッティング機構3の第1往復動A1を行わせる
ためのもので、その第1カムフォロワー56がスライド
軸40に取り付けられており、矢示δ方向への第1カム
の回転に応じてスライド軸40に上下動を行わせる。つ
まり、第1カムフォロワー56は、第1カム55が図の
実線で示される状態をとる場合に最下端位置にあり、こ
れによりセッティング機構3は最下端の基準位置P1
位置する。この状態から第1カム55が回転して行く
と、第1カムフォロワー56は上昇用カム面55aに沿
って一点鎖線で示す軌跡で上昇する。この上昇力は、第
1カムフォロワー56を第1カム55のカム面に押し付
けるよう付勢するスプリング(図示せず)によって与え
られる。第1カムフォロワー56が中間停止用カム面5
5bに至るとそこが最上端でセッティング機構3に把持
位置P2を与える。この把持位置でのわずかな停止時間
中にテープ把持手段37によるテープ先端の把持が行わ
れる。それから第1カムフォロワー56が下降用カム面
55cに掛るとセッティング機構3は下降を開始し、下
降用カム面56cから前進揺動時停止用カム面55dに
移るところでセッティング機構3は基準位置P1に再び
戻る。この間、第2カム57も第1カム55に連動して
回転を続けているが、第2カムフォロワー58が上下時
停止用カム面57aに沿っているため第2カム57によ
る揺動力は生じていない。
【0026】このようにしてなされるセッティング機構
3の第1往復動A1のストロークはコイルボビン5のサ
イズに応じて変えられることになるが、その調節は、前
述したテープ先端調整手段12の高さ位置調節及びセッ
ティング機構3のフレームブロック39における固定用
フレーム部材51と保持用フレーム部材52間の間隔調
節の結果としてなされる。
【0027】この関係を模式化して示すと図6のように
なり、(イ)がサイズの小さなコイルボビン5sの場合
であり、(ロ)がサイズの大きいコイルボビン5bの場
合である。前述したようにセッティング機構3が上端の
把持位置P1にある際には把持コマ43の上端と仮止め
台24の下端との間隔が常に一定となるようにされてい
るが、これは保持用フレーム部材52の上面が、テープ
先端調整手段12の中間プレート36から下方に突説さ
れているストッパー突起61に当接することにより、セ
ッティング機構3の上昇限界が与えられるようになって
いるからである。一方、セッティング機構3の下限位置
は第1カム55によって与えられ、固定用フレーム部材
51が常に一定の高さ位置に来るようになっている。
【0028】このような構造のもとにテープ先端調整手
段12の高さ位置及び固定用フレーム部材51と保持用
フレーム部材52間の間隔調節がコイルボビンの大きさ
に対応してなされ間隔W、W′になるとセッティング機
構3の上下動ストロークS、S′は図に示すような関係
で変化することになり、しかもこれにより与えられるス
トロークS、S′はコイルボビン5s、5bのサイズに
必然的に対応することになる。
【0029】これは結局、前述したように第1カムフォ
ロワー56を第1カム55のカム面に押接させるスプリ
ング付勢力をセッティング機構3の上昇力に利用する一
方で、前記のストッパー突起61への当接によりセッテ
ィング機構3の上端を規制するという構造を用いること
により可能となったもので、コイルボビンのサイズ変わ
りへの対応作業の軽減をもたらしてくれる。
【0030】尚、このような構造のために(イ)と
(ロ)の比較でも分かるようにセッティング機構3の上
限位置はコイルボビンのサイズに応じて異なることが、
この上限位置が第1カム55により規制される可能上限
位置より低い場合には、第1カム55のカム面に一部遊
びを生ずることになる。
【0031】次に第2カム機構についてであるが、第2
カム機構は、第1、第2の両ベース板41、13を揺動
させてセッティング機構3の第2往復動A2及び供給機
構2の第3往復動A3を行うためのもので、その第2カ
ムフォロワー58が第1ベース板41に接続されてお
り、第1カム55の回転に連動して矢示μ方向へ第2カ
ム57が回転するのに応じて第1、第2の両ベース板4
1、13を揺動させる。
【0032】具体的には第2カム57は、ギア59、6
0を介しての連動により第1カム55と常に同期して働
くもので、セッティング機構3が下端の基準位置P1
ある状態において、第2カムフォロワー58は、戻り揺
動用カム面57dと上下時停止用カム面57aとの境界
点に押接して左端位置に位置しており(図5に実線で示
す状態)、従ってセッティング機構3及び供給機構2は
ともに把持位置P2、P3である左端にある。この状態か
ら第1カム55の回転に応じて第2カム57が回転して
行くと、セッティング機構3の上昇中はカムフォロワー
58が上下時停止用カム面57aに押接しているので揺
動を生じないが、前述したようにしてテープ把持手段3
7によるテープ先端の把持が完了すると同時にカムフォ
ロワー58がセッティング揺動面57bに掛り始め、左
方への揺動が開始される。
【0033】この揺動は第1、第2の両ベース板41、
13について同時に始まるが、それぞれの終端位置は異
なるようにされており、第2ベース板13の揺動は、そ
こに設けられているストッパー受け62がフレームボッ
クス1に設けられているストッパー63に当接すること
により(図1及び図7)、第1ベース板41の揺動終端
位置より手前で止まる。これが供給機構2が取る巻込み
位置で、コイルボビン5によるテープの巻込みのため
に、テープTがコイルボビンの側面に接する状態となる
ように設定されている。
【0034】一方、第1ベース板41は、セッティング
機構3におけるテープ把持手段37の把持部がコイルボ
ビン5を通り越す位置まで揺動するように設定されてお
り、このコイルボビンの通り起しの際にテープ先端の接
着面をコイルボビン5に押し付けて接着させると同時に
把持を開放することによりテープTのセッティングが行
われる。この状態で第2カムフォロワー58がセッティ
ング揺動面57bから一時停止カム面57cに掛り揺動
の一時的な停止が生じ、その間に第1カム機構において
第1カムフォロワー56が第1カム55の逃げ用カム面
55eを乗り越えることにより、テープの巻込みの際に
邪魔にならないように、セッティング機構3がわずかに
下方に逃げる。それから第2カムフォロワー58が戻り
揺動面57dに掛って戻り揺動がなされてスタート点に
戻る。
【0035】このような第2カム機構による揺動の間、
第1カム機構においては、第1カムフォロワー56が揺
動時停止用カム面55d、55fに押接しており、前述
の逃げのための下降及びこの逃げを回復するための回復
用カム面55gによる戻り上昇以外には上下動力を生じ
ない。
【0036】ここで、上記のような第1、第2の両ベー
ス板41、13の部分的連動による揺動は以下のような
構造により与えられている。即ち、両ベース板41、1
3は、共通の揺動支点を持つようにされている、つまり
一本の揺動軸64に共通に保持されている。そして、第
1ベース板41については、前述のように第2カムフォ
ロワー58により直接的に揺動力を与えるようにする一
方で、第2ベース板13については右方への揺動ポテン
シャルが常に生じるように付勢力を与え、この付勢力を
第1ベース板で受け止めるようにしている。具体的に
は、図1及び図7にみられるように、第1ベース板41
に突設の連動ピン65が第2ベース板13に形成の係合
開口66の上端に当接することにより前記付勢力を受け
止めるようになっている。
【0037】従って、第1ベース板41が右方へ揺動す
ればこれにつれて第2ベース板13も右方へ揺動し、し
かもストッパー受け62のストッパー63への当接によ
り第2ベース板13だけが途中で停止することが可能と
なる。また、戻り揺動を行う第1ベース板41の連動ピ
ン65により強制されることにより前記付勢力に抗して
第2ベース板13の戻り揺動が行われる。
【0038】第2ベース板13に付勢力を与えるには適
宜なスプリングを用いるようにしてもよいが、この例の
ようにセッティング機構3及び供給機構2が傾斜状態で
把持位置P2、P3を取るようにすれば、第2ベース板1
3の自重だけでも十分な付勢力を得ることができる。
【0039】次に、第1、第2の両ベース板41、13
の揺動支点と第1カムの回転軸芯との関係について説明
する。図2に見られるように、第1カム55の回転軸は
両ベース板の揺動軸64と共通されており、両者の軸芯
が一致するようにされている。つまり、図5に見られる
ように揺動の動径rと上下動の軌跡tが前記共通の軸芯
上で交差するようになっている。この結果、テープ把持
手段37で把持されたテープの長さを常に一定に保った
状態で揺動を行えることになり、揺動中にテープに弛み
を生ずることがなくテーピングの安定性が向上する。ま
た、第1、第2の各カム55、57におけるそれぞれの
停止用カム面55b、55d、55f、57a、57c
はそれぞれの回転軸芯を中心にした円弧とすればよくそ
の設計が容易となる。
【0040】ボビン回転機構4は、コイルボビン5への
テープの巻込みを行うためのもので、駆動用のモータ6
7を接したボビン装着軸68をフレームボックス1から
突出させてなっている。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるテーピ
ング装置は、各機構の作動がカム機構により行われるよ
うになっているので、空圧アクチュエータやコンプレッ
サを除去でき、この除去に併せて従来のテーピング装置
では避けることができなかった空圧アクチュエータやコ
ンプレッサーによる騒音を解消でき、作業環境の向上を
図れると共に、近隣に対する騒音公害の抑止に寄与でき
る。更に、カム機構によりテープはり付け行程の軌跡を
1つのモータで行えるため、安定しており、且つ安価に
実現できる利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるテーピング装置の側面図。
【図2】図1中の矢視Z方向から見た一部省略の側面
図。
【図3】仮止め手段の斜視図。
【図4】テープの切断手段とコイルボビンとの関係を示
す斜視図。
【図5】カム機構とカム機構によりなされる各往復動の
関係を示す説明図。
【図6】セッティング機構の上下動ストロークの調節に
ついての説明図。
【図7】第1、第2の各ベース板の揺動関係を示す説明
図。
【符号の説明】
2 供給機構 3 セッティング機構 4 ボビン回転機構 5 コイルボビン 13 第2ベース板 37 テープ把持手段 40 スライド軸 41 第1ベース板 55 第1カム 56 第1カムフォロワー 57 第2カム 58 第2カムフォロワー P1 基準位置 P2 把持位置 P3 把持位置 P4 巻込み位置 A1 第1往復動 A2 第2往復動 A3 第3往復動

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持したテープリールからテープを供給
    する供給機構と、供給機構にて供給されるテープの先端
    をコイルボビンにセッティングするためのセッティング
    機構と、及びテープ先端がセッティングされたコイルボ
    ビンを回転させてテープの巻込みを行うボビン回転機構
    とを備えており、そしてセッティング機構が、基準位置
    とテープ先端の把持のための把持位置との間で第1往復
    動を行うと共に、前記基準位置を起点に前記第1往復動
    と交差する方向の第2往復動をコイルボビンへのテープ
    先端のセッティングのために行い、供給機構が、セッテ
    ィング機構によるテープ先端の把持のための把持位置と
    コイルボビンによるテープの巻込みのための巻込み位置
    との間で前記セッティング機構の第2往復動と同方向の
    第3往復動を行うようになっているコイル用のテーピン
    グ装置であって、 セッティング機構がスライド軸を介して第1ベース板に
    取り付けられる一方で、供給機構が第2ベース板に固定
    して設けられ、そしてスライド軸が第1カム機構により
    第1ベース板上で前記第1往復動のための進退動を行う
    ようにされ、第1及び第2の各ベース板が第2カム機構
    により前記第2及び第3の各往復動のための揺動を行う
    ようにされていることを特徴とするコイル用のテーピン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 第1カム機構のカムの回転軸芯と第1、
    第2の各ベース板の揺動支点とが一致させられている請
    求項1に記載のコイル用のテーピング装置。
  3. 【請求項3】 セッティング機構が備えるテープ把持手
    段が、電磁作動体で作動するトグル機構を用いて形成さ
    れている請求項1又は請求項2のいずれかに記載のコイ
    ル用のテーピング装置。
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