JP3024312U - 分割された中空体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、弾力性のある軟質プラスチックで分
割成形した中空体を、容易に一体に接合する。 【解決手段】 対応するピン穴３ａ、３ｂをそれぞれ設
けた互いに接合される分割体１ａ、１ｂと、ピン穴３
ａ、３ｂの内径より大きい外径の鍔６の両側から突出す
る、上嵌着部５ａと下嵌着部５ｂとを有し、両ピン穴３
ａ、３ｂに嵌着される硬質プラスチックのピン５とから
なる。上ピン穴３ａへ嵌着した上嵌着部５ａを、下分割
体の１ｂの下ピン穴３ｂに嵌着すると、鍔６によりピン
５の移動が阻止されてピン５は上ピン穴３ａに落ち込ま
ないで、上下分割体１ａ、１ｂは一体の中空体１とな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、互いに接合することにより一体となり、人体や動植物、その他の 模型や玩具を形成する、分割された柔軟性と弾力性とを有する軟質プラスチック 製の中空体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

前記模型や玩具では、例えばＥＶＡ ＦＬＥＸと呼ばれるエチレン・酢酸ビニ ル共重合体の弾性プラスチックが材質として用いられている。このＥＶＡを用い て模型等の中空体を分割して形成すると、重ねて合わせて圧縮梱包したのち梱包 を解いたとき、材料の柔軟性と弾力性とにより、自然に元の形状に復元する。こ の性質を利用して輸送コストを削減するため、ＥＶＡが模型などの材料として用 いられている。

【０００３】 一般に、分割成形した中空体を一体に接合する場合、互いに接合する分割体の 一方に雄部を、他方に雌部を分割体と一体に設けて、雄部を雌部に嵌着する。し かし、中空体を前述のように柔軟性、弾力性のある軟質プラスチックで形成する と、雄部も雌部も柔軟性、弾力性があるために、嵌着が極めて困難であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案が解決しようとする課題は、柔軟性、弾力性のある軟質プラスチック で分割成形した中空体を、容易に一体に接合できるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の特徴は、対応するピン穴をそれぞれ設けた互いに接合される一対の 分割体と、ピン穴の内径より大きい外径の鍔の両側からそれぞれ突出する、上嵌 着部と下嵌着部とを有して、両ピン穴に嵌着される硬質プラスチックのピンとか らなることにある。

【０００６】

【作用】

一方の分割体のピン穴にピンの上嵌着部（又は下嵌着部）を差し込み、下嵌着 部を雄部として、他方の分割体のピン穴へ雄部を嵌着すると、鍔によりピンの移 動が阻止されて上嵌着部は一方のピン穴へ落ち込まないので、分割体を一体に形 成できる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

１は二分割された、人体模型の中空体で、上分割体１ａと下分割体１ｂとから 構成されている。これら上下分割体１ａ、１ｂは、ＥＶＡを材料として、例えば 射出成形などにより成形されている。この中空体１の材料は、ＥＶＡに限定され ないのは勿論で、ゴムのように柔軟性、弾力性の在るものであり、容易に成形で きるものであればよい。

【０００８】 ２ａは上接合部、２ｂは下接合部で、上分割体１ａ、下分割体１ｂと一体に形 成されており、図３のように、それぞれ上分割体１ａ、下分割体１ｂを接合する ために必要な複数箇所に、対向して設けられている。３ａは上接合部２ａに設け られた上ピン穴で、その開口部には、後述する鍔６の厚みとほぼ同じ深さの鍔座 ４が凹設されている。又、３ｂは下ピン穴であって、下接合部２ｂに設けられて いる。

【０００９】 ５はピンで、硬質プラスチック、例えばポリスチレン、ＡＢＳ樹脂などを材料 とし、長手中央部にピン５の上下ピン穴３ａ、３ｂの内径より大きい外径の鍔６ が一体に形成されている。５ａは上ピン穴３ａに嵌着される上嵌着部で、プラモ デル接着用のなどの接着剤７を塗布して嵌着しておくとよい。鍔６は鍔座４に収 容される。

【００１０】 このような上分割体１ａに固定したピン５の下嵌着部３ｂを、下分割体１ｂの 下ピン穴３ｂを押し込めば、上下分割体１ａ、１ｂは一体の中空体１となる。

【００１１】 なお、鍔座４を下ピン穴３ｂに設ける、或いは上下ピン穴３ａ、３ｂにそれぞ れ設けることは任意である。

【００１２】 上記実施例は、中空体１を二分割した場合を示したが、３個以上に分割された 場合でも同様に容易に実施できる。

【００１３】

【考案の効果】

従来困難であった、柔軟性、弾力性のある材料の分割された中空体を、鍔付き ピンで容易に一体に接合できる。 （注）考案の詳細な説明中ＥＶＡ ＦＬＥＸは登録商標である。

【図面の簡単な説明】

【図１】接合前の要部の断面図である。

【図２】分割体を接合した状態の拡大断面図である。

【図３】下接合部の配設を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 中空体 １ａ 上分割体 １ｂ 下分割体 ２ａ 上接合部 ２ｂ 下接合部 ３ａ 上ピン穴 ３ｂ 下ピン穴 ４ 鍔座 ５ ピン ６ 鍔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟性、弾力性のある軟質プラスチック
   で分割して成形され、接合されて一体に形成される中空
   体に於いて、対応するピン穴をそれぞれ設けた互いに接
   合される一対の分割体と、ピン穴の内径より大きい外径
   の鍔の両側からそれぞれ突出する、上嵌着部と下嵌着部
   とを有して、両ピン穴に嵌着される硬質プラスチックの
   ピンとからなることを特徴とする分割された中空体。
2. 【請求項２】 ピンの上嵌着部又は下嵌着部は、一方の
   ピン穴に接着剤で固定されている請求項１の分割された
   中空体。
3. 【請求項３】 ピン穴の一方又は双方に、鍔を収容する
   鍔座が凹設されている請求項１又は２の分割された中空
   体。