JP3023526U - セメント系の注入材の混合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 混合作業の際にセメント粉が風で飛散するこ
とがなく、軽量コンパクトで収納運搬に便利な構造とす
る。 【構成】 基台１上に混合槽２及び計量支持枠３が横に
隣接して設置され、この計量支持枠３に計測値を電気信
号として出力可能な計量器４の付いた吊り手５を介して
ホッパー６が吊り下げられ、このホッパー６の下端の排
出口７は、上下に伸縮自在な伸縮管８を介してホッパー
６の下部から混合槽２の上方にかけて斜め上向きに設置
されスクリューコンベア９の後端の供給口１０に接続さ
れ、このスクリューコンベア９の先端の排出口１０は排
出管１１を介して混合槽２の供給口１３に接続されてお
り、混合槽２には水を供給する流量計１５の付いた給水
管１４が設けられ、さらに周面にはその接線方向に沿っ
て混合液の噴射管１６が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、セメントミルク等の主としてセメントと水を混合して得られるセ メント系の注入材の混合装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、削孔ロッドにより地盤を削孔し、その外周に設けた攪拌羽根により土 を攪拌しながら、注入材を削孔内に注入してソイルセメントによる地中杭を造成 するようにした地盤改良工法などにおいて、この注入材として一般にセメントミ ルクなどのセメント系注入材が使われている。

【０００３】 そして、従来このセメントミルクを製造する方法として、混合槽内に入れた水 を攪拌羽根により攪拌しながら、セメントを添加して攪拌混合する方法が一般に 用いられている。

【０００４】 そしてそのための混合装置として、攪拌羽根付き混合槽に予め計量した水とセ メントを人為的に入れて攪拌羽根で攪拌混合するもの、あるいは混合槽に水とセ メントを計量して自動的供給するフィーダーを一体的に備えた装置なども知られ ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の水とセメントを人為的に入れる混合槽による攪拌混合では、セメントと 水を人力により計量して投入するため、その作業に労力を要すると共に、混合槽 を野外に設置して作業を行うため、セメントを添加する際にセメント粉が風で飛 散し、近隣住民に粉塵公害をもたらすという問題があった。

【０００６】 また、混合槽と自動供給フィーダーを備えた混合装置においては、装置が大型 化し、特に混合槽の上にセメントの供給タンクとフィーダーが設置されているた め、装置の高さが高くトラック等による運搬が困難であるなどの問題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は前記従来の課題を解決するために、基台１上に混合槽２及び計量支 持枠３が横に隣接して設置され、この計量支持枠３に計測値を電気信号として出 力可能な計量器４の付いた吊り手５を介してホッパー６が吊り下げられ、このホ ッパー６の下端の排出口７は、上下に伸縮自在な伸縮管８を介してホッパー６の 下部から混合槽２の上方にかけて斜め上向きに設置されスクリューコンベア９の 後端の供給口１０に接続され、このスクリューコンベア９の先端の排出口１０は 排出管１１を介して混合槽２の供給口１３に接続されており、混合槽２にはその 内部に水を供給する流量計１５の付いた給水管１４が設けられ、さらに混合槽２ の周面にはその接線方向に沿って混合液の噴射管１６が、また底部には混合液の 戻し管１７及び排出管１８がそれぞれ接続され、噴射管１６は泥水ポンプ１９の 吐出口に、また戻し管１７は泥水ポンプ１９の吸込み口に接続され、基台１上の 所定部位には制御盤２０が設けられ、この制御盤には混合槽２へのセメントと水 の供給量を設定する設定値入力装置と、流量計１５の計測値の出力信号を入力し て、その計測値が水の供給量の設定値に達したことを検出したとき、水の供給を 停止する信号を送水ポンプ又は供給管の電動給水弁に出力する給水制御装置と、 計量器１５の計測値の出力信号を入力してその計測値がセメントの供給量の設定 値に達したことを検出したとき、セメントの供給を停止する信号をスクリューコ ンベア９の駆動モーター９’又はホッパー６の排出口７に設けた電動開閉弁２１ に出力するセメント供給量制御装置とを備えてなるセメント系の注入材の混合装 置を提案するものである。

【０００８】

【作用】

基台１上に混合槽２とその横に隣接した計量支持枠３に計量器４の付いた吊り 手５を介してホッパー６が吊り下げられ、このホッパー６の下部から混合槽２の 上方にかけて斜め上向きにスクリューコンベア９が設置されているため、高さが 高くならずに基台１上に全体的にコンパクトに配置され、比較的小型のトラック に積み込んで運搬移動することができる。

【０００９】 制御盤２０の設定値入力装置において水とセメントの供給量を設定することに より、給水制御装置が流量計１５の計測値の出力信号を入力して、その計測値が 水の供給量の設定値に達したことを検出したとき、水の供給を停止する信号を送 水ポンプ又は給水管１４の電動給水弁に出力し、自動的に混合槽２内に所定量の 水が供給されると共に、セメント供給量制御装置が計量器１５の計測値の出力信 号を入力してその計測値がセメントの供給量の設定値に達したことを検出したと き、セメントの供給を停止する信号をスクリューコンベア９の駆動モーター９’ 又はホッパー６の排出口７に設けた電動開閉弁に出力し、自動的に混合槽２内に 所定量のセメントが供給される。

【００１０】 セメントの供給時に泥水ポンプ１９を駆動して、噴射管１６から混合槽２内に その接線方向に向かって水を噴射して渦流を生じさせながら、戻し管１７から吸 い込んでは噴射管１６に戻して連続的に循環させ、混合槽２内に水を回転流動さ せた状態でセメントＳを順次投入することにより、水とセメントを均一に攪拌混 合された所要配合のセメントミルクが自動的に製造される。

【００１１】

【実施例】

基台１上に混合槽２及び計量支持枠３が横に隣接して設置され、この計量支持 枠３にロードセル等の計測値を電気信号として出力可能な計量器４の付いた吊り 手５を介してホッパー６が吊り下げられている。

【００１２】 ホッパー６の下端の排出口７は、蛇腹管等の上下に伸縮自在な伸縮管８を介し てスクリューコンベア９の後端の供給口１０に接続されている。

【００１３】 スクリューコンベア９はホッパー６の下部から混合槽２の上方にかけて斜め上 向きに設置され、その先端の排出口１０は排出管１１を介して混合槽２の上蓋１ ２の供給口１３に接続されている。

【００１４】 混合槽２にはその内部に水を供給する給水管１４が設けられ、これに水の流量 を計測する流量計１５が設けられている。

【００１５】 さらに混合槽２の周面にはその接線方向に沿って混合液の噴射管１６が、また 底部には混合液の戻し管１７及び排出管１８がそれぞれ接続され、噴射管１６は 泥水ポンプ１９の吐出口に、また戻し管１７は泥水ポンプ１９の吸込み口に接続 されている。

【００１６】 計量支持枠３等、基台１上の所定部位には制御盤２０が設けられ、この制御盤 ２０にはセメントミルクの製造量とその配合比に応じた混合槽２へのセメントと 水の供給量を設定する設定値入力装置、給水量制御装置及びセメント供給量制御 装置が設けられている。

【００１７】 セメントＳは、ホッパー６内に入れたセメント袋Ｐからスクリューコンベア９ を介して供給され、そのセメント供給量制御装置は、計量器４によりホッパー６ からのセメントＳの排出量を計測してその計測信号を制御盤２０に入力し、その 計測値が制御盤２０の設定値入力装置で設定したセメント供給量に達した時点で スクリューコンベア９の駆動モーター９’を停止する（スクリューコンベア９の 排出口１０に計量排出した全てのセメントＳが到達するまでのタイムラグを含ん で）信号を出力するか、あるいはホッパー６からスクリューコンベア９の単位時 間当たりの送給量に対応したその駆動時間を予め制御盤２０においてタイマー設 定し、その設置時間経過後にスクリューコンベア９の駆動モーター９’を停止す る信号を出力するように構成した装置を用いる。

【００１８】 また、セメント供給量制御装置の他の例として、ホッパー６の排出口７に電動 開閉弁を設け、セメントＳの排出量が制御盤２０で設定した供給量に達したこと を計量器４が計測した時点で排出口７の電動開閉弁２１を閉じるように構成した 装置を用いることもできる。

【００１９】 また給水管１４からの水Ｗの供給量は流量計１５によって計測される流量を設 定し、その流量が設定値に達したことを流量計１５の測定値の出力信号に基づい て検知した時点で、給水ポンプ（図示しない）を停止するか、あるいは給水管１ ４に設けた電動給水弁（図示しない）を閉鎖することによって給水を停止する。

【００２０】 以上の構成においてセメントミルクの攪拌混合に際しては、先ずホッパー６内 に底部を開放した１屯袋等のセメント袋Ｐを入れてセメントＳを投入し、制御盤 ２０においてセメントミルクの製造量とその配合比に応じた混合槽２へのセメン トと水の供給量を設定する。

【００２１】 そして、給水管１４に水Ｗを圧送する給水ポンプを駆動して、それぞれ制御盤 ２０による供給量の設定に従って先ず混合槽２内に設定量の水Ｗを供給し、次い で泥水ポンプ１９を駆動して、噴射管１６から混合槽２内にその接線方向に向か って水を噴射して渦流を生じさせながら、戻し管１７から吸い込んでは噴射管１ ６に戻して連続的に循環させる。

【００２２】 このように混合槽２内に水を流動させた状態でスクリューコンベア９を設定時 間駆動して、ホッパー６からのセメントＳを設定量混合槽２内の水Ｗに順次投入 し、泥水ポンプ１９による噴射管１６及び戻し管１７を通じた循環流動によって 水とセメントを所定時間均一に攪拌混合し、所要配合のセメントミルクを製造し て排出管１８から適宜取り出して地盤注入工法等に使用する。

【００２３】 なお、水Ｗと攪拌混合する材料としてセメントＳの他、各種添加剤、骨材など をセメントＳと共に、あるいは水Ｗと共に混合器１内に供給して攪拌混合するこ とができる。

【００２４】

【考案の効果】

以上の通りこの考案によれば、混合器内にセメント袋を入れて保持し、この状 態でスクリュー軸をモーターにより回転させながらセメント袋の上方から下方に 貫き通すことにより、その底面に開けた通孔からスクリュー羽根により内部のセ メントを順次混合器内の水に連続して定量ずつ、しかも外部に飛散させることな く供給することができる。

【００２５】 そして、ブースターを駆動して混合器の内部のセメント懸濁液を循環パイプを 介して連続的に循環流動させることにより、配合比に従って所要量のセメントと 水を均一に攪拌混合させて外部にセメントを飛散させることなくセメントミルク を製造することができる。

【００２６】 混合器はセメント袋が入る程度の小規模のものでよく、スクリュー軸もコンパ クトで単純な構造であるため、収納保管や運搬にスペースを要せず、移動も容易 で現場に手軽に搬入でき、設備費も安く済む。

【００２７】 特に混合器を軟質プラスチックの折り畳み又は伸縮自在な袋とした場合には、 より軽量コンパクトに構成でき、収納保管や運搬移動に便利となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す正面図。

【図２】この考案の概要を示す縦断正面図。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 混合槽 ３ 計量支持枠 ４ 計量器 ５ 吊り手 ６ ホッパー ７ 排出口 ８ 伸縮管 ９ スクリューコンベア ９’ 駆動モーター １０ 供給口 １１ 排出管 １２ 上蓋 １３ 供給口 １４ 給水管 １５ 流量計 １６ 噴射管 １７ 戻し管 １８ 排出管 １９ 泥水ポンプ ２０ 制御盤 ２１ 電動開閉弁 Ｗ 水 Ｓ セメント

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台上に混合槽及び計量支持枠が横に隣
   接して設置され、この計量支持枠に計測値を電気信号と
   して出力可能な計量器の付いた吊り手を介してホッパー
   が吊り下げられ、このホッパーの下端の排出口は、上下
   に伸縮自在な伸縮管を介してホッパーの下部から混合槽
   の上方にかけて斜め上向きに設置されスクリューコンベ
   アの後端の供給口に接続され、このスクリューコンベア
   の先端の排出口は排出管を介して混合槽の供給口に接続
   されており、混合槽にはその内部に水を供給する流量計
   の付いた給水管が設けられ、さらに混合槽の周面にはそ
   の接線方向に沿って混合液の噴射管が、また底部には混
   合液の戻し管及び排出管がそれぞれ接続され、噴射管は
   泥水ポンプの吐出口に、また戻し管は泥水ポンプの吸込
   み口に接続され、基台上の所定部位には制御盤が設けら
   れ、この制御盤には混合槽へのセメントと水の供給量を
   設定する設定値入力装置と、流量計の計測値の出力信号
   を入力して、その計測値が水の供給量の設定値に達した
   ことを検出したとき、水の供給を停止する信号を送水ポ
   ンプ又は供給管の電動給水弁に出力する給水制御装置
   と、計量器の計測値の出力信号を入力してその計測値が
   セメントの供給量の設定値に達したことを検出したと
   き、セメントの供給を停止する信号をスクリューコンベ
   アの駆動モーター又はホッパーの排出口に設けた電動開
   閉弁に出力するセメント供給量制御装置とを備えてなる
   セメント系の注入材の混合装置。