JP3023503B2 - 茶類エキス粉末の製造法 - Google Patents

茶類エキス粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紅茶、ウーロン
茶、緑茶、ほうじ茶などの茶類の香りをほとんど損なう
ことなしに、茶類抽出液を乾燥して得られる茶類エキス
粉末の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より茶類エキス粉末を製造する過程
(抽出、濃縮、乾燥)で、その香気成分が損失したり、
或いは揮散するという問題があった。これらの問題に対
し、サイクロデキストリン含有液で抽出後、抽出液をデ
キストリン存在下に乾燥するという方法が開示されてい
る(特許第1497091号)。これは、サイクロデキ
ストリンによって、抽出、濃縮及び乾燥中の、香気成分
の安定性を高めたものである。
【0003】また、茶類抽出液の濃縮中における、香気
成分の変質或いは揮散を低減することを目的とし、茶類
抽出液に澱粉加水分解物などを含有させるなどした後
に、逆浸透圧濃縮を行う方法が開示されている(特公平
3−36491号公報、特開平5−236877号公
報)。
【0004】また、緑茶抽出液に特殊デキストリン、ソ
ーマチン又はこれらの両成分を加えてから乾燥させたも
のに、緑茶葉を低温で有機溶媒抽出後、溶媒を除去して
から温水と特殊デキストリンを加えて乳化させた後に、
乾燥させたものを混合することにより、香りの力価を高
める方法が開示されている(特許第1837588
号)。
【0005】また、茶葉をサイクロデキストリンを含有
した20〜40℃の水に浸漬後に圧搾して得られた抽出
液にアスコルビン酸を添加したものと、その圧搾粕を8
0〜90℃の熱水で再浸漬後に圧搾して得られた抽出液
にアスコルビン酸を添加して濃縮したものを、サイクロ
デキストリンなどの賦形剤を添加してから混合し、乾燥
することで、香気成分を保持する方法も開示されている
(特許第1412081号)。
【0006】しかし、上記したような方法で得られる茶
類エキス粉末は、香りの力価の改善はみられるものの、
従来の喫茶法で得られる茶湯と比べて、香りの質は明ら
かに劣るものであった。また、従来よりサイクロデキス
トリンを利用した茶類エキス粉末の製造法は開示されて
いるが、本発明のように、サイクロデキストリンの組成
に着目した検討は行われていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、従来の喫
茶法で得られる茶湯と、ほとんど同様の香りを有する茶
類エキス粉末を得ることを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究の結果、サイクロデキストリ
ンを添加した茶類抽出液中のα、β及びγ−サイクロデ
キストリンの組成が、抽出液を乾燥して得られる茶類エ
キス粉末の香りの質に影響を及ぼすことを見い出し、本
発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、サイクロデキストリ
ンを添加した茶類抽出液を乾燥して茶類エキス粉末を得
るに際し、抽出液中の総サイクロデキストリン重量に対
する、α−サイクロデキストリンとβ−サイクロデキス
トリンの重量和の割合が60%以上90%以下で、且つ
β−サイクロデキストリンの重量の割合が30%以上7
0%以下で、且つα−サイクロデキストリンの重量の割
合が10%以上であることを要旨とするものである。
【0010】サイクロデキストリンは、グルコースが環
状にα−1,4結合したオリゴ糖であり、グルコース単
位が6個のものをα−サイクロデキストリン、7個のも
のをβ−サイクロデキストリン、8個のものをγ−サイ
クロデキストリンという。サイクロデキストリンは、そ
の分子中に、内部は疎水性で外部は親水性の環状構造を
持ち、このため、疎水性の化合物が内部に取り込まれや
すく、熱、酸、アルカリなどに対して安定な包接化合物
を形成する性質がある。また、上記したサイクロデキス
トリンの種類により環の内径が異なるため、サイクロデ
キストリンの種類によって、包接されやすい化合物が異
なると言われている。
【0011】本発明者らは、上記したサイクロデキスト
リンの特性をもとに、サイクロデキストリンを添加した
茶類抽出液中のα、β及びγ−サイクロデキストリンの
組成が、抽出液を乾燥して得られる茶類エキス粉末の香
りの質に影響を及ぼすのではと考え、以下のような検討
を行ってきた。
【0012】紅茶葉(セイロン)1kgを80℃の温水
15kgに加え、80℃で15分間抽出した。茶粕と抽
出液に分離後に、遠心分離機で清澄化して、ブリックス
約2の抽出液12.2kgを得、これにα−サイクロデ
キストリン(日本食品化工(株)製、商品名セルデック
スA−100)250gを添加し(ブリックス約4)、
室温で15分間、15000rpmでホモジナイザーに
かけた後に、噴霧乾燥して茶類エキス粉末(α)を得
た。同様にして、β−サイクロデキストリン(日本食品
化工(株)製、商品名セルデックスB−100)、γ−
サイクロデキストリン(日本食品化工(株)製、商品名
セルデックスG−100)を用い、それぞれ茶類エキス
粉末(β)及び(γ)を得た。
【0013】このようにして得た茶類エキス粉末を熱湯
に溶解(1g/130ml)し、官能検査で比較したと
ころ、茶類エキス粉末(α)は、軽い香りはあるが、そ
の他の香り(例えば、ゆっくりとした香り立ちの重い香
り)が欠けていた。むしろ軽い香りが強く感じられ過ぎ
て、嗜好性に劣っていた。茶類エキス粉末(β)は、軽
い香りや重い香りに加え、これらの紅茶に特徴的な香り
以外の、その他の複雑な香りが感じられた。また、茶類
エキス粉末(γ)は、重い香りのみが感じられた。上記
したα、β及びγ−サイクロデキストリンの保香の特徴
より、これらを組み合わせることにより、さらに香りの
質の調和を取ることができるのではないかと考え、次に
以下の検討を行った。
【0014】α−サイクロデキストリン(日本食品化工
(株)製、商品名セルデックスA−100)と、β−サ
イクロデキストリン(日本食品化工(株)製、商品名セ
ルデックスB−100)と、γ−サイクロデキストリン
(日本食品化工(株)製、商品名セルデックスG−10
0)の混合物(表1参照)と、原料茶類として紅茶葉
(セイロン)、ウーロン茶葉、緑茶葉、ほうじ茶葉を用
い、前記した方法に従い各々の茶類エキス粉末を作製し
た。これらの粉末を上記と同様に熱湯に溶解し、表2に
記した評価基準、判断基準に基づき、10名のパネラー
によってそれらの香りを官能検査で評価した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】その結果、表3、表4に記したごとく、い
ずれの原料茶類に対しても総サイクロデキストリン
(α、β、γよりなる)重量に対する、αとβ−サイク
ロデキストリンの重量和の割合が60%以上100%以
下で、且つβ−サイクロデキストリン重量の割合が10
%以上の場合に、通常の喫茶法で得られる茶湯とほとん
ど同様の香りを有する、優れた茶類エキス粉末が得られ
ることを見い出した。さらに上記の範囲内で、総サイク
ロデキストリン重量に対するαとβ−サイクロデキスト
リンの重量和が90%以下(換言すれば、γ−サイクロ
デキストリンの割合が10%以上)で、且つβ−サイク
ロデキストリン重量が30%以上70%以下、且つα−
サイクロデキストリン重量が10%以上の場合には、特
に良好な結果が得られる。上記した範囲を逸脱した場合
には、香りの質の調和は崩れ、好ましくないものにな
る。例えば、総サイクロデキストリン重量に対する、α
とβ−サイクロデキストリンの重量和の割合が60%未
満の場合には、軽い香りが弱くて全体として重たい感じ
になったり、爽快感がなくなったりする。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】また、サイクロデキストリンの添加時期の
違いによって、出来上がった茶類エキス粉末の香りの質
に違いが生じるかどうかを検討するため、表1に記した
サイクロデキストリン混合物の(7)、(8)を用い、
サイクロデキストリンを予め添加した水性溶媒で茶類を
抽出し、茶類エキス粉末を作製した。即ち、上記サイク
ロデキストリン混合物300gを80℃の温水15kg
に溶解し、原料茶類(紅茶葉(セイロン)、ウーロン茶
葉、緑茶葉、ほうじ茶葉)1kgを加え、80℃で15
分間抽出した。茶粕を分離してブリックス約4の抽出液
を14.5kg得、これを遠心分離機で清澄化した後
に、噴霧乾燥して各々の茶類エキス粉末を得た。
【0021】これらの粉末を前記と同様に熱湯に溶解
し、表2に記した評価基準、判断基準に基づき、10名
のパネラーによって香りを評価した。この結果を、サイ
クロデキストリンを茶類抽出液に添加した場合の結果
(表3参照)と比較することにより、サイクロデキスト
リンを予め添加した水性溶媒で茶類の抽出を行った場合
の方が、より良好な結果が得られることを見い出した。
(表5参照)
【0022】
【表5】
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の茶類エキス粉末は、茶類
の抽出工程、抽出液の濃縮工程(場合によっては、省く
こともできる)、及び乾燥工程により製造できる。
【0024】抽出工程とは、茶類に水性溶媒を加えて抽
出液を得る工程である。この際使用する茶類は、いかな
るものでも使用することができるが、たとえば、セイロ
ン、アッサム、ダージリンなどの紅茶、ウーロン茶、緑
茶、ほうじ茶などの茶葉類、麦、はと麦、玄米、大豆、
そばなどの穀物茶類、どくだみ、霊芝、ギムネマ、バナ
バ、イチョウ葉、モロヘイヤ、ラカンカ、プアール、ア
ルファルファ、よもぎ、マテ、ギャバロン、朝鮮人参、
杜仲、ルイボス、アロエなどの健康茶類、その他として
ラベンダー、ペパーミント、レモングラス、カモミール
などのハーブや、シソ、ウメなどがあげられる。これら
の茶類は単独で使用してもよいし、2種以上の混合物と
して用いてもよい。
【0025】抽出に使用する水性溶媒としては、単なる
水道水、脱イオン水、蒸留水でもよく、これらに糖類、
ゼラチン、カゼイン、植物蛋白、アラビアガム、乳化剤
類、アルコール類、アスコルビン酸などの抗酸化剤類な
どを、適宜添加したものでもよい。抽出温度は、特に限
定するものではないが、15℃以上100℃以下が好ま
しい。抽出温度が15℃未満では抽出効率が著しく低下
し、また、100℃を越えた温度では、不要な成分が過
剰に抽出され、且つ好ましい香気成分の変性が起こりや
すくなる。茶葉1重量部を溶媒4から30重量部程度で
浸漬あるいは、攪拌しながら抽出を行い、さらに、抽出
後は粗分離により、抽出液を得ることができる。抽出液
は、必要に応じて遠心分離機等を用い清澄化を行う。
【0026】サイクロデキストリンは、上記の溶媒中に
添加してから、抽出を行ってもよいし、抽出液に後から
添加して使用することもできる。また、両方に添加して
も構わない。しかし、抽出工程中の香気成分等の変性及
び損失を防止することができるため、溶媒中にサイクロ
デキストリンを添加してから抽出を行う方が好ましい。
【0027】使用できるサイクロデキストリンは、グル
コース単位が6から8より成る環状構造を有するもので
あればいずれでもよく、例えば、非分岐サイクロデキス
トリン、分岐サイクロデキストリン(グルコシルサイク
ロデキストリン、マルトシルサイクロデキストリンな
ど)、サイクロデキストリン誘導体(ジメチルサイクロ
デキストリン、トリメチルサイクロデキストリン、ヒド
ロキシエチルサイクロデキストリン、ヒドロキシプロピ
ルサイクロデキストリンなど)などが使用できる。
【0028】ここで添加するサイクロデキストリンは、
総サイクロデキストリン重量(α、β、γよりなる)
対するαとβ−サイクロデキストリンの重量和の割合が
60%以上90%以下で、且つβ−サイクロデキストリ
ン重量の割合が30%以上70%以下で、且つα−サイ
クロデキストリン重量の割合が10%以上という組成の
ものである。
【0029】このような組成のサイクロデキストリンを
調整する方法としては、市販のα、β、γ−サイクロデ
キストリンを組み合わせるか、α、β、γ−サイクロデ
キストリンの混合物として市販されている、例えば商品
名デキシーパールK−50(塩水港精糖(株)製、総サ
イクロデキストリン重量に対するαとβ−サイクロデキ
ストリンの重量和の割合が約90%、β−サイクロデキ
ストリン重量の割合が約25%)、商品名リングデック
ス−PK(メルシャン(株)製、総サイクロデキストリ
ン重量に対するαとβ−サイクロデキストリンの重量和
の割合が約90%、β−サイクロデキストリン重量の割
合が26%)といった市販されている混合物に、α、
β、γ−サイクロデキストリンを所定の範囲で加えるな
どがあげられる。
【0030】サイクロデキストリンの添加量は、所望に
応じて適宜決めることができるが、前記水性溶媒に対
し、約0.05〜30重量%で使用することができる
が、より好ましい範囲は約0.5〜10重量%である。
この範囲よりサイクロデキストリン量が少ない場合に
は、エキス粉末に茶類の香気成分が十分に残らず、香り
の力価が弱いものになる。また、サイクロデキストリン
量が上記範囲より多い場合には、エキス粉末中の茶エキ
ス含度が低くなるため、味が薄くなり好ましくない。
【0031】また、サイクロデキストリンは、他のデキ
ストリンなどの粉末化基材とともに用いることもできる
が、茶類エキス粉末を製造するには、この方が経済的で
ある。サイクロデキストリンを含めた粉末化基材の量
は、抽出液の乾燥粉末化に役立つ量であればどれだけで
も構わないが、上記の理由により前記水性溶媒に対し、
約0.05〜30重量%で使用すればよい。また、サイ
クロデキストリンの組成を分析するには、周知の方法を
使用することができるが、高速液体クロマトグラフ(以
下、HPLCと略)によって分離、分析する方法が簡便
である。
【0032】濃縮工程は、抽出液を予め濃縮すること
で、乾燥の経費を少なくするために行うものであり、必
要に応じて行えばよい。減圧濃縮、凍結濃縮、逆浸透圧
濃縮などの周知の方法により濃縮を行うことができる。
しかし、香気成分の揮散、変性が少ない逆浸透圧濃縮が
好ましい。
【0033】乾燥工程によって、抽出液の粉末化を行う
が、熱風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などの周
知の方法が使用できるが、乾燥中の香気成分のロスが少
ない、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましい。
【0034】以上のような工程により、通常の喫茶法で
得られる茶湯とほぼ同様の香りを有する茶類エキス粉末
を得ることができる。
【0035】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0036】(実施例1) α−サイクロデキストリン(日本食品化工(株)製、商
品名セルデックスA−100)、β−サイクロデキスト
リン(日本食品化工(株)製、商品名セルデックスB−
100)、γ−サイクロデキストリン(日本食品化工
(株)製、商品名セルデックスG−100)の粉末を、
各々、100g、70g、30gとり、85℃の温水6
000gに溶解した。この溶液中の、総サイクロデキス
トリン重量に対する、α、β、γ−サイクロデキストリ
ン重量の割合は、各々、50%、34%、16%であっ
た(αとβ−サイクロデキストリンで、84%を占め
る。)。
【0037】この液に、緑茶葉300gを投入し、時々
撹拌しながら80℃で10分間抽出した後、粕分離し
て、ブリックス4.5の抽出液5200gを得た。次に
この抽出液を、噴霧乾燥機を用いて、チャンバー温度8
5℃の条件で噴霧乾燥したところ、茶類エキス粉末19
0gを得た。
【0038】この緑茶エキス粉末1gを、熱湯100m
lに溶解後に試飲したところ、通常の喫茶法で得られる
緑茶とほとんど同様の香りを有していた。
【0039】(実施例2) サイクロデキストリンを含有するデキストリン製剤であ
る商品名リングデックス−PK(メルシャン(株)製、
固形分中の約50%がサイクロデキストリン)500g
と、βーサイクロデキストリン(日本食品化工(株)
製、商品名セルデックスB−100)100g、γーサ
イクロデキストリン(日本食品化工(株)製、商品名セ
ルデックスG−100)100gを、80℃の温水15
kgに溶解した。この溶液中の総サイクロデキストリン
重量に対する、α、β、γ−サイクロデキストリン重量
の割合は、各々37%、36%、27%であった。(H
PLCにて分析。αとβ−サイクロデキストリンで73
%を占める。)
【0040】HPLC分析: 測定溶液は、グルコアミラーゼ処理を施した後に、分析
に供した。カラムは、B IO−RAD社製のAMINE
X HPX−42A(300mm×7.8mmφ)をカ
ラム温度55℃で用い、脱気純水を移動相(0.6ml
/分)として、示差屈折計により得られるピーク面積比
より、サイクロデキストリンの組成を算出した。
【0041】グルコアミラーゼ処理: 測定溶液(ブリックス5程度に濃度調整したもの、1m
l)と、酵素溶液{生化学工業(株)製グルコアミラー
ゼの溶液(pH5.0の20mM酢酸緩衝液に、約70
ユニット/mlになるように溶解したもの、1ml)
と、生化学工業(株)製α−アミラーゼの溶液(pH
6.0の20mM酢酸緩衝液に、約420ユニット/m
lになるように溶解したもの、30μl)の混合液}を
混合し、50℃で120分間反応させた後、煮沸して酵
素を失活させた。
【0042】この液に麦茶450gを加え、撹拌しなが
ら80℃で15分間抽出し、粕分離してブリックス5.
0の抽出液12kgを得た。得られた抽出液は遠心分離
器にかけて液を清澄化した後に、チャンバー温度95℃
の条件下で噴霧乾燥し、麦茶エキス粉末を540g得
た。
【0043】この麦茶エキス粉末を熱湯に溶解し(1g
/80ml)、試飲したところ、通常の方法で麦茶をい
れた場合と香りの質はほとんど同様であった。
【0044】(実施例3) デキシーパールSD−20(塩水港精糖(株)製、固形
分中の約20%がサイクロデキストリン)1kgと、γ
−サイクロデキストリン(日本食品化工(株)製、商品
名セルデックスG−100)20gを、95℃の0.3
%アスコルビン酸水溶液20kgに溶解した。この溶液
中のサイクロデキストリンの組成を実施例2に準じて測
定したところ、総サイクロデキストリン中のα、β、γ
−サイクロデキストリン重量の割合は、各々36%,4
6%,18%であった。(αとβ−サイクロデキストリ
ンで82%を占める。)
【0045】この液に、ギムネマ茶800gを加え、撹
拌しながら95℃で30分間抽出を行い、粕分離してブ
リックス5.9の抽出液を19.5kg得た。得られた
抽出液は、実施例2と同様にしてブリックス20まで濃
縮後、チャンバー温度90℃の条件下で噴霧乾燥し、茶
類エキス粉末を850g得た。
【0046】このギムネマ茶エキス粉末1gを熱湯10
0mlに溶解し、官能検査で香りを評価したところ、ギ
ムネマ茶を煎じて得られる茶湯とほとんど同様の香りで
あった。
【0047】
【発明の効果】本発明を用いれば、通常の喫茶法により
得られる茶湯と同様の香りを有する、優れた茶類エキス
粉末を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−210949(JP,A) 特公 昭63−42498(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23F 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイクロデキストリンを添加した茶類抽出
    液を乾燥して茶類エキス粉末を得るに際し、抽出液中の
    総サイクロデキストリン(α、β、γよりなる)重量に
    対する、α−サイクロデキストリンとβ−サイクロデキ
    ストリンの重量和の割合が60%以上90%以下で、且
    つβ−サイクロデキストリンの重量の割合が30%以上
    70%以下で、且つα−サイクロデキストリンの重量の
    割合が10%以上であることを特徴とする茶類エキス粉
    末の製造法
  2. 【請求項2】予めサイクロデキストリンを添加した水性
    溶媒を用いて茶類抽出液を得ることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の茶類エキス粉末の製造法
JP8359754A 1996-12-19 1996-12-19 茶類エキス粉末の製造法 Expired - Lifetime JP3023503B2 (ja)

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