JP3023422U - 非常用浄水装置 - Google Patents

非常用浄水装置

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JP3023422U
JP3023422U JP1995010453U JP1045395U JP3023422U JP 3023422 U JP3023422 U JP 3023422U JP 1995010453 U JP1995010453 U JP 1995010453U JP 1045395 U JP1045395 U JP 1045395U JP 3023422 U JP3023422 U JP 3023422U
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water
filter
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fiber membrane
priming pump
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JP1995010453U
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憲二 野邑
格龍 小淵
肇 宇野
明 小刀禰
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地震等の災害時、特に、上水道が絶たれ、道路
が寸断された場合に威力を発揮できる軽量コンパクトな
浄水装置を提供することである。 【解決手段】この浄水装置Aには、手動の自吸式ポンプ
20を備え、装置全体を軽量コンパクトにした。ポンプ
20の吐出口24にプレフィルタ30を接続し、これ
に、活性炭フィルタ40,中空糸膜フィルタ50を順に
接続した。中空糸膜フィルタ50に殺菌フィルタ60を
接続した。プレフィルタ30,活性炭フィルタ40およ
び中空糸膜フィルタ50によって、ポンプ20に汲み上
げられた水中の塵や有機成分等を除去し、殺菌するよう
にした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、浄水装置に関するものであり、詳しくは、地震等の災害により上 水道が絶たれた場合等に使用する非常用の浄水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および考案が解決しようとする課題】
従来、海水や汚れた水等、そのままでは飲料水として使用できない水から飲料 水を生成することができる浄水装置が提供されている。この装置は、たとえば、 船舶上で生活する場合の生活用水を確保するためや、上水道に故障が生じた場合 に、一時的に飲料水を確保するために用いられている。
【0003】 ところで、従来の浄水装置は、一般に大型で電気等の動力源を必要としている ため、所要時に簡易に使用できるものではなかった。具体的に言うと、従来の浄 水装置は、装置というよりは、浄水設備というべきものであって、設置されてい る浄水装置に他の場所から水を供給し、これを浄水するようになっている。この ような浄水装置では、電気の供給がストップすると共に道路等が寸断されて水を 運搬することがままならない場合(たとえば大きな地震等の災害時)には、浄水 装置に水を供給することができず、浄水装置を使用することができないことがあ るという不都合が生じる場合もある。
【0004】 このため、常時では上水道が完備されている今日、上水道が絶たれた場合等の 非常時にこそ本来の能力を発揮すべき浄水装置が、その移動性の悪さおよび使用 に際しての簡易性の無さによって、非常時にその能力を十分に発揮することがで きないという問題がある。 一方、アウトドア用としての浄水器が提供されている。この浄水器は、若干大 きなストロー状のものであり、これを用いて川の水等を直接吸うことによって浄 水することができ、これを飲むことができるようになっている。しかしながら、 このような浄水器は、あくまでレジャー用であり、生活用水を確保することはで きない。
【0005】 そこで、この考案の目的は、小型で水源まで容易に移動させることができ、し かも簡単に使用できて生活用水を確保することができる非常用の浄水装置を提供 することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案の目的を達成するため、請求項1に係る非常用浄水装置は、水源か ら水を汲み上げることができる手動自吸ポンプと、手動自吸ポンプの吐出口に接 続され、手動自吸ポンプにより加圧されて吐出される水を所定の流路に沿って案 内する配水手段と、上記流路中に配置され、案内される水を浄水する浄水手段と を備え、上記浄水手段は、手動自吸ポンプから吐出された水をろ過して粒径が略 1μm以上の塵を除去するプレフィルタと、プレフィルタの下流側に配置され、 プレフィルタによりろ過された水をろ過することによって臭いの成分および有機 物を吸着除去する活性炭フィルタと、活性炭フィルタの下流側に配置され、活性 炭フィルタによりろ過された水をろ過することによって粒径が略0.15μm以 上の塵を除去する中空糸膜フィルタと、中空糸膜フィルタの下流側に配置され、 中空糸膜フィルタによりろ過した水をろ過することによって、中空糸膜フィルタ を通過した細菌を殺菌する殺菌フィルタとを含んでいることを特徴とするもので ある。
【0007】 この構成によれば、次の作用を奏する。手動自給ポンプを作動させて水源から 水を汲み上げ、浄水手段によって浄水する。具体的には、汲み上げられた水は、 先ずプレフィルタによってろ過され、粒径が略1μm以上の塵が除去される。次 いで、活性炭フィルタによってろ過され、水中の臭いの成分および有機物が除去 される。さらに、中空糸膜フィルタによってろ過され、粒径が略0.15μm以 上の塵が除去される。そして、殺菌フィルタによって、水中に含まれている水性 細菌が殺菌される。しかも、手動のポンプを使用しているから、装置全体を小型 軽量にすることが可能である。
【0008】 本考案の目的を達成するため、請求項2に係る非常用浄水装置は、水源か ら水を汲み上げることができる手動自吸ポンプと、手動自吸ポンプの吐出口に接 続され、手動自吸ポンプにより加圧されて吐出される水を所定の流路に沿って案 内する配水手段と、上記流路中に配置され、案内される水を浄水する浄水手段と を備え、上記浄水手段は、手動自吸ポンプから吐出された水をろ過して粒径が略 1μm以上の塵を除去するプレフィルタと、プレフィルタの下流側に配置され、 プレフィルタによりろ過された水をろ過することによって臭いの成分および有機 物を吸着除去する活性炭フィルタと、活性炭フィルタの下流側に配置され、活性 炭フィルタによりろ過された水をろ過することによって粒径が略0.15μm以 上の塵を除去する中空糸膜フィルタと、中空糸膜フィルタの下流側に配置され、 中空糸膜フィルタによりろ過した水をろ過することによって、中空糸膜フィルタ を通過した細菌を殺菌する殺菌フィルタとを含み、上記殺菌フィルタは、活性成 分としてヨウ素含有強塩基性陰イオン交換樹脂を含んでいることを特徴とするも のである。
【0009】 この構成によれば、請求項1に係る考案と同様の作用を奏する。加えて、本請 求項に係る考案では、殺菌フィルタに含まれるヨウ素によって強力に殺菌するこ とができる。しかも、殺菌フィルタは、活性成分としてヨウ素含有強塩基性陰イ オン交換樹脂を含んでいるから、ヨウ素(I2 ),トリアイオダイドイオン(I 3 - )が、ろ過される水中に遊離するのを抑えることができる。仮に、これらが 水中に遊離したとしても、ごく僅かである。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。 図1は、この考案の一実施例に係る浄水装置の外観斜視図である。また、図2 は、浄水装置の概略構成を模式的に示した図である。 図1を参照して、この浄水装置Aは、特に、地震等の災害非常時に簡易に使用 することができる、軽量コンパクトな浄水装置である。この浄水装置Aは、吸水 ホース11を水源に沈めてレバー21を白抜き矢印の方向に沿って操作すること によって、水を汲み上げて浄水し、飲料水として利用することができるきれいな 水を流出ホース12から取り出すことができるようになっている。
【0011】 (1) 各部の説明 図2を参照して、浄水装置Aは、ケーシング10を備えている。ケーシング1 0の内部には、自吸式の手動ポンプ(以下、「ポンプ」という。)20と、ポン プ20によって汲み上げられた水を浄水する浄水部Cとが装備されている。この 浄水部Cは、プレフィルタ30と、活性炭フィルタ40と、中空糸膜フィルタ5 0と、殺菌フィルタ60とを含んでいる。
【0012】 ケーシング10は、たとえば、肉厚の薄い鋼板を用いていわゆる板金作業によ って作ることができる。また、図示していないが、ケーシング10の内壁には、 上記ポンプ20および各フィルタ30,40,50,60を取り付けるためのブ ラケットが設けられており、これらブラケットによって、ポンプ20および各フ ィルタ30,40,50,60が固定されている。
【0013】 ケーシングの側面部13には、縦長の切欠窓131が形成されている。この切 欠窓131には、上記レバー21が挿通されており、レバー21は、図1で示し たように操作することができるようになっている。また、図1に示すように、ケ ーシング10の前面部14には、メンテナンス用の扉15が開閉自在に設けられ ている。扉15は、たとえば蝶番151を介してケーシング10に連結されてお り、作業者は、把手部152を持って手前に引っ張ることによって、簡単に扉1 5を開けることができる。この扉15を開けることによって、ポンプ20および 各フィルタ30,40,50,60のメンテナンス等を容易に行うことができる ようになっている。
【0014】 また、図2を参照して、ケーシング10の内底部には、漏水パン17が設けら れている。漏水パン17には、水溜171が形成されており、ポンプ20および 各フィルタ30,40,50,60から漏れた水は、漏水パン17によって収拾 され水溜171に集められる。ケーシング10の下面部18には、水溜171に 連通するドレン孔が設けられており、このドレン孔に埋め込みねじ172がねじ 込まれている。従って、埋め込みねじ172を取り外すことによって、水溜17 1に溜まった水をドレンすることができる。
【0015】 ポンプ20は、電気等の動力源を必要としない手動式のものである。上記レバ ー21は、ポンプ20を駆動するためのものであって、ポンプ20の回転軸23 に連結されている。また、ポンプ20の吸水口22には、上記吸水ホース11( 図1参照)が連結されている。なお、吸水ホース11の先端には、水源から汲み 上げる水に含まれる粗大なゴミ等を除去するフィルタ111が取り付けられてい る。吸水ホース11を水源に沈めてレバー21を操作すると、水が汲み上げられ て加圧され、ポンプ20の吐出口24から吐出されるようになっている。
【0016】 吸水ホース11から流出ホース12に至るまでは、配水管Rを用いて一つの流 路が形成されており、汲み上げられた水は、この流路に沿って案内されるように なっている。そして、この流路中に、浄水部Cが配置されている。すなわち、ポ ンプ20の吐出口24側から順に、プレフィルタ30,活性炭フィルタ40,中 空糸膜フィルタ50および殺菌フィルタ60が配置されている。ポンプ20によ って吸い上げられた水は、上記順序で各フィルタ30,40,50,60を通過 することによって浄水される。
【0017】 以下、各フィルタ30,40,50,60について詳しく説明する。 プレフィルタ30は、ケーシング31と、これに内装されたフィルタカー トリッジ32とを有している。ケーシング31は、ポンプ20から送られた水が 流入する流入口311と、プレフィルタ30を通過した水が流出する流出口31 2とが形成されている。また、ケーシング31の上面部33には、エア抜きプラ グ331がねじ込まれている。このエア抜きプラグ331によって、水が流入さ れる際に、ケーシング31内の空気を抜くことができる。さらに、ケーシング3 1の下端部34には、ドレンプラグ341がねじ込まれている。このドレンプラ グ341によって、ケーシング31内の水を抜くことができる。
【0018】 フィルタカートリッジ32は、デプスタイプ(深層ろ過方式)の糸巻型のもの であって円筒状をしている。図に示すように、ケーシング31に流入した水は、 フィルタカートリッジ32の外側から内側へしみこむように流れてろ過される。 フィルタカートリッジ32は、外側から内側に向かうにつれてろ過精度が細かく なっており、いわゆる密度勾配がつけられている。従って、大きい粒子は、外側 で捕捉され、小さい粒子ほど内側で捕捉されるようになっている。これにより、 偏ったフィルタの目詰まりを防止してフィルタ寿命を大幅に延ばすことができる という利点がある。なお、フィルタカートリッジ32は、糸巻型のものであるた め、粒子の捕捉に関して、糸と糸との間で粒子を捕捉する糸間空間ろ過と、糸の 内部で粒子を捕捉する繊維間空間ろ過との2種類のろ過作用がある。これにより 、極めて効率の高いろ過を実現することができるという利点もある。本実施形態 では、フィルタカートリッジ32は、粒径が略1μm以上の塵を除去することが できるようになっている。
【0019】 活性炭フィルタ40は、ケーシング41と、これに内装されたフィルタカ ートリッジ42とを有している。ケーシング41は、プレフィルタ30の流出口 312から送られた水が流入する流入口411と、活性炭フィルタ40を通過し た水が流出する流出口412とが形成されている。また、ケーシング41の上面 部43には、エア抜きプラグ431がねじ込まれている。このエア抜きプラグ4 31によって、水がケーシング41内に流入される際に、ケーシング41内の空 気を抜くことができる。さらに、ケーシング41の下端部34には、ドレンプラ グ441がねじ込まれている。このドレンプラグ441によって、ケーシング4 1内の水を抜くことができる。
【0020】 フィルタカートリッジ42は、繊維状の活性炭を糸巻型に形成したものであっ て円筒状をしている。図に示すように、ケーシング41に流入した水は、フィル タカートリッジ42の外側から内側へ流れてろ過される。そして、このフィルタ カートリッジ42を通過するときに水中の臭いの成分および有機物を吸着除去す るようになっている。
【0021】 この実施形態では、活性炭自体が繊維状をしているから、粒状活性炭に比べて 水との接触頻度が高い。また、粒状活性炭に比べて吸着孔が真っ直ぐで単調であ る。従って、吸着効果が高いという利点がある。なお、フィルタカートリッジ4 2は、繊維状の活性炭により構成する他に、繊維に活性炭粉を付着させたものを 用いても良いし、粒状の活性炭を積層したものでも良い。また、木炭を用いるこ ともできる。さらに、活性炭系以外のものであっても、特殊なセラミックや麦飯 石等の天然鉱石を用いることができる。
【0022】 中空糸膜フィルタ50は、ケーシング51と、これに内装されたフィルタ カートリッジ52とを有している。ケーシング51は、活性炭フィルタ40の流 出口412から送られた水が流入する流入口511と、中空糸膜フィルタ50を 通過した水が流出する流出口512とが形成されている。また、ケーシング51 の上面部53には、エア抜きプラグ531がねじ込まれている。このエア抜きプ ラグ531によって、水がケーシング51内に流入される際に、ケーシング51 内の空気を抜くことができる。さらに、ケーシング51の下端部54には、ドレ ンプラグ541がねじ込まれている。このドレンプラグ541によって、ケーシ ング51内の水を抜くことができる。
【0023】 図3は、フィルタカートリッジ52の拡大断面図である。図3を参照して、フ ィルタカートリッジ52は、ハウジング521と、これに収容された多数の中空 糸522とを有している。ハウジング521は、ポリカーボネイトからなり、側 壁部に、内部と連通する多数の連通孔523が開けられている。また、上面部に は、ろ過された水が流出する開口部524が形成されている。中空糸522は、 ポリエチレン多孔質中空糸膜(EHF膜)がマカロニ状に形成されたものであり 、その壁面には、たくさんの微小な孔が開いている。各中空糸522はU字状に 曲げられており、それらの端部は、ハウジング521の上部で束ねられている。 各中空糸522とハウジング521の内壁面との間および束ねられた各中空糸5 22相互間には、ポリウレタンからなるシール材525が介在されている。これ により、水は、中空糸522を通過した後でないと、上記開口部524から流出 することができないようになっている。
【0024】 図3に示すように、ケーシング51に流入した水は、ハウジング521を通っ て中空糸522に達する。そして、マカロニ状の中空糸522の外側から内側へ 向かってしみこむように流れてろ過される。各中空糸522の内側へ流れた水は 、ハウジング521の上部に集まり、開口部524を経てケーシング51の流出 口512から流出する。なお、この実施形態では、中空糸膜フィルタ50によっ て、粒径が略0.15μm以上の塵を除去することができる。
【0025】 図2を参照して、殺菌フィルタ60は、ケーシング61と、これに収容さ れた殺菌剤62とを有している。ケーシング61は、中空糸膜フィルタ50の流 出口512から送られた水が流入する流入口611と、殺菌フィルタ60を通過 した水が流出する流出口612とが形成されている。殺菌剤62は、粒状のもの であり、活性成分としてヨウ素含有強塩基性陰イオン交換樹脂を含んでいる。
【0026】 ケーシング61に流入した水は、殺菌剤62を通過して流出口612から流出 する。この際に、水中に含まれる細菌が殺菌されるようになっている。この実施 形態では、殺菌剤62は、1g 当たり、105 個/mlの水性細菌類を含む水を0 .123m3以上処理することができる。なお、この殺菌剤62は、粒状のものの 他に、ブロック状であって多孔質のものでも良い。また、イオン交換樹脂膜状の ものや銀吸着活性炭を使用することもできる。
【0027】 (2) 作用・効果 次に、本実施形態に係る浄水装置Aの使い方について、その作用効果と共に説 明する。 図1を参照して、吸水ホース11を、たとえば、川や池等の水源に沈め、 扉15を開いて、各フィルタ30,40,50のエア抜きプラグ331,431 ,531を緩める。そして、レバー21を手で把持して操作する。これにより、 ポンプ20が回転し、水源から水を汲み上げることができる。このとき、各フィ ルタ30,40,50のエア抜きプラグ331,431,531から水が溢れて いるのを確認してから、各エア抜きプラグ331,431,531を締める。溢 れた水は、漏水パン17によって収拾される。汲み上げられた水は、ポンプ20 によって加圧されて浄水部Cに送られ、浄水することができる。
【0028】 具体的には、汲み上げられた水は、先ずプレフィルタ30によってろ過さ れ、粒径が略1μm以上の塵が除去される。次いで、活性炭フィルタ40によっ てろ過され、水中の臭いの成分および有機物が除去される。さらに、中空糸膜フ ィルタ50によってろ過され、粒径が略0.15μm以上の塵が除去される。そ して、水中の塵等が除去された後、殺菌フィルタ60によって、水中に含まれて いる細菌が殺菌される。
【0029】 浄水された水は、流出ホース12(図1参照)から流出する。 実際に池の水(上野公園大噴水池の水)を使った実験結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】 表1に示すように、池水を浄水装置Aにより処理することによって、水中に含 まれる一般細菌数の数値が顕著に低下している。また、大腸菌群数の数値も、陽 性から陰性に変わっている。これは、浄水装置Aによって強力な殺菌処理が行わ れたことを示している。さらに、過マンガン酸カリウム消費量および濁度の数値 が顕著に低下している。これは、水中に含まれる微小な塵等が除去されているこ とを示している。加えて、臭気については、池水がかび臭を帯びていたのに対し て、処理水では臭気に異常が見られない。これは、活性炭による効果である。こ のように、浄水装置Aによって処理すれば、汲み上げた池水から、十分飲料水と して利用することができる水を得ることができる。
【0032】 しかも、手動のポンプ20を使用しているから、浄水装置A全体が小型軽 量である。従って、運搬等に便利で移動性に優れる。また、ポンプ20は、汎用 の手動ポンプを採用することができ、これによると、1分間に約6リットルの水 を確保することができる。その結果、災害時等において、容易に水源まで移動さ せることができ、上水道が絶たれ、道路が寸断された場合等の非常時にも生活用 水を確保することができる。
【0033】 特に、本実施形態に係る浄水装置Aでは、上記作用効果に加えて、次のような 作用効果を奏する。すなわち、殺菌フィルタ60は、活性成分としてヨウ素含有 強塩基性陰イオン交換樹脂を含んでいるから、強力に殺菌することができる。強 塩基性陰イオン交換樹脂については、特公昭48−34701号公報に詳細に記 載されている。それを引用しながら説明すると、 本実施形態に係る強塩基性陰イオン交換樹脂は、トリアイオダイドイオンと反 応させて、水に不溶性の安定なイオン会合体を形成している。この樹脂化合物は 、強力な殺菌剤である。しかも、この樹脂に不溶化されたトリアイオダイド基は 、水中にヨウ素(あるいは酸化型)の殺菌濃度を形成することなく、細菌と相互 に作用してほとんど瞬間的にこの細菌を殺菌する。
【0034】 こうして殺菌された細菌は、樹脂に付着してとどまることはなく、たやすくこ の樹脂の層を通過してしまう。従って、水中に薬理学的許容量を越えたヨウ素を 導入することなく、非常に汚染された水であっても完全に消毒殺菌することがで きる。仮に、細菌と不溶化トリアイオダイドとの相互作用によって遊離したハロ ゲン(本実施形態では、ヨウ素(I2 ),トリアイオダイドイオン(I3 - )) があるとしても、その量は無視できるものであって、少なくとも試験によって通 常検出される限界以下である。つまり、本浄水装置Aによって浄水された水は、 直ちに飲料水および生活用水として使用することができ、塩素処理や、上記遊離 したハロゲンの除去処理等の、更なる処理をする必要はない。
【0035】 強塩基性陰イオン交換樹脂であれば、いずれによっても本考案を実施すること ができるが、第4級アンモニウム陰イオン樹脂が好ましい。なお、「強塩基性陰 イオン交換樹脂」という用語は、第4級アンモニウム基のような強塩基性(陽イ オン性基を含む樹脂の類を表すか、あるいは、第4級アンモニウム陰イオン交換 樹脂と実質的に等しい強塩基性の樹脂類を表す。
【0036】 なお、この考案は上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、図4に 示すような設計変更を施すことができる。図4を参照して、この浄水装置Aには 、手押し用の把手80が設けられている。また、移動用のキャスタ90が設けら れている。図4は斜視図であるため、キャスタ90は3つのみ図示されているが 、実際は、ケーシング10の下面部の4隅に取り付けられている。この把手80 およびキャスタ90により、浄水装置Aは、一層その移動性が向上し、非常用の 浄水装置として使い勝手の良いものとなる。また、図5に示すように、ケーシン グ10の上面に手提げ用の把手19を設けても良い。このようにすることによっ て、浄水装置Aを手提げで持ち運ぶことができる。さらに、図に示すように、ポ ンプ20の回転軸23(図2参照)を、その軸方向に延長してケーシング10を 貫通させ、これにレバー21を取り付けても良い。このようにすることによって 、上記一実施形態で示した縦長の切欠窓131を形成する必要がなくなり、ケー シング10をより簡単に製作することができる。その他、この考案の範囲内で種 々の設計変更を施すことができる。
【0037】
【考案の効果】
請求項1に係る考案によれば、水源から水を汲み上げて、これを浄水手 段によって強力に浄水し、飲み水として利用することができる。しかも、手動 給ポンプを採用しているから、電気等の動力源を必要とせず簡単に使用するこ ができ、生活用水として必要な量を浄水することができる。また、装置全体を 型にすることができる。これにより、運搬等にも便利で移動性に優れる。従って 、災害時等において、容易に水源まで移動させることができ、上水道が絶たれ、 道路が寸断された場合等の非常時にも生活用水を確保することができる。
【0038】 請求項2に係る考案によれば、請求項1に係る考案と同様の効果を奏する 。加えて、本請求項に係る考案では、活性成分としてヨウ素含有強塩基性陰イオ ン交換樹脂を含む殺菌フィルタにより、水を強力に殺菌することができ、塩素等 により二次的に殺菌する必要がない。しかも、殺菌する際に細菌との相互作用に よって遊離するハロゲンの量が無視できるレベルにあり、これを除去するための 更なる処理を必要としない。従って、殺菌フィルタによって殺菌消毒された水は 、直ちに飲料水として安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態に係る浄水装置の斜視図で
ある。
【図2】浄水装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】中空糸膜フィルタのフィルタカートリッジの断
面図である。
【図4】浄水装置の設計変更例を示す斜視図である。
【図5】浄水装置の他の設計変更例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A 浄水装置 C 浄水部 20 ポンプ 30 プレフィルタ 40 活性炭フィルタ 50 中空糸膜フィルタ 60 殺菌フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/50 520 B 531 L 540 F D E 550 B 560 B E Z D (72)考案者 小淵 格龍 群馬県伊勢崎市長沼町623−2 (72)考案者 宇野 肇 大阪府堺市新桧尾台3丁3番9−204 (72)考案者 小刀禰 明 奈良県奈良市西登美ケ丘2丁目12−3

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】水源から水を汲み上げることができる手動
    自吸ポンプと、 手動自吸ポンプの吐出口に接続され、手動自吸ポンプに
    より加圧されて吐出される水を所定の流路に沿って案内
    する配水手段と、 上記流路中に配置され、案内される水を浄水する浄水手
    段とを備え、 上記浄水手段は、 手動自吸ポンプから吐出された水をろ過して粒径が略1
    μm以上の塵を除去するプレフィルタと、 プレフィルタの下流側に配置され、プレフィルタにより
    ろ過された水をろ過することによって臭いの成分および
    有機物を吸着除去する活性炭フィルタと、 活性炭フィルタの下流側に配置され、活性炭フィルタに
    よりろ過された水をろ過することによって粒径が略0.
    15μm以上の塵を除去する中空糸膜フィルタと、 中空糸膜フィルタの下流側に配置され、中空糸膜フィル
    タによりろ過した水をろ過することによって、中空糸膜
    フィルタを通過した細菌を殺菌する殺菌フィルタとを含
    んでいることを特徴とする非常用浄水装置。
  2. 【請求項2】水源から水を汲み上げることができる手動
    自吸ポンプと、 手動自吸ポンプの吐出口に接続され、手動自吸ポンプに
    より加圧されて吐出される水を所定の流路に沿って案内
    する配水手段と、 上記流路中に配置され、案内される水を浄水する浄水手
    段とを備え、 上記浄水手段は、 手動自吸ポンプから吐出された水をろ過して粒径が略1
    μm以上の塵を除去するプレフィルタと、 プレフィルタの下流側に配置され、プレフィルタにより
    ろ過された水をろ過することによって臭いの成分および
    有機物を吸着除去する活性炭フィルタと、 活性炭フィルタの下流側に配置され、活性炭フィルタに
    よりろ過された水をろ過することによって粒径が略0.
    15μm以上の塵を除去する中空糸膜フィルタと、 中空糸膜フィルタの下流側に配置され、中空糸膜フィル
    タによりろ過した水をろ過することによって、中空糸膜
    フィルタを通過した細菌を殺菌する殺菌フィルタとを含
    み、 上記殺菌フィルタは、活性成分としてヨウ素含有強塩基
    性陰イオン交換樹脂を含んでいることを特徴とする非常
    用浄水装置。
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