JP3023398U - 缶容器の口部シール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 茶缶、のり缶等の缶容器の上端口部に、アル
ミ箔等のシールを密封状に貼着し、開缶時に剥離するよ
うにしたもので、缶胴の上端口部のシール貼着部を、シ
ールとの接着面積を大きくとれるように円弧状に彎曲形
成するとともに折曲部と端縁を内外の何れにも露出しな
いようにし、且つ缶の内側にも、外周面側にもエッジの
ような危険性を伴う部位を完全になくして安全性を確保
しながらシール性を高めることを可能にした缶容器の口
部シール構造を提供する。 【構成】 缶胴の上端口部にアルミ箔等の缶蓋シールを
剥離可能に貼着した缶容器において、缶蓋シールの貼着
部となる缶胴上端部を、中途より縮径するように折曲げ
て内側へ膨出した内鍔部を彎曲形成するとともに、その
上端を外向きに巻曲して缶胴の外径より大きく張り出し
且つ上縁が円弧面となるように外鍔を一体形成し、この
外鍔上縁の円弧面に前記缶蓋シールの周縁部を貼着し、
その上から外蓋を着脱可能に嵌設してなることを特徴と
している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、茶缶や、のり缶等の缶容器の上端口部に、アルミ箔等のシールを密 封状に貼着し、開缶時に剥離するようにした缶容器の口部シール構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のような缶容器において、上端口部にアルミ箔等のシールを密封状 に貼着して開缶時にシールを剥離するようにしたものは例えば実開平４−９７０ ６３号公報等において一般に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

実開平４−４９７０６３号のシール構造は、図４に示すように缶胴４０の上端 部を内側へ比較的大きなアール４１をもって半円弧形に彎曲形成して、その円弧 面にシール４２を接着剤等により貼着するものである。しかしこの方法は、アー ル４１が大きいのでシールの接着面積が広く強力な接着が可能であるが、シール を剥離した後においては内側へ彎曲した端部（エッジ）４３が指に引掛かったり して手指を傷付け怪我のおそれがあるのを避け得ないという問題がある。

【０００４】 又、上記とは別に従来古くから実施されているものとして図５の方法がある。

【０００５】 この図５の方法は缶胴５０の上端を外側へ折り曲げて小さいアール５１をつく り、その上面にシール５２を剥離可能に接着するものがあるが、接着面積が小さ いのでシールの封印効果が十分確実でないのと、外側へ曲げた端縁５３が缶胴の 外周に沿うように添接されてはいるものの外部に露出しており、而も加工性能が 悪くてバリ等の発生があると、手の怪我は避けられないという問題がある。又シ ールの接着性を良くするため、折り曲げを深くすると、シールの外周部にシワが 発生するため、外蓋の嵌合にも支障を来す等種々の問題点を有していた。

【０００６】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、缶胴の上端口部のシール貼着部を、シールとの接着 面積を大きくとれるように円弧状に彎曲形成するとともに折曲部と端縁を内外の 何れにも露出しないようにし、且つ缶の内側にも、外周面側にもエッジのような 危険性を伴う部位を完全になくして安全性を確保しながらシール性を高めコスト 的にも安価で実用性の優れた缶容器の口部シール構造を提供しようとするもので ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における缶容器の口部シール構造は、缶胴 １の上端口部２にアルミ箔等の缶蓋シール３を剥離可能に貼着した缶容器におい て、缶蓋シール３の貼着部となる缶胴上端部を、中途より縮径するように折曲げ て内側へ膨出した内鍔部４を彎曲形成するとともに、その上端を外向きに巻曲し て缶胴の外径より大きく張り出し且つ上縁５が円弧面となるように外鍔６を一体 形成し、この外鍔上縁の円弧面に前記缶蓋シール３の周縁部３ａを貼着し、その 上から外蓋７を着脱可能に嵌設してなるものである。

【０００８】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。

【０００９】 本考案の缶容器は、缶胴１と底板８、及び上端口部に貼着された缶蓋シール３ とその上に着脱可能に嵌合する外蓋７とよりなる。

【００１０】 缶胴１は、方形状のブリキ板を丸めて両端縁を係着して継目９とすることによ り円筒状となし、底部に円板形の底板８を巻締め嵌合により一体的に取付ける。

【００１１】 缶蓋シール３はアルミ箔のような薄質金属に、防湿用の樹脂を内張り（ライニ ング）したものを円形にして周縁部の一ヶ所につまみ片３ｂを形成する。

【００１２】 缶胴１の上端部は、図３に示すように、内鍔部４と外鍔６及び、その上縁５の 円弧面を一連に彎曲形成したものからなる。内鍔部４は缶胴１の上端を最初に内 側へ絞り込んで縮径１′させることにより、缶胴１の内径Ｄ′より小径となるよ うに膨出させ、さらにその上端（延長部）を外向きに巻曲して缶胴１の外径Ｄよ り大きくなるように張り出して外鍔６を形成し、両鍔４．６の上縁５を連続した 円弧面となるように一体形成するものである。このようにすると、内鍔４は内径 ｄ′が缶胴１の内径Ｄ′より小さく、又外鍔６はその外径ｄ′が缶胴１の外径Ｄ より大きいものが形成される。

【００１３】 外蓋７は合成樹脂の成形品又は金属製の浅いカップ形に形成し、内周面の中途 部に鉤状の段部７ａを形成して缶胴１の上端の外鍔６に係合させるようになす。

【００１４】

【作用】

缶蓋シール３は、高周波接着又は熱融着或いは接着剤により接着することによ り缶胴１内部を気密状態に密封し、開缶時にワンタッチで剥離できるようにする 。

【００１５】 缶蓋シール３の接着部は外鍔６を上方より巻き込む位置から上縁５の円弧面を 経て、内鍔４に向う部位に亘る広い面積であるから必要且つ充分なシール性が確 保されたものとなる。

【００１６】 開缶時に缶蓋シール３のつまみ片３ｂを上方へ強く引っ張ると接着部が剥離し て容易に開缶する。開缶後は外蓋７を被せて缶の開閉を外蓋７のみで行う。

【００１７】 缶胴１の上端の口部は内外両鍔４．６及び上縁５の円弧面が滑らかな曲面を呈 して一体的に巻曲形成されているために、口部の内外両面共にバリ等の突出した ような危険物は全く生じないので、手で上部をつかんだり、差し入れたりした場 合にも安全性が確保されている。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は上記のように缶胴１の上端の口部が缶胴の内径より内側に膨出した内 鍔とこれに続いて缶胴の外径より外側へ張出した外鍔及び上縁の円弧面とで形成 されているので、従来の缶胴上端縁を単に内側又は外側へ曲げてアールを形成し たものに比べ、シールの貼着面が大巾に広くなってシール性の効果を増大せしめ るとともに、シールを剥離したあとにおいては、缶の内部に対しては滑らかな内 鍔が、また外側に対しては奥深く巻曲した外鍔が張出するように形成されて端縁 （エッジ）が外部に露出するようなことが全くないものであり、従って手で触っ ても怪我をする心配が全くない為、安全性が高く、便利に使用できる。また、構 成が簡単であり、安価に実施できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施した缶容器の全体斜視図である。

【図２】同正面図で、一部は断面で示されている。

【図３】図１におけるＡーＡ線の拡大断面図である。

【図４】従来の缶胴の上端口部の縦断面図である。

【図５】別の従来例を示す缶胴の上端口部の縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 缶胴 ２ 上端口部 ３ 缶蓋シール ４ 内鍔 ５ 上縁（円弧面） ６ 外鍔 ７ 外蓋 ８ 底板 ３ａ 円周部 ３ｂ つまみ片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶胴１の上端口部２にアルミ箔等の缶蓋
   シール３を剥離可能に貼着した缶容器において、缶蓋シ
   ール３の貼着部となる缶胴上端部を、中途より縮径する
   ように折曲げて内側へ膨出した内鍔部４を彎曲形成する
   とともに、その上端を外向きに巻曲して缶胴の外径より
   大きく張り出し且つ上縁５が円弧面となるように外鍔６
   を一体形成し、この外鍔上縁の円弧面に前記缶蓋シール
   ３の周縁部３ａを貼着し、その上から外蓋７を着脱可能
   に嵌設してなることを特徴とする缶容器の口部シール構
   造。