JP3023216B2 - 溶浸型焼結金属製ガスケット及びその製造方法 - Google Patents

溶浸型焼結金属製ガスケット及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶浸型焼結金属製ガスケ
ット、特に、内燃機関のシリンダヘッドガスケットや排
気ガスケットとして有用な焼結金属製ガスケットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、高圧ガスや高圧液などの高圧流
体が流動する部材間の接合面には各種のガスケットが使
用されているが、内燃機関のシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの接合面のように高温高圧にさらされる部分
のシールには金属ガスケットが汎用されている。しか
し、従来の金属ガスケットでは、最近の内燃機関の軽量
化及び高出力化に伴い、シリンダヘッド及びシリンダブ
ロックのアルミニウム合金化が進み、締結ボルトで締結
した際、シリンダヘッドが変形したり歪みを生じるた
め、締結用ボルト間の中間付近或はシリンダボア間の中
間部近傍の空隙が大きくなり、リークが発生する恐れが
あった。また、多気筒エンジンの場合、長手方向の両端
側を多数の締結ボルトで締結するため、ガスケットの両
端側は中間部に比べて面圧が非常に高くなってシール面
全体の面圧が不均一となり、これがガスケットのシール
性を損なうと同時に、ガスケットの薄肉化の障害となっ
ている。
【0003】これらの問題を解決するため、従来におい
ても、締結時に生じるシリンダボア周りのデッキ面の空
隙の不整を補償するため、金属ガスケットのシリンダボ
アを包囲する部位にビードを設け、そのビードの幅若し
くは高さを変えたり、シリンダボアを包囲する部位に補
償材料を挿入することが行われているが、シリンダヘッ
ドをシリンダブロックに締結した際、そのシール面が3
次元的に変形するため、それに合わせて金属を加工しシ
リンダボア周縁部の面圧を均一化することは実用上ほと
んど不可能である。なお、一枚の金属薄板をプレス加工
その他の手段により3次元的構造を持つように加工する
ことは可能であるが、この場合、金属薄板の歪みにより
ガスケット全体の平板性を維持することは困難であり、
締結時に前記歪みに起因してガスケットの局部に応力が
集中して応力割れを生じるという問題があった。
【0004】このため、本発明者は、金属ガスケットに
代わるガスケットとして、特開昭62−192504号
にて、ガスケット素体を焼結金属で形成し、そのガスケ
ット素体に低融点金属を溶浸させる一方、その表面に低
融点金属層を形成させた溶浸型焼結金属製ガスケットを
提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この溶浸型焼結金属ガ
スケットは、クッション性に優れ、相手部材を損傷させ
ることがなく、また、金属ガスケットと同様に熱伝導性
も良いためシリンダヘッドとシリンダブロックとの間の
温度差を少なくすることができるという利点があるが、
肉厚を均一にしたガスケットではシリンダヘッドをシリ
ンダブロックに締結した際に生じるシリンダヘッドの変
形によりシール面のシリンダボア近傍の面圧を均一化で
きず、十分なシール性能を得ることが困難であることが
明らかとなった。
【0006】従って、本発明の目的は、前記問題を解決
し、焼結金属製ガスケットの持つ利点を損なうことな
く、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締結した際
に3次元的に変形するシール面のシリンダボア周縁部の
面圧を均一化できるようにすることを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、鉄、鉄基合金又はニッケル基
合金を主成分とする焼結金属からなる薄板状ガスケット
素体と、該ガスケット素体に形成されたメインボアに装
着されたグロメットとからなり、前記ガスケット素体の
少なくともメインボア周縁部に低融点金属を溶浸させて
なる溶浸型焼結金属製ガスケットにおいて、前記ガスケ
ット素体をその肉厚がその周縁部から所定厚さの中央領
域に向かって漸増し、かつ、メインボア周縁部の肉厚が
均一になるように形成したものである。
【0008】即ち、本発明は、焼結用粉末を成形後若し
くは成形と同時に焼成を行い、低密度の焼成体を得、こ
れをロール圧延若しくはプレス加工により圧縮すると、
焼成体は圧縮方向、即ち、厚さ方向にのみ収縮し、圧縮
の大小により歪みとしてバルク材のような幅方法及び長
さ方向の変形を伴わず、また、焼結体に低融点金属を溶
浸しても、低融点金属はその空孔に染み込むだけで焼結
体の収縮若しくは膨張は殆どおこらないことに着目し、
予め所定のガスケット形状に成形した低密度の焼結体若
しくはシート状の低密度の焼成体を均一な厚さの板状に
圧縮し、これをそのまま若しくは所定のガスケット形状
に打ち抜いた後、コイニングすることにより、予めガス
ケットの表面を締結時それに接する部材、例えば、シリ
ンダヘッド等の変形に追従した3次元構造となし、ボル
トで締結した際、メインボア周縁部の面圧が均一になる
ようにしたものである。
【0009】
【作用】本発明に係るガスケットは、ガスケット素体の
肉厚がその周縁部から所定厚さの中央領域に向かって漸
増し、かつ、メインボア周縁部の肉厚が均一に形成さ
れ、従って、ガスケットのシール面のうち少なくともシ
リンダヘッドなど変形し易い部材に接する面が、締結ボ
ルトで締結した際の部材の変形状態に対応した3次元構
造を有しているため、締結時にガスケットのメインボア
を囲繞する周縁部の面圧が等しくなり、シール性を著し
く向上させる。
【0010】以下、添付の図面を参照して本発明の実施
例について説明する。
【0011】
【実施例】図1は本発明をシリンダヘッドガスケットに
適用した実施例を示し、1は溶浸型焼結金属製ガスケッ
トで、鉄、鉄基合金又はニッケル基合金を主成分とする
焼結金属からなる薄板状ガスケット素体2からなり、こ
のガスケット素体2にはシリンダボアとなるメインボア
3と、そのガスケット素体2の周縁部であってメインボ
ア3の近傍に複数の締結ボルト用ボア4が形成されてい
る。前記メインボア3を囲繞する部位、即ち、メインボ
アの周縁部には低融点金属が溶浸させてあり、メインボ
ア3には鋼その他の材料からなるグロメット5が装着さ
れている。
【0012】ガスケット素体2は、図2及び図3に示さ
れるように、片側表面は平滑であるが、上側表面は、そ
の肉厚がガスケット素体2の周縁部からメインボアのあ
る所定厚さの中央領域に向かって漸増し、かつ、メイン
ボア3の周縁部の肉厚が均一になるように形成されてい
る。従って、ガスケット素体2はそのシール面全体が3
次元構造を有し、シリンダヘッドをシリンダブロックに
締結ボルトで締結した際にメインボア3の周縁部の面圧
が等しくなるように形成されている。また、メインボア
3の周縁部にはコイニングにより該メインボア3を囲繞
する凹所7が形成され、グロメット5をかしめた際、そ
のかしめ部表面5aがガスケット素体2の表面と同一平
面となるようにしてある。なお、図1及び図3に示すよ
うに、ガスケット素体2の表面にメインボア周縁部の凹
所を囲繞する一重又は二重のビード又は凸部6が形成さ
れている。
【0013】前記溶浸型焼結金属製ガスケットは、本発
明によれば、次のようにして製造することができる。即
ち、まず、鉄粉、鉄合金粉末又はニッケル基合金粉末、
例えば、ステンレス鋼(SUS304)粉末を深さ1mm
の方形キャビテイを有するセラミック製の型に充填し、
これを高真空中1150〜1250℃で0.5〜1時間
焼成して、気孔率50〜70%の1mm厚の板状焼結体を
得る。この焼結体をロール圧延、プレス加工などにより
0.8〜0.9mmに圧縮成形して、その表面を緻密化する
と共に厚さを均一化した後、所定のガスケット形状に打
ち抜き加工し、次いでコイニングを行い3次元構造のシ
ール面を有するガスケット素体を得る。
【0014】前記コイニングは金型を用いて行えば良い
が、この金型の上型は、製造するガスケットの表面とは
逆の凹凸を有するキャビテイを有し、このキャビテイ
は、シリンダヘッドをシリンダブロックに締結した際、
ガスケット表面に作用する圧力が均一となるように、キ
ャビテイの深さがその周縁部から中央領域に向かって漸
増し、かつ、締結ボルト用ボア近傍のキャビテイの深さ
が隣合う締結ボルト用ボア間の中間部に向かって漸増す
るような表面を形成するように3次元的構造を持つよう
に形成されている。また、メインボア形成部にはそれよ
り若干大径でグロメットの肉厚に相当する高さの突起が
形成され、その突起を囲繞して100μm深さの凹所が
形成されている。他方、下型のキャビテイは前記上型の
突起に対向してメインボア形成部にそれより若干大径で
グロメットの肉厚に相当する高さの突起が形成されてい
る。
【0015】このようなキャビテイは、例えば、プレス
機の上側可動プレートにシリンダヘッドと同材料で形成
した所定厚さの上プレートを締結ボルトと同径のボルト
で取り付け、上下両可動プレートに実際のシリンダヘッ
ドの締結力と同程度若しくはそれ以上の所定の荷重を加
えてこのプレートを下側可動プレートに取り付けた下プ
レートに押圧すると、エンジンの締結ボルトの取り付け
位置及び数に対応して取り付けられたボルトを介してそ
の取り付け部分に力が加わり、締結力に応じて前記上プ
レートの下プレートへの接触面がシリンダヘッドと同様
に変化するため、その接触面の変形量を基に型取りし、
形成することが可能である。また、前記凸部6は必ずし
も必要ではないが、凸部を形成する場合、上型及び/又
は下型のキャビテイにガスケット素体2のシリンダボア
を囲繞する凸部6に対応する幅、高さの凹所を設ければ
良い。なお、この凸部6は必ずしもその全周にわたって
同じ幅、高さである必要はなく、各種の変形が可能であ
り、また、この凸部6は半円形、山形、台形など任意の
断面形状に形成することができる。
【0016】従って、前記金型を用いてコイニングする
と、ガスケットの上側表面にはシリンダボア周縁部にそ
れを囲繞する均一な高さの凸部6が形成され、その肉厚
が周縁部から一定厚さの中央領域に向かって漸増し、ま
た、締結ボルト用ボア4の周縁部から締結ボルト用ボア
4の中間部に向かって漸増するように形成され、また、
そのメインボア周縁部の肉厚がグロメットの肉厚分だけ
薄くなるように圧縮されてその上下両面に凹所7が形成
されると共に、ガスケットの上側表面には、シリンダボ
ア周縁部にそれを囲繞する均一な高さの凸部6が形成さ
れる。
【0017】ちなみに、前記方法に従って、150〜2
00メッシュの粒度の市販のステンレス鋼粉末で1mm厚
の焼結体を得、これを0.8mmの厚さまでロール圧延し
た処、幅及び圧延方向への変形は認められず、また、こ
の焼結体を所定のガスケット形状に打ち抜き加工した
後、コイニングを行ったところ、ボルト用ボア周縁部の
肉厚0.4mm、ガスケットの中央領域の平均肉厚0.7m
m、凸部の高さ5/100mmで、凹所7の深さ0.2mmの
ガスケット素体が得られた。
【0018】このガスケット素体上に、そのメインボア
3及びボルト用ボア4と同軸に低融点金属製リング、例
えば、銅リングをそれぞれ載せ、高真空中1200℃で
加熱して銅溶浸を行い、メインボア周縁部及びボルト用
ボア周縁部に溶浸部を形成する。次いで、メインボア3
にグロメット5を装着した後、コイニング用金型と同様
のキャビテイ構造を有する金型を用いて仕上げプレスを
行い、ガスケットの表面を締結時のシリンダヘッド等の
部材の変形に追従した3次元構造に仕上げて溶浸型焼結
金属製ガスケットを得る。要すれば、仕上げプレスを行
った後、非溶浸部にシリコンゴムを含浸させた後、両面
に固体潤滑剤として二硫化モリブデンを塗布するように
しても良い。
【0019】前記実施例では、ガスケット素体を形成す
るのに、成形と焼結を同時に行わせる焼成法を採用して
いるが、プレス成形法や粉末圧延法により形成すること
もできる。プレス成形法の場合、例えば、鉄粉、鉄合金
粉末又はニッケル基合金粉末を押型内に充填して、所定
のガスケット形状に加圧成形し、これを非酸化性雰囲気
中500〜800℃で脱ロウした後、非酸化性雰囲気中
1100〜1300℃で焼成して低密度の焼結体を得、
該焼結体を再度加圧成形した後、その肉厚がその周縁部
から所定厚さの中央領域に向かって漸増し、かつ、メイ
ンボア周縁部の肉厚が均一になるようにコイニングを行
えば良い。
【0020】また、粉末圧延法の場合、鉄粉、鉄合金粉
末又はニッケル基合金粉末を圧延ロールで圧延して、そ
のまま焼結炉で予備焼結あるいは更に焼結させて連続的
に低密度の薄板状予備焼結体又は焼結体を得、これを所
定のガスケット形状に打ち抜き加工し、次いでその肉厚
がその周縁部から所定厚さの中央領域に向かって漸増
し、かつ、メインボア周縁部の肉厚が均一になるように
コイニングを行えば良い。プレス成形法及び粉末圧延法
では、相対密度が55〜95%の焼結体を得ることが可
能であるが、密度が高くなると、コイニングによる加工
が困難となるため、55〜70%前後のものを使用する
のが好ましい。
【0021】前記実施例では、原料粉末がステンレス鋼
であるため焼結を高真空中で行うようにしているが、水
素若しくは分解アンモニアガス中で行っても良く、ま
た、原料粉末がステンレス鋼以外の材料、例えば、Fe
−C、Fe−Cu、Fe−Niなどの他の鉄系材料であ
る場合には、これら以外に、アルゴンガス、窒素ガスそ
の他公知の任意の非酸化性雰囲気を使用しても良い。仮
焼温度および焼成温度は、焼結体の原料の種類により異
なるが、鉄の場合、通常、仮焼を400℃以上の温度
で、焼結を1000〜1300℃の温度で行えば良い。
【0022】更に、前記実施例では低融点金属を局部的
に溶浸させているが、全体的に溶浸を行うようにしても
良い。これに用いる低融点金属としては、シリンダヘッ
ドおよびシリンダブロックの材質にもよるが、通常、ガ
スケット本体を形成する焼結金属よりも低融点の銅、
鉛、亜鉛、錫、アルミニウムおよびそれらの合金が好適
である。
【0023】締結用ボルトの数が少なく総締結力が小さ
い場合に、締結用ボルトの数が多い場合と同等のシール
性を持たせるために、前記実施例では、シリンダボア3
の近傍に該シリンダボア3を囲繞する凸部6を設けてい
るが、この凸部は必ずしも必要ではない。また、前記凸
部はボルトでシリンダヘッドをシリンダブロックに締結
した際、圧力が弱くなる部分からのリークを防止するた
め、圧力が弱くなる部分、即ち、締結ボルト用ボア間の
中央部の凸部の高さを締結ボルト用ボア近傍の凸部6よ
りも高くするか、その幅を広くするようにしても良い。
【0024】前記実施例では本発明をヘッドガスケット
に適用した場合について説明したが、本発明はこれのみ
に限定されるものではなく、排気ガスケットその他の用
途のガスケットに適用し得ることは言うまでもない。
【0025】また、ガスケット素体にグロメットを装着
しているが、このグロメットは必ずしも必要ではなく、
また、グロメットの代わりに、ガスケット素体と同形状
を有し、かつ、メインボアの端縁を上方に略直角に折り
曲げた金属板をガスケット素体の下側に装着し、前記端
縁部をかしめてガスケット素体と一体化するようにして
も良い。
【0026】更に、グロメットを装着する場合、ガスケ
ット素体にはそのボア周縁部にグロメットの屈曲部が収
まるリング状の凹所が形成されるが、その凹所を包囲す
る部位にのみ前記低融点金属を溶浸させるようにしても
良く、またその溶浸部以外の他の部位に、該溶浸部に溶
浸された金属よりも低融点の第2の金属を溶浸させるよ
うにしても良い。このようにすると、ガスケット本体の
熱伝導率を向上させると同時に、その熱膨張率をシリン
ダヘッドの材料の熱膨張率に近付け、応力歪みを低減さ
せることが可能となる。この場合、凹所の底部若しくは
該凹所の底部とそれを包囲する部位には銅を溶浸し、他
の部位には鉛、亜鉛、錫、アルミニウムおよびそれらの
合金を溶浸するのが好適である。
【0027】また、冷却水用ボア及び潤滑油用ボアに
は、銅若しくは銅合金製の軟質グロメットやシリコンゴ
ムその他の耐熱性弾性材料からなる耐熱性シール部材を
嵌着するようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、溶浸型
焼結金属製ガスケットのガスケット素体の少なくとも片
側表面をその肉厚がその周縁部から所定厚さの中央領域
に向かって漸増し、かつ、締結ボルト用ボア近傍の肉厚
が隣合う締結ボルト用ボア間の中間部に向かって漸増す
るように形成しているので、締結時にガスケットのメイ
ンボアを囲繞する周縁部の面圧を等しくできる、また、
焼結体が圧縮方向、即ち、厚さ方向にのみ収縮し、バル
ク材のように圧縮の大小に拘わらず横方向に変形しない
ので、従来の金属ガスケットでは不可能であったガスケ
ットの薄肉化を再圧縮成形によって図ることができ、し
かも、クッション性、シール性、耐久性および耐熱性に
優れたガスケットを安価に製造できるなど優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をシリンダヘッドガスケットに適用し
た実施例を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線に於ける断面図である。
【図3】 図1のB−B線に於ける断面図である。
【符号の説明】
1:溶浸型焼結金属製ガスケット 2:ガスケット素体 3:シリンダボア(メインボア) 4:締結ボルト用ボア 5:グロメット 6:凸部。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄、鉄基合金又はニッケル基合金を主成
    分とする焼結金属からなる薄板状ガスケット素体と、該
    ガスケット素体に形成されたメインボアに装着されたグ
    ロメットとからなり、前記ガスケット素体の少なくとも
    メインボア周縁部に低融点金属を溶浸させてなる溶浸型
    焼結金属製ガスケットにおいて、前記ガスケット素体を
    その肉厚がその周縁部から所定厚さの中央領域に向かっ
    て漸増し、かつ、メインボア周縁部の肉厚が均一になる
    ように形成してなることを特徴とする溶浸型焼結金属製
    ガスケット。
  2. 【請求項2】 前記メインボアの周縁部にそれを囲繞す
    る凸部を形成してなる請求項1に記載のガスケット。
  3. 【請求項3】 前記低融点金属が銅、鉛、亜鉛、錫、ア
    ルミニウムおよびそれらの合金からなる群から選ばれた
    少なくとも一種の金属であることを特徴とする請求項1
    に記載のガスケット。
  4. 【請求項4】 鉄粉、鉄合金粉末又はニッケル基合金粉
    末を型内に充填し、これを非酸化性雰囲気中で焼成して
    低密度の板状焼結体を得、ロール圧延してその厚さを均
    一化した後、所定のガスケット形状に打ち抜き加工し、
    次いでその肉厚がその周縁部から所定厚さの中央領域に
    向かって漸増し、かつ、メインボア周縁部の肉厚が均一
    になるようにコイニングを行うことを特徴とする溶浸型
    焼結金属製ガスケットの製造方法。
  5. 【請求項5】 鉄粉、鉄合金粉末又はニッケル基合金粉
    末を押型内に充填して、所定のガスケット形状に加圧成
    形し、これを、脱ロウ後、非酸化性雰囲気中で焼成して
    低密度の焼結体を得、該焼結体を再度加圧成形した後、
    その肉厚がその周縁部から所定厚さの中央領域に向かっ
    て漸増し、かつ、メインボア周縁部の肉厚が均一になる
    ようにコイニングを行うことを特徴とする溶浸型焼結金
    属製ガスケットの製造方法。
  6. 【請求項6】 鉄粉、鉄合金粉末又はニッケル基合金粉
    末を圧延ロールで圧延し、そのまま焼結して連続的に低
    密度の薄板状焼結体を得、これを所定のガスケット形状
    に打ち抜き加工し、次いでその肉厚がその周縁部から所
    定厚さの中央領域に向かって漸増し、かつ、メインボア
    周縁部の肉厚が均一になるようにコイニングを行うこと
    を特徴とする溶浸型焼結金属製ガスケットの製造方法。
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