JP3022771B2 - 筒形電池用ケースの製造方法 - Google Patents

筒形電池用ケースの製造方法

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JP3022771B2
JP3022771B2 JP8128390A JP12839096A JP3022771B2 JP 3022771 B2 JP3022771 B2 JP 3022771B2 JP 8128390 A JP8128390 A JP 8128390A JP 12839096 A JP12839096 A JP 12839096A JP 3022771 B2 JP3022771 B2 JP 3022771B2
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清英 筒井
彰英 泉
博 橋野
尚希 宮坂
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富士電気化学株式会社
第一金属工業株式会社
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極と負極と電解
液とからなる発電要素を内填する筒形電池用金属ケー
製造方法に関するもので、より具体的には開口部と胴
部の肉厚を変えてなる電池用金属ケースの製造法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、開口部と胴部の肉厚を変えてなる
電池用金属ケースとしては特公平7ー99686号に係
るものが公知となっている。この公知のものは所望とす
る缶外径よりも大径で浅いニッケルメッキを施した鉄製
カップを素材として準備し、これを順次絞り、しごき外
径が小さくなるように同軸上に多段配置された複数個の
しごきダイスに供給し、最終段の絞りしごき径を所望と
する缶外径としたダイスにパンチで加圧して連続的に通
過させることで電池用ケースを得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
知の電池用ケースではその胴部の肉厚が基材の厚さに対
して底部から開口部にかけて漸次減少したものとなるた
め、このケースを用いて電池を形成した場合、開口部の
肉厚が比較的薄いため電池内部にガスが発生した場合の
封口部の耐圧性を充分に確保することができないと言っ
た問題があった。
【0004】また、上記公知の方法で形成した電池ケー
スの場合には、その胴部内面の粗度は1μm〜2μmと
鏡面化しており、胴部内面と正極合剤との接触抵抗が増
し、電池特性低下の原因となるといった問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は上記のような従来
の問題点を解決し、封口部の耐圧性に優れた電池用ケー
スの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】また、本発明の第2の目的は胴部内面の粗
度が比較的大きく、胴部内面と正極合剤との接触抵抗を
小さくして電池特性を向上させることのできる電池ケー
の製造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、ニッケルメッキ又はニッケル合金メッ
キを施した冷間圧延鋼板基材(1)を第1のダイス
(2)の上面に設置すると共に該ダイスの内面との間に
該基材の板厚の1.2〜1.5倍のクリアランスを形成
する第1のポンチ(3)を用いて該基材を絞り加工する
ことによって該基材の開口部の板厚を該基材の厚さを越
える板厚に応力変形させて中間ケース(1a)を形成
し、次いで該中間ケースを該板厚より小さなクリアラン
スを有する第2のダイス(4)と第2のポンチ(6)を
用いて該中間ケースの内周面をブランクホルダー(5)
で押さえながら該中間ケースを絞りしごき加工すること
により、金属ケースの開口部(A)の厚さが該基材の厚
さを越えて該基材の厚さの120%以下の範囲内にあ
り、該金属ケース(7)の胴部の厚さが該基材の厚さの
60〜100%の範囲内にある筒形電池用ケース(7)
の製造方法を提供した。
【0008】これにより、本発明では比較的肉薄の基材
を用いて、優れた封口性、液密性及び正極合剤との接触
抵抗の小さい電池用金属ケースを得ることができるので
ある。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の筒形電池用ケース
の製造方法について添付の図1を参照にして説明する。
【0014】図1(a)において参照番号1は本発明に
係る電池用金属ケースを形成するための鋼板基材を示し
ている。この鋼板基材は両面にニッケルメッキ又はNi
−Co,Ni−Ag等のニッケル合金メッキが施された
もので、この例ではそのメッキが施された鋼板基材1の
厚さは0.25mmとなっている。この鋼板基材1は直
径が約60mmの平面円形のブランクとして第1のダイ
ス2の上面に載置され、その上方にはポンチ3が位置し
ている。このポンチ3の外径と第1のダイス2の内径と
の間には鋼板基材1の肉厚の1.2〜1.5倍のクリア
ランスが形成されるような寸法関係になっている。
【0015】図1(a)の状態から第1のポンチを3を
下降して図1(b)に示すように鋼板基材1を第1のダ
イス2によって絞り加工して中間絞りケース1aを得
る。この絞り加工時に鋼板基材1の外縁部Aは第1のダ
イスの上方内周端によって圧縮応力が働き肉厚が3%か
ら20%増大するようになる。
【0016】次に、上記のように形成された中間絞りケ
ース1aを、図1(c)に示すように、第2のダイス4
上に設置し、中間絞りケースの内周面をブランクホルダ
ー5で押さえ、第2のポンチ6によってケースの胴部を
絞りしごき込み、電池ケース7を得る。この場合、第2
のダイス4の内径と第2のポンチ6の外径との間のクリ
アランスは基材1の肉厚よりも小さく設定してあり、こ
れにより電池ケースの胴部となる部分のみが絞りしごき
込まれる。この時、胴部の肉厚は上記クリアランスを調
節することによって変えることができるが、胴部の肉厚
が基材60%未満となると、正極合剤の挿入時や、封口
部をカシメ付ける加工工程において膨らみや変形が生じ
て強度面で問題が生じるので、その肉厚は基材の60%
以上とする必要がある。一方、電池の放電性能の面を考
慮した場合、缶胴部の肉厚を薄くすることは正極活物質
量を増加できる利点がある。しかし、実際の放電におい
ては缶胴部の肉厚が基材の肉厚に対して85%以下で顕
著な効果が得られた。従って、缶胴部の肉厚は基材の肉
厚に対して60〜85%が好ましい。
【0017】次に、図1(d)に示すように、電池ケー
ス7の開口部を第3のダイス9の開口部内に設置し、第
3のポンチ9によって電池ケースの開口部を拡開する。
【0018】上記のようにして形成した金属ケースは最
終的には後工程でその上端開口部の図1(b)の符号A
で示す肉厚部より上方の逆「ハ」の字状の端部を内方か
ら外方に向けて水平に切除して電池ケースとして使用す
るのである。
【0019】尚、図1(c)では中間絞りケースの内周
面をブランクホルダー5で押さえる部分を説明の都合上
拡大した段部として示したが、実際はこの段部は径方向
に1mm程度拡開するものであって、この段部の上方部
が電池ケースの開口部となり封口時には径方向内側に絞
られて段部下方の胴部と同一の径となるのである。
【0020】本発明の上記方法では、鋼板基材の絞り加
工により中間絞りケース1aを形成する際に、電池ケー
スの開口端部となる部分が圧縮応力を受けて基材の肉厚
よりも大きくなるが、このケース開口端部の肉厚と電池
の封口耐圧との関係を図2に示している。尚、図2には
電池ケースの開口端部の肉厚が基材の肉厚と等しい時の
封口強度を100とした指数で示している。
【0021】この図2から明らかなように、本発明で作
成した電池ケースでは開口端部の肉厚が基材の肉厚の1
00%を越え120%程度となっているので、従来のよ
うに開口端部の肉厚が基材の肉厚の100%以下のもの
と比べて封口部における耐圧性の向上が顕著であること
がわかる。ここで、肉厚が110%を越えているもので
は封口強度の変化がほとんどないが、これはむしろ負極
端子板の変形によるものと考えられる。
【0022】尚、この封口強度の測定にあたっては、正
極電池ケース内に正極合剤、負極活物質、セパレータ及
び電解液を充填しない空の状態として、正極電池ケース
の開口端部をガスケットを介して負極端子板にカシメ付
けたものを準備し、正極電池ケースの他方の端部に小孔
を穿設してそこから加圧ガスを供給して電池開口部が破
壊する圧力を求めたのである。
【0023】また、本発明の上記方法では鋼板基材1の
絞り加工による中間絞りケース1aを形成する工程と、
中間絞りケースの胴部を絞りしごき込む工程とに分けて
電池用金属ケースを形成しているので、同軸上に多段配
置された複数のしごきダイスで加工された金属ケースま
でを連続的にしごき加工する方法に比べて加工硬化を減
少させることができる。
【0024】ケース開口部の加工硬化によるビッカース
硬度の増大と電池の軸方向高さ寸法の変化率との関係を
図3(a)に示す。この電池の軸方向の高さ寸法は図3
(b)で示す寸法Lのことである。この図3(a)から
明らかなように、加工硬化によってビッカース硬度が2
00kg/m2 を越えると電池用金属缶の開口端部がス
プリングバックによって加工前の状態に復帰しようとす
る傾向が強くなり、電池の封口強度の低下が予想され好
ましくない。
【0025】本発明では、上記のように電池用金属ケー
スを数工程に分けて形成しているため、電池ケース開口
部の絞り加工による加工硬化を抑えて、その開口部の硬
度を基材のビッカース硬度である約100kg/m2
らビッカース硬度200kg/m2 の範囲内に維持する
ことができる。
【0026】また、本発明の方法では、特に図1(c)
に示すように、ブランクホルダー5を使用して中間絞り
ケース1aの絞りしごき加工を引っ張りながら同時に行
いケース胴部を薄く加工するために、従来例で述べた公
知の方法と比べてケースの内面の表面粗度(1μm〜2
μm未満)より大きな表面粗度(2μm〜10μm)を
得ることができる。尚、ここで表面粗度はJIS B
0601ー1982で行い、表面粗さは触針法の測定器
で行い、表面粗さの表示はRmax 、Rz で行った。
【0027】図4は電池ケースの開口部並びに胴部の内
面粗度がそれぞれ正極側からの電解液の漏液率及び定電
流放電時間に及ぼす影響について測定した結果を示して
いる。この図4から胴部の表面粗度が大きいと放電時間
が長くなっている。これは電池ケース内面と正極合剤と
の接触抵抗の低減によっているものと考えられ、胴部の
表面粗度は4μm以上が好ましいことがわかる。また、
開口部はできるだけ表面粗度が小さい方がガスケットと
の密着性が良く漏液率が低くて好ましく、具体的には2
μm以下とすることである。
【0028】本発明では、上記のように中間絞りケース
1aの絞りしごき加工を引っ張りながら同時に行う際
に、加工条件を変えることによって胴部の内面粗度を例
えば4μm以上となるようにすることは容易である。ま
た、電池ケースの開口部は図1(b)に示すように、鋼
板基材1の外面がダイス2の内周上端によって絞られて
その肉厚が増し、その内面は図1(d)に示すようにポ
ンチ8とダイス9により開口部を拡開することにより、
表面粗度は2μm以下とすることが容易である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の筒形電池用
金属ケースの製造方法では、金属ケースの開口部の厚さ
が基材の厚さを越えてこの基材の厚さの120%以下の
範囲内に形成されるため、大きな封口強度を得ることが
でき、或いは従来よりも薄い基材を用いることによって
従来同様の封口強度を得ることができ、基材のコストダ
ウンを図ることが可能である。また、金属ケースの胴部
の厚さが基材の厚さの60〜100%の範囲内に形成さ
れるため、正極合剤の挿入時や、封口部をカシメ付ける
加工工程において膨らみや変形が生じる恐れがない。ま
本発明の方法では金属ケースの開口部のビッカース硬
100〜200kg/mの範囲内に維持すること
ができるため、電池用金属缶の開口端部のスプリングバ
ックがほとんどなく、好適な電池の封口強度を維持する
ことができる。
【0030】また、本発明の方法では、金属ケースの開
口部の内面粗度(R)を胴部の内面粗度(R)以下
とし、開口部の内面粗度(R)をJIS B 060
1による最大高さ(Rmax)の表示で2μm以下とするこ
とができるので、電池用金属ケースの開口部では充分な
液密性が得られる一方、胴部では正極合剤との接触抵抗
が従来より低減して電池性能を向上させることができ
る。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒形電池用ケースの製造方法を工程順
に示し、(a)は鋼板基材を第1のダイスとポンチで加
工する前の状態を示し、(b)は中間絞りケースを形成
する工程を示し、(c)は電池用ケースの胴部を絞りし
ごき加工している状態を示し、(d)は電池用ケースの
開口部を拡開加工している状態を示す図である。
【図2】ケース開口端部の肉厚と電池の封口耐圧との関
係を示す図である。
【図3】ビッカース硬度の増大と電池の軸方向高さ寸法
の変化率との関係を示す図で、(a)はそのグラフ、
(b)は電池の軸方向高さ寸法を示す図である。
【図4】電池ケースの開口部並びに胴部の内面粗度がそ
れぞれ正極側からの電解液の漏液率及び定電流放電時間
に及ぼす影響について測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼板基材 2 第1のダイス 3 第1のポンチ 4 第2のダイス 5 ブランクホルダー 6 第2のポンチ 7 電池ケース A 肉厚な鋼板基材の外縁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋野 博 神奈川県横浜市中区かもめ町41番地 第 一金属工業株式会社内 (72)発明者 宮坂 尚希 神奈川県横浜市中区かもめ町41番地 第 一金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−27828(JP,A) 特開 昭60−180058(JP,A) 特開 平5−89861(JP,A) 特開 平5−114389(JP,A) 特開 平4−296444(JP,A) 特開 平5−162733(JP,A) 実開 平2−150660(JP,U) 実開 昭62−109349(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/02 B21D 51/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルメッキ又はニッケル合金メッキ
    を施した冷間圧延鋼板基材(1)を第1のダイス(2)
    の上面に設置すると共に該ダイスの内面との間に該基材
    の板厚の1.2〜1.5倍のクリアランスを形成する第
    1のポンチ(3)を用いて該基材を絞り加工することに
    よって該基材の開口部の板厚を該基材の厚さを越える板
    厚に応力変形させて中間ケース(1a)を形成し、次い
    で該中間ケースを該板厚より小さなクリアランスを有す
    る第2のダイス(4)と第2のポンチ(6)を用いて該
    中間ケースの内周面をブランクホルダー(5)で押さえ
    ながら該中間ケースを絞りしごき加工することにより、
    金属ケースの開口部(A)の厚さが該基材の厚さを越え
    て該基材の厚さの120%以下の範囲内にあり、該金属
    ケース(7)の胴部の厚さが該基材の厚さの60〜10
    0%の範囲内にある筒形電池用ケース(7)の製造方
    法。
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JP4064642B2 (ja) * 2000-04-28 2008-03-19 松下電器産業株式会社 電池缶の製造方法
JP4798955B2 (ja) * 2004-02-13 2011-10-19 東洋鋼鈑株式会社 電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器、およびその電池容器を用いた電池
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