JP3022732B2 - 円筒形アルカリ電池の組立ラインにおける蓋組立部品の姿勢反転供給機構 - Google Patents

円筒形アルカリ電池の組立ラインにおける蓋組立部品の姿勢反転供給機構

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JP3022732B2
JP3022732B2 JP6200678A JP20067894A JP3022732B2 JP 3022732 B2 JP3022732 B2 JP 3022732B2 JP 6200678 A JP6200678 A JP 6200678A JP 20067894 A JP20067894 A JP 20067894A JP 3022732 B2 JP3022732 B2 JP 3022732B2
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昌彦 足立
宏之 前野
幸由 大屋
豊春 大森
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富士電気化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、封口ガスケット付き
の円盤形の金属製端子板の片面中央に細長い集電棒を垂
直に取り付けた円筒形アルカリ電池の蓋組立部品につい
て、送路上に前記端子板が載って前記集電棒が上を向い
た姿勢で搬送されてくる前記蓋組立部品の姿勢を上下反
転させて供給する機構、すなわち円筒形アルカリ電池の
組立ラインにおける蓋組立部品の姿勢反転供給機構に関
する。
【0002】
【従来の技術】円筒形アルカリ電池の組立ラインにおけ
る蓋組立部品の姿勢反転供給機構の従来の代表的な例を
図1に示している。蓋組立部品1は、封口ガスケット付
きの円盤形の金属製端子板1aの片面中央に細長い集電
棒1bを垂直に取り付けたものである。以下ではこの部
品をワーク1と称する。図示していないが、振動式パー
ツフィーダによって多数のワーク1が集電棒1bを上に
した上向きの姿勢に整列されて溝状の送路を矢印方向に
搬送されてくる。この従来例の姿勢反転供給機構は、3
本のワイヤー2a、2b、2cからなるツイストシュー
トを主体とするものである。1本のワイヤー2aでワー
ク1の端子板1aの外面中央を押え、2本のワイヤー2
bと2cで集電棒1bの根元部分を押えることで、ワー
ク1を安定に支持しつつ整列搬送を行うようになってい
る。ワイヤー2a、2b、2cからなるシュートは中間
部分で180度捩られており、ここを通って左から右へ
と整列移送されるワーク1の姿勢が上向きから下向きに
反転される。この姿勢反転がスムーズに行われるよう
に、ワイヤー2a、2b、2cからなるシュートの中間
部分においてワーク1に向けてエアーを吹き付けるエア
ーノズル3a、3bを設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の機構は、
エアーノズル3a、3bからのエアーの吹き付けがワー
ク1の姿勢反転の助力となるものの、ほとんどがワーク
1の整列搬送力(後ろから押してくる力)に頼った機構
である。そのためスムーズな姿勢反転の動作を実現する
ことが非常に困難で、試行錯誤しながらワイヤー2a、
2b、2cの曲り具合を微妙に調整したり、ノズル3
a、3bによるエアーの吹き付け力や方向を微妙に調整
して、ようやく姿勢反転の動作を可能にしているのが実
情である。このような現場合せ的な調整に頼った機構で
は、その動作の再現性がきわめて悪くて不便である。そ
れよりも重大な欠点は、もっぱらワーク1の押し力に依
存した姿勢反転供給機構なので、大量のワーク1を高速
に処理することができないとともに、ワーク1を傷つけ
やすいということである。
【0004】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、現場合せ的な微妙な調整を
行うことなく確実にワークの姿勢を反転することがで
き、かつ処理速度を高くでき、ワークを傷つけにくくし
た円筒形アルカリ電池の組立ラインにおける蓋組立部品
の姿勢反転供給機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、外周面に
前記端子板を磁気吸着するマグネットローラーと、この
マグネットローラーの回転軸をほぼ水平に保持してこれ
を所定方向に所定速度で回転させる駆動機構と、前記マ
グネットローラーの外周に固定設置され、前記マグネッ
トローラーの一端部の外周最上部から他端部の外周最下
部までにわたって半周分の螺旋形状のガイド溝を形成す
るガイド部材とを備え、前記送路上を搬送されてくる上
向きの前記蓋組立部品が前記ガイド溝の最上部の入口端
に送り込まれて前記マグネットローラーに吸着され、前
記マグネットローラーの回転に伴って前記蓋組立部品が
磁気吸着状態のまま前記マグネットローラーの外周面を
滑りつつ前記ガイド溝によって規制されてその最下部の
出口端に向かって移動し、前記出口端では前記蓋組立部
品は下向きの姿勢で別の送路に送り出されるように構成
した。
【0006】この構成において、前記マグネットローラ
ーの外周には表面の摩擦が小さい非磁性材料からなるカ
バーを被覆装着することが好ましい。前記カバーの表面
は低摩擦のコーティング面にすればさらに好ましい。ま
た前記マグネットローラーは、その外周面に多数のSN
極が軸方向に配列されたものとしたり、多数のSN極が
周方向に配列されたものとしたり、多数のSN極がスパ
イラル状に配列されたものとしたり、多数のSN極が碁
盤目状に配列されものなど、多極着磁されたものを使用
する。
【0007】
【作用】前記蓋組立部品(ワーク)の端子板がマグネッ
トローラーに吸着されて強制的に回転されると、ワーク
は螺旋状の前記ガイド溝によって規制されているので、
ガイド溝のリードに沿って前進しながら回転することと
なり、半周回転したところでワークの姿勢が上下反転
し、その状態でガイド溝の出口端から別の送路に押出さ
れる。マグネットローラーの外周に低摩擦のカバーを付
けたり、カバー表面をコーティングして低摩擦にするこ
とで、ワークがマグネットローラーに吸着された状態で
スムーズに滑動する。また、前記のように多極着磁され
たマグネットローラーを使用することで、ワークが当該
ローラ上を滑動する際に、位置による吸着力の変化を少
なくすることができ、ワークの滑動がスムーズになる。
【0008】
【実施例】この発明の一実施例による姿勢反転供給機構
を図2、図3、図4に示している。円筒形のマグネット
ローラー7の中心に回転軸4が一体的に取り付けられて
いる。回転軸4はベアリング5を介して固定部材6に水
平に設置され、回転自在である。回転軸4の一端突出部
分にはタイミングプーリー8が固定されており、モータ
ー9のタイミングプーリー10との間にタイミングベル
ト11が掛け渡され、マグネットローラー7はモーター
9により所定速度で回転駆動される。
【0009】マグネットローラー7の外周には僅かな隙
間を保って円筒形ガイド部材12が同心に配置されて固
定部材6に固着されている。円筒形ガイド部材12に
は、ワーク1の端子板1aが緩くはまり込む寸法のスリ
ット状のガイド溝12aが形成されている。ガイド溝1
2aは、マグネットローラー7の一端部の外周最上部A
から他端部の外周最下部Bまでにわたって半周分の螺旋
形状に形成されている。Aがガイド溝12aの入口端で
あり、Bが出口端である。円筒形ガイド部材12の外周
を覆うように円筒形の落下防止カバー13が取り付けら
れている。落下防止カバー13には前記ガイド溝12a
より幅が狭いガイド溝13aがガイド溝12aと一致す
る位置に形成されている。この幅の狭いガイド溝13a
からはワーク1の集電棒1bが突出するが、端子板1a
は通らない寸法で、そのためワーク1がマグネットロー
ラー7から外れても、ワーク1は落下しない。
【0010】図示していないが、振動式パーツフィーダ
から送り出されて送路上を整列搬送されてくる上向きの
ワーク1が、前記ガイド溝12aの最上部の入口端Aに
送り込まれてマグネットローラー7に吸着される。マグ
ネットローラー7はモーター9によって回転されてい
る。したがって、マグネットローラー7の回転に伴って
ワーク1が磁気吸着状態のままローラー7の外周面を滑
りつつガイド溝12a内を通ってその最下部の出口端B
に向かって移動する。出口端Bではワーク1は下向きの
姿勢で別の送路14に送り出される。この出口端Bにつ
ながる送路14はワーク1の集電棒1bが緩く通る溝が
あり、下向き姿勢に整列されたワークが送路14上を移
動する。
【0011】この構成において、マグネットローラー7
の外周には表面の摩擦が小さい非磁性材料からなるカバ
ーを被覆装着することが好ましい。前記カバーの表面は
低摩擦のコーティング面にすればさらに好ましい。そう
すればワーク1がマグネットローラー7に吸着された状
態でスムーズに滑動する。
【0012】またマグネットローラー7は、図5(a)
のようにその外周面に多数のSN極が軸方向に配列され
たものとしたり、図5(b)のように多数のSN極が周
方向に配列されたものとしたり、図5(c)のように多
数のSN極がスパイラル状に配列されたものとしたり、
図5(d)のように多数のSN極が碁盤目状に配列され
ものなど、多極着磁されたものを使用する。そうすれば
ワーク1がマグネットローラ7上を滑動する際に、位置
による吸着力の変化を少なくすることができ、ワーク1
の滑動がスムーズになる。
【0013】
【発明の効果】この発明では、蓋組立部品(ワーク)の
端子板がマグネットローラーに吸着されて強制的に回転
されると、ワークは螺旋状の前記ガイド溝によって規制
されているので、ガイド溝のリードに沿って前進しなが
ら回転することとなり、半周回転したところでワークの
姿勢が上下反転し、その状態でガイド溝の出口端から別
の送路に押出される。つまり、ごく小さなワークの整列
搬送力に頼ってワークの上下反転を行うのではなく、モ
ーターにより回転駆動されるマグネットローラーにワー
クを磁気吸着させ、ローラーの回転力によってワークの
姿勢を反転させるので、充分に強力な力で高速に多量の
ワークを処理することができる。また、強力な回転力で
ワークの姿勢を反転するので、従来のもののように現場
合せ的な微妙な調整は必要なく、安定な動作を再現性よ
く実現することができる。また、マグネットローラーの
外周に低摩擦のカバーを付けたり、カバー表面をコーテ
ィングして低摩擦にすることで、ワークがマグネットロ
ーラーに吸着された状態でスムーズに滑動する。また、
前記のように多極着磁されたマグネットローラーを使用
することで、ワークが当該ローラ上を滑動する際に、位
置による吸着力の変化を少なくすることができ、ワーク
の滑動がスムーズになる。ワークの滑動がスムーズであ
れば、ワークを傷つけることがほとんど無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の姿勢反転供給機構の概略構成図である。
【図2】この発明の一実施例による姿勢反転供給機構の
部分断面正面図である。
【図3】同上実施例機構の平面図である。
【図4】同上実施例機構の側面図である。
【図5】同上実施例におけるマグネットローラーの多極
着磁の四つの例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 蓋組立部品(ワーク) 1a 端子板 1b 集電棒 4 回転軸 5 ベアリング 6 固定部材 7 マグネットローラー 9 モーター 11 タイミングベルト 12 円筒形ガイド部材 12a ガイド溝 A 入口端 B 出口端 13 落下防止カバー 14 送路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 豊春 静岡県湖西市鷲津614番地 株式会社エ フ・ディー・ケイエンジニアリング内 (56)参考文献 実開 昭62−68916(JP,U) 実開 昭61−285653(JP,U) 実開 昭58−71017(JP,U) 特公 昭46−11289(JP,B1) 特公 昭48−10094(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/02,2/04,6/02 B65G 47/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 封口ガスケット付きの円盤形の金属製端
    子板の片面中央に細長い集電棒を垂直に取り付けた円筒
    形アルカリ電池の蓋組立部品について、送路上に前記端
    子板が載って前記集電棒が上を向いた姿勢で搬送されて
    くる前記蓋組立部品の姿勢を上下反転させて供給する機
    構であって、 外周面に前記端子板を磁気吸着するマグネットローラー
    と、このマグネットローラーの回転軸をほぼ水平に保持
    してこれを所定方向に所定速度で回転させる駆動機構
    と、前記マグネットローラーの外周に固定設置され、前
    記マグネットローラーの一端部の外周最上部から他端部
    の外周最下部までにわたって半周分の螺旋形状のガイド
    溝を形成するガイド部材とを備え、 前記送路上を搬送されてくる上向きの前記蓋組立部品が
    前記ガイド溝の最上部の入口端に送り込まれて前記マグ
    ネットローラーに吸着され、前記マグネットローラーの
    回転に伴って前記蓋組立部品が磁気吸着状態のまま前記
    マグネットローラーの外周面を滑りつつ前記ガイド溝
    よって規制されてその最下部の出口端に向かって移動
    し、前記出口端では前記蓋組立部品は下向きの姿勢で別
    の送路に送り出されることを特徴とする円筒形アルカリ
    電池の組立ラインにおける蓋組立部品の姿勢反転供給機
    構。
  2. 【請求項2】 請求項1における前記マグネットローラ
    ーの外周には表面の摩擦が小さい非磁性材料からなるカ
    バーが被覆装着されていることを特徴とする円筒形アル
    カリ電池の組立ラインにおける蓋組立部品の姿勢反転供
    給機構。
  3. 【請求項3】 請求項2における前記カバーの表面は低
    摩擦のコーティング面になっていることを特徴とする円
    筒形アルカリ電池の組立ラインにおける蓋組立部品の姿
    勢反転供給機構。
  4. 【請求項4】 請求項1における前記マグネットローラ
    ーは、その外周面に多数のSN極が軸方向に配列されて
    いることを特徴とする円筒形アルカリ電池の組立ライン
    における蓋組立部品の姿勢反転供給機構。
  5. 【請求項5】 請求項1における前記マグネットローラ
    ーは、その外周面に多数のSN極が周方向に配列されて
    いることを特徴とする円筒形アルカリ電池の組立ライン
    における蓋組立部品の姿勢反転供給機構。
  6. 【請求項6】 請求項1における前記マグネットローラ
    ーは、その外周面に多数のSN極がスパイラル状に配列
    されていることを特徴とする円筒形アルカリ電池の組立
    ラインにおける蓋組立部品の姿勢反転供給機構。
  7. 【請求項7】 請求項1における前記マグネットローラ
    ーは、その外周面に多数のSN極が碁盤目状に配列され
    ていることを特徴とする円筒形アルカリ電池の組立ライ
    ンにおける蓋組立部品の姿勢反転供給機構。
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