JP3022517U - 飲料液体抽出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一台の抽出装置によって、コーヒー挽豆から
コーヒーの抽出，種々の茶葉類から異なった種類の茶系
飲料の抽出等、少なくとも２以上の抽出条件の異なる飲
料液体を抽出可能とした抽出装置を提供すること。 【解決手段】 抽出タンク１の中心部に回転および昇降
自在に支持された有底中空の垂直回転軸２の下端に、水
平方向に羽根支持アーム３を取り付けると共に、その上
方に適当な距離ｓを置いてスプレーパイプ４を同じく水
平方向に取り付け、前記羽根支持アーム３には、攪拌兼
均し羽根３ａが一方向にのみ揺動可能に取り付けられ、
前記スプレーパイプ４は、下向きに複数個のシャワーノ
ズル４ａを備え、その基端部は中空の垂直回転軸２を経
てロータリージョイントＡを介して熱水供給口５に連通
させてなる飲料液体抽出装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、コーヒー豆，茶葉等の抽出原料から、コーヒー，紅茶，ウーロン 茶，麦茶，煎茶，玉露等、多種多様の抽出飲料液体を抽出可能とした飲料抽出装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コーヒー挽豆，茶葉等の抽出原料から、コーヒー，紅茶等の飲料を抽出 する装置は、種々の形態のものが知られているが、その抽出には、それぞれ抽出 条件に対応した抽出装置が必要であった。

【０００３】 例えば、コーヒーの抽出には、主として円筒ろ過板抽出器を使用したドリップ 抽出方式が用いられ、一方、茶葉系の抽出については、ニーダー抽出器を使用し た浸漬方式が一般的である。

【０００４】 また、抽出温度，抽出圧力等の条件も抽出対象物により異なるため、例えば、 コーヒーと紅茶、さらには、ウーロン茶，麦茶，番茶，煎茶，玉露等、幾多の異 なった飲料を製造するためには、工場内に多種多様の抽出装置を設備しなければ ならないという問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記問題点を解決することを課題としてなされたものであって、 一台の抽出装置によって、コーヒー挽豆からコーヒーの抽出，種々の茶葉類から 異なった種類の茶系飲料の抽出等、少なくとも２以上の抽出条件の異なる飲料液 体を抽出可能とした抽出装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記問題点を解決することを課題としてなされたものであって、 底部に開閉自在の下蓋１ａ，上部に同じく開閉自在の上蓋付原料投入口１ｂを備 えた抽出タンク１の中心部に、回転および昇降自在に支持された有底中空の垂直 回転軸２の下端に、水平方向に羽根支持アーム３を取り付けると共に、その上方 に適当な距離ｓを置いてスプレーパイプ４を同じく水平方向に取り付け、前記羽 根支持アーム３には、攪拌兼均し羽根３ａが一方向にのみ揺動自在に取り付けら れ、前記スプレーパイプ４は、下向きに複数個のシャワーノズル４ａを備え、そ の基端部は中空の垂直回転軸２を経てロータリージョイントＡを介して熱水供給 口５に連通していることを特徴とする飲料液体抽出装置を考案要旨とするもので ある。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１〜４によりこの考案の実施の形態について説明する。図１は縦断側面図、 図２は縦断正面図、図３はＡ部拡大図、図４は熱水シャワーおよび攪拌兼ならし 羽根部分の拡大斜視図である。

【０００８】 図において、１は円筒形の抽出タンクであって、底部に開閉自在の下蓋１ａ， 上部に同じく開閉自在の上蓋付原料投入口１ｂを備え、密閉可能となっている。 下蓋１ａの上面にはフィルタ１ｃが張設され、底部中央には抽出孔１ｄが設けら れている。

【０００９】 ２は前記抽出タンク１の中心部に回転および昇降自在に支持された有底中空の 垂直回転軸であって、その下端部には水平方向に羽根支持アーム３が取り付けら れ、その上方に適当な距離ｓを置いてスプレーパイプ４が同じく水平方向に取り 付けられている。前記羽根支持アーム３とスプレーパイプ４の回転軸２に対する 取付位相角は任意であるが荷重バランス上直交させるのが好ましい。

【００１０】 羽根支持アーム３には、攪拌兼均し羽根３ａが一方向にのみ揺動自在に取り付 けられており、垂直回転軸３を正転させたときは、羽根３ａが後方に傾動して槽 内に装入された抽出原料の上面を均すことができ、一方、垂直回転軸３を逆転さ せたときは、羽根３ａが傾動せずに抽出原料を攪拌することができるようになっ ている。

【００１１】 スプレーパイプ４は、下向きに複数個のシャワーノズル４ａを備え、基端部は 中空の垂直回転軸２を経てロータリージョイントＡを介して熱水供給口５に連通 している。シャワーノズル４ａからは下向き放射状に熱水が噴出し隣接ノズル４ ａ，４ａの噴出範囲が互いに重なり合うようになっている。

【００１２】 ６は抽出タンク１の天井部に設けられたスプレーボールであって、槽内に初期 給湯できるようになっている。７は同じく抽出タンク１の天井部に設けられた加 圧エアー供給口であって、適当な圧縮空気供給源に連通し、槽内を加圧できるよ うになっている。

【００１３】 なお、図中８は回転軸２昇降用のギヤードモータ付ジャッキ、９は同じく回転 用駆動モータ、１０は下蓋開閉用油圧シリンダ、１１はロータリージョイント部 のメカニカルシールを示す。

【００１４】 上記実施の形態によれば、コーヒー，紅茶等のドリップ式抽出、ウーロン 茶，麦茶，煎茶等の半浸漬式抽出、緑茶，玉露等の浸漬式抽出、漢方薬等の 沸点以上の過熱抽出等、２以上の異なった抽出条件の飲料を抽出することが可能 である。以下、具体的に説明する。

【００１５】 ［ドリップ式抽出手順］ 原料投入 上蓋を開き、原料投入口１ｂからコーヒー挽豆等の抽出原料を抽出タンク１内 に装入する。

【００１６】 豆ならし 原料投入口１ｂから投入された抽出原料は、一定箇所から投入されるため、そ の直下に山状に盛り上がった状態となる。そこで、抽出原料の投入量に応じて順 次回転軸２を上昇させつつ回転軸２を正転させると、羽根支持アーム３が正転方 向に回転し、該アーム３に支持された攪拌兼均し羽根３ａが傾動しながら回転し てコーヒー挽豆等の抽出原料の上面を平面状に均す。

【００１７】 熱水給湯 所定量の抽出原料投入が終了したら、槽外上部の熱水供給口５から熱水を供給 し、中空垂直回転軸２を経てスプレーパイプ４のシャワーノズル４ａから下向き 放射状に熱水を噴出させる。隣接ノズル４ａ，４ａの噴出範囲は互いに重なり合 うようになっているので、回転軸２を回転させつつ熱水を噴出させることにより 抽出原料上に均一に噴霧状に給湯することができる。

【００１８】 抽出液払い出し 噴霧された熱水は、コーヒー挽豆等の抽出原料層を通過して抽出液となり、下 蓋１ａ上面のフィルタ１ｃを経て、底部中央の抽出孔１ｄから排出され、回収タ ンク（図示せず）内に集められる。所定の設定量まで抽出液を集液できた時点で 抽出工程は終了する。

【００１９】 滓排出・洗浄 下蓋１ａのロック装置を外し、油圧シリンダ１０を駆動して下蓋１ａを開き、 抽出後の原料滓を排出した後、洗浄装置（図示せず）から圧縮空気と水とを交互 に噴射させて洗浄する。洗浄完了後、下蓋を閉止固定し次回の抽出に備える。

【００２０】 ［半浸漬式抽出手順］ 初期給湯 スプレーパイプ４のシャワーノズル４ａ又はスプレーボール６から、フィルタ １ｃレベルまで初期給湯を行う。

【００２１】 原料投入 上蓋を開き、原料投入口１ｂからウーロン茶，麦茶等の抽出原料茶葉を抽出タ ンク１内に装入する。

【００２２】 茶葉ならし 投入された抽出原料は、一定箇所から投入されるため、山状に盛り上がった状 態となる。そこで、前述のドリップ式と同一手順により、抽出原料の上面を平面 状に均す。

【００２３】 熱水給湯 前述のドリップ式と同一手順により、回転軸２を回転させつつ熱水を噴出させ 抽出原料上に均一に噴霧状に給湯する。このとき、底部中央の抽出孔１ｄのバル ブを閉止しておき、所定水位に達したとき給湯を一時停止する。

【００２４】 浸漬抽出 所定の時間浸漬させた後給湯を再開し、流量コントロール弁で一定の層内水位 を保ちながら、抽出孔１ｄから徐々に抽出液を排出させ回収タンクに集液し、所 定量に達した時点で抽出工程は終了する。

【００２５】 滓排出・洗浄 下蓋１ａを開き、原料滓を排出洗浄完了後、下蓋を閉止固定し次回の抽出に備 える工程は前述のドリップ式と同様である。

【００２６】 ［浸漬式抽出手順］ 初期給湯 スプレーパイプ４のシャワーノズル４ａ又はスプレーボール６から所定水位ま で初期給湯を行ない、抽出タンク１内に所定の湯量を充満させる。

【００２７】 原料投入 上蓋を開き、原料投入口１ｂから緑茶，玉露等の抽出原料茶葉を抽出タンク１ 内に装入する。

【００２８】 原料沈降 投入された抽出原料茶葉は、湯面上部に浮遊しなかなか沈降しない。そこで、 回転軸２を正転させながら順次下降させると、羽根支持アーム３に支持された攪 拌兼均し羽根３ａが傾動しながら回転して，緑茶，玉露等の抽出原料茶葉を熱水 内に押下沈降させることができる。

【００２９】 浸漬抽出 所定の時間原料茶葉を熱水に浸漬すると共に、間欠的に回転軸２を逆転させる と、羽根支持アーム３に支持された攪拌兼均し羽根３ａが傾動することなく回転 して、緑茶，玉露等の抽出原料茶葉を熱水内で攪拌し抽出効率を高めることがで きる。

【００３０】 抽出液払い出し 所定の時間浸漬させた後、下蓋１ａ底部中央の抽出孔１ｄを全開すると共に、 抽出タンク１の天井部に設けられた加圧エアー供給口６から圧縮空気を供給して 槽内を加圧することにより、適正濃度の抽出液を一挙に短時間で排出させること により抽出工程は終了する。

【００３１】 滓排出・洗浄 下蓋１ａを開き、原料滓を排出洗浄完了後、下蓋を閉止固定し次回の抽出に備 える工程は前述のドリップ式および半浸漬式と同様である。

【００３２】 ［加圧高温浸漬抽出］ 抽出手順は、前記半浸漬式または浸漬式抽出手順と同様であるが、抽出タンク １を密閉した状態で過熱給湯することにより、沸点以上の過熱状態での抽出を行 うことができる。

【００３３】

【考案の効果】

この考案によれば、以上詳述したとおり、コーヒー，紅茶等のドリップ式抽 出、ウーロン茶，麦茶，煎茶等の半浸漬式抽出、緑茶，玉露等の浸漬式抽出 、漢方薬等の沸点以上の過熱抽出等、異なった抽出条件の飲料を抽出すること が可能であり、攪拌兼ならし羽根３ａを一方向にのみ揺動可能としたことによっ て、垂直回転軸２を正転させたときは後方に傾動して装入抽出原料の上面を均す ことができ、垂直回転軸２を逆転させたときは傾動することなく装入抽出原料を 攪拌することができるので、ドリップ式および半浸漬式抽出に際しては抽出原料 の上面均し、浸漬式抽出に際しては、抽出原料茶葉の押下沈降および攪拌の双方 に利用することができ、また、羽根支持アーム３の上方に位置するスプレーパイ プ４のシャワーノズル４ａから均一に給湯できるのでムラのない均一な抽出が可 能となり、さらに、垂直回転軸２の上下位置や回転数はインバータ制御により自 動制御できるから、抽出工程の自動化も容易となり、一台の抽出装置によって、 コーヒー挽豆からコーヒーの抽出，種々の茶葉類から異なった種類の茶系飲料の 抽出等、少なくとも２以上の抽出条件の異なる飲料液体を抽出可能とした抽出装 置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を示す縦断側面図である。

【図２】同じく、縦断正面図である。

【図３】Ａ部の拡大断面図である。

【図４】熱水シャワーおよび攪拌兼ならし羽根部分の拡
大斜視図である。

【符号の説明】

１ 抽出タンク １ａ 下蓋 １ｂ 上蓋付原料投入口 １ｃ フィルタ １ｄ 抽出口 ２ 回転軸 ３ 羽根支持アーム ３ａ 攪拌兼ならし羽根 ４ スプレーパイプ ４ａ シャワーノズル ５ 熱水供給口 ６ スプレーボール ７ 加圧エアー供給口 ８ ギヤードモータ付ジャッキ ９ 回転用駆動モータ １０ 下蓋開閉用油圧シリンダ １１ ロータリージョイント部のメカニカルシール

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部に開閉自在の下蓋１ａ，上部に同じ
   く開閉自在の上蓋付原料投入口１ｂを備えた抽出タンク
   １の中心部に回転および昇降自在に支持された有底中空
   の垂直回転軸２の下端に、水平方向に羽根支持アーム３
   を取り付けると共に、その上方に適当な距離ｓを置いて
   スプレーパイプ４を同じく水平方向に取り付け、前記羽
   根支持アーム３には、攪拌兼均し羽根３ａが一方向にの
   み揺動可能に取り付けられ、前記スプレーパイプ４は、
   下向きに複数個のシャワーノズル４ａを備え、その基端
   部は中空の垂直回転軸２を経てロータリージョイントＡ
   を介して熱水供給口５に連通していることを特徴とする
   飲料液体抽出装置。
2. 【請求項２】 攪拌兼均し羽根３ａは、垂直回転軸２を
   正転させたときは後方に傾動して装入抽出原料の上面を
   均すことができ、垂直回転軸２を逆転させたときは傾動
   することなく装入抽出原料を攪拌することができる請求
   項１記載の飲料液体抽出装置。
3. 【請求項３】 シャワーノズル４ａからは下向き放射状
   に熱水が噴出し隣接ノズル４ａ，４ａの噴出範囲が互い
   に重なり合うようになっている請求項１又は２記載の飲
   料液体抽出装置。
4. 【請求項４】 抽出タンク１の天井部にスプレーボール
   ６を設け、該スプレーボール６から槽内にに初期給湯で
   きるようになっている請求項１ないし３記載の飲料液体
   抽出装置。
5. 【請求項５】 抽出タンク１の天井部に加圧エアー供給
   口７を設け、該加圧エアー供給口７は、適当な圧縮空気
   供給源に連通し、槽内を加圧できるようになっている請
   求項１ないし４記載の飲料液体抽出装置。