JP3022471B2 - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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JP3022471B2
JP3022471B2 JP10072425A JP7242598A JP3022471B2 JP 3022471 B2 JP3022471 B2 JP 3022471B2 JP 10072425 A JP10072425 A JP 10072425A JP 7242598 A JP7242598 A JP 7242598A JP 3022471 B2 JP3022471 B2 JP 3022471B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型液晶表示装
置に関し、更に詳しくは、明るく、かつ、シャープな表
示が可能な反射型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、一般に、薄
型計量・低消費電力といった特徴を有しており、特に縦
横のマトリクス状に配列した画素を能動素子によって駆
動するアクティブマトリクス型液晶表示装置(AM−L
CD)は、高画質のフラットパネルディスプレイとして
注目されている。このうち、画素をスイッチングする能
動素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用いた薄膜
トランジスタ型液晶表示装置(TFT−LCD)が、急
速に普及しつつある。従来のAM−LCDは、ツイステ
ッドネマティック(TN)型の電気光学効果を利用し
て、背後に配置された光源(バックライト)からの光が
2枚のガラス基板間に狭持された液晶中を透過する強度
を変化させることにより、表示動作を行っている。この
ようなバックライトを有する透過型の液晶素子は、明る
く鮮やかな表示を可能とする一方で、バックライトによ
る消費電力が大きい。そのため、PDA(Personal Dat
a Assistant)やHPC(Handheld Personal Compute
r)と呼ばれる小型で常時携帯する事を目的とした情報
端末に、従来のノートパソコンなどに用いていたバック
ライトを有する透過型のAM−LCDを適用すると、バ
ッテリ容量の増加、それに伴う重量の増加、更には連続
駆動時間の減少という事態を招いてしまう。このため、
特に透過型カラー液晶を搭載した機器は、一般に、携帯
性が良好でなく、PDAやHPC等の携帯情報端末の普
及が妨げられていた。
【0003】この問題点を解決すべく、カラー表示機能
を有しかつ軽量で長時間の連続駆動を可能とする方式の
ディスプレイとして、液晶ディスプレイからバックライ
トを削除し、周囲から液晶ディスプレイに入射する外来
光のみで表示動作を行う各種の反射型カラー液晶ディス
プレイが提案されてきた。現在までに提案されてきた反
射型カラー液晶ディスプレイの一つの方式として、従来
の透過型カラー液晶ディスプレイでは2枚必要であった
偏光板を1枚とし、液晶層直下に反射板を配置した構造
の液晶ディスプレイ(一枚偏光板方式)が提案されてい
る(たとえば、「1997年5月、エス・アイ・ディ ‘97
ダイジェスト テクニカルペーパー(SID'97 Digest of
Technical Paper)講演番号8.1、8.2、P−4
2、P−44など)。このような一枚偏光板方式のカラ
ー反射型液晶ディスプレイの基本的な構造を図5に、基
本動作原理を図6(a)及び(b)に示す。図5に示す
ように、従来の一枚偏光板型(一枚偏光板方式)の液晶
ディスプレイは、光の入射側から順に、偏光板1、位相
差補償板2、第1透明基板4、液晶層5、光反射板6、
及び、第2基板7が配置された構造を有している。外部
の光源8から液晶ディスプレイへ入射した光は、光反射
板6の表面にまで到達し、光反射板6により反射され、
液晶ディスプレイの外部に出射する。
【0004】以下、この1枚偏光板型液晶ディスプレイ
における動作原理を図6を参照しながら説明する。上記
の構造を有する従来の反射型液晶ディスプレイに外部か
ら光が入射すると、液晶層5に対して電圧が印加されて
いない状態(図6(a)に示す電圧OFF状態)では、 1.偏光板1で、自然光が直線偏光に変化する 2.位相差補償版2により、円偏光に変化する 3.液晶層5を透過することにより、液晶層5の有する
複屈折性によって直線偏光に変換される 4.反射板6の表面で単純に反射する。このときには偏
波面は保存される。 5.液晶層5により、入射時と同じ回転方向を有する円
偏光となる 6.位相差補償板2により、入射時と同じ直線偏光に変
換される。 7.偏光方向が偏光板1の容易透過軸方向と平行である
ため、光は偏光板1を透過して液晶素子の外部に出射す
る。 従って、電圧をOFFにした状態では、入射した光が効
率よく反射され、明状態となる。
【0005】一方、液晶層5に対して電圧が印加された
場合(図6(b)に示す電圧ON状態)では、液晶層の
位相差光学的な寄与が無くなるため、外部から入射した
光は、 a.偏光板1により、入射した自然光は直線偏光に変換
される。 b.位相差補償版2により円偏光に変換される。 c.液晶層5に電圧が加えられており、液晶層5が複屈
折性を有さずに等方性であるため、偏波面に変化せずに
円偏光のまま液晶層5を透過する d.反射板6の表面で光が反射される際、円偏波の回転
方向が逆転して反射される。 e.液晶層5を逆回転の円偏光のまま透過する f.位相差補償板2に到達した光は、光の偏波面の回転
方向が上述した5.の状態に比べて逆回転であるため、位
相差補償板2によりa.の直線偏光成分とは90度異なる
振動方向を有する直線偏光に変換される。 g.反射光は偏光板の容易透過軸方向と90度異なるた
め、偏光板1に吸収される。従って、入射した光は最終
的に偏光板により吸収され、黒状態の表示となる。
【0006】また、この方式では、液晶層5に隣接する
形態でマイクロカラーフィルターを付加することにより
カラー表示することが可能になり、反射型カラー液晶デ
ィスプレイとして活用することも可能である。
【0007】ところで、一般的に示した図5のような構
造を有する一枚偏光板方式の反射型液晶ディスプレイに
は、反射板6としては、表面に凹凸を有して反射の際に
偏光が乱れることを防止した粗面化反射板ではなく、平
坦面を有する鏡面反射板が用いられている。そのため、
図5のような構造のままでは、周囲から入射する光は、
鏡面反射方向に反射されるのみである(図5参照)。従
って、図5に示したように、光源8からの入射光が鏡面
反射する方向に観察者11が位置する場合には表示を見
ることができる。しかし、反射型液晶ディスプレイの正
面11Aに観察者11が位置する場合には、反射光が観
察者11にまで到達せず、その結果、暗く見づらい表示
となってしまう。この対策として、1997年5月、エス・
アイ・ディ ‘97 ダイジェスト テクニカルペーパー
(SID'97 Digest of Technical Paper)の講演番号8.
1、8.2、P−42、P−44などにおける発表で
は、液晶層と偏光板との間に光散乱板を挿入すること
で、反射型液晶ディスプレイの周囲から入射する光を液
晶層に入射する前、及び、液晶層からの出射直前で拡散
させることにより、光を観察者の方向に向け、観察者に
とって明るい表示を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光散乱板を
第1透明基板4の液晶層5と反対側、すなわち入射側に
配置する場合、光散乱板を第1透明基板4と偏光板1と
の間、又は偏光板1の上に配置する必要がある。このよ
うな配置を採用した場合、反射板と光散乱板との間に少
なくとも第1透明基板4の厚さ分の距離が生じてしまう
が、次のような効果が得られる。 1.反射型液晶ディスプレイへ入射する光を散乱させ
る。 2.反射型液晶ディスプレイから出射する光を拡散す
る。 これらの効果のうち、1.に記載した効果は、明表示状
態における表示色の白色化のために必要な機能である。
一方、反射色の白色度を上げるために強い散乱性を有す
る光散乱板を用いた場合、入射光の白色化と同時に2.
に記載した効果も強くなる。このため、観察者11にと
って、反射型液晶ディスプレイの表示が画面にソフトフ
ォーカスをかけたようにぼけて見え、視認性が悪化する
という問題が生じていた。特に、コンピュータ端末など
では、細かい文字を表示するなど高精細の表示を多用す
るため、表示の可読性に極めて深刻な問題が生じてい
た。
【0009】上記従来技術の問題点に鑑みて、第1透明
基板4の光入射側に光散乱板を配置した構造を有する反
射型液晶ディスプレイで高精細に表示した際、色のにじ
みや表示ボケに起因する可読性の低下を押さえることが
要望されている。以上のような事情に照らして、本発明
の目的は、明るく、かつ、シャープな表示が可能な反射
型液晶表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】図3に示したような、第
1透明基板4の側に光散乱板3を配置する構成を有する
反射型液晶表示装置では、入射した光が光散乱板3によ
り拡散されて表示の輪郭がはっきりしない等、表示品位
の低下が見られる。そこで、本発明者は、上記の画質低
下発生原理を詳細に検討することにより、基本的な構造
が図3に示した構造と同じで、画質低下を起こさない反
射型液晶ディスプレイの構成条件を見いだすに至った。
このことを以下に詳しく説明する。
【0011】画質低下を起こす原因に関して図3を参照
しながら検討を行う。偏光板1と光位相差補償板2と第
1透明基板4と液晶層5と光反射板6と第2基板7と
が、光の入射方向からみてこの順番に並んで配置され、
光散乱板3が第1透明基板4よりも光入射側のいずれか
の位置に配置され、液晶層5がマトリクス状に配置され
た電極により駆動される反射型液晶表示素子において、
光反射板6から光散乱板3までの距離をd[m]、光散乱板
3による光の散乱角度をθ[度]とする。まず、この反射
型液晶ディスプレイへ光を鉛直方向から入射させる(図
3)場合を考える。光源8から反射型液晶ディスプレイ
に入射する光は、反射板6により反射される前に光散乱
板3によって拡散され、角度θの角度幅を有する扇形に
拡散しつつ光反射板6に向かう。そして散乱光が光反射
板6へ到達した際、反射板6上では、断面頂角θの円錐
の底面内に分散して到達する。これを図3を用いて2次
元的に表現して説明すると、光が拡散しつつ、光源8か
ら降ろした垂線と光反射板6との交点cを中心とする幅
(径)Wの円状領域に到達することになる。
【0012】次に、図3の光源8の位置に観察者11が
いた図4の状態で検討する。この場合、観察者11はマ
トリックス状に分けられた反射板兼電極6上のc点の鉛
直方向に位置するとする。液晶ディスプレイの周囲のあ
らゆる範囲から入射し、かつ、反射板兼電極6上におけ
る幅Wの領域に入射した光のうち、光反射板兼電極10
で反射して光拡散板のe点(観察者11を通過する鉛直
線と光拡散板3との交点)を目指す光は、点cを見つめ
ている観察者11の方向に出射する。この光は、観察者
11に向かうため認知する事が可能である。図4は、観
察者11の位置に光源8を設置した図3の場合と逆であ
るが、図4でも同様のことが成立することは、光の可逆
性の原理から明らかである。このことは、観察者が反射
板兼電極10上のc点を見つめているつもりであって
も、光拡散板3の存在により、光反射板兼電極10上の
a点からb点の幅Wの領域において反射された光を感知
していると言うことを示している。第1透明基板4の外
部に光拡散板3を配置した図4のような構造を有する反
射型液晶ディスプレイにおいて、表示画像のピントがず
れたように感じるのは、このような原理による。この現
象は、光反射板兼電極10における濃淡のピッチが短く
なるほど、また、濃淡の境目が急峻であればあるほど顕
著になってくる。このような現象は、電気回路における
ローパスフィルターの動作と現象が似ている。光散乱板
3という空間周波数のローパスフィルターが存在するた
め、表示として必要な空間周波数のうち高空間周波数性
分が透過できないことにより、表示のボケやにじみとい
う現象が生じる。従って、本発明では、光反射板兼電極
10をある一定以上の空間周波数を通すことができない
ローパスフィルターとして考えることにより画質低下問
題を解決する。すなわち、光散乱板による空間周波数領
域におけるカットオフ周波数Fc[本/m]と液晶ディスプレ
イが表示できる基本空間周波数F[本/m]の最大値を比較
して、表示ボケや色のにじみを生じることを防止する光
散乱板の条件を空間周波数の観点から規定することによ
り、画質低下問題を解決する。
【0013】上記目的を達成するために、本発明に係る
第1発明の反射型液晶表示装置は、光の入射方向側から
見て、順次、偏光板、光散乱板、液晶層、光反射層が並
んで配置されている反射型液晶表示素子において、光散
乱板による空間周波数のカットオフ空間周波数Fc=1
/2Wと、液晶層にて表示可能な空間周波数で、光反射
板の上面に形成された白と黒の帯の幅(2p)の逆数
(1/2p)である基本空間周波数F=1/2pとが、
Fc≧Fの関係にあることを特徴としている。Wとは、
入射した光が光散乱板から出射した位置を頂点とし、か
つ、光反射板を底面とする円錐の底面の径である。
【0014】空間周波数とは、等間隔の線の系列のよう
な像、又は、物体を構成する周期的構造の細さを表す量
である。本発明により、色にじみや表示ボケなどがな
く、かつ、明るい表示が可能な反射型液晶表示装置が実
現される。
【0015】好適には、Fc≧3Fである。これによ
り、上記の効果を一層奏することができる。また好適に
は、偏光板と光散乱板との間に位相差補償板が介在して
いる。
【0016】また、本発明に係る第2発明の反射型液晶
表示装置は、光の入射方向側から見て、順次、光散乱
板、透明基板、液晶層、光反射層が並んで配置されてい
る反射型液晶表示素子において、光散乱板による空間周
波数のカットオフ空間周波数Fc=1/2Wと、液晶層
にて表示可能な空間周波数で、光反射板の上面に形成さ
れた白と黒の帯の幅(2p)の逆数(1/2p)である
基本空間周波数F=1/2pとが、Fc≧Fの関係にあ
ることを特徴としている。第2発明でも、第1発明と同
様、好適には、Fc≧3Fである。
【0017】第1、第2発明では、光散乱板から光反射
層までの距離d[m]、反射型液晶表示装置を構成する最
小のピッチp[m]、及び、光散乱層の光散乱角度θ[度]
が d≦p/(2tan(θ/2))………………(1) の関係にあるとよい。尚、上記の式を変形すると、 θ≦2arctan(p/2d)………………(2) の関係にある。arctanはアークタンジェントを意
味する。
【0018】第1発明では、液晶層が、外部から電界を
印加することにより複屈折性が変化する液晶で構成され
ていてもよい。この場合、液晶は、例えばネマティック
液晶又は強誘電性液晶である。第2発明では、液晶層
が、外部からの電界印加により光吸収度を変化する液晶
で構成されていてもよい。この場合、液晶は、例えばゲ
ストホスト液晶である。
【0019】また、液晶層の光入射側もしくは反射板側
の少なくとも一方にカラーフィルターが設けられている
と、カラー表示が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつより
詳細に説明する。実施形態例1 図1は、本実施形態例の反射型液晶表示装置の構成を示
す側面断面図である。本実施形態例の反射型液晶表示装
置1Aは、図4に示した反射型液晶表示装置に比べ、外
部から入射した光の散乱角度θが異なる。本実施形態例
の反射型液晶表示装置1Aは、偏光板1、位相差補償板
2、光散乱板3、第1透明基板4、透明電極9、液晶層
5、光反射板兼電極10、及び、第2基板7からなる。
液晶層5としては、ネマティック液晶や強誘電性液晶な
ど、透過する光の位相差を変化させる事が可能な液晶を
用いる。反射型液晶表示装置1Aは、後述の9式又は1
0式を満たす。
【0021】本実施形態例の反射型液晶表示装置1Aを
製造するにあたり、図4に示した反射型液晶表示装置で
以下のことを検討した。透明電極9と反射板兼電極10
によって形成される表示部分の最小幅をp[m](図4参
照)とする。図4で示した反射型液晶素子において表示
することが可能な最も細かい表示は、最小線幅pで白表
示と黒表示とを交互に行う場合である。この状態におい
ては、白表示の列と黒表示の列が一組で1周期を構成
し、全体では、この表示の繰り返しとなる。この表示を
フーリエ展開する事により、実空間領域から空間周波数
領域に画像情報を投影する事が可能である。元の波形の
関数を f(x)=-f(-x) ……………(3) とした場合、表示波形は、 f(x)=4/π{sin x +(1/3)sin3x +(1/5)sin5x+・・+(1/(2n-1))sin(2n-1)x}…(4) と表すことができる。つまり、空間周波数領域において
は、白黒の帯が繰り返し出現する表示は、1周期を構成
する白と黒の帯の幅(2p)の逆数(1/2p)におい
て決定される基本空間周波数Fに、この基本空間周波数
の奇数次高調波成分(F*m m:1,3・・・・2
n−1)が重畳された形として表現される。これらの周
波数成分のなかで、基本空間周波数Fは、画素の表示色
を決定するに当たり必要な成分であるため、この成分が
減少すると目的の表示色を得ることができず、色ににじ
みが生じる。従って、にじみの生じない画像を得るため
には、以下の式に示すように、空間周波数Fcは、基本空
間周波数F以上であることが必要である。 Fc≧F ……………(5)
【0022】図4に示した反射型液晶表示装置では、光
散乱板3による光拡散幅Wが、光反射板兼電極10と透
明電極9により構成される画素幅pの3倍となってい
る。従って、観察者は3画素分の情報を同時に受け取る
ことになるため、表示ボケや色にじみという現象が生じ
てしまう。
【0023】そこで、以下のようにして、図4に示した
反射型液晶ディスプレイの構造の最適化を行い、反射型
液晶表示装置1Aの仕様を決めた。光散乱板3と反射板
兼電極10との間の距離をd[m]、光散乱板3における光
の散乱角をθ[度]とする。図4に示した構造を有する反
射型LCDに対して鉛直方向に観察者11がいた場合、光
散乱板から頂角θの角度で下方に拡がる断面扇形形状と
光反射板の表面とが交差する幅(径)W[m]の領域から反
射する光を見ることが可能である。W[m]は次のような式
で表現することが可能である。 W=2d tan(θ/2)……………(6) この条件の光拡散板におけるカットオフ空間周波数Fc
は、Wが隣接して並んだ場合であると考えられる。ま
た、このときのWは空間周波数の半周期の長さとなる。
従って、カットオフ空間周波数Fcは、Wの2倍長の逆数
である。よって、 Fc=1/(2W)=1/(4d tan(θ/2))……………(7) と表せる。色にじみが生じない条件としては、式7とF=
1/(2p)の条件とを式5に代入して得られる以下の式を解
くことにより得られる。 1/(4d tan(θ/2))≧1/(2p)……………(8) この条件の下で、光散乱板3と光反射板兼電極10との
間の距離dが固定されている場合、式8をθについて解
くと θ≦2 arctan(p/(2d)) (度) ……………(9) となる。また、一定の光散乱角度θを有する光散乱板3
を用いた場合には、光散乱板3と光反射板兼電極10と
の間の距離dは d≦p/(2tan(θ/2)) (m) ……………(10) となる。従って、空間周波数の解析により求められた式
9又は式10を満たす反射型液晶表示装置1Aは、表示
に色にじみの生じないきれいな表示を行うことが可能で
ある。
【0024】実施形態例2 本実施形態例の反射型液晶表示装置は、実施形態例1の
反射型液晶表示装置1Aに比べ、更に、後述の式14を
満たす。
【0025】実施形態例1では、表示に対して色のにじ
みや表示ボケの生じない最低限の条件を示した。しか
し、よりシャープな画質を得るためには、液晶層により
行われる表示パターンに含まれる基本空間周波数成分F
の高調波成分も透過させる必要がある。式4の高調波成
分としては、3次、5次・・・・2n−1次と奇数次の
成分となっているため、シャープな画像を得るために
は、少なくとも3次の成分を含んでいることが必要であ
る。この条件を満たすためには、式5は次のように書き
換えられる。 Fc≧3F……………(11) この条件に対して、式7とF=1/(2p)を代入すると 1/(4d tan(θ/2))≧3/(2p)……………(12) となる。従って、シャープな画像を得るためには、光拡
散板3の散乱角と光反射板兼電極10との間隔dを決定
すればよい。たとえば、光散乱板3と光反射板兼電極間
10の距離dが固定されているならば、光散乱板3の散
乱角度θは、 θ≦2 arctan(p/6d)……………(13) であることが必要である。一方、一定の光散乱角度θを
有する光散乱板3を用いて前記条件を満たすには、光散
乱板3と光反射板兼電極10との間隔dは d≦p/(6tan(θ/2))……………(14) であることが必要である。よって、式13又は式14を
満たす反射型液晶表示装置は、色にじみだけではなくシ
ャープな画像を得ることが可能である。
【0026】実施形態例3 実施形態例1では、反射型液晶表示装置に、偏光板1と
液晶層5との間に位相差補償板2を設けることで、電圧
無印加状態にて白表示、電圧印加状態にて黒表示を得て
いる。本実施形態例の反射型液晶表示装置は、実施形態
例1や2の反射型液晶表示装置に比べ、偏光板1と液晶
層5との間に位置する位相差補償板2を有していないこ
とを除いて実施形態例1や2の反射型液晶表示装置と同
じ構成を有する。本実施形態例により、実施形態例1や
2と同様、電圧無印加状態にて黒表示、電圧印加状態に
て白表示を得ることが可能な反射型液晶表示装置が実現
する。
【0027】実施形態例4 図2は、本実施形態例の反射型液晶表示装置の構成を示
す側面断面図である。この構造における反射型液晶表示
装置は、光散乱板3、第1透明基板4、透明電極9、二
色性液晶層12、光反射板兼電極10、及び、第2基板
7を光入射方向、すなわち上から順に配置した構造を有
する。この構造における液晶層12としては、ネマティ
ック液晶や強誘電性液晶に2色性色素を混合することに
より光の吸収状態を変化させるゲストホスト型液晶を用
いる。ゲストホスト液晶は、透明電極と光反射板兼電極
との間に印加された電圧により、光を吸収する状態と透
過する状態とを変化させることが可能である。本実施形
態例では、カットオフ周波数等についての諸条件は、実
施形態例1や2と同じである。光散乱板3を液晶層12
よりも光入射側に配置した、図2に示したような構造を
有する本実施形態例の反射型液晶表示装置は、実施形態
例1や2と同様の効果を奏することができる。
【0028】実施形態例5 実施形態例1から4では、液晶層5もしくは2色性液晶
層12を駆動する方法として能動素子を用いないスタテ
ィック駆動もしくは単純マトリクス駆動を行っている液
晶表示装置として例に挙げた。本実施形態例の反射型液
晶表示装置は、液晶層5もしくは2色性液晶層12を駆
動する方法として液晶駆動素子を小さなピクセル単位に
分割し、各々の素子に少なくとも1つの2端子もしくは
3端子の能動素子を付けることによりアクティブマトリ
クス駆動する方法を採用している。特に、この方式では
各画素を独立して駆動することが可能となるため印加電
圧を細かく制御することができ、より鮮明な中間調表示
を得ることが可能である。
【0029】実施形態例6 本実施形態例の反射型液晶表示装置は、実施形態例1か
ら4の反射型液晶表示装置に比べ、カラーフィルターを
有することが異なる。本実施形態例により、カラー表示
が可能で、かつ、実施形態例1から4と同様の効果を奏
する反射型液晶表示装置が実現される。
【0030】実施形態例7 実施形態例1から4では、入射してきた光を反射する反
射機能と液晶層を駆動する電極の機能を兼ねた光反射板
兼電極10を有する反射型液晶表示装置として説明し
た。本実施形態例の反射型液晶表示装置は、実施形態例
1から4の反射型液晶表示装置に比べ、入射してきた光
を反射する機能と液晶層5を駆動する電極の機能とを兼
ねて有する光反射板兼電極10を必ずしも備えている必
要はなく、液晶層5、第2透明電極、及び、光反射層を
この順に備えていてもよい。本実施形態例により、それ
ぞれの機能が分かれた部位、部品を有する反射型液晶表
示装置が実現される。また、光反射板(光反射層)とし
て、金属ではなくダイクロイックミラーのように金属以
外の光反射板を用いることで、液晶層、光反射板、第2
電極という順に構成した反射型液晶表示装置を実現する
ことも可能である。本実施形態例により、実施形態例1
から6と同様の効果を奏する反射型液晶表示装置が実現
される。
【0031】なお、各実施形態例においては、光散乱板
を配置する位置として、第一透明基板の直前としていた
が、本発明の骨子は、光散乱板、光散乱板と光反射板と
の距離d、及び、光散乱板の光散乱角度θに依存してお
り、光散乱板が光反射板よりも入射側に存在する限り、
その実装位置や実装方法には依存しないのは言うまでも
ない。また、各実施形態例においては、光源および観察
者が液晶ディスプレイの鉛直方向に位置する場合につい
て述べたが、光源および観察者が、鉛直方向に限ること
なく斜め方向に位置した場合でも同様の効果があること
は言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、光散乱板による空間周
波数のカットオフ空間周波数Fc=1/2Wと、液晶層
にて表示可能な空間周波数で、光反射板の上面に形成さ
れた白と黒の帯の幅(2p)の逆数(1/2p)である
基本空間周波数F=1/2pとが、Fc≧Fの関係にあ
る。これにより、反射型液晶表示装置の表示は、明る
く、かつ、輪郭がぼけることなくシャープな表示であ
り、画質が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の反射型液晶表示装置の構成を示
す側面断面図である。
【図2】実施形態例4の反射型液晶表示装置の構成を示
す側面断面図である。
【図3】本発明を検討する側面断面図である。
【図4】従来の反射型液晶表示装置の構成を示す側面断
面図である。
【図5】従来の反射型液晶表示装置の構成を示す側面断
面図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、それぞれ、従来の反
射型液晶表示装置の基本動作原理を示す模式図である。
【符号の説明】
1A 反射型液晶表示装置 1 偏光板 2 位相差補償板 3 光散乱板 4 第一透明基板 5 液晶 6 光反射板 7 第2基板 8 光源 9 透明電極 10 光反射板兼電極 11 観察者 11A 正面 12 二色性液晶層

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の入射方向側から見て、順次、偏光
    板、光散乱板、液晶層、光反射層が並んで配置されてい
    る反射型液晶表示素子において、 光散乱板による空間周波数のカットオフ空間周波数Fc
    =1/2Wと、液晶層にて表示可能な空間周波数で、光
    反射板の上面に形成された白と黒の帯の幅(2p)の逆
    数(1/2p)である基本空間周波数F=1/2pと
    が、Fc≧Fの関係にあることを特徴とする反射型液晶
    表示装置(但し、Wとは、入射した光が光散乱板から出
    射した位置を頂点とし、かつ、光反射板を底面とする円
    錐の底面の径である)。
  2. 【請求項2】 Fc≧3Fであるとを特徴とする請求項
    1に記載の反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 偏光板と光散乱板との間に位相差補償板
    が介在していることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の反射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 光の入射方向側から見て、順次、光散乱
    板、透明基板、液晶層、光反射層が並んで配置されてい
    る反射型液晶表示素子において、 光散乱板による空間周波数のカットオフ空間周波数Fc
    =1/2Wと、液晶層にて表示可能な空間周波数で、光
    反射板の上面に形成された白と黒の帯の幅(2p)の逆
    数(1/2p)である基本空間周波数F=1/2pと
    が、Fc≧Fの関係にあることを特徴とする反射型液晶
    表示装置(但し、Wとは、入射した光が光散乱板から出
    射した位置を頂点とし、かつ、光反射板を底面とする円
    錐の底面の径である)。
  5. 【請求項5】 Fc≧3Fであることを特徴とする請求
    項4に記載の反射型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 光散乱板から光反射層までの距離d
    [m]、反射型液晶表示装置を構成する最小のピッチp
    [m]、及び、光散乱層の光散乱角度θ[度]が d≦p/(2tan(θ/2)) の関係にあることを特徴とする請求項1から5のうち何
    れか1項に記載の反射型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 液晶層が、外部から電界を印加すること
    により複屈折性が変化する液晶で構成されていることを
    特徴とする請求項1から3記載の反射型液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 液晶がネマティック液晶又は強誘電性液
    晶であることを特徴とする請求項7に記載の反射型液晶
    表示装置。
  9. 【請求項9】 液晶層が、外部からの電界印加により光
    吸収度を変化する液晶で構成されることを特徴とする請
    求項4又は5に記載の反射型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 液晶がゲストホスト液晶であることを
    特徴とする請求項9に記載の反射型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 液晶層の光入射側もしくは反射板側の
    少なくとも一方にカラーフィルターが設けられているこ
    とを特徴とする請求項1から10のうち何れか1項に記
    載の反射型液晶表示装置。
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