JP3022247U - 漏水防止トンネル - Google Patents
漏水防止トンネルInfo
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 トンネルの漏水を防止する。
【構成】 裏面にデルタ状凸部2が規則的に形成された
プラスチック防水板3を外層トンネル壁1の内面に配設
し、プラスチック防水板3の表面に内層トンネル壁4を
設ける。
プラスチック防水板3を外層トンネル壁1の内面に配設
し、プラスチック防水板3の表面に内層トンネル壁4を
設ける。
Description
【0001】
本考案は、トンネルで生じる漏水を防止できる漏水防止トンネルに関するもの である。
【0002】
トンネルの基本構造は、くり抜いた基盤の天井と壁をアーチ状にコンクリート で固め、土砂の圧と浸水から内部を保護するものである。そのコンクリートに老 朽化等により大小の亀裂が生じ、その間隙からトンネル内部に水が侵入し漏水を 起す。
【0003】 従来の漏水防止トンネルは、導水樋やゴム製の板を施工区間のトンネル壁内面 にアンカー及び接着材等で固定したものである。その他として、枠を使用した内 装パネルを用いたものもある。
【0004】
従来のトンネルは、施工時に漏水防止対策が何らとられておらず、老朽化して 亀裂が入れば簡単に漏水してしまう構造であった。老朽化したトンネルでは、定 期的な点検が不可欠で、どこから漏水が始まっても不思議ではなかった。漏水は 滴となったり壁を伝ったりして路盤を濡らし側溝へと流入する。大量漏水発生時 には路盤にまで溢れる。トンネル内の気温が下がると、天井にはつらら、路盤は 凍結といった非常に危険な状態となる。
【0005】 従来の漏水防止トンネルには幾つかの問題点があった。第1に作業が複雑で施 工に長い時間を要すること。第2にゴム部と構造上強度が求められる枠とで或る 程度の厚みとなるため(約6cm〜10cm)トンネルが狭まり建築限界をクリ アできない事態があること。第3に板だけでは断熱性が悪くトンネル内の冷気で 板内側の漏水が凍結すること。第4に耐久年数が2、3年と短く、漏水が始まる 度に改修が必要なこと。第5に経済性が悪いこと。第6に施工部分(導水樋、ゴ ム板、枠等)とそうでない部分(コンクリート)の境界が厚みや材質が著しく異 るため、仕上りが不自然で見る者に強い違和感を与えること。第7に或る程度大 量の水が侵入して来た場合、板とトンネル壁内面間の空気層を一気に下降落下す るために騒音が発生すること。
【0006】 施工後2、3年で漏水が起きる上記第4の問題には幾つかの原因が考えられる 。枠の繋ぎ目や板の嵌め込み等組立部分の老朽や緩みのため、板と板の境にコー キング材の充填が不完全であったのかその劣化のため、ゴム部のトンネル壁内面 への密着が不充分であったのかその劣化のため等である。空気層の凍結もこれら を助長する原因となる。
【0007】 本考案は、上記した問題点を解決することのできる漏水防止トンネルを提供す ることを目的とするものである。
【0008】
この考案は、外層トンネル壁の内面に、デルタ状凸部が裏面に規則的に形成さ れたプラスチック板を配設し、該プラスチック板の表面に内層トンネル壁を設け たことを特徴とする漏水防止トンネルに関するものである。
【0009】
基盤5をくり抜いて建設されるトンネルにおいて、先ず、コンクリート製の外 層トンネル壁1の内面にプラスチック防水板3の裏面を外側にして配設固定する 。
【0010】 プラスチック防水板3の裏面にはデルタ状凸部2が規則的に形成されているた め、外層トンネル壁1内面とプラスチック防水板3との間に空気層6が形成され る。デルタ状凸部2は構造的に強いため、形状厚を非常に薄くすることができる 。基盤5から外層トンネル壁1に侵入した水は空気層6を図1(B)矢印方向へ 下降し、溜り、そして傾斜に沿って流れる。空気層6を下降する水はデルタ状凸 部2を迂回し緩やかに流れる。
【0011】 次に、プラスチック防水板3の表面に内層トンネル壁4を設ける。
【0012】 内層トンネル壁4の主な役割は、プラスチック防水板3の防水効果をバックア ップすること、断熱効果を高めること、プラスチック防水板3と一体化して外層 トンネル壁1を力学的に補強すること、外見的に普通のトンネルと同じに仕上げ ること等である。内層トンネル壁4の材質は、コンクリートや実施例に述べるモ ルタル接着材等ある。
【0013】 以上説明した方法で、トンネル建設時、漏水補修時等どの段階においても施工 することができる。
【0014】
図面に基づいて本考案の一実施例を説明するが、この実施例にのみ限定される べきものでないことは云うまでもない。
【0015】 図中5は基盤、1は外層トンネル壁、7は路盤である。図示しないが実際には 側溝が路盤7の両側に敷設される。
【0016】 図中3は外層トンネル壁1の内面に配設固定されたプラスチック防水板(高密 度ポリエチレン製)であり、2は該プラスチック防水板3の裏面に規則的等間隔 に形成されたデルタ状凸部である。図中8はプラスチック防水板3の表面に熱融 着されたプラスチック網である。
【0017】 プラスチック防水板3の固定方法としては、釘、プラスチックプラグ、ショッ トボルト等あるが、本実施例では止水パッキン9とショットボルト10で、凹部 を形成しているデルタ状凸部2の裏側から固定している。本実施例ではサイズ2 m×20m、厚み0.5mm、形状厚8mmの プラスチック防水板3を使用し た。本実施例におけるプラスチック防水板3同士の接合は、帯状でデルタ状凸部 2が6列形成されたところの図3右端に示した網の融着されていないプラスチッ ク防水板3を用い、接合箇所の裏面からデルタ状凸部2が縁から3列づつ重合す るよう接着材を用いてジョイントさせる。
【0018】 図中4はプラスチック防水板3の表面に設けられた内層トンネル壁である。プ ラスチック網8から凹部まで充填する。該内層トンネル壁4としては、モルタル やセメント等様々有り得るが、本実施例では無機系及び樹脂系等のモルタル接着 材を使用した。成分は、無機質粉体ボンドフィラー(普通ポルトランドセメント を主材に骨材(硅石)及び化学薬剤等を配合したもの)と高分子樹脂接着補強材 (エチレン酢酸ビニルエマルジョンを主材に特殊添加剤を配合したもの)と水を 配合したもので、吹付又はコテ塗等により仕上る。本材は耐水性、耐アルカリ性 、長期接着性、充填効果等に優れている。プラスチック防水板3の面から測った 仕上りは3〜5mm厚で、プラスチック防水板3と合せても11〜13mmにし かならない。
【0019】 内層トンネル壁4の端部処理は、図2に示すように、シーリング材11を充填 し、その上から外層トンネル壁1と一体的に見えるように仕上げる。
【0020】 空気層6の流末処理は、図1(B)に示すように、内層トンネル壁4の下端と 路盤7とをL型アングル12とパッキンを用いて密閉する。この外に、内層トン ネル壁4を直接路盤7と密着形成させ、ドレンパイプ・排水パイプを用いる処理 法もある。
【0021】
以上述べた本願考案にかかわる漏水防止トンネルによれば、作業が簡単で工期 を大幅に短縮できる(当社比で4割の短縮。)。
【0022】 また、外層トンネル壁内面からの厚みがプラスチック防水板と内層トンネル壁 をあわせても非常に薄く、トンネルの建築限界を簡単にクリアできる。
【0023】 また、プラスチック防水板と内層トンネル壁とで耐寒性に優れ、トンネル内の 冷気で空気層が凍結することはない。
【0024】 また、耐久年数が長く、20年以上経っても漏水しない。よって、改修を頻繁 に繰り返す必要もない。
【0025】 また、非常に経済的であるし、コストも安い。
【0026】 また、施工部分とそうでない部分の境界が材質も厚みも外見的には殆ど違わず 、仕上りが自然で違和感を与えない。
【0027】 また、或る程度の大量な水が侵入してもデルタ状凸部を迂回して緩やかに下降 するため、騒音が起こらず非常に静かである。
【図1】(A)は本考案の実施例をあらわすトンネルの
断面図、(B)は流末をあらわす断面図である。
断面図、(B)は流末をあらわす断面図である。
【図2】本考案の実施例をあらわす端部の断面図であ
る。
る。
【図3】本考案の実施例をあらわす説明図である。
1 外層トンネル壁 2 デルタ状凸部 3 プラスチック防水板 4 内層トンネル壁
Claims (1)
- 【請求項1】 外層トンネル壁1の内面に、デルタ状凸
部2が裏面に規則的に形成されたプラスチック板3を配
設し、該プラスチック板3の表面に内層トンネル壁4を
設けたことを特徴とする漏水防止トンネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995001696U JP3022247U (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 漏水防止トンネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995001696U JP3022247U (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 漏水防止トンネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3022247U true JP3022247U (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=43157562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1995001696U Expired - Lifetime JP3022247U (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 漏水防止トンネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3022247U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102482922B1 (ko) * | 2022-04-26 | 2022-12-29 | (주)이노로드 | 터널 벽면 발열 장치 |
-
1995
- 1995-02-03 JP JP1995001696U patent/JP3022247U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102482922B1 (ko) * | 2022-04-26 | 2022-12-29 | (주)이노로드 | 터널 벽면 발열 장치 |
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