JP3021882U - 面発光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 導光板表面を均一に面発光させることのでき
る面発光装置を提供する。 【構成】 透明な導光板１の一端面に線光源２、対向す
る他端面に端面反射板が配置され、導光板１の裏面側に
線光源２から遠ざかるにつれて厚さが薄くなる傾斜面部
が形成され、傾斜面部を含む導光板１裏面に光拡散透過
部が形成され、光拡散透過部を形成した面に裏面反射
板、表面に拡散シートが配置された面発光装置におい
て、端面反射板側の導光板角部４ａにおける光拡散透過
部の面積率が、線光源２の管軸に平行な方向では導光板
１側面に近づくにつれて変化の割合を増しながら大きく
なり、線光源２の管軸に直角な方向では端面反射板に近
づくにつれて変化の割合を増しながら大きくなり、かつ
光拡散透過部の面積率の変化しはじめる始点が導光板角
部を内側とする弧を描く。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術の分野】

本考案は、ディスプレイとして薄形の電飾照明、および薄形軽量のラップトッ プパソコン、ワープロ、液晶ＴＶ、カーナビゲーションのバックライトなどに利 用される面発光装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、透明な導光板１の一端面に線光源２、対向する他端面に端面反射板 ３がそれぞれ配置され、導光板１の裏面側に線光源２から遠ざかるにつれて厚さ が薄くなるような傾斜面部が形成され、傾斜面部を含む導光板１裏面に光拡散透 過部４が形成され、光拡散透過部４を形成した面に裏面反射板５が配置され、導 光板１の表面に拡散シート６が配置され、線光源２の導光板１と反対側の表面を 覆うように光源反射板７が配置されたエッジライト方式の面発光装置があった（ 図１参照）。光拡散透過部４としては、たとえば、導光板１の線光源２側から特 定位置までは線光源２より遠ざかるにつれて面積率が大きくなり、特定位置から 端面反射板３までは面積率が一定となるようなグラデーションパターンで形成さ れているものがある（図３参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、導光板の厚みが端面反射板側で薄くなるため、線光源の管軸と 直角な導光板側面における光反射が端面反射板付近で弱くなる。その結果、端面 反射板側の導光板角部に直接あるいは全反射により照射される光が端面反射板の 中央部近傍に比べて少なく、端面反射板側の導光板角部において輝度が低下し、 均一な輝度が得られにくかった。

【０００４】 したがって、本考案は、端面反射板側の導光板角部における導光板表面の輝度 を向上させ、導光板表面を均一に面発光させることのできる面発光装置を提供す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、透明な導光板の一端面に線光源、対 向する他端面に端面反射板がそれぞれ配置され、導光板の裏面側に線光源から遠 ざかるにつれて厚さが薄くなるような傾斜面部が形成され、傾斜面部を含む導光 板裏面に光拡散透過部が形成され、光拡散透過部を形成した面に裏面反射板が配 置され、導光板の表面に拡散シートが配置され、線光源の導光板と反対側の表面 を覆うように光源反射板が配置された面発光装置において、端面反射板側の導光 板角部における光拡散透過部の面積率が、線光源の管軸に平行な方向では導光板 側面に近づくにつれて変化の割合を増しながら大きくなり、線光源の管軸に直角 な方向では端面反射板に近づくにつれて変化の割合を増しながら大きくなり、か つ光拡散透過部の面積率の変化しはじめる始点が導光板角部を内側とする弧を描 くように構成した。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下に、図を参照しながら本考案の面発光装置についてさらに詳しく説明する 。

【０００７】 図１は面発光装置の一実施例を示す断面図、図２は本考案に係る面発光装置の 一実施例における光拡散透過部の面積率変化を示す模式図である。１は導光板、 ２は線光源、３は端面反射板、４は光拡散透過部、４ａは導光板角部、５は裏面 反射板、６は拡散シート、７は光源反射板をそれぞれ示す。

【０００８】 本考案の面発光装置は、透明な導光板１の一端面に線光源２、対向する他端面 に端面反射板３がそれぞれ配置され、導光板１の裏面側に線光源２から遠ざかる につれて厚さが薄くなるような傾斜面部が形成され、傾斜面部を含む導光板１裏 面に光拡散透過部４が形成され、光拡散透過部４を形成した面に裏面反射板５が 配置され、導光板１の表面に拡散シート６が配置され、線光源２の導光板１と反 対側の表面を覆うように光源反射板７が配置されている（図１参照）。

【０００９】 導光板１は、裏面側に線光源２から遠ざかるにつれて厚さが薄くなるような傾 斜面部が形成された樹脂板で、厚さ1.5〜30mm程度の透明な矩形板材が好ましい 。導光板１の厚みを上記のように変化させることにより、導光板１内に全反射す る角度で入射した光が全反射を繰り返す毎に徐々にその進行方向を変えていき、 ある段階で全反射臨界角を超えて導光板１の表面側より出射することになるため 、均一な厚さの導光板に比べてより多くの光が出射され、カラー液晶ＴＶにも対 応できるほどの高い輝度が得られる。導光板１の材質としては、アクリル、ポリ カーボネート、ポリスチレン、アクリルスチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂を 用いるとよい。また、導光板１の全側面は平滑面に研磨するのが好ましい。

【００１０】 線光源２としては、直径２〜３mmの熱陰極線管や冷陰極線管などの陰極線管を 用いる。

【００１１】 端面反射板３は、導光板１の他端面より出射して戻れなかった光を導光板１側 に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。端面反射板３の材料 としては、たとえば、次のようなものが好ましい。（１）樹脂中に白色顔料を混 入したフィルムまたは板。（２）白色塗装あるいは白色印刷したアルミニウム板 。（３）鏡面を呈した金属板やアルミニウムなどの金属箔、あるいはアルミニウ ムや銀などの金属蒸着を施したフィルムや板。また、上記端面反射板３を導光板 １の他端面に直接密着した反射層として配置する場合には、次のような方法があ る。すなわち、導光板１の他端面に直接白色の塗布あるいは印刷するか、直接導 光板１の他端面に蒸着を施すとよい。また、導光板１および線光源２を収納する ケースの内面を白色に塗装または印刷して端面反射板３としてもよい。

【００１２】 光拡散透過部４は、線光源２より導光板１内に導かれた光を散乱反射し、その 一部を導光板１の表面側に向かわせるものであり、光拡散透過部４の面積率を変 化させることにより光を均一に配分する。

【００１３】 光拡散透過部４の面積率の基本的変化は、導光板１の線光源２より遠ざかるに つれて面積率が大きくなる、あるいは導光板１の線光源２側から特定位置までは 線光源２より遠ざかるにつれて面積率が大きくなり、特定位置から端面反射板３ までは面積率が一定となるか又は減少するものである。本考案の特徴は、端面反 射板３側の導光板角部４ａにおける光拡散透過部４について、面積率のさらなる 変化を追加したことにある（図２参照）。つまり、線光源の管軸に平行な方向で は導光板側面に近づくにつれて変化の割合を増しながら大きくし、線光源の管軸 に直角な方向では端面反射板に近づくにつれて変化の割合を増しながら大きくし 、かつ光拡散透過部の面積率の変化しはじめる始点が導光板角部を内側とする弧 を描くようにした。

【００１４】 光拡散透過部４の面積率を変化させるには、光拡散透過部４を任意形状のドッ トで構成し、ドットの大きさを変えたり、位置によってドットの数を変えること によって行う。ドットの形状は特に限定されることなく、ラウンドドット、スク エアドット、チェーンドットなど任意形状でよい。また、ドットのかわりにスト ライプ状に形成してもよい。光拡散透過部４の形成方法としては、マットインキ を用いたスクリーン印刷などの印刷法や転写法、また導光板１裏面に凹凸をつけ たものなどがある。マットインキとしては、導光板１とほぼ同じかそれ以下の屈 折率を有する炭酸カルシウムやシリカなどの粒子状透明物質を含有するインキを 用いれば、より光拡散性を向上させることができる。

【００１５】 裏面反射板５は、光散乱反射部４において導光板１内に戻れなかった光を導光 板１側に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。裏面反射板５ の材料としては、たとえば、前記端面反射板３と同様の(1)〜(3)のようなものが 好ましい。また、導光板１および線光源２を収納するケースの内面を白色に塗装 または印刷して裏面反射板５としてもよい。

【００１６】 拡散シート６は、導光板１の表面より出射した光を拡散させ、輝度分布をなめ らかにするためのものである。この拡散シート６の材料としては、たとえば、次 のようなものが好ましい。（１）光拡散物質がコーティングされたフィルムまた は板。（２）自ら光拡散性を有するフィルムまたは板。（３）乳白色の樹脂フィ ルムまたは板。なお、拡散シート６は、導光板１に密着するよりも、導光板１と の間に間隔を設けて拡散シート６を配置した方が、導光板１の内部で全反射が確 保され、導光板１内部でロスが少なく十分に光を反射させることができる。また 、拡散シート６は、複数層形成してもよい。

【００１７】 光源反射板７は、線光源２の導光板１と反対側の面からの光を導光板１側に反 射させ、光を効率よく利用できるようにするものである。光源反射板７の材料と しては裏面反射板５と同様のものを用いるとよい。なお、線光源２と光源反射板 ７との距離は、間にスペーサーを介在させるなどして均一に保つとよい。

【００１８】 なお、本考案は上記の態様のみに限定されるものではない。たとえば、線光源 ２はその両端で輝度が暗くなっているので、導光板１の線光源２を配置した端面 の長さに等しいかあるいはそれ以下の線光源２を使用した場合、線光源２側の導 光板角部において輝度が低下する。これを補正するために、線光源２側の導光板 角部における光拡散透過部４の面積率変化を追加してもよい。

【００１９】 さらに、拡散シート６の表面にレンズシートを配置してもよい（図示せず）。 レンズシートは、拡散シート６の表面より出射した光の角度を立ち上げ、正面輝 度を上げるためのものである。このレンズシートの材料としては、たとえば、次 のようなものが好ましい。（１）片面を多数のプリズムを有する形状に加工した 透光性の樹脂フィルム（２）片面に多数のプリズムを有する層を形成した透光性 の樹脂フィルム（３）出光面が入光面よりも粗面である透光性の樹脂フィルム。 なお、透光性の樹脂フィルムとしては、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリ ル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムなどがある。

【００２０】 また、線光源２の管軸と直角な導光板側面には側面反射板を配置してもよい（ 図示せず）。側面反射板は、導光板側面より出射して戻れなかった光を導光板１ 側に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。側面反射板の材料 としては、前記端面反射板３と同様のものが好ましい。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の面発光装置は、以上のような構成からなるので、次の効果が奏される 。

【００２２】 すなわち、端面反射板の中央部近傍に直接あるいは全反射により照射された光 が、線光源の管軸に平行な方向で面積率が一定となる光拡散透過部で散乱して導 光板の表面側に導かれる一方、端面反射板側の導光板角部に直接あるいは全反射 により照射された光が、線光源の管軸に平行な方向で導光板端部に近づくにつれ て変化の割合を増しながら面積率が大きくなる光拡散透過部で散乱して導光板表 面側に導かれる。

【００２３】 したがって、従来の面発光装置に比べて導光板角部の導光板表面に導かれる光 が増えて輝度を向上させるので、導光板表面を均一に面発光させることができた 。

【図面の簡単な説明】

【図１】面発光装置の一実施例を示す断面図である。

【図２】本考案に係る面発光装置の一実施例における光
拡散透過部の面積率変化を示す模式図である。

【図３】従来技術に係る面発光装置の一実施例における
光拡散透過部の面積率変化を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 導光板 ２ 線光源 ３ 端面反射板 ４ 光拡散透過部 ４ａ 導光板角部 ５ 裏面反射板 ６ 拡散シート ７ 光源反射板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明な導光板の一端面に線光源、対向す
   る他端面に端面反射板がそれぞれ配置され、導光板の裏
   面側に線光源から遠ざかるにつれて厚さが薄くなるよう
   な傾斜面部が形成され、傾斜面部を含む導光板裏面に光
   拡散透過部が形成され、光拡散透過部を形成した面に裏
   面反射板が配置され、導光板の表面に拡散シートが配置
   され、線光源の導光板と反対側の表面を覆うように光源
   反射板が配置された面発光装置において、端面反射板側
   の導光板角部における光拡散透過部の面積率が、線光源
   の管軸に平行な方向では導光板側面に近づくにつれて変
   化の割合を増しながら大きくなり、線光源の管軸に直角
   な方向では端面反射板に近づくにつれて変化の割合を増
   しながら大きくなり、かつ光拡散透過部の面積率の変化
   しはじめる始点が導光板角部を内側とする弧を描くこと
   を特徴とする面発光装置。