JP3021877B2 - 光磁気ディスクの記録再生方法及び装置 - Google Patents

光磁気ディスクの記録再生方法及び装置

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JP3021877B2
JP3021877B2 JP3320346A JP32034691A JP3021877B2 JP 3021877 B2 JP3021877 B2 JP 3021877B2 JP 3320346 A JP3320346 A JP 3320346A JP 32034691 A JP32034691 A JP 32034691A JP 3021877 B2 JP3021877 B2 JP 3021877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光磁気ディスクの記録
再生方法と装置に関し、特に、応答速度の遅い光励起レ
ーザ発振器を用いた場合の上記方法と装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクの記録再生装置によるデ
ータの記録は、レーザスポットを光磁気媒体に照射し、
その部分をキューリ点以上の温度にし、該光磁気ディス
クに対して垂直に外部磁界を与えることによって、記録
データに対応した磁気ドメインを形成することによって
行われる。
【0003】この記録の方法として、レーザ光をON,
OFFして記録データに対応したパルスを形成し、外部
磁界を一定にする光変調方式と、レーザ光のパワーを一
定に保ち、外部磁界を記録データに応じて正逆に切り換
える磁界変調方式がある。
【0004】ところで、光磁気ディスクの記録密度は、
上記レーザ光のビーム径によって決定され、ビーム径は
照射されるレーザ光の波長によって決まる。光磁気ディ
スク用のレーザ光源としては、従来より小型で制御し易
い半導体レーザが用いられる。
【0005】上記半導体レーザの波長は780nm、あ
るいは830nmと比較的長くなり、より高密度の記録
をしようとする場合には更に波長の短いレーザを用いる
必要がある。ガスレーザ等ではX線に近い波長の発振器
も開発されているが、容積が大きく、光磁気ディスクの
記録再生装置に適用するのは不都合である。そこで、N
d:YAG素子(以下YAG素子という)から発射され
るレーザ(以下YAGレーザという)を非線形光学素子
(SHG素子)を通して得られる上記YAGレーザの1
/2の波長のレーザ(以下SHGレーザという)を用い
ることが試みられている。このSHGレーザは上記のよ
うにYAGレーザ(波長1064nm)の半分、すなわ
ち532nmの波長となり、上記半導体レーザを用いた
場合よりトラック密度及び周方向のデータ密度が向上
し、理論上2倍程度の高密度の記録が期待できることに
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記YAG素子等の光
励起レーザは励起光の強さを変化させることによって、
YAG素子の出力を変えることができるが、その応答が
10-5秒程度と非常に遅いため、光変調記録に必要な短
い幅のパルスを形成することはできない。一方、YAG
素子の出力に対してAOM(音響光学素子)等の変調素
子を介在させることによって、該YAG素子の出力レー
ザにパルス変調をかけることはできる。
【0007】しかしながら、YAG素子は光励起レーザ
であり、励起光源として半導体レーザ発振器を用いた場
合、装置の小型化が図れる一方で、出力パワーが小さく
なる。そこで、AOMを用いると更にレーザパワーを低
下せしめることになり、必要なパワーを備えたレーザパ
ルスを形成することはできない。YAG素子にSHG素
子を組み合わせるとレーザパワーは更に小さくなり、A
OMを用いることはできなくなる。
【0008】そこで、YAG素子を用いた場合記録に際
してはレーザパワーを一定にしてデータに対応して外部
磁界を変調する磁界変調方式がとられることになる。と
ころで、記録時あるいは消去時のレーザパワーは、再生
時のレーザパワーの倍程度にする必要がある。したがっ
て、上記のように磁界変調方式を採ったとしても、再生
から記録に、あるいは記録から再生に移行する過程で
は、レーザパワーの変調が必要となる。
【0009】上記のように光励起レーザでは励起光源の
出力を変化させることによって、YAG素子の出力を変
化させるようになっているが、その応答速度が10-5
オーダと低く、例えば、再生から記録に移行する際に光
ヘッドが記録対象セクタの記録エリアに移行してからパ
ワーを上げるようにしても、記録の初期の段階では記録
に必要な充分なパワーにならないことになり、不都合で
ある。
【0010】この発明は上記従来の事情に鑑みて提案さ
れたものであって、半導体励起レーザのパワー変調の応
答性を勘案した光磁気ディスクの記録再生方法と装置を
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために以下の手段を採用している。すなわち、図
1に示すように、レーザ光を光磁気ディスク2上にスポ
ット状に照射して記録再生消去を行う光磁気ディスクの
記録再生方法において、レーザ光源として、光励起レー
ザ発振器1を用い、該光励起レーザ発振器1に対し、ス
ポット位置でのレーザパワーが記録レベルと再生レベル
になるようにセクタ単位で変調をかけ、記録は上記記録
パワーの下で外部磁界を記録データに応じて変調するこ
とによって行うようにする。
【0012】光励起レーザ発振器1は励起光の変化に対
する出射レーザの応答が遅いため、再生から記録に移行
する際に、光磁気ディスク2の記録対象セクタSの記録
セクションSwより、励起光に対する光励起レーザ発振
器1の応答遅れを勘案した所定距離手前でスポット位置
でのレーザパワーが記録パワーとなるように変調をかけ
るようにする。
【0013】本発明では、光励起レーザ発振器1の出力
するレーザ光のパワーに変調をかけるための変調手段6
を用いる必要がある。励起光源12として半導体レーザ
発振器を用いる場合には該半導体レーザ発振器を上記変
調手段6として利用する。
【0014】更に、上記変調手段6をセクタ単位で作動
させるコントロール手段7が必要となる。該コントロー
ル手段7は、記録対象セクタSの記録セクションSwよ
り、励起光に対する光励起レーザ発振器1の応答遅れを
勘案した所定距離手前で、スポット位置でのレーザパワ
ーが記録パワーとなるように変調手段6を制御する。
【0015】
【作用】光磁気ディスクは一周25程度のセクタに分割
されて管理されている。スポット位置でのレーザパワー
が記録レベルと再生レベルになるようにセクタ単位で変
調をかけ、記録は上記記録パワーの下で外部磁界を記録
データに応じて変調することによって、励起光に対する
応答が遅い光励起レーザ発振器1であっても光磁気ディ
スクの記録再生装置に適用できる。
【0016】光ディスクは25/周程度のセクタSに分
割されて管理されており、各セクタSには管理領域であ
るIDセクションSiと記録領域である記録セクション
Swが含まれている。従って、再生レベルから記録レベ
ルへの移行は励起光に対する出射光の遅れを勘案して、
記録セクションSwの始端位置より所定距離手前位置
(IDセクションSiの特定ピットを検出した時)より
おこなわれる。
【0017】
【実施例】図1は本発明に係る装置概念図であり、図2
はそのタイミング図である。光励起レーザ発振器1は半
導体の励起光源12とYAG素子11とよりなり、上記
励起光源12が励起光をYAG素子11に入力すること
によって、YAG素子11より1064nmの波長のレ
ーザ光が出射するようになっており、このレーザ光はS
HG素子13を介して波長534nmの入射光L0 とさ
れる。この入射光L0 は更に偏光ミラー4と集光レンズ
5を介して光磁気ディスク2上にスポットを形成する。
該光磁気ディスク2よりの反射光は入射光L0 と同じ光
路を逆進し、偏光ミラー4で再生光L1 として取り出さ
れる。
【0018】上記YAG素子11の出射パワーは変調手
段6としての、励起光源12のパワーを制御することに
よって調整することができ、励起光源12のパワーを制
御するためにコントローラ71が備えられている。
【0019】一方、上記再生光L1 はディテクタ21で
光電変換され、アンプ22と波形等価器23を介して再
生回路24に入力される。この再生回路24では以下に
詳しく説明するように、図2に示す各セクタSのIDセ
クションSiより得られるアドレス信号Vaと、記録セ
クションSwの終わりを示す信号Veを抽出して、コン
トローラ71に入力するようになっている。
【0020】上記回路において、再生時には入射レーザ
0 のパワーが再生パワーになるように励起光源12の
出力パワーをコントローラ71によって調整する。そし
て、上位の制御部10からライト指令信号Vwが出力さ
れたときであって、再生回路8が記録対象セクタSのI
D部のアドレス信号Vaを出力したとき、コントローラ
71は励起光源12のパワーを上げ、SHG素子13の
出力(入射光L0 )が記録パワーになるように変調をか
ける。
【0021】各セクタSのIDセクションSiにおい
て、アドレスピットPaはほぼ中央部に位置していると
ころから、ディテクタ21によってアドレスピットPa
が検出されてから記録セクションSwの始端にまで光ス
ポットが移動するまでに充分な余裕があるところから、
YAG素子11の励起光の変化に対応する応答速度が1
-5秒オーダであっても光スポットがIDセクションS
iの記録セクションSwの始端に位置したときには、入
射光L0 は記録するに充分な大きさのレーザパワーとな
っている。そして、光スポットが、記録セクションSw
の始端に位置した時点で磁気ヘッド3によって記録デー
タに応じて外部磁界を正逆させ、データの記録が行える
ことになる。
【0022】この記録パワーは記録対象セクタの記録セ
クションSwが終了(記録セクションの長さが一定であ
るので、クロック信号の数より終了位置が検出できる)
すると、再生回路4の出力する終了信号Veを受けてコ
ントローラ71が励起光源6のパワーを下げ、SHG素
子13の出力が再生パワーになるように変調をかけるよ
うになっている。
【0023】上記波形等価回路23は、ディテクタ21
の検出する信号の均等化を図る機能をそなえている。特
にIDセクションSiでレーザパワーが再生パワーから
記録パワーに増加するとき、あるいは、記録終了時に記
録パワーから再生パワーに減少するときに、増加分ある
いは減少分を補償するようになっている。
【0024】以上のようにすると、励起光に対する応答
が遅い光励起レーザであっても記録が可能となる。尚、
再生から記録へのレーザパワー変調タイミングをアドレ
スピットを検出した時点としたが、励起光に対する入射
光の応答遅れさえ勘案されていれば、光スポットがID
セクションSi内にあるときのどの時点でもよい。ま
た、記録から再生へのパワーの変更も、上記のように記
録セクションSwの終了時点だけでなく、種々の選択が
できる。例えば、上記再生から記録へのパワー変調と同
様にIDセクションSiのアドレスを検出した時点であ
ってもよい。
【0025】尚、上記では記録についてのみ説明した
が、同様の制御で消去も行うことができる。但し、この
場合に印加される外部磁界は消去方向に一定となる。光
励起レーザであっても上記のように半導体レーザで励起
するのではなく、ハロゲンランプ等パワーの大きなラン
プで励起する場合には、大型にはなるがSHG素子13
を介在させても大きな出力を得ることができる。そこ
で、励起光源としてのランプを変調手段6として用いる
のではなく、SHG素子13の出力に対してAOM等の
変調素子を介在させることによって、光変調方式を採用
することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、記録対
象セクタのIDセクションの特定ピットの信号を再生し
たときにレーザパワーを記録パワーとしているので、記
録対象セクタの記録セクションにスポットが位置したと
きには、記録に十分なレーザパワーを確保することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示すブロック図である。
【図2】本発明のタイミング図である。
【符号の説明】
1 光励起レーザ発振器 2 光磁気ディスク 3 磁気ヘッド 6 変調手段 7 コントロール手段 12 半導体レーザ発振器 S 記録対象セクタ Sw 記録セクション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−100902(JP,A) 特開 平3−256383(JP,A) 特開 平2−236532(JP,A) 特開 昭64−82683(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を光磁気ディスク上にスポット
    状に照射して記録再生消去を行う光磁気ディスクの記録
    再生方法において、 レーザ光源として、光励起レーザ発振器を用い、該光励
    起レーザ発振器に対し、スポット位置でのレーザパワー
    が記録レベルと再生レベルになるようにセクタ単位で変
    調をかけ、記録は上記記録パワーの下で外部磁界を記録
    データに応じて変調することによって行うとともに、 再生から記録に移行する際に、上記光磁気ディスクの記
    録対象セクタの記録セクションより、励起光に対する上
    記光励起レーザ発振器の応答遅れを勘案した所定距離手
    前でスポット位置でのレーザパワーが記録パワーとなる
    ように変調する ことを特徴とする光磁気ディスクの記録
    再生方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光を光磁気ディスク上にスポット
    状に照射して記録再生消去を行う光磁気ディスクの記録
    再生装置において、 上記レーザ光源となる光励起レーザ発振器と、 スポット位置でのレーザパワーを記録レベルと再生レベ
    ルで切り換える変調手段と、 記録時に記録データに従って磁界方向を切り変える磁気
    ヘッドと、 上記変調手段をセクタ単位で作動させるとともに、記録
    対象セクタの記録セクションより、励起光に対する上記
    光励起レーザ発振器の応答遅れを勘案した所定距離手前
    で、スポット位置でのレーザパワーが記録パワーとなる
    ように上記変調手段を制御するコントロール手段とを備
    えたことを特徴とする光磁気ディスクの記録再生装置。
  3. 【請求項3】 上記光励起レーザ発振器の励起光源が半
    導体レーザ発振器である請求項2に記載の光磁気ディス
    クの記録再生装置。
  4. 【請求項4】 上記光励起レーザ発振器よりの出力レー
    ザが更に非線型光学素子を介して光磁気ディスクに入射
    される請求項3に記載の光磁気ディスクの記録再生装
    置。
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