JP3021692U - 建築足場の滑動防止金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、安価であり、しかも整地が不
完全な地面でも足場施工が容易、かつ足場位置の修正も
容易であり、根がらみも必要とせずに作業通路が確保で
き、足場の滑動を完全に防止することができる滑動防止
金具の提供。 【解決手段】 所要の機械的強度を有する棒材を、ジャ
ッキベース11の支柱が遊挿可能なＲをもって略平行若し
くは任意の角度で折り返し、さらにＲの中心から、敷盤
12若しくは敷角の一辺の長さの略１／２に相当する位置
で、Ｒ部付近の折り返し棒材が含まれる面に対して略垂
直方向に折り曲げた形状を有する。足場固定の際は、建
築足場を設定した後、ジャッキベース11の支柱にＲ部13
aを嵌合し、敷盤12の辺部近傍の地中に折り曲げ先端部
を手ハンマーで打ち込む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築足場の滑動を防止するための金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２〜図４は、従来の建築足場の例を示したものである。足場は通常、その脚 部に、高さ調節と、足場の滑動又は沈下を防止するためにジャッキベースを用い 、かつ、敷板、敷角あるいは敷盤等を用いている。

【０００３】 図２は、複数のジャッキベース１が共通に取り付けられる敷板２を用いた場合 を示したものである。例えば240mm×■からなる長尺の合板からなる敷板２に、 ジャッキベース１を釘等で固定する。

【０００４】 図３は、ジャッキベース１毎に敷角３を使用したものであり、敷角３は例えば 240mm角の合板からなっており、ジャッキベース１が釘で固定される。また、同 寸法の鋼板からなる敷盤も使用され、ジャッキベース１が嵌着される爪等を有し ている。敷角、敷盤を用いる場合は、さらに根がらみ６を併用する。

【０００５】 図４は、下部が杭状で上部がジャッキになっている根入れ式ジャッキベース４ の例で、この場合、例えば240mm角の鋼板の中心に杭が挿通される孔の開いた敷 盤５が用いられる。この根入れ式の場合は根がらみは必要としない。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来例のうち、図２のように敷板２を用いるものは、低層 建築(住宅等)の場合、地面の整地が不完全でレベルがとれていないため、長尺物 の敷板２を敷くことは困難である。

【０００７】 また、図３のように、ジャッキベース(根入れ式でないもの)１毎に個々の敷角 ３や敷盤を用いたものは、そのままでは地面に固定されていないので滑動の可能 性があり、従って、足場支柱の低い位置に、隣接支柱間を互いに連結する根がら み６を設ける必要があり、このため、足場部材の数が増加し、また地上での作業 通路の妨げにもなる。

【０００８】 さらに、図４に示したように、根入れ式ジャッキベース４に敷盤５を用いたも のは、現在の低層住宅に用いられる足場が、システム化されてスパン等が決めら れたタイプが主流のため、足場の脚部を杭で固定されると、足場組立途中で修正 ができず、足場施工が困難になる等の問題があった。

【０００９】 本考案は、上記従来の問題点を解決するもので、整地が不完全な地面でも足場 施工が容易であり、かつ足場設定が完了した後固定作業をするため、足場組立途 中での足場位置の修正も容易であり、根がらみも必要とせずに作業通路が確保で き、足場の滑動を完全に防止することができる建築足場の滑動防止金具を提供す ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案の建築足場の滑動防止金具は、所要の機械 的強度を有する棒材を、ジャッキベースの支柱が遊挿可能なＲをもって略平行若 しくは任意の角度で折り返し、さらにＲの中心から、敷盤若しくは敷角の一辺の 長さの略１／２に相当する位置で、Ｒ部付近の折り返し棒材が含まれる面に対し て略垂直方向に折り曲げた形状を有するものから構成される。

【００１１】

【作用】

上記構成の滑動防止金具は、支柱の脚部に取り付けたジャッキベースに敷盤若 しくは敷角を用いた建築足場を設定した後、ジャッキベースの支柱にＲ部を嵌合 し、敷盤若しくは敷角の辺部近傍の地中に折り曲げ先端部を手ハンマーで打ち込 むことによって、前後左右何れの方向にも滑動することができず、従って、簡単 な構成で建築足場を確実に固定することができる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。図１は本考案の一実施例を示 したもので、11はジャッキベースであり、ベース部11aにおねじを切った支柱11b が植設されている。足場パイプはめねじ11cの上に乗り、高さ調節ができる。12 は敷盤であり、ジャッキベース11のベース部11aが爪12aにより嵌着されている。 13は本考案になる滑動防止金具であり、所要の機械的強度を有する棒材(例えば 直径９mmの鋼材)を、ジャッキベースの支柱11bが遊挿可能なＲ部13a(例えば径が 50mm)で略平行に折り返し、さらにＲの中心から、敷盤12の一辺の長さＬ(例えば 240mm)の略１／２(例えば120mm)に相当する位置で、Ｒ部付近の略平行な棒材が 含まれる面に対して略垂直方向に折り曲げた形状を有する。折り曲げ部から先端 までの長さは、例えば200mmとする。

【００１３】 上記構成の滑動防止金具13で建築足場を固定するときは、支柱の脚部に取り付 けたジャッキベース11に敷盤12を用いた建築足場を設定した後、ジャッキベース の支柱にＲ部13aを嵌合し、敷盤12の辺部近傍の地中に折り曲げ先端部を手ハン マーで打ち込む。これによって、ジャッキベース11に敷盤12を取り付けた建築足 場は、前後左右何れの方向にも滑動することができず、確実に固定される。

【００１４】 以上、実施例について説明したが、本考案は、上記実施例で示された構成に限 定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、改変を 施し得ることは言うまでもない。例えば、Ｒ部からの折り返しは、必ずしも平行 である必要はなく、任意の角度で折り返せばよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、建築足場の滑動を完全に防止すること ができるだけでなく、 (1) 構造が簡単で、安価に実施することができる。

【００１６】 (2) 整地が不完全な地面でも足場施工が容易である。

【００１７】 (3) 足場位置の修正が容易である。

【００１８】 (4) 表面に突出しないので作業通路も確保できる。

【００１９】 (5) 根がらみを必要とせず、作業通路となる広い開口部が確保できる。

【００２０】 等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の使用状態を示す図であ
る。。

【図２】第１の従来例を示す図である。

【図３】第２の従来例を示す図である。

【図４】第３の従来例を示す図である。

【符号の説明】

11 … ジャッキベース、 12 … 敷盤、 13 … 滑動防止
金具、 13a … Ｒ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支柱の脚部に取り付けたジャッキベース
   に敷盤若しくは敷角を用いた建築足場の滑動防止金具で
   あって、所要の機械的強度を有する棒材を、前記ジャッ
   キベースの支柱が遊挿可能なＲをもって略平行若しくは
   任意の角度で折り返し、さらに前記Ｒの中心から、前記
   敷盤若しくは敷角の一辺の長さの略１／２に相当する位
   置で、前記Ｒ部付近の折り返し棒材が含まれる面に対し
   て略垂直方向に折り曲げた形状を有し、建築足場を設定
   した後、ジャッキベースの支柱に前記Ｒ部を嵌合し、前
   記敷盤若しくは敷角の辺部近傍の地中に前記折り曲げ先
   端部を手ハンマーで打ち込むことを特徴とする建築足場
   の滑動防止金具。