JP3021131B2 - 鉄道車両用支障物検知装置 - Google Patents

鉄道車両用支障物検知装置

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JP3021131B2
JP3021131B2 JP3285138A JP28513891A JP3021131B2 JP 3021131 B2 JP3021131 B2 JP 3021131B2 JP 3285138 A JP3285138 A JP 3285138A JP 28513891 A JP28513891 A JP 28513891A JP 3021131 B2 JP3021131 B2 JP 3021131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行中の鉄道車両の進
路上に存在する支障物を検知する鉄道車両用支障物検知
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】列車、電車等の鉄道車両の運行に際し、
車両の安全を確保するために走行する車両から前方を撮
影し、この撮影画像から進路上の支障物の有無を判定す
ることが考えられる。この場合、問題となるのは支障物
間での距離Laである。車両の制動距離をLとした場
合、もしもL<Laであれば衝突は回避可能である。し
かし、L>Laであれば折角支障物を検知できたとして
も衝突してしまう。従って、支障物は車両の前方L(制
動距離)以遠で検知されなければ意味がない。更に、運
転者が判断するための余裕ΔLを考慮すると、(L+Δ
L)以遠で障害物を検知する必要がある。上記撮影画像
の画面内での(L+ΔL)前方のレールの位置を判断す
る方法としては、以下の2通りの方法が考えられる。
【0003】(1)2本のレール間距離は一定である。
この特徴を利用して、予め(L+ΔL)前方でレール間
が何画素になるかをカメラの画角から計算しておいて、
画面内での(L+ΔL)前方のレールの位置を求める。
しかしながら、この方法は線路が直進している場合のみ
有効であり、カーブしている場合には正確な位置を計算
できない。そこで、次の方法が考えられる。 (2)カメラを2台用いて、三角測量により距離を計算
し、(L+ΔL)前方のレールの位置を決定する。
【0004】画面内で(L+ΔL)前方のレールの位置
が分かれば、その位置を中心にして支障物有無の検査を
行う領域(支障物探索エリア)を設定し、同領域内で画
像処理を行う事により支障物の有無を判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)、(2)の
方法は、共に画像処理等を行うことにより画面内でのレ
ールの位置を識別・認識する必要がある。その上で、
(1)、(2)の方法により(L+ΔL)前方の位置を
求める。しかし、(1)では線路がカーブしている場合
に位置を決定することが不可能であり、(2)ではカメ
ラ間の距離を車体の横幅以上にすることはできない。カ
メラ間距離が十分にとれないため精度的に問題がある。
更に、カメラを2台用いるためシステム全体が複雑化
し、計算所用時間も長くなり、その上コスト高になると
いう問題がある。
【0006】また、上記支障物探索エリア内で画像処理
を行うことにより検知された支障物は、車両の前方(L
+ΔL)から無限遠点(理論上)の間に存在する支障物
である。支障物までの距離Laに応じて運転者の対応は
変化する。Laが(L+ΔL)よりも少し大きければ急
ブレーキをかける必要がある。Laが(L+ΔL)より
もかなり大きければ汽笛を鳴らして様子を見ればよい。
支障物までの距離を知る方法としての画面内での支障物
の大きさとカメラの画角から計算する方法が考えられる
が、支障物の大きさは千差万別でありこの方法は不可能
である。
【0007】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、制動距離以遠(L+ΔL)における支障物の有無
を正確に判定できると共に、支障物までの距離を計測し
て運転者に報知できる鉄道車両用支障物検知装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鉄道車両用
支障物検知装置は、走行する鉄道車両の前方を撮影する
ように設置された画像入力装置と、この画像入力装置に
より撮影された画像を記憶する画像メモリと、上記走行
する車両の現在位置を検出する位置検出手段と、上記画
像入力装置で撮影された画像内でレールがどの様に見え
るかを上記位置検出手段で検出される車両位置に対応し
た路線データとして予め記憶しておく路線データメモリ
と、このメモリに記憶された路線データ及び上記位置検
出手段からの位置検出信号に基づいて上記画像メモリに
記憶された画像内に支障物があるかどうかを判定する判
定手段と、車両のヨーイング角度及びピッチング角度
検知する振動角検知手段と、支障物までの距離を計測す
る測距手段と、上記画像入力装置で得られた画面内での
支障物の位置及び上記振動角検知手段で得られる車両の
ヨーイング角度及びピッチング角度から支障物の方向を
計算する演算手段と、この演算手段で得られた方向情報
に基づいて上記測距手段の測距方向を制御駆動する測距
方向制御手段と、上記判定手段により判定した支障物の
有無及び上記測距手段で計測した支障物までの距離を運
転者に知らせる報知手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0009】
【作用】鉄道の敷設状況をデータ化した路線データを予
め路線データメモリに記憶しておき、位置検出手段によ
り走行中の車両の現在位置(例えば基準点からの距離)
を検出して路線データメモリの記憶内容を読出すことに
より、車両前方の線路の敷設状況を確認することができ
る。すなわち、現在位置を原点とする3次元座標を設定
した場合に、任意の距離R前方のレールの位置pの座標
を一意に定めることができる。走行する車両の前方を撮
影するように設置された画像入力装置、例えば赤外線カ
メラでこの点pを撮影した場合に画面内でどこに見える
かは、数学的な座標変換計算で求めることができる。従
って、任意の距離R前方のレールが画面内でどこに見え
るかが分かる。そこで、R=(L+ΔL)とした場合の
レールの画面内での位置を中心にして有限の大きさの支
障物探索エリアを設定し、同エリア内において画像処理
を行うことにより支障物の有無を判定する。更に、画面
内での支障物の位置及び振動角検知センサの出力から支
障物の方向を計算し、測距手段の測距方向を制御駆動し
て支障物までの距離を計測する。そして、上記判定結果
に基づく支障物の有無、及び計測した支障物までの距離
を運転者に報知する。
【0010】上記のように路線データを用いることによ
り、前方の線路が直線であっても曲がっていても、(L
+ΔL)前方のレールの画面内での位置を正確に計算す
ることができる。なお、距離(L+ΔL)は任意であ
り、車両の速度に応じた制動距離に設定可能である。ま
た、画像処理等を行うことにより画面内でのレールの位
置を識別・認識する必要が無いため大幅に計算時間を短
縮できる。更に、測距を行うことにより支障物までの距
離が分かるので、運転者は支障物までの距離に応じた対
応をとることができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。図1は本発明の一実施例に係る鉄道車両用
支障物検知装置の構成を示すもので、撮像手段としての
赤外線カメラ11を備えている。この赤外線カメラ11
は図2で示すように車両10の先頭位置に取り付けら
れ、車両の前方を撮影する。このカメラで撮影された映
像信号は、A/D(アナログ/ディジタル)変換器12
でディジタルデータに変換される。そして、このA/D
変換器12からの出力信号は、演算装置14からの命令
に基づいて画像メモリ13に書き込まれる。
【0012】上記演算装置14には、車両の現在位置を
検出するキロ程センサ15からのキロ程(基準点からの
距離)信号、及び予め路線データメモリ16に記憶され
ている路線データ、振動角度検出手段であるジャイロセ
ンサ18からの振動角度、レーザ測距センサ19からの
支障物までの距離が供給される。上記キロ程センサ15
は、図2で示すように車両の車輪に取り付けられてお
り、例えばその回転数に対応した距離データを出力す
る。
【0013】また、路線データメモリ16には、その一
例を図3(a),(b)に示すようにキロ程に対応する
線路形状を示す路線データが記憶される。この図3に示
す例では、キロ程0から100までは半径50m,交角
90°の右(R)カーブであり、その次に400mの直
線が続き、キロ程500から700までが半径100
m,交角60°の左(L)カーブであり、その後100
mの直線が続いている。上記図3において、BTC(Bi
ginning of Transition Curve )は緩和曲線起点、BC
C(Biginning of Circular Curve )は円曲線起点、E
CC(END of Circular Curve )は円曲線終点、ETC
(END of Transition Curve )は緩和曲線終点を示して
いる。上記図3に示した路線データは水平方向のもので
あるが、垂直方向の路線データも同様に例えばキロ程に
対応した線路の勾配が路線データメモリ16に記録され
る。
【0014】上記ジャイロセンサ18及びレーザ測距セ
ンサ19は、図2に示すように赤外線カメラ11の近く
に設置されており、ジャイロセンサ18はカメラ取付位
置における車両のヨーイング角度及びピッチング角度を
出力する。
【0015】上記図1における演算装置14は、大きく
分けて4つの部分、つまり、2値化手段14a、支障物
探索エリア設定手段14b、支障物有無判定手段14c
及びレーザビーム方向設定手段14dから成っている。
2値化手段14aは、画像メモリ13から画像データを
得た後、各種画像処理アルゴリズムにより2値化を行
い、この2値画像を画像メモリ13に記録する。支障物
探索エリア設定手段14bは、キロ程センサ15からの
キロ程信号、路線データメモリ16からの路線データ及
び画像メモリ13からの2値画像を用いて支障物有無の
検査を行う領域(支障物探索エリア)を画面内に設定す
る。支障物有無判定手段14cは、上記領域(支障物探
索エリア)内で各種画像処理を行うことにより支障物の
有無を判定する。レーザビーム方向設定手段14dは、
画面内での支障物の位置及びジャイロセンサ18の出力
から支障物の方向を計算し、レーザ測距センサ19に出
力する。
【0016】レーザ測距センサ19は、レーザビーム方
向設定手段19a及びレーザ測距手段19bから成って
いる。レーザビーム方向設定手段19aは、レーザビー
ム方向設定手段14dにより出力された支障物の方向に
基づいてレーザビームの方向を制動駆動する。レーザ測
距手段19bは、上記レーザビーム方向制御駆動手段1
9aによって定められた方向にレーザ測距を行い、支障
物までの距離を演算装置14に出力する。そして、上記
演算装置14により求めた支障物の有無及び支障物まで
の距離が出力装置17に送られて運転者に報知される。
【0017】図4は上記演算装置14における動作の流
れを示すものである。ステップ101で、車両の現在位
置に対応するキロ程を設定する。次のステップ102
で、赤外線カメラ11の出力をA/D変換器12でディ
ジタル化し、画像メモリ13に記憶する。ステップ10
3では、上記画像メモリ13に記憶された画像データを
周知の各種画像処理アルゴリズムにより2値化しレール
部分を2値画像として抽出し、その2値画像を画像メモ
リ13に記録する。
【0018】ステップ104で、キロ程センサ15から
車両の現在位置に対応するキロ程を読み取る。ステップ
105では、このキロ程に対応する路線データを路線デ
ータメモリ16から読み出す。ステップ106では、上
記2値画像及び路線データを用いて後述する方法に従っ
て画面内に支障物探索エリアを設定する。ステップ10
7で、上記支障物探索エリア内で後述する各種画像処理
を行うことにより支障物の有無を判定する。そして、次
のステップ108で上記ステップ107で支障物が検出
されたかどうかを判断し、支障物が検出された場合には
ステップ109に進み、後述する方法によりレーザビー
ムの方向を設定し、ステップ110でレーザ測距を行っ
て支障物までの距離を計測する。ステップ111で支障
物の存在及び支障物までの距離を運転者に報知するよう
な出力表示を実行させる。ステップ112で運転終了か
どうかを判断し、終了ならば本処理は終了し、運転終了
でなければステップ102に戻って上記動作を繰り返
す。
【0019】次に、上記ステップ106における支障物
探索エリアを設定する方法について説明する。図5は上
記方法の処理の流れの一例を示すものである。ステップ
201は、前記ステップ104,105に相当してい
る。この操作により、進行方向前方の線路の敷設状況が
分かる。そこでステップ202で、図6に示すような3
次元座標系20を設定し、例えば1500m前方の左右
のレールの中央の点p21の座標(x,y,z)を計算
する。ここで1500mは制動距離Lと運転者が判断す
るための余裕ΔLの和(L+ΔL)の一例であって、車
両の速度に対応した値に設定することが可能である。ス
テップ203では、赤外線カメラ11で点p21を撮影
した場合、図7に示すように点pが画像23内で見える
位置(m,n)24を計算する。
【0020】図7は赤外線カメラ11により撮影後、画
像メモリ13に記憶されているディジタル画像である。
座標(m,n)24は、前記3次元座表系20で一意に
定めることのできるカメラ取付位置、角度及びカメラの
画角をパラメータとする数学的な座標変換計算で与えら
れる。ステップ204では、画面内で点pが見える位置
(m,n)24を中心にして支障物探索エリア25を設
定する。支障物探索エリアの大きさは任意であるが、大
きすぎると無意味であり、小さ過ぎると検査すべき領域
を含まなくなり問題である。
【0021】以下に支障物探索エリアの大きさを設定す
る方法の一例を示す。車両の建築限界を考慮すると、線
路上3.8m×3.8mの領域に支障物がなければ問題
はないと考えられる。そこで、1500m前方の3.8
m×3.8mの領域が画面内でどの程度の大きさになる
のかを計算する。これは、水平及び垂直方向の画素数、
カメラの水平及び垂直方向の画角によって決まる。画素
数を640×486、画角を3.5°×2.7°とすれ
ば、1500m前方の3.8m×3.8mの領域は画面
内で27×27(画素)の大きさになる。そこで、上記
座標(m,n)24を中心に図7に示すように27×2
7(画素)の大きさの支障物探索エリア25を設定す
る。本実施例では、路線データとして図3に示すような
線路の敷設状況を表すデータを用いて上記座標(m,
n)24を毎回計算しているが、上記ステップ203で
求めた座標(m,n)24をキロ程と対応させて記憶し
ておき、路線データとして用いることも考えられる。即
ち、キロ程に対応する上記座標(m,n)24が分かり
さえすれば路線データは何れの形で記憶しても良い。
【0022】上記図5に示した方法は、車両の振動の影
響が無視できる様な場合に可能である。実際には振動の
ため車両に対するカメラ取付位置及び角度が変化し、画
像に位置ズレが生じる。即ち、車両が静止していた場合
の画像とは異なった画像が撮像される。上記ステップ2
03で求めた点pが画像23内で見える位置(m,n)
24は車両が静止していた場合の画面内での位置であ
る。振動のためカメラ取付位置及び角度が大きく変化し
た場合に、上記位置(m,n)24が画面内でずれてし
まい問題となる。そこで、振動の影響を排除する方法の
処理流れを図8に示す。
【0023】図8のステップ201は、図5のステップ
201と同じ内容である。ステップ301では、路線デ
ータメモリ16に記憶された路線データを用いて左右の
レールを描画した図9に示すレール画像30を画像メモ
リ13上に生成する。レール画像30は、例えば、ビッ
ト“0”の背景にビット“1”でレールを描いたような
2値画像である。
【0024】レール画像30の生成方法の一例を以下に
示す。図5のステップ202において1500m前方の
点だけではなく、200〜1500m前方の点を100
mおきに計算しステップ203でその画面内での座標を
求める。それらは、レール中央部の座標であるため、距
離に応じたレール間画素数を加えることにより左右のレ
ールの座標を求める。その座標を直線で結び200〜1
500m前方の左右のレール画像を生成する。必ずしも
200〜1500mを100mおきに計算する必要は全
くなく、臨機応変に変更して良いことは言うまでもな
い。また、前述したように、上記ステップ301で計算
した200〜1500m前方100m毎の左右のレール
の画面内での座標をキロ程と対応させて記憶しておき、
路線データとして用いることも考えられる。その他、路
線データの記憶方法としては、キロ程に対応するレール
画像30が生成できさえすれば何れの方法でも問題はな
い。
【0025】ステップ302では、ステップ103によ
り生成された図10に示すレール部分を抽出した2値画
像31と上記レール画像30との相関を取ることにより
ズレ量ρm,ρnを求める。上記2値画像31は図10
に示すように、例えばレール34a部分がビット“1”
で表されている様な2値画像である。上記ズレ量ρm3
5mは図11に示すように、実際のレール34と描画し
たレール33の水平方向(m軸方向)にずれている画素
数であり、ズレ量ρn35nは垂直方向(n軸方向)に
ずれている画素数である。
【0026】図9に示すようにレール画像30に、描画
したレール33を囲むようなウィンドウ32を設定す
る。2枚の画像が全く重なった状態から一方の画像を上
下左右にずらしてウィンドウ32内での相関値を求め
る。具体的には、レール画像30と2値画像31の論理
積画像を求めてウィンドウ32内でのビット“1”の総
和を相関値とする。相関値が最大となるときの水平方向
のずらし量をズレ量ρm、垂直方向のずらし量をズレ量
ρnと見なす。相関を取るウィンドウの設定の仕方は必
ずしも上記の方法である必要はなく、ズレ量ρm,ρn
を正確に求めることができさえすれば何れのウィンドウ
でも良い。
【0027】次にステップ303で上記ズレ量ρm35
m,ρn35nを補正して支障物探索エリア25を設定
する。図12に示すように、1500m前方のレールの
中央の点p21が画像23内で見える位置(m,n)2
4をズレ量ρm35m,ρn35nだけ補正した点(m
+ρm,n+ρn)36を中心にして27×27画素の
大きさの支障物探索エリア25を設定する。すなわち、
画面内でのズレ量を求め、そのズレ量だけ補正すること
により正確な支障物探索エリアを設定することができ
る。
【0028】図4のステップ107支障物有無判定処理
の一例を図13に示す。本装置は撮像手段として赤外線
カメラ11を使用している。赤外線カメラ11で自動車
等の支障物を撮影すると、エンジン等の高温部分が明る
く映るという特徴がある。この特徴を利用して、支障物
探索エリア25内に高輝度部分が存在すれば支障物有り
と判断する。ステップ401では、画像メモリ13に記
憶されているディジタル画像23から、支障物探索エリ
ア25内の画像データを取り出す。ステップ402では
例えば適当な閾値でもって上記画像データを2値化し、
高輝度部分(背景に比べて輝度が高い部分)を抽出す
る。この場合、例えば高輝度部分はビット“1”で、そ
の他の部分は“0”とする。
【0029】ステップ403では、上記ステップ402
により生成された2値画像に高輝度部分が抽出されてい
るかどうかを判定する。判定方法の一例とし、ビット
“1”の部分が存在すれば支障物ありと判断し、ステッ
プ404Yに進む。支障物無しの場合はステップ404
Nに進む。本方法は、支障物探索エリア25内の高輝度
部分の存在有無により支障物の有無を判定するものであ
り、ステップ402における2値化の方法は高輝度部分
を抽出できる方法であれば何れの方法であっても良く、
またステップ403の高輝度部分有無の判定方法も必ず
しも上記方法でなければならないという理由は全く無
い。
【0030】以上の処理により得られた支障物有無判定
結果404Y或いは404Nが図4のステップ108に
出力され、支障物が存在すればステップ109に進んで
支障物までの距離を計測する。ここではレーザビームを
用いて測距を行う方法を示す。なお、測距手段として必
ずレーザビームを用いなくてはならないという理由は全
くなく、支障物までの距離が計測できさえすれば何れの
手段であってもよい。
【0031】図4におけるステップ109のレーザビー
ム方向設定処理の一例を以下に示す。図14は支障物が
存在する画像である。画面の大きさを2M×2N(画
素)とし、カメラ画角を水平方向2θh(°)、垂直方
向2θv(°)とする。画面内での支障物の座標41を
(m0,n0)とし、画面中心40を(M,N)とす
る。このときカメラの光軸から見た支障物の方向角度
(水平方向をΘh、垂直方向をΘvとする)は次式で与
えられる。ただし、水平方向は中心より右側を正とし、
垂直方向は中心より上側を正とする。 Θh=(m0−M)・θh/M Θv=−(n0−N)・θv/N
【0032】図15は車両を正面から見た図である。赤
外線カメラ11、レーザ測距センサ19は同軸上に設置
してあり、その光軸上に設置してあり、その光軸は同じ
方向である。ゆえにレーザ測距センサ19から見た支障
物の方向角度Θh´,Θv´は、レーザ測距センサ19
と赤外線カメラ11の取付け位置高さの差Δh42を補
正したものとなる。この計算は数学的な座標変換で与え
られる。他方、画像を赤外線カメラ11から取込んで上
記処理を行っている間に車両は進行している。このため
レーザ測距を行う時の支障物方向角度が画像を取込んだ
時点での支障物方向角度とは異なってしまう。上記のよ
うな事態を回避するため、図15に示すようにジャイロ
センサ18を赤外線カメラ11の近くに取付ける。ジャ
イロセンサ18はカメラ取付位置における車両のヨーイ
ング角度α及びピッチング角度βを出力する。画像取込
み時のヨーイング角度をα0、ピッチング角度をβ0と
する。レーザ測距を行う直前のヨーイング角度をα1、
ピッチング角度をβ1とする。レーザ測距センサ19か
ら見た支障物方向角度Θh´,Θv´は、最終的に次式
で与えられる。 Θh´=Θh´+(α1−α0) Θv´=Θv´+(β1−β0)
【0033】次に図4におけるステップ110のレーザ
測距の一例を以下に示す。上記のΘh´,Θv´が図1
のレーザビーム方向設定手段14dからレーザビーム方
向制御駆動手段19aに渡されてレーザ測距が行われ
る。
【0034】図16にレーザビーム方向制御駆動手段1
9aの原理の一例を示す。これは、ウエッジプリズム回
転方式と呼ばれるものである。くさび状のプリズム4
4,45を回転することによりレーザビームを任意の方
向に振らせる。図17はプリズム44,45を横方向か
ら見た図である。同図に示すようにウエッジでのレーザ
ビームの屈折する角度48をθとすると、図16に示す
ようにビームの走査できる範囲46は4θの円錐形の範
囲になる。2個のプリズム44,45のうち1個のプリ
ズムで周方向の位置を、もう1個のプリズムで半径方向
の位置を変化させることができる。即ち、プリズム4
4,45の回転角度を制御することにより、所定の方向
にレーザビームを振らせることができる。
【0035】図18にレーザビーム方向制御駆動手段1
9aの一例を示す。レーザビームの方向角度Θh´,Θ
v´がレーザビーム方向設定手段14dからレーザビー
ム方向制御駆動手段19a内のサーボドライバ50に渡
される。このサーボドライバ50は角度Θh´に対応し
た量だけモータ51aを回転させてウエッジプリズム4
4を回転させる。モータ51aにはエンコーダ52aが
取付けてあり、その回転角度がサーボドライバ50にフ
ィードバックされて制御される。同様にΘv´に対応し
た量だけモータ51bを回転させてウエッジプリズム4
5を回転させる。モータ51bにはエンコーダ52bが
取付けてあり、その回転角度がサーボドライバ50にフ
ィードバックされて制御される。一方、レーザ測距手段
19bから出力されたレーザビーム47はウエッジプリ
ズム44,45を通過することにより支障物の方向に向
かう。これにより例えばパルス時間差計数法により支障
物までの距離が計測され、演算装置14にその値が渡さ
れる。この結果、図4のステップ111で演算装置14
により出力装置17を介して運転者に支障物の存在及び
支障物までの距離が報知される。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る鉄道車
両用支障物検知装置によれば、路線データを用いること
により車両前方の線路敷設状況にかかわらず、任意の距
離前方のレールが画面内でどこに見えるかを計算で求め
ることができる。従って、支障物有無の検査を行うべき
領域が正確にしかも短時間で決定できる。このため制動
距離以遠の領域における支障物の有無を正確に判定して
運転者に報知することができ、高い安全性が保証され
る。しかも、支障物までの距離が計測されて運転者に報
知されるため、運転者は距離に応じて支障物への対応が
可能となる。また、カメラを2台設置する必要がなくな
り、システムの複雑化、所要計算時間延長、コスト高等
の問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る鉄道車両用支障物検知
装置の構成図。
【図2】上記支障物検知装置が搭載される車両の説明
図。
【図3】路線データの一例を示す図。
【図4】上記支障物検知装置の処理の流れを説明するフ
ローチャート。
【図5】図4におけるステップ106の支障物探索エリ
ア設定処理の動作を説明するフローチャート。
【図6】図5における動作説明図。
【図7】図5における支障物探索エリアの設定方法を説
明する図。
【図8】支障物探索エリア設定における振動の影響を排
除する処理例を説明するフローチャート。
【図9】相関値を求める際にレール画像にウィンドウを
設定する方法を説明する図。
【図10】レール部分を抽出した2値画像を示す図。
【図11】ズレ量ρm,ρnを説明する図。
【図12】図8における支障物探索エリアの設定方法を
説明する図。
【図13】図4におけるステップ107の支障物有無判
定処理を説明するフローチャート。
【図14】支障物が存在する場合の画像例を示す図。
【図15】車両を正面から見た場合の機器の配置例を示
す図。
【図16】図1におけるレーザビーム方向制御駆動手段
の原理の一例を説明する図。
【図17】図16におけるウエッジプリズムを横方向か
ら見た図。
【図18】図1におけるレーザビーム方向制御駆動手段
の構成例を示す図。
【符号の説明】
10…車両、11…赤外線カメラ、12…A/D変換
器、13…画像メモリ、14…演算装置、14a…2値
化手段、14b…支障物探索エリア設定手段、14c…
支障物有無判定手段、14d…レーザビーム方向設定手
段、15…キロ程センサ、16…路線データメモリ、1
7…出力装置、18…ジャイロセンサ、19…レーザ測
距センサ、19a…レーザビーム方向制御駆動手段、1
9b…レーザ測距手段、20…3次元座標、21…15
00m前方のレール中央点p、22…レール、23…画
像メモリに記憶されているディジタル画像、24…ディ
ジタル画像内で点pが見える位置、25…支障物探索エ
リア、30…レール画像、31…2値画像、32…相関
値を求めるウィンドウ、33…路線データを用いて描画
したレール、34…実際のレール、34a…2値化され
た実際のレール、35m…ズレ量ρm、35n…ズレ量
ρn、36…ズレ量ρm,ρnだけ補正した点、40…
画面の中心(m,n)、41…支障物の座標、42…レ
ーザ測距センサと赤外線カメラの取付位置高さの差Δ
h、43…レーザ光源、44,45…ウエッジプリズ
ム、46…レーザビームを走査できる範囲、47…レー
ザビーム、48…ウエッジでの光の屈折する角度θ、5
0…サーボドライバ、51a,51b…モータ、52
a,52b…エンコーダ。
フロントページの続き (72)発明者 中元 淳 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 山下 博 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 涌沢 邦章 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 白木原 民也 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工 業株式会社三原製作所内 (72)発明者 飯田 泰久 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61D 37/00 B61F 19/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する鉄道車両の前方を撮影するよう
    に設置された画像入力装置と、この画像入力装置により
    撮影された画像を記憶する画像メモリと、上記走行する
    車両の現在位置を検出する位置検出手段と、上記画像入
    力装置で撮影された画像内でレールがどの様に見えるか
    を上記位置検出手段で検出される車両位置に対応した路
    線データとして予め記憶しておく路線データメモリと、
    このメモリに記憶された路線データ及び上記位置検出手
    段からの位置検出信号に基づいて上記画像メモリに記憶
    された画像内に支障物があるかどうかを判定する判定手
    段と、車両のヨーイング角度及びピッチング角度を検知
    する振動角検知手段と、支障物までの距離を計測する測
    距手段と、上記画像入力装置で得られた画面内での支障
    物の位置及び上記振動角検知手段で得られる車両のヨー
    イング角度及びピッチング角度から支障物の方向を計算
    する演算手段と、この演算手段で得られた方向情報に基
    づいて上記測距手段の測距方向を制御駆動する測距方向
    制御手段と、上記判定手段により判定した支障物の有無
    及び上記測距手段で計測した支障物までの距離を運転者
    に知らせる報知手段とを具備したことを特徴とする鉄道
    車両用支障物検知装置。
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