JP3020994B2 - ワークテーブル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、ワークテーブル装置に関し、特にレーザ加
工装置等に用いられる剣山式のワークテーブル装置に関
するものである。

（従来の技術） 一般に、レーザ加工装置等に於て用いられる剣山式の
ワークテーブル装置は、尖った上端を備えワークを所定
の高さ位置にて点状支持する固定のワーク支持部材と、
フリーベアリングの如き転動部材を取付けられ各々所定
間隔をおいて互いに平行に並設された可動の転動部材支
持バーとを有し、前記ワーク支持部材はレーザビーム照
射によるレーザ加工時等に於てワークの支持をワークパ
スライン上にて行い、前記転動部材支持バーは、転動部
材上にてワークを前記ワーク支持部材によるワーク支持
高さ位置より上方位置にて支持する起立位置と、前記起
立位置より横転して前記転動部材が前記ワーク支持部材
によるワーク支持高さ位置より下方に位置する退避位置
との間に移動し得るようになっており、ワークの載せ換
え時等に終て、前記起立位置に位置することによって転
動部材によりワークを活動可能状態にて支持するように
なっている。

従来の剣山式のワークテーブル装置に於ては、尖った
上端を備えたワーク支持部材は上端部をテーパ加工され
たピン部材により構成され、このピン部材が格子状に多
数立設されることによって剣山を構成するようになって
いる。

（発明が解決しようとする課題） ワーク支持部材が上述の如きピンにより構成されてい
る場合には、そのワーク支持部材は半永久的に用いられ
る部材として取扱われ、所定の耐久性を得るべく比較的
高級な金属材料が用いられている。しかし、ワーク支持
部材が高級な金属により構成されても、これにレーザビ
ームが照射されると、損傷を生じることは避けられず、
またワーク支持部材をワークの板厚、形状等に応じて適
切なものに変更することが実際上不可能であった。

本発明は、ワーク支持部材を消耗品として取扱われる
ようにすると共に、これの交換、変更等が容易に行われ
得るよう構成されたワークテーブル装置を提供すること
を目的としている。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本発明は、ワーク
を支持する上部を波形に形成した複数の波形板を着脱交
換可能に備えたワークテーブル装置において、ワークテ
ーブルの中央部付近に弾性変形可能の複数の筋違い接続
板を適宜間隔で直線状に配置し、前記ワークテーブルの
側板に一端を着脱可能に支持された前記各波形板の他端
部を、前記筋違い接続板の端部に着脱可能に支持して、
前記各波形板の熱変形を前記各筋違い接続板の弾性変形
によって吸収する構成としてなるものである。

（実施例） 以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。

第７図は本発明によるワークテーブル装置を組込まれ
たレーザ加工装置の一つの実施例を示している。レーザ
加工装置は、ベースフレーム１と、ベースフレーム１上
に設けられて図にて左右方向に移動可能なワークテーブ
ル３と、ベースフレーム１を跨ぐようにして設けられた
門形フレーム５とを有している。

門形フレーム５にはＹ軸キャリッジ７が図にて上下方
向、即ちワークテーブル３を横切る方向に移動可能に設
けられ、Ｙ軸キャリッジ７には、図には示されてはいな
いが、ワークテーブル３に対し対向するレーザ加工ヘッ
ドが装備されている。

ワークテーブル３はワークテーブル本体として互いに
対向する側板９、11を有しており、側板９と11との間に
はフリーベアリングの如き転動部材13を取付けられた転
動部材支持バー15が、複数個、互いに所定間隔をおいて
互い平行に並設されている。

ワークテーブル３の側板９と11との間にはワーク支持
部材としての波形板17が、複数個、互いに所定の間隔を
おいて互いに平行に並設されている。波形板17は第12及
び第２図によく示されている如く、詳細には側板９と11
との間にて二つに分割され、一方の波形板17aは側板９
とワークテーブル３の中央部を横切って延在する中央支
持ビーム19との間に掛渡され、他方の波形板17bは中央
支持ビーム19と側板11との間に掛渡されており、各々取
付けは分解可能なボルトとナットの如き組合せよりなる
ねじ締結具21により取外し可能に、即ち着脱可能に取付
けられている。第２図で見て左右の波形板17a、17bは、
第１図によく示されている如く、筋違い接続板23によっ
て互いに接続されている。筋違い接続板23は、第１図よ
り明らかなように、両端部の取付部を互いに反対方向に
屈曲して備えることによってほぼＺ字形状をなしてお
り、かつ波形板17a、17bの延在方向に対して直交する方
向に適宜間隔で直線状に複数配置されていることから、
波形板17a、17bの熱変形を両端部の弾性変形によって吸
収し得るようになっている。

第２図に示された実施例に於ては、波形板17a及び17b
は直角三角形状の山形をなしており、この山形の各頂部
にてワークパスラインPLに沿って板状のワークをほぼ水
平に支持するようになっている。波形板17a、17bは、板
状ワークの支持以外に、例えば第２図に於て、符号Waで
示されている如き円形断面のワーク、或いは符号Wbで示
されている如き四角形断面のワークをその谷部にて受止
めてこれの支持を行うことも可能である。

波形板17a、17bはねじ締結具21内によって取外し交換
可能であり、この交換によって波形板17の波形の高さ、
形状等は加工するワークの板厚等により自由に交換設定
されればよく、厚板の場合には、フリーベアリング13を
レーザビームより保護すべく、ワークをワークパスライ
ンPLより上方位置にて支持するように構成されていても
よい。また波形板17は、第３図に示されている如く、鋭
角な三角形状でもよく、また、第４図に示されている如
く、正弦波状の波形をしていても、或いは第５図に示さ
れている如く台形状をしていてもよい。波形板17が台形
状のものである場合には、図にて符号Wcで示されている
如く、プレス成形されたワークの二次加工に用いられれ
ばよい。

またこれ以外に波形板17は第６図に示されている如き
ワーク支持治具部材25に変更されてもよい。ワーク支持
治具部材25は、例えば絞り加工されたワークWdを孔部27
にて嵌込み式に受持つようになっており、ワークWdのバ
リｂがレーザ加工によりトリーミングされればよい。

以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に
説明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であること
は当業者にとって明らかであろう。

［発明の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、ワークを支持する上部を波形に形成し
た複数の波形板を着脱交換可能に備えたワークテーブル
装置において、ワークテーブルの中央部付近に弾性変形
可能の複数の筋違いを接続板を適宜間隔で直線状に配置
し、前記ワークテーブルの側板に一端を着脱可能に支持
された前記各波形板の他端部を、前記筋違い接続板の端
部に着脱可能に支持して、前記各波形板の熱変形を前記
各筋違い接続板の弾性変形によって吸収する構成として
なるものである。

上記構成より明らかなように、本発明においては、ワ
ークテーブルに対して着脱可能の波形板の一端部はワー
クテーブルの側板に着脱可能に支持され、他端部は弾性
変形可能の筋違い接続板の端部に着脱可能に支持して、
波形板の熱変形を前記筋違い接続板の弾性変形によって
吸収する構成としてあるから、波形板に支持されたワー
クのレーザ加工時の熱伝導や波形板にレーザ光が照射さ
れることによって波形板の熱変形を生じるとき、筋違い
接続板が弾性変形することによって上記熱変形を吸収す
るので、波形板が熱変形によって例えば上方向に湾曲変
位することが防止されるものである。

したがって、波形板の熱変形によってワークを上下方
向或は水平方向に変位せしめるようなことがなく、常に
正確な位置に水平に支持できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるワークテーブル装置の一つの実施
例を部分的に示す平面図、第２図は第１図に示されたワ
ークテーブル装置の立面図、第３図乃至第５図は各々本
発明によるワークテーブル装置に用いられる波形板の他
の実施例を示す立面図、第６図は本発明によるワークテ
ーブル装置に用いられるワーク支持治具部材の一例を示
す斜視図、第７図は本発明によるワークテーブル装置が
適用されるレーザ加工装置の一実施例を示す平面図であ
る。 １……ベースフレーム、３……ワークテーブル ５……門形フレーム、13……転動部材 17……波形板、21……ねじ締結具 23……筋違い接続部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークを支持する上部を波形に形成した複
   数の波形板を着脱交換可能に備えたワークテーブル装置
   において、ワークテーブルの中央部付近に弾性変形可能
   の複数の筋違い接続板を適宜間隔で直線状に配置し、前
   記ワークテーブルの側板に一端を着脱可能に支持された
   前記各波形板の他端部を、前記筋違い接続板の端部に着
   脱可能に支持して、前記各波形板の熱変形を前記各筋違
   い接続板の弾性変形によって吸収する構成としてなるこ
   とを特徴とするワークテーブル装置。