JP3020916B2 - ヒッキー除去装置 - Google Patents

ヒッキー除去装置

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JP3020916B2
JP3020916B2 JP10139592A JP13959298A JP3020916B2 JP 3020916 B2 JP3020916 B2 JP 3020916B2 JP 10139592 A JP10139592 A JP 10139592A JP 13959298 A JP13959298 A JP 13959298A JP 3020916 B2 JP3020916 B2 JP 3020916B2
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義人 手嶋
隆広 出井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷機
等による印刷欠損の原因となる版胴部の異物を除去する
為に使用されるヒッキー(Hickey)除去装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷機械によって印刷を行う
際に、版胴の表面にインキ残滓や紙粉、及びその他の異
物が付着して、印刷物に欠損部(ヒッキー)が生じる場
合がある。この欠損部(ヒッキー)の原因を取り除き、
良好な印刷物を得る為に、種々のヒッキー除去装置が提
案されて来た。一般に、従来のヒッキー除去装置は、例
えば版胴に平行に移動できる清掃装置を設け、版胴に異
物が付着して部分的な欠損部が生じた際に、清掃装置を
移動させて当該部に対応する場所に移動し、その欠損部
の原因となっている異物を除去するようにしている。ま
た、高速回転する印刷機の版胴に作業者がヘラ状の柔軟
質の先端が付けられた清掃治具を押し当てて版胴表面か
ら、異物を除去する方法も行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の版胴に平行に移
動できる清掃装置を設け、版胴に部分的異物が生じた際
に、清掃装置を移動させて異物に対応する場所に持って
行くものでは、色見台で欠損部の位置を確認しても清掃
装置を版胴上の異物位置に移動するのに時間がかかり、
迅速な異物除去が出来なかった。また、高速回転する印
刷機の版胴に作業者が清掃治具を押し当てて、異物を除
去する方法は危険であり、作業性に問題があった。
【0004】本発明の目的は、上述した従来の問題に鑑
みなされたもので、安全で然も迅速に異物を除去する事
のできるヒッキー除去装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヒッキー除
去装置は、単色又は多色オフセット印刷機械の印刷部の
一部を構成する版胴の横幅方向に複数配設されたエアシ
リンダと該エアシリンダの先端に取り付けられた異物除
去手段と前記エアシリンダ毎に取り付けられた電磁弁と
から成るヒッキー除去ユニットと、前記電磁弁を個々に
駆動制御する釦を備えた操作盤と、前記エアシリンダを
駆動するためのエア源と、該エア源からの圧縮空気を択
一的に各ヒッキー除去ユニットに個々の配管を介して
給できるユニット切換え弁と、実際の印刷物を前記版胴
に対応させて載置し欠損部の有無と色別と位置関係とを
検出するための色見台とを備え、前記ユニット切換え弁
の操作によってエア源から圧縮空気が供給されているヒ
ッキー除去ユニットのエアシリンダの中から任意のエア
シリンダに対応する釦を選択して操作することにより直
ちに対応する異物除去手段が作動して印刷ユニットにお
ける版胴上の異物を除去させるために、前記ユニット切
換え弁を一つにして手動式にし且つ前記操作盤に隣接さ
せて前記色見台上に配設したことを特徴とするものであ
る。
【0006】更に、本発明においては、前記電磁弁を個
々に駆動制御する釦を備えた操作盤に制御機構が接続さ
れ、該制御機構によってユニット切換え弁で選択したヒ
ッキー除去ユニットの各エアシリンダを順次駆動するよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0007】このように、本発明に係るヒッキー除去装
置は、簡易迅速に版胴上の異物を除去する事が出来る。
また、小型電磁弁を使用したので、印刷機のわずかなス
ペースに取り付ける事ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明の
一実施例を説明する。図1は、本件発明のヒッキー除去
装置の操作部本体を示す斜視図、図2は本発明のヒッキ
ー除去装置の一実施例を示す構成図、図3は同ヒッキー
除去装置を示す概略構成図、図4は同ヒッキー除去装置
の要部説明図である。ここで、A、B、C・・・は版
胴、1C〜5Cは、それぞれの色、例えば黒色(ス
ミ)、青色(アイ)、赤色(アカ)、黄色(キ)を印刷
するユニット位置に配置されたヒッキー除去ユニット、
20はエアシリンダ、22はパドル、25は電磁弁、2
6は操作盤、29は複数の配管を有したユニット切換え
弁、32は制御機構、35は除去ユニット本体を夫々示
している。
【0009】単色又は多色オフセット印刷機の印刷部の
一部を構成する版胴A、B、C、D・・・の横幅方向に
複数隣接状態にエアシリンダ20が配設されている。こ
れらエアシリンダ20には、図4に拡大して示すよう
に、摺動可能に配置されたピストン21の先端に異物除
去手段である、パドル22が取り付けられている。さら
に隣り合ったパドル22、22間に隙間が生じないよう
に、相互に段違いに配置されている。また、シリンダ本
体20aは、除去ユニット本体35に固定されている。
【0010】また、シリンダの先端には、パドル伸縮蛇
腹ゴム23が取り付けられており、ピストン21の伸び
た部分をカバーする。したがって、インキ残滓やほこり
がピストン21内部に進入する事がない。また、ピスト
ン21は、圧縮空気を供給する事により伸展し、供給を
停止すると、内部に備えられたバネ24によって後退す
る。
【0011】エアシリンダ20には、夫々小型の電磁弁
25が取り付けられており、この電磁弁25を個々に制
御する操作盤26が備えられている。したがって、操作
盤26上の対応する釦27を操作する事により電磁弁2
5を介してエアシリンダ20を駆動して、版胴上におけ
る欠損部の原因となる異物Xを取り除く事ができる。エ
アシリンダ20の駆動する時間は、予めタイマー等で設
定しておけばよい。
【0012】エアシリンダ20を駆動する圧縮空気を供
給するためのエア源28は、本実施例ではコンプレッサ
ーを適宜使用する事が出来る。また、エア源28からの
圧縮空気は、レギュレータ31によって圧力を調整され
た後、ユニット切換え弁29によって配管30a〜30
eを介して択一的に各ヒッキー除去ユニットに供給され
る。本実施例では、ユニット切換え弁29の切換えは、
手動によって行う。また、他の実施例として、プッシュ
ボタン式のユニット切換え弁を使用しても良い。
【0013】操作盤26は、制御機構32に接続されて
おり、この制御機構32によって、ヒッキー除去ユニッ
トの各エアシリンダ20の電磁弁25を順次駆動する事
により、パドル22を版胴の端から端まで順次突出させ
て、クリーニング操作ができる。但し、各ヒッキー除去
ユニットへは、ユニット切換え弁29によって択一的に
圧縮空気が供給されるので、ユニット切換え弁29によ
って選択した印刷ユニットのみがクリーニングされる。
尚、制御機構32がプラグ36を介して100vの電源
に接続され、装置全体の駆動電源が供給される。
【0014】33は、実際に印刷された印刷物の色見台
であり、手前側に操作盤26とユニット切換え弁29の
操作ツマミ等が配置され、その内部には前記制御機構3
2も装備され、実質的に操作部本体37と云う事ができ
る。色見台33の上面の平坦部分33aは、印刷物34
を載置しヒッキーと云われる欠損部Yを目視により検出
し、その欠損部Yの位置に対応して操作盤26の釦27
が選択される。
【0015】次に、以上のように構成されたヒッキー除
去装置の使用方法について説明する。先ず、図1に示す
ように操作部本体37といえる、色見台33の上面に実
際の印刷物34を載せて欠損部Yの発生した絵柄の色、
例えば、黒、青、赤、黄等の中から目視により一つの色
を特定し、その欠損部Yの版胴上の位置を操作盤26の
釦27に対応させて作業者が確認または認識する。
【0016】印刷物34に発生した欠損部Yの絵柄の色
が特定できた後、手動でユニット切換え弁29を操作し
て、欠損部Yの発生した色を印刷した印刷ユニットに対
応したヒッキー除去ユニットに圧縮空気を供給し、引き
続き目視によりその欠損部Yの位置に対応する操作盤2
6の釦27を操作する事で、対応した電磁弁25を駆動
する。電磁弁25が駆動すると、対応位置のエアシリン
ダ20に圧縮空気が供給されパドル22が前進して欠損
部Yの原因となる異物Xを除去する。この時、欠損部Y
の原因となる異物Xが隣り合ったパドル22の中間にあ
った場合には、隣接する2個の釦27、27を同時に押
す事ができる。また、一度、釦27を押して異物Xを除
去しようとしても、色または位置の確認を誤った場合に
は、再度印刷物で欠損部Yの色と位置とを確認して操作
盤26上において、ユニット切換え弁29と釦27とを
操作する。
【0017】このように、実際の印刷物34を操作部本
体37といえる色見台33上にセットし、作業者が目視
により、欠損部Yの色と位置とを確認しながら、直ちに
ユニット切換え弁29と欠損部Yに対応する位置の釦2
7とを操作して欠損部Yの原因となる異物Xを版胴から
除去するのである。
【0018】操作盤26の釦27には、本実施例では、
1から32番までの番号が付されているがこれに限定さ
れるものではない。そして、1から32番までの番号の
内の一つの釦27を押すと、各ヒッキー除去ユニットの
印刷部におけるその釦に対応する電磁弁25が夫々開
く。しかしながら、各ユニットの対応する電磁弁25が
開いていても、ユニット切換え弁29によって圧縮空気
が供給されていないユニットのエアシリンダ20は駆動
される事がない。つまり、ユニット切換え弁29及び操
作盤26上の釦27の選択によって、所望の色ユニット
の所望の位置のエアシリンダ20のみを駆動する事が出
来る。
【0019】また、制御機構32には、図外のタイマ
ー、デジタルスイッチ等が備えられており、クリーニン
グモードを選択し、クリーニングすべきユニットをユニ
ット切換え弁29で選択し、所定のスイッチを押すと、
エアシリンダ20が順次駆動され、選択された版胴のク
リーニングが実行される。
【0020】このように、本件発明では小型電磁弁を使
用する事により薄型設計が可能となり、印刷機のわずか
なスペースに取り付ける事が出来る。また、エアシリン
ダ20の突出する時間等は、釦27を押している間また
は、タイマーにより自由に設定する事が出来る。
【0021】尚、本発明は以上の実施例に限ることなく
本発明の技術思想に基づいて種々の設計変更が可能であ
る。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るヒッキー除去装置によれば、単色又は多色オフセット
印刷機械の印刷部の一部を構成する版胴の横幅方向に複
数配設されたエアシリンダと該エアシリンダの先端に取
り付けられた異物除去手段と前記エアシリンダ毎に取り
付けられた電磁弁とから成るヒッキー除去ユニットと、
前記電磁弁を個々に駆動制御する釦を備えた操作盤と、
前記エアシリンダを駆動するためのエア源と、該エア源
からの圧縮空気を択一的に各ヒッキー除去ユニットに
々の配管を介して供給できるユニット切換え弁と、実際
の印刷物を前記版胴に対応させて載置し欠損部の有無と
色別と位置関係とを検出するための色見台とを備え、前
記ユニット切換え弁の操作によってエア源から圧縮空気
が供給されているヒッキー除去ユニットのエアシリンダ
の中から任意のエアシリンダに対応する釦を選択して操
作することにより直ちに対応する異物除去手段が作動し
て印刷ユニットにおける版胴上の異物を除去させるため
に、前記ユニット切換え弁を一つにして手動式にし且つ
前記操作盤に隣接させて前記色見台上に配設したことに
より、全体の構成が簡単でありながら、作業者が色見台
上の実際の印刷物を目視により欠損部の有無と色別と位
置関係とを検査し、欠損部があったバケットに対応し
て、その欠損部の色を特定してユニット切換弁を手動で
切り換えると同時に、欠損部の位置に対応する釦を操作
盤上で操作するだけで、直ちに対応する異物除去手段を
作動させて特定された色の印刷ユニットにおける版胴上
の欠損部の原因となっている異物を速やかに且つ的確に
除去することができるという優れた効果を奏する。
【0023】前記電磁弁を個々に制御する操作盤を制御
機構によって順次操作し、ユニット切換え弁によって選
択したヒッキー除去ユニットの各エアシリンダを順次駆
動すれば、版胴の清掃を端から端まで自動的に行う事が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明のヒッキー除去装置の操作部本体を示
す斜視図である。
【図2】本発明のヒッキー除去装置の一実施例を示す構
成図である。
【図3】同ヒッキー除去装置を示す概略構成図である。
【図4】同ヒッキー除去装置の要部拡大説明図である。
【符号の説明】
20 エアシリンダ 20a シリンダ本体 21 ピストン 22 パドル 23 パドル伸縮蛇腹ゴム 24 バネ 25 電磁弁 26 操作盤 27 釦 28 エア源 29 ユニット切換え弁 30a〜e 配管 31 レギュレータ 32 制御機構 33 色見台 33a 平坦部分 34 印刷物 35 除去ユニット本体 36 プラグ 37 操作部本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−155003(JP,A) 特開 平5−246014(JP,A) 特開 平5−8376(JP,A) 特開 昭63−120654(JP,A) 実開 昭60−38741(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 35/00 - 35/06 B41F 33/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単色又は多色オフセット印刷機械の印刷
    部の一部を構成する版胴の横幅方向に複数配設されたエ
    アシリンダと該エアシリンダの先端に取り付けられた異
    物除去手段と前記エアシリンダ毎に取り付けられた電磁
    弁とから成るヒッキー除去ユニットと、前記電磁弁を個
    々に駆動制御する釦を備えた操作盤と、前記エアシリン
    ダを駆動するためのエア源と、該エア源からの圧縮空気
    を択一的に各ヒッキー除去ユニットに個々の配管を介し
    供給できるユニット切換え弁と、実際の印刷物を前記
    版胴に対応させて載置し欠損部の有無と色別と位置関係
    とを検出するための色見台とを備え、前記ユニット切換
    え弁の操作によってエア源から圧縮空気が供給されてい
    るヒッキー除去ユニットのエアシリンダの中から任意の
    エアシリンダに対応する釦を選択して操作することによ
    り直ちに対応する異物除去手段が作動して印刷ユニット
    における版胴上の異物を除去させるために、前記ユニッ
    ト切換え弁を一つにして手動式にし且つ前記操作盤に隣
    接させて前記色見台上に配設したことを特徴とするヒッ
    キー除去装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁弁を個々に駆動制御する釦を備
    えた操作盤に制御機構が接続され、該制御機構によって
    ユニット切換え弁で選択したヒッキー除去ユニットの各
    エアシリンダを順次駆動するようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載のヒッキー除去装置。
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