JP3020644B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3020644B2
JP3020644B2 JP3108655A JP10865591A JP3020644B2 JP 3020644 B2 JP3020644 B2 JP 3020644B2 JP 3108655 A JP3108655 A JP 3108655A JP 10865591 A JP10865591 A JP 10865591A JP 3020644 B2 JP3020644 B2 JP 3020644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機、プリ
ンタあるいはファクシミリ等の画像形成装置に採用され
る現像方法及びその装置に係り、詳しくは現像剤を現像
剤担持体上に担持し、静電潜像担持体と対向する現像部
に搬送して現像を行なう現像方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の現像装置としては、表面に現像
剤の薄層を形成した現像剤担持体と静電潜像担持体と
を、現像部において対向させ、この現像部に現像剤担持
体上の現像剤を静電潜像担持体へ転移させ得るような電
界を形成して、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する
ものが知られている。そして、この現像装置において
は、現像剤担持体から静電潜像担持体に現像剤が転移す
るための閾値があり、この閾値を超える表面電位を有す
る画像部には、現像剤付着が生じるが、逆に閾値以下の
表面電位を有する画像部にはほとんど現像剤付着が生じ
ないので、所謂γの立った階調性の悪い画像になるとい
う不具合がある。しかし、この不具合は、現像部に比較
的低周波の交互電界を形成することによって解決できる
ことが知られている(例えば、特公昭64−1013号
公報参照)。
【0003】ところが、単に現像部に低周波の交互電界
を印加するだけでは、交互電界の条件を階調性を向上さ
せ得るものにすると画像濃度が低下し、逆に交互電界の
条件を画像濃度を上げるものにすると画像の線部が太っ
てしまうという問題点があった。又、この種の現像装置
においては、特に現像剤として非磁性トナーを使用する
と、非磁性トナーの往復運動を生じさせた際、トナーが
パウダークラウド化して画像濃度の低下が著しいという
問題点もあった(例えば、特公昭2−14706号公報
参照)。そして、近年、画像形成装置で作成される画像
の出力情報が多様化するに伴い、従来よりも更に高画質
化が望まれている。そこで、本出願人は、先に「現像剤
担持体上に現像剤を担持し、該現像剤担持体と静電潜像
担持体が互いに対向する現像部において現像を行なう現
像装置において、該現像剤担持体として表面に多数の電
界配置を形成した現像剤担持体と、該現像部に電界を形
成するための電圧印加手段とを有し、該静電潜像担持体
上の電位と、該現像剤担持体上の電位と、該電圧印加手
段によって形成される電界との相互関係で決定される電
界により現像剤の移動を制御することを特徴とする現像
装置」を提案した。かかる現像装置は、現像剤担持体と
して表面に多数の電界配置を形成して、静電潜像担持体
上の電位と、現像剤担持体上の電位と、電圧印加手段に
よって形成される電界との相互関係で決定される電界に
より現像剤の移動を制御し、これにより、静電潜像担持
体上の静電潜像に適量の現像剤を付着させるので、画像
濃度が高く、しかも線図の再現性や階調性にも優れた現
像画像を得ることが出来るという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ただ、前記のような現
像装置においては、現像部における現像剤担持体と静電
潜像担持体との相対速度によっては(特に相対速度が0
の場合)、電界配置のパターンが画像上に現われてモア
レ模様が生じる恐れがある。従って、本発明の目的とす
るところは、画像濃度が高く、しかも線図の再現性や階
調性にも優れ、且つ、画像上モアレ模様が生じない、高
画質の画像を得ることを可能とする現像装置を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と
現像剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向
させ、該現像部においてバイアスを印加して現像をおこ
なう現像装置において、該現像剤担持体として、導電性
基体上に絶縁性粒子を分散した導電性材料からなる表面
層を有すると共に、少なくとも該絶縁性粒子の表面への
露呈部が摩擦帯電されて該表面に多数の微小電界が形
成される現像剤担持体を用い、上記現像剤として、帯電
状態で上記微小閉電界により上記現像剤担持体に担持さ
れるものを用い、上記露呈部を所定極性に摩擦帯電させ
る摩擦帯電手段を設け、該静電潜像担持体上の電位と該
バイアスによる電界と該現像剤担持体上の電界との相互
関係で決定される電界により現像剤の移動を制御するこ
とを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明は、現像剤担持体として、導電性基体上
に絶縁性粒子を分散した導電性材料からなる表面層を有
すると共に、少なくとも該絶縁性粒子の表面への露呈部
が帯電されて該表面に多数の微小電界が形成される現像
剤担持体を用いているので、現像剤担持体上の絶縁性粒
子の表面への露呈部がランダムな配置になり、これによ
り、電界配置のパターンが画像上に現われてもモアレ模
様になりにくくなっている。又、電界配置のパターンが
画像上に現われるようにした場合には、画像のハーフト
ーン部や高濃度部を網点処理したような画像に現像する
ことが出来るものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明に係る現像装置の一実施例
の全体構成を示す図である。現像装置のケーシング70
には感光体ドラム10に対向する部分に現像用の開口が
設けられており、現像剤担持体である現像ローラ20は
この開口を介して感光体ドラム10に所定の間隙を保持
してケーシング内に回転可能に設けられている。この現
像ローラ20と感光体ドラム10の対向部が現像部80
になっている。現像ローラ20の上方には、該ローラ2
0に担持搬送されるトナー層の層厚を規制するブレード
部材30が弾発的に圧接するように設けられており、こ
れによりケーシング内に形成されたトナータンクからア
ジテータ50及びトナー供給ローラ40の回転にともな
い供給されたトナー60を層厚規制するようにされてい
る。ブレード部材30は、弾性を有する板ばねにウレタ
ンゴム等のトナー帯電性能を有する材料を貼り合わせて
製作しても、あるいは弾性を有する部材をそのまま用い
ても良い。ブレード部材30は、現像ローラ20の回転
方向に対して図に示すごとくトレーリング方向に設けて
も良いし、逆方向のリーディング方向に設けても良い。
このブレード部材30に代え、規制ローラや規制ベルト
を用いても良い。アジテータ50は矢印で示す時計方向
に回転し、その先端部分の抵抗でトナー60を撹拌する
と共に図において左方に移動させる。上記のトナー供給
ローラ40は、例えばウレタンゴムを発泡させて作られ
たスポンジ材料や、ポリエステル、4弗化エチレン樹脂
等を繊維にしてブラシ状にしたものにより構成される。
このトナー供給ローラ40はアジテータ50により搬送
されてきたトナー60を現像ローラ20の表面に順方向
あるいは逆方向にこすり付けて供給すると共に、現像に
使用されずに現像ローラ20上に残って戻ってきたトナ
ー60を掻き落す作用をするものである。トナー供給ロ
ーラ40により現像ローラ20の表面に供給されたトナ
ー60は、トナー供給ローラ40又は現像ローラ20と
の相互摩擦により発生する摩擦帯電作用によりトナー6
0自体も帯電して現像ローラ20の表面に静電的に担持
される。かくして現像ローラ20に担持搬送されるトナ
ー60は、現像ローラ20の上方に弾発的に圧接するブ
レード部材30により層厚規制され、感光体ドラム10
と現像ローラ20とが対向する現像部に搬送される。現
像ローラ20及びトナー供給ローラ40は、それぞれ電
源に接続されて、バイアスが印加されている。又、ブレ
ード部材30にバイアスを印加しても良い。感光体ドラ
ム10上に形成された静電潜像の現像は、現像ローラ2
0にバイアス電圧印加の下に静電潜像に応じて所要量の
トナー60を現像ローラ20から静電潜像に転移させる
ことにより行なわれる。現像ローラ20は感光体ドラム
10と実質的に接触しない位置関係として30〜500
μm、好ましくは50〜250μmの間隙を保持して配
置されている。その結果、現像ローラ20を感光体ドラ
ム10に接触させて静電潜像を現像するときのような過
大な負荷を必要としなくなり、駆動モータを小型のもの
にすることが可能となる。感光体ドラム10の周速度
と、現像ローラ20の周速度とをほぼ等しくすれば、さ
らに駆動トルクの減少を図ることが出来る。現像ローラ
20に印加する現像バイアスとしては、直流電界に加え
て交流電界を組み合わせて用いることが出来る。交流電
界としては、矩形波のパルス電界を、周波数300〜2
000Hz、好ましくは500〜1500Hzの範囲に
設定すると共に、その高電圧部の時間と低電圧部の時間
との1サイクルの時間に対する比率を異なる比率とした
波形にして用いると、低電圧部分のシャープ性も良く、
高電圧部分の画像濃度が高く、しかも地肌汚れの少ない
優れた現像画像を得ることが出来る。上記の高電圧部の
時間と低電圧部の時間との比率(デューティー比とい
う)としては、静電潜像の極性とトナー60の極性によ
ってその最適比率が異なるが、例えば負の静電潜像を負
極性トナー60で反転現像する場合、高電圧部(−10
0V以上)の時間と低電圧部(−800V以下)の時間
との比率を5〜18:2〜8とすれば良い。正規現像の
際は、概ねこの比率を逆転して用いれば同様の低電位部
分のシャープ性も良く、高電位部分の画像濃度が高く、
しかも地肌汚れの少ない優れた現像画像を得ることが出
来る。
【0008】次に現像ローラ20について説明する。本
実施例においては、例えば図1(b)に示されるよう
に、現像ローラ20として、導電性基体上に絶縁性粒子
分散した導電性材料からなる表面層が形成されたものを
用いる。この表面は導電性材料からなる導電体部中に絶
縁性粒子が露呈した絶縁体部が混在したものになってい
る。この導電性材料としては、1012Ωcm以下、好まし
くは108Ωcm以下のものが使用できる。具体的にいう
と、有機ポリマー類に導電性付与剤を添加したものが挙
げられる。この場合、有機ポリマー類としては樹脂材料
(プラストマー)とゴム材料(エラストマー)がある。
また、導電性付与剤としては、金属粉、カーボンブラッ
ク、導電性酸化物、無電解めっき物、グラファイト、金
属繊維、炭素繊維などが挙げられる。尚、導電性材料と
して前記有機ポリマー類中、エラストマーを用いた場合
には、現像ローラ表面層が弾性を有するものとなり、剛
性のドラム状感光体との当接が容易になって、接触現像
が非常に容易になるので、導電性エラストマーの使用は
特に好ましい。一方、絶縁性粒子材料としては、1013
Ωcm以上、好ましくは1014Ωcm以上のものが使用され
る。又、その平均粒径としては、5μm以上が良い。5
μm未満では、微小電界が形成しがたく、安定したトナ
ーの付与や帯電が得られない。尚、定形、不定形を問わ
ない。具体的にいうと、アルミナ等の無機粒子矢エポキ
シ樹脂等の有機粒子が挙げられる。導電性材料として前
記導電性エラストマーを使用した場合には、更にその低
硬度を促進するために、絶縁性粒子としてエラストマー
を用いることが望ましい。絶縁性エラストマー粒子を製
造するには、エラストマーをドライアイスなどで凍結し
た後、粉砕し粉末化する方法、界面活性剤などを用いて
水性エマルジョンを形成した後、硬化する方法など、公
知の方法が採用される。導電性材料に対する絶縁性粒子
の添加量は、導電性材料100重量部に対して、10乃
至200重量部の範囲で適宜選択される。現像剤担持体
の費用面絶縁部の面積は、20乃至60%の範囲が好ま
しく、該担持体作製後この範囲内になるように、絶縁性
粒子添加量を適宜調整する。
【0009】本実施例の現像ローラ20を作製するに
は、例えば前記の導電性材料に前記の絶縁性粒子を、ボ
ールミル、練り込みなど通常の分散方法に基づいて添加
した後、該混合材料を射出成型、押出し成型、スプレー
コーティング、ディッピングなどの工法により、SU
S、鉄、Alなどの金属ローラに代表される導電性基体
上に成型し、その後表面が平滑になるように研磨を施す
ことによって製作する。なお、導電性材料と導電性基体
との接着性を向上するために、プラストマーを使用する
ことも可能であり、この場合プラストマーは導電性であ
ることが望ましい。
【0010】以下、具体例について説明する。なお、部
は重量基準である。 導電性塗料 100部 〔商品名:Electrodag 440(日本アチソン社製)(固形分70%;Ni粒子含有 アクリル樹脂)〕 アクリル樹脂 50部 (平均粒径80μm) 希釈剤 200部 〔(商品名SB-1(日本アチソン社製)〕 上記処方の塗工液を、SUS製金属ローラにスプレーコーテ
ィングにより塗工し、80℃/1時間乾燥後、研磨し
て、膜厚100μmの表面層を備えた現像ローラを作製
した。
【0011】本実施例の現像ローラ20において、表面
の絶縁体部は、トナー供給ローラ6との摩擦によってト
ナー60の帯電極性と反対の正極性に帯電される。一
方、トナー供給ローラ40の周面に接触しながら現像ロ
ーラ20に運ばれるトナー60は、トナー供給ローラ4
0との摩擦によって負極性に摩擦帯電され、現像ローラ
20に供給されるが、このときこの現像ローラ20、特
にその絶縁体部との摩擦により更に負極性に強く摩擦帯
電され、現像ローラ20の周面に静電的に付着する。こ
のとき、現像ローラ20の各絶縁体部は正極性に摩擦帯
電していて、各絶縁体部に接して導電体部が存在するの
で、現像ローラ20の表面は、多数の絶縁体部のところ
だけに選択的に正極性の電荷が付与された状態となって
いる。これにより、図1(b)に示すように、正に帯電
した各絶縁体部とそれに接した導電体部との間に閉電界
が形成され、現像ローラ20の表面の近傍には無数の微
小閉電界(マイクロフィールド)が形成される。即ち、
電界の状態を表す電気力線を考えた場合、現像ローラ2
0の表面近傍の空間には、同図に円弧状の多数の線で表
したように現像ローラ20から出て同一の現像ローラ2
0に戻る電気力線が形成され、各絶縁体部と導電体部と
の間に閉電界が形成されるのである。各絶縁体部の面積
は前述のように微小であるため、各閉電界はフリンジン
グ効果(周辺電場効果)によってその強度が大変強くな
る。かかる閉電界によって、負に帯電したトナー60は
絶縁体部に強く引かれ、該ローラ1上に多量に離れがた
い状態で保持される。しかも、現像ローラ20に保持さ
れたトナー60がブレード部材30によって層厚を規制
されるとき、帯電の充分なトナー60は微小閉電界によ
って現像ローラ20の表面に強く保持されるが、帯電量
の小さなトナー60はブレード部材30との接触圧によ
って除去され、結局、帯電量の大なるトナー60だけが
現像間隙9へ運ばれる。
【0012】尚、本現像装置2においては、現像ローラ
20の表面に導電体部と絶縁体部とを混在させたことに
より、現像ローラ20とトナー供給ローラ40のチャー
ジアップは防止される。その理由としては、絶縁体部で
はトナーを帯電し、導電体部ではトナー供給ローラの除
電を行ない、全体としてバランスのとれた帯電状態を維
持する為と考えられる。ここでは現像バイアスとして印
加する矩形波パルス電界が現像ローラ20表面に存在す
る導電体部と絶縁体部との間の微小電界と、帯電したト
ナーとに作用し静電潜像の現像に好適な力学的エネルギ
ーを与えるものと考えられる。
【0013】以下、本発明のより具体的な実施例につい
て説明する。この例は、感光体ドラム10としてOPC
を用い、地肌部の表面電位を−900V、露光部の電位
を−100Vとして、現像ローラ20を感光体ドラム1
0の表面と100μmの間隙をおいて対向配置して反転
現像を行なったものである。この現像ローラ20表面の
絶縁体部は、トナー供給ローラ40でこすられて接地を
基準とした電位が+200Vになる量の電荷を保持し、
これにより、負極性に帯電したトナー60を約1.0〜
1.2mg/cm2担持した。そして、この現像ローラ
20に現像バイアス用電源でピーク・ツウ・ピーク(以
下、P−Pという)1000V、最高電位0V、周波数
500Hz、デューティー比30%(T2/T1)のパル
ス電圧を印加した。
【0014】図2は接地を基準とした現像ローラ20の
表面電位の時間的変化を示したものであり、(a)は絶
縁体部の表面電位について、(b)は導電体部の表面電
位について示している。これらの図中には、感光体ドラ
ム10表面の地肌部の表面電位のレベル(−900V)
及び露光部の表面電位のレベル(−100V)を水平線
として夫々示している。図2(a)中の絶縁体部の表面
電位の時間的変化を示す矩形連続線から判るように、絶
縁体部の表面電位は、現像バイアス用電源による印加電
圧が保持した電荷で+200Vだけ偏倚された電位にな
る。一方、導電体部の表面電位は、図2(b)中のこの
領域面21の表面電位の時間的変化を示す矩形連続線か
ら判るように、現像バイアス用電源による印加電圧その
ものになる。
【0015】次に以上のように現像ローラ20表面の電
位が変化する場合の現像ローラ20表面と感光体ドラム
10との間の電界について説明する。この電界は現像ロ
ーラ20表面の絶縁体部上と導電体部上との何れである
かによって、更に、絶縁体部、導電体部の夫々について
感光体ドラム10の画像部と地肌部との何れに対向して
いるかによって異なる。
【0016】図3は、これらのうち図2(b)に示すよ
うな表面電位の時間的変化を生じる導電体部上の電界を
説明するためのものであり、図3(a)はこの導電体部
が感光体ドラム10の画像部(露光部)に対向している
場合の両者の電位差の時間的変化を示し、図3(b)は
この導電体部が感光体ドラム10の非画像部(未露光
部)に対向している場合の両者の電位差の時間的変化を
示す。又、図4は図2(a)に示すような表面電位の時
間的変化を生じる絶縁体部上の電界を説明するためのも
のであり、図4(a)はこの絶縁体部が感光体ドラム1
0の画像部(露光部)に対向している場合の両者の電位
差の時間的変化を示し、図4(b)はこの絶縁体部が感
光体ドラム10の非画像部(未露光部)に対向している
場合の両者の電位差の時間的変化を示す。
【0017】これらの図においては、電界が現像ローラ
20表面に担持されたトナー60あるいは感光体ドラム
10の表面に担持されたトナー60に静電気力を及ぼす
ものであることから、この静電気力の方向を区別するた
めにトナー60が感光体ドラム10に向かう方向の電界
に対応する上記電位差を正、現像ローラ20に向かう方
向の電界に対応する上記電位差を負として表わしてい
る。又、実験によって確認された、現像ローラ20上の
トナー60が感光体ドラム10へ転移する上記電位差の
閾値+100Vのレベルと、感光体ドラム10上のトナ
ー60が現像ローラ20の方へ転移する電界の閾値−1
00Vのレベルとを夫々水平線で示し、且つ、この閾値
を越えてトナー60の転移に寄与する電界に対応する部
分を斜線で表している。
【0018】尚、上記の実験は現像ローラ20と感光体
ドラム10との間隙を100μmとして、現像ローラ2
0に直流電圧を印加し、この直流電圧の値を変化させな
がらトナーの転移を観察したものである。この例では現
像電界の閾値は1V/μmであることが判った。又、こ
の時用いたトナー60の帯電電荷量を調べたところ約1
0μC/gであった。
【0019】現像ローラ20の導電体部上に存在するト
ナー60は、感光体ドラム10の画像部と対向する場合
には、図3(a)の斜線部で示されるように+900V
の電位差に対応する現像電界(以下、現像電界という)
になったときに感光体ドラム10の方向に転移するもの
と考えられ、感光体ドラム10の地肌部と対向する場合
には、図3(b)の斜線部で示されるように−900V
の現像電界になったときに現像ローラ20の方向に転移
しているものと考えられる。
【0020】同様に、現像ローラ20の絶縁体部上に存
在するトナー60は、この絶縁体部が元々+200Vに
帯電しているので、感光体ドラム10の画像部と対向す
る場合には、図4(a)の斜線部で示されるように−3
00Vの負電界と+700Vの正電界が交互に現われ、
正電界のときは現像ローラ20から感光体ドラム10
へ、負電界のときは感光体ドラム10から現像ローラ2
0へ転移しているものと考えられる。又、感光体ドラム
10の地肌部と対向する場合には、図4(b)の斜線部
で示すように、−1100Vの負の電界で感光体ドラム
10から現像ローラ20へ転移し、交互に転移すること
はないと考えられる。
【0021】以上のように現像ローラ20に担持された
トナー60は現像ローラ20表面に形成された電界で選
択的にその転移が制御されるのである。このようにして
得られた画像を、表面が全てアルミニウムである現像ロ
ーラ20を用い、この結果図3(a)及び(b)に示す
ような現像電界のみで現像した画像と比較したところ、
地肌汚れがなく濃度の高い画像が得られ、しかも線図の
再現性も優れていた。又、この表面が全てアルミニウム
である現像ローラを用い、本実施例と同程度の線図の再
現性を得ようとしたが画像濃度が低下してしまった。
【0022】本実施例によれば、現像ローラ20の表面
に局部的に異なる現像バイアスが作用する領域を設けて
おり、この為、静電潜像を有する感光体ドラム10と表
面にトナーを担持した現像ローラ20との間にバイアス
を印加して現像を行なうときに、表面に選択的に電荷を
保持せしめた現像ローラ20によって選択的にトナーの
転移が制御できるので、上記の効果を得ることが出来る
ものと考えられる。即ち、絶縁体部上に存在するトナー
60には、その電界が図4(a)に示されるように、閾
値を超える正負の電界が作用しており、過剰なトナー付
着が抑制される一方、導電体部上に存在するトナーは、
その電界が図3(a)に示されるようにトナー60の現
像能力は絶縁体部に比べて高い。更に、この部分は導電
性であるためエッジ効果を抑えて画像濃度を均一化する
ように作用する。
【0023】更に詳述すると、画像濃度は低いものの線
図の再現性や階調性に優れているが、そのまま濃度を上
げると線図の再現性や階調性は損なわれてしまう性質の
ある、表面が絶縁性の現像ローラの特長と、その電極効
果によってベタ部の均一性に優れた濃度の高い画像を得
ることが出来るものの線図の再現性や階調性が劣る性質
の、表面が導電性の現像ローラの特長とを、本実施例に
かかる現像ローラ3は同時に合わせ持っている。そし
て、導電体部と絶縁性体部とがランダムに混在している
ことから、感光体ドラム10と現像ローラ20との現像
部80における相対速度差を0にした等速現像において
も、画像にモアレ模様が発生せず、逆に、画像のハーフ
トーン部や高濃度部を網点処理したような、高品位の画
像を得ることが出来た。
【0024】尚、本実施例においては、絶縁体部をトナ
ーの極性と逆極性に帯電させているが、トナー供給ロー
ラ40の表面材質を適宜選択してトナーの帯電極性都道
極性に摩擦帯電させるようにしても良い。この場合に
も、絶縁体部と導電体部との電位差によって、同様にマ
イクロフィールドを形成することが出来、この場合には
主に導電体部上にトナーが付着する。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、該現像剤担持体とし
て、導電性基体上に絶縁性粒子を分散した導電性材料か
らなる表面層を有すると共に、少なくとも該絶縁性粒子
の表面への露呈部が帯電されて該表面に多数の微小電界
が形成される現像剤担持体を用いいることにより、画像
上にモアレ模様が生じるのを防止出来るので、現像剤担
持体と静電潜像担持体の相対速度を0にした等速現像を
行なうことも出来る。又、このような等速現像にして電
界配置のパターンが画像上に現われる場合にも、画像の
ハーフトーン部や高濃度部を網点処理したような、高品
位の画像を得ることが出来るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例の現像装置の全体概略
を示す側断面図、(b)は同現像装置の現像ローラ表面
の摸式部分断面図である。
【図2】同現像ローラの表面電位の時間的変化を示した
ものであり、(a)は絶縁体部についての電位の変化
を、(b)は導電体部についての電位の変化を示したも
のである。
【図3】同実施例における導電体部上の現像電界の説明
図であり、(a)は感光体ドラム上の画像部に対向する
場合の時間的変化を、(b)は感光体ドラム上の非画像
部に対向する場合の時間的変化を示したものである。
【図4】同実施例における絶縁体部上の現像電界の説明
図であり、(a)は感光体上の画像部に対向する場合の
時間的変化を、(b)は感光体上の非画像部に対向する
場合の時間的変化を示したものである。
【符号の説明】
10 感光体ドラム , 20 現
像ローラ 30 ブレード部材 , 40 ト
ナー供給ローラ 50 アジテータ , 60 ト
ナー 70 ケーシング , 80 現
像部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 祐一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 冨田 潤子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−214874(JP,A) 特開 昭55−62469(JP,A) 実開 昭63−165663(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を担持する静電潜像担持体と現像
    剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向さ
    せ、該現像部においてバイアスを印加して現像をおこな
    う現像装置において、 該現像剤担持体として、導電性基体上に絶縁性粒子を分
    散した導電性材料からなる表面層を有すると共に、少な
    くとも該絶縁性粒子の表面への露呈部が摩擦帯電されて
    該表面に多数の微小電界が形成される現像剤担持体を
    用い、上記現像剤として、帯電状態で上記微小閉電界により上
    記現像剤担持体に担持されるものを用い、 上記露呈部を所定極性に摩擦帯電させる摩擦帯電手段を
    設け、 該静電潜像担持体上の電位と該バイアスによる電界と該
    現像剤担持体上の電界との相互関係で決定される電界に
    より現像剤の移動を制御することを特徴とする現像装
    置。
  2. 【請求項2】上記現像剤担持体に担持されて上記現像部
    に搬送される現像剤の層厚を規制する層厚規制手段を設
    け、 上記摩擦帯電手段を、該層厚規制手段よりも現像剤搬送
    方向上流側であって、上記現像部よりも現像剤搬送方向
    下流側に位置したことを特徴とする請求項1の現像装
    置。
  3. 【請求項3】上記現像部において印加されるバイアスが
    交互電界を形成することを特徴とする請求項1又は2の
    現像装置。
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