JP3019965B2 - 方位測定装置 - Google Patents

方位測定装置

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JP3019965B2
JP3019965B2 JP24551293A JP24551293A JP3019965B2 JP 3019965 B2 JP3019965 B2 JP 3019965B2 JP 24551293 A JP24551293 A JP 24551293A JP 24551293 A JP24551293 A JP 24551293A JP 3019965 B2 JP3019965 B2 JP 3019965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両などの移動体の進
行方位を得るために移動体に設けられる地磁気に基づき
進行方位を測定する装置に関するものであり、特に着磁
による誤差を自動的に補正可能な方位測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されるナビゲーションシステ
ムにおいては、車両の進行方位を得る必要があり、この
ための装置として磁気センサを利用した方位測定装置が
用いられている。この磁気センサは、互いに直交配置さ
れた一対の磁気検出素子から構成され、方位測定装置は
この検出された磁気ベクトルに基づき地磁気ベクトルを
算出し、車両の進行方位を判定する。
【0003】前記磁気センサを構成する磁気検出素子は
指向性を有する構造となっており、外部の磁気ベクトル
が磁気検出素子の指向と一致すれば、その出力は最大と
なり、また直交する場合は0となる。したがって、二つ
のセンサを同時に使用して互いに直交する磁気を検出す
れば磁気の向きと大きさ、すなわち磁気ベクトルを決定
することができる。この磁気センサにより地磁気を検出
し、この向きに基づき車両の進行方位が決定できる。
【0004】前記互いに直交する磁気検出素子の各々の
出力を座標軸とする座標平面において、車両の向きが変
わることによって、検出された磁気ベクトルの先端位置
が前記座標平面上を移動する。この移動の軌跡がいわゆ
る方位円である。理想的には地磁気ベクトルの先端はひ
とつの方位円上を移動する。
【0005】しかし、外部磁界により外乱が生ずると磁
気センサの出力は方位円を外れて正確な方位を判定でき
なくなる。また、外部磁界が非常に大きい場合、車両の
ボディに外部磁界と逆向きの磁界が発生し、外部磁界が
なくなった後も磁界が残留する、いわゆる着磁が発生す
る。この着磁が発生するとこの残留磁界によって、地磁
気の正確な測定ができなくなる。このため、方位の測定
が不正確となり、ナビゲーションのシステムの信頼性を
低下させる。
【0006】そこで、着磁を判定し、着磁後に補正を行
う必要がある。本出願人により先に出願された特平3
−241481号には、方位円に沿って所定幅の円環状
のウインドウと、この円環状のウインドウの外側に設け
られたウインドウにより着磁の判定を行う装置が開示さ
れている。
【0007】前記装置は円環状のウインドウから所定時
間連続して外れたことにより着磁があったことを判定
し、外側のウインドウから外れたことにより外乱があっ
たことを判定する。この判定に基づき搭乗者に着磁補正
の必要があることを報知する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来装置におい
ては、着磁補正を促す警告を行うことについては記載さ
れているが、その後どのように補正を実行するのかは示
されていない。現在方位を手動で入力するにしても、現
在の方位を知ることは必ずしも容易ではなく、また運転
操作中であれば手動入力操作そのものが煩わしいもので
ある。すなわち、搭乗者は警告を受けても適切な補正を
行うことが難しいという問題があった。
【0009】また、自動的に補正を行う場合、外乱がな
くなった後の方位を、前記円環状ウインドウにから外れ
る直前に測定された方位に一致させる方法も考えられ
る。しかし、この場合円環状のウインドウが大きくて、
外れる直前に測定された方位がすでに外乱の影響を受け
ている場合があるという問題があった。
【0010】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、外乱のために着磁が生じた場合に、
搭乗者を煩わせることなく、正確な着磁補正が行える方
位測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる方位測定装置は、互いに直交配置
された一対の磁気検出素子からなる磁気センサによって
磁気ベクトルを検出し、当該磁気ベクトルに基づき地磁
気方位を測定する方位測定装置であって、前記磁気検出
素子の各々の検出上限出力および検出下限出力にほぼ等
しい上限値および下限値を有する第1ウインドウと、前
記磁気ベクトル先端付近に設定され、磁気ベクトルの検
出値の変動幅が所定範囲内であることを判定するための
第2ウインドウと、前記第2ウインドウ内に存在する最
新の連続する所定個の磁気ベクトル検出値に基づき算出
された方位を記憶する記憶手段と、前記磁気ベクトルの
検出値が第1ウインドウの外側となったときに外乱あり
と判定する外乱判定手段と、外乱が判定されると、前記
記憶手段に記憶されている方位を外乱前の方位とする外
乱前方位設定手段と、前記磁気ベクトルが第1ウインド
ウ内に復帰し、その後第2ウインドウ内に存在する連続
する所定個の磁気ベクトル検出値および前記外乱前方位
とに基づき外乱後の着磁を補正する着磁補正手段とを有
する。
【0012】
【作用】本発明は以上のような構成を有しており、外乱
の判定を第1ウインドウで行い、外乱の前後の測定方位
を第2ウインドウ内にある検出データに基づき算出し、
外乱後の方位は、外乱前の方位と等しいとして、新たな
方位円を設定することにより着磁補正を行う。第2ウイ
ンドウは検出された磁気ベクトルが所定時間一定である
かを判定するウインドウであり、したがって外乱の影響
を受けた検出値を除外することによって正確な着磁補正
を行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を図面に基づき
説明する。
【0014】図1は、二つの磁気検出素子10a,10
bを直交して配置した磁気センサ10が示されている。
磁気検出素子10a,10bはその磁気センサの向いた
方向の成分を検出を検出する。図1においては矢印12
により示される磁気ベクトルHに対し、素子10aはx
軸方向の成分Hxを検出し、素子10bはy軸方向の成
分Hyを検出する。すなわち、磁気ベクトルがx軸とな
す角をθとすれば各素子10a,10bにより検出され
る磁気ベクトルの成分は、 Hx=H sinθ Hy=H cosθ であり、逆に各方向の成分Hx,Hyを検出すれば磁気
ベクトルの方向(θ)および大きさ(H)が決定でき
る。これが磁気センサの原理である。
【0015】図2は、図1に示した磁気検出素子10
a,10bの出力Vx,Vyによりリサージュ図形を描
かせたものである。地磁気ベクトルの場合にはその大き
さはほぼ一定しているので、方向θを0°から360°
まで変化させたとき、磁気検出素子の出力Vx,Vyは
各々正弦波形14,16となる。ただし、位相は90°
ずれている。したがって、図2に示すようにそのリサー
ジュ図形は円18となる。この円がいわゆる方位円18
であり、磁気センサ10の検出値はこの方位円18上に
存在することとなる。そして、方位円18上のどこにあ
るかが分れば、方位θが分かる。すなわち方位円18の
半径をRとすれば、 Vx=R sinθ Vy=R cosθ を満たすθを一意的に決定することができる。
【0016】図3は本発明の原理の説明図である。前述
の磁気センサの各検出素子10a,10bの出力がそれ
ぞれVx軸,Vy軸に表されている。但し、検出素子の
出力は前述のように0を中心として正負双方に出力され
るものであるが、A/D変換を行うために出力に一定値
を加えて方位円が全て正の領域で描かれるようにしてい
る。図中Vxの上限値がVxm、Vyの上限値がVymで示
され、双方の下限値は0である。
【0017】前述のように、この磁気センサにより地磁
気を検出する場合は、センサの向きにより検出される地
磁気ベクトルの向きは変化するがその大きさは変化しな
い。また、方位円の中心は、磁気センサの向きを変えて
2回の測定を行うことによって定められる。または、現
在の地磁気センサが向いている方位がすでに分かってい
る場合には、この方位を入力しても方位円中心を決定す
ることができる。このようにして、中心O1 (VxO1
yO1 )が決定され、方位円20が描かれる。磁気検出
素子の検出方向(図1ではy軸方向)が車両の進行方向
に一致するように磁気センサを設置した場合、車両の向
きは地磁気ベクトルとVy軸がなす角によって現され
る。図3の場合、地磁気ベクトルP1 (VxP1
yP1 )とVy軸がなす角θ1 が車両の進行方位であ
る。すなわち、 (VxP1 −VxO1 )=B sinθ1 (VyP1 −VyO1 )=B cosθ1 ここで、 B={(VxP1 −VxO1 2 +(VyP1 −VyO1 2
1/2 を満たすθ1 を求めることになる。
【0018】通常の場合、検出される地磁気ベクトル
は、この方位円20上から外れることはないが、地磁気
以外の外乱磁界を検出することによって、外れることが
ある。たとえば、車両が電車通過後の踏切を通過した場
合など、鉄道の架線を流れる電流によって磁界が形成さ
れ、これを磁気センサが検出してしまう場合などであ
る。このような場合は、前述のVx,Vyの上限値をは
るかに超える値となる。これが図中の曲線22として現
されている。さらに問題なことは、このような大きな外
乱があった後、方位円が元の位置に戻らないことであ
る。これは、前述の外乱磁界を通過する際に、車両の車
体等にこの磁界を打ち消すように逆向きの磁界が発生
し、これが外乱磁界通過後も残留し、着磁が発生する。
すなわち、磁気センサは地磁気と前記残留磁界を合わせ
て検出し、残留磁界の分だけ方位円の位置がずれる。図
中、方位円24が外乱通過後の方位円を示している。も
ちろん、地磁気ベクトルについては変化する要素はない
ので、方位円の大きさなどは変化することはない。つま
り、単に方位円の中心が点O1 から点O2 に移動しただ
けである。
【0019】しかし、この着磁に対して補正が行われな
いと測定された方位が不正確となってしまう。図4にお
いて、方位円20が着磁によって方位円24に移動した
場合、本来着磁後においても等しい方位θ1 を示す場合
においても、地磁気ベクトルと着磁によるベクトルの合
成された磁気ベクトルPN に基づき方位を算出するの
で、求まる方位はθ2 となってしまう。
【0020】そこで、本装置においては、外乱磁界が検
出されると、外乱による影響を受けていないデータに基
づき外乱以前の方位を決定し、外乱の影響がなくなった
時点での方位を外乱以前の方位であるとして、方位円の
位置の補正を行う。外乱磁界の検出は第1ウインドウ2
6により行われる。第1ウインドウ26は、出力Vx,
Vyの上限値と下限値に作る正方形のやや内側に設定さ
れた正方形の形状を有している。第1ウインドウ26の
範囲は、具体的にはVx,Vyの下限値がVx1,Vy1
あり上限値がVx2,Vy2である。そして、測定できる限
界を超えた磁界が検知された場合に外乱磁界を受けてい
ると判定される。外乱磁界を受けていると判定されると
外乱以前の地磁気ベクトルP1 (VxP1 ,VyP1 )に基
づき方位θ1 が算出され、記憶される。そして外乱後の
検出値(VxP2 ,VyP2 )と前記の方位θ1 によって、
方位円の中心O2 を決定する。これ以降は、方位円24
に基づき方位の計測を行う。ここで、検出値が外乱の影
響を受けているのか否かを判定する必要がある。このた
めに本装置においては第2ウインドウ28が設けられて
いる。すなわち、検出値が所定時間内第2ウインドウ2
8内に存在すれば、測定された方位は安定しており、外
乱の影響を受けていないと考える。以上が本装置におけ
る着磁補正の概要である。
【0021】図5には本実施例の装置の全体構成が示さ
れている。本体1には前述の地磁気センサ10の出力V
x,Vyが入力され、その信号はA/D変換器2により
A/D変換された後、マイクロコンピュータ3に入力さ
れる。また、本体1には温度センサ4からの信号Tが入
力され、この温度信号もA/D変換されてマイクロコン
ピュータ3に入力されている。マイクロコンピュータ3
にはメモリ5が接続されており、方位円の中心座標や各
ウインドウの値が格納されている。また、マイクロコン
ピュータ3は、地磁気センサ10の出力に基づき車両の
進行方位を演算し、表示器ドライバ6を介して表示器7
に対して方位信号を出力している。本体1に設けられた
電源回路8はバッテリEに接続されて、各回路への電源
の供給を行っている。図においてSW1は車両のイグニ
ッションスイッチである。
【0022】以下、図6以下に示すフローチャートによ
って、本装置の方位計測の制御についてさらに詳細な説
明を行う。本装置が起動されると、初期設定が必要かが
判断される(S101)。前回装置使用時の検出値が記
憶されている場合はこれを利用し、初期設定は行われな
い。初期設定が必要な場合は、車両、すなわち磁気セン
サを旋回させて、検出値Vx,Vyの各々の最大値、最
小値を計測する(S102)。さらに、これらの検出値
より方位円が算出され、その中心O1 のVx−Vy平面
上の座標が計算され、初期設定が終了する(S10
3)。
【0023】初期設定が必要ない場合、または初期設定
が終了すると温度Tが計測される。これは、温度依存性
のある地磁気センサの出力を補正するためである(S1
04)。次に地磁気センサの出力Vx,Vyが測定され
る(S105)。
【0024】これらの出力を基に外乱磁界があるか、お
よび着磁が生じたかが判断され、着磁が生じた場合着磁
警告がなされ、また着磁補正が開始される(S10
6)。このステップS106については、後でさらに詳
しく説明する。着磁などがなかった場合は、そのままの
出力に基づきマイクロコンピュータ3にて方位θの算出
が行われる(S107)。着磁が生じ補正が必要な場合
は、補正後に方位θの算出が行われる(S107)。そ
して、この方位θが表示器7に表示される(S10
8)。以降、ステップS104からステップS108ま
での工程は所定の周期で順次繰り返される。
【0025】図7には、外乱および着磁判定のフロー
と、自動着磁補正のフローが示されている。ステップS
105にて磁気センサの出力Vx,Vyが測定される
と、方位円20の中心O1 の座標(VxO1 ,VyO1 )と
の距離Bが算出される(S201)。この距離Bが方位
円20の半径Rと比較される。具体的には,方位円20
に沿って、幅2K1 Rの円環状のウインドウ30(第3
ウインドウ)内に検出された磁気ベクトル検出値(V
x,Vy)が存在するかを判定する(S202)。ここ
でK1 は0以上1未満の所定の係数である。よって、第
3ウインドウは中心が点O1 で外半径(1+K1 )R、
内半径(1−K1 )Rの円環形状を有する。そして、こ
の第3ウインドウは、設定されている方位円が何らかの
原因で現在の方位円と一致しなくなったことを検出する
のに適している。この第3ウインドウ30内に検出値
(Vx,Vy)が存在しない場合は、さらに、第1ウイ
ンドウ26内に検出値が存在するかが判断される(S2
03)。第1ウインドウ内に存在すれば計数C1 が10
0以上であるかが判断される(S204)。この計数C
1 は、検出値が第3ウインドウ30外で第1ウインドウ
26内である状態の継続時間を示すものである。もし、
計数C1 が100以上であれば着磁警告がなされ、初期
設定をやり直すことを促す。計数C1 が100未満また
はステップS205にて着磁警告がなされた後には、計
数C1 に1が加えられ更新される(S206)。さら
に、計数C2 に1が入力される(S207)。計数C2
は検出値が第3ウインドウ30に復帰してからの経過時
間を表す。
【0026】そして、C1 =C2 =0の時の最新のV
x,Vyを出力データとみなす(S208)。これは、
第3ウインドウを外れる以前のデータが外乱などの影響
を受けない信頼性のあるデータであるという仮定に基づ
くものである。なお、この最新のVx,Vyは後述する
ステップS214にて記憶されたものである。
【0027】ステップS202において、検出値が第3
ウインドウ内にあると判定されると、さらに係数C2
0か、または4を超えるかが判定される(S210)。
この条件を満たす場合は、C1 =C2 =0と入力される
(S212,S213)。したがって、C1 =C2 =0
である場合は、磁気センサの出力に異常値がないことを
示していることが分かる。この場合の検出値Vx,Vy
を記憶する(S214)。これは前述のステップS20
8にて用いられる最新のVx,Vyのデータとなる。
【0028】ステップS210において、C2 =1,
2,3と判定された場合は、今までのC2 に1を加えて
(S211)、前述のステップS208に移行する。以
上のように、ステップS210によってC2 =1,2,
3と判定された場合は、一旦第3ウインドウの外に出た
検出値が、また第3ウインドウに復帰した場合で、かつ
復帰してからまだ所定の時間が経過していない場合であ
る。このような場合は、検出値が安定するまで、信頼性
のある最新のデータ、すなわちステップS214で記憶
された検出値Vx,Vyを用いて現在の進行方位を計算
する。
【0029】ステップS208,S214からはステッ
プS209に移行する。ここでは、外乱などの影響を受
けていない安定したデータを格納する。これは連続して
N個、同値とみなせる値が検出されたことによって、こ
れらの検出値を安定したデータとしている。図8によ
り、この安定したデータの収集に関し詳細に説明する。
【0030】図8は、ステップS209をさらに詳しく
示したフローチャートである。まず、VxP=0かつVyP
=0が判定される(S301)。VxPとVyPは安定判定
の基準値であり、これらが0であるということは、安定
判定の対象となるべきデータがまだ検出されていないこ
とを示している。逆に、基準値VxP,VyPのいずれかが
0以外であるということは、すでに基準値が定められデ
ータの格納が行われていることを示す。VxPとVyPが0
でない場合、今回の制御周期で検出されたVx,Vyが
各々VxP,VyPを中心として2K2 Rの幅に入っている
かが判定される(S302)。この判定に用いられてい
るウインドウが第2ウインドウである(図3では符号2
8で示される)。K2 は0を超えて1未満の係数であ
り、従って第2ウインドウは基準値の座標(VxP
yP)を対角線の交点とする矩形形状を有することが分
かる。そして、第2ウインドウ内に検出値が存在すれ
ば、この検出値がVx(n) ,Vy(n) として、順次格納
される(S303)。ここでnは基準値VxP,VyPが定
められてから検出された順番を示す。そして、最大N個
までデータが取り込まれると、その後は最も古いデータ
を消去して、最新のデータを取り込む。
【0031】ステップS302で、検出値が第2ウイン
ドウ外であると判定された場合は、VxP=0,VyP=0
が入力される(S304)。
【0032】また、ステップS301でVxP=0かつV
yP=0が判定されると、Vx(n) ,Vy(n) がすでに記
憶されている場合、これらを消去する(S305)。さ
らに、今回検出された値を基準値VxP,VyPとして採用
する(S306)。そして、ステップS303へ移行す
る。以上のように、第2ウインドウによって判定され
た、安定したデータが記憶され、これらのデータは後述
する自動一方位着磁補正に用いられる。
【0033】図7に戻って、ステップS203にて検出
値が第1ウインドウ外と判定された場合、自動着磁補正
のルーチンに移行する(S215,S216)。本装置
の自動着磁補正機能は一つの方位の計測によって、着磁
後の方位円を決定するものである。
【0034】以下、図9および図10によって、自動一
方位着磁補正機能について説明をする。図9は図7にお
けるステップS215,216をさらに詳細に示したフ
ローチャートである。また図10は、横軸に時間をとり
縦軸に検出値Vyをとった図である。図10中の符号
は、図3と同様のものを示す場合には、同一の符号を付
する。
【0035】図10は、VyP1 付近で安定していた検出
値が外乱により第1ウインドウを外れて、後に再び第1
ウインドウ内に復帰して、外乱前とは異なった検出値V
yP2で安定した経過を示している。図8などに示したフ
ローにより、連続した同値とみなせる検出値がN個記憶
されている。これらのデータは、第2ウインドウ28内
に存在する。そして、外乱により検出値に乱れが生じる
とB10,B11,B12と第2ウインドウ28を外れる値が
検出される。しかし、これらの検出値はまだ第1ウイン
ドウを外れてはいない。これが、第1ウインドウを外れ
ると、自動補正制御が開始される。ここで、第3ウイン
ドウ30をデータの安定判定に使わないのは、このウイ
ンドウが円環形状をしているために、たとえば図3のA
で示した部分でわかるように、幅が非常に広くなる場合
があり安定判定としては不適当な場合があるからであ
る。図10で説明すれば、第3ウインドウ30の幅は第
2ウインドウの幅に比して広く、これをそのまま使え
ば、検出値B10,B11も安定したデータとして取り込ま
れ、外乱の影響を受けたデータを含んでしまう可能性が
ある。このため、外乱前の検出値を利用する本装置の補
正制御にとっては不適切であるので、外乱の影響を極力
排除するためにより小さな範囲の第2ウインドウ28に
より、安定判定が行われる。
【0036】自動着磁補正の制御については図9のフロ
ーチャートにより説明する。第1ウインドウ26を外れ
た値が検出されると、計数C3 が100以上であるかが
判定される(S401)。計数C3 は、自動着磁補正の
実行に要している時間をカウントしている。この所定時
間以上要しても補正が終了しないときには、図8のステ
ップS205に移行して、搭乗者に異常を報知する。ま
だ所定時間が経過していない場合には検出された値が第
1ウインドウ内に復帰したかが判定される(S40
2)。第1回目は、当然第1ウインドウ外であり、再び
Vx,Vyの測定が行われる(S403)。次に、計数
3 に1が加えられる(S404)。そして、ステップ
S401に戻る。このステップS401からS404の
工程は、検出値が第1ウインドウ26内に復帰するまで
繰り返される。この時、繰り返すたびに計数C3 が増加
し、長い間第1ウインドウ26内に復帰しないと所定時
間が経過することになる。
【0037】検出値が第1ウインドウ26内に復帰する
とステップS209で記憶されたVx(n) ,Vy(n) の
各々の平均値VxP1 ,VyP1 が算出され、記憶される
(S405)。これが外乱前の磁気ベクトルの先端の座
標とする。この平均値VxP1 ,VyP1 の算出は、これ以
前に行うことも可能であるが、実際この値を使用する段
になって、算出するほうが無駄な演算処理を行うことを
減少させることができる。
【0038】次に、ここでも計数C3 が100以上であ
るかが判定される(S406)。この判定は、外乱後の
検出するまでに時間が経過し、外乱判定がなされてから
所定時間が過ぎたことを判定するもので、ステップS4
01と同様所定時間が経過するとステップS205へ移
行する。所定時間が経過していない場合にはVx,Vy
の測定が行われる。そして、M個連続して同値とみなせ
る検出値Vx(m) ,Vy(m) を順次記憶する(ステップ
S408)。このステップは図7のステップS209と
同様に図8に示される流れで処理される。ただし、図8
の“n”は“m”に読み替え、またデータがM個になっ
た後、古いデータを捨て新しいデータで書き換えること
は行われない。そして、記憶されたデータの数がM個に
なったかが判定される(S409)。M個に達していな
い場合には、計数C3 に1が加えられ(S410)、ス
テップS406に戻る。また、データがM個に達してい
た場合には、記憶されたVx(m) ,Vy(m) の各々の平
均値VxP2 ,VyP2 が算出され、記憶される(S41
1)。これらが外乱後の磁気ベクトルの先端の座標であ
る。
【0039】ステップS405,S411にて求められ
た外乱前後もベクトルの先端座標に基づき外乱後の方位
円を設定する(S412)。具体的には以下のようにな
る。車両の進行方位は外乱磁界の生じている間変化しな
いとし、したがって外乱前後において、測定される方位
は変化しないとする。すなわち、図3において、Vy軸
とベクトルP1 ,P2 のなす角は各々θ1 で等しいとい
うことである。さらに、地磁気を検出するのであるか
ら、方位円の半径は常に等しい。これら二つの前提か
ら、ベクトル先端が決定できれば、方位円の中心O2
座標(VxO2 ,VyO 2 )を次式より決定することができ
ることが分かる。
【0040】VxO2 =VxP2 −(VxP1 −VxO1 ) VyO2 =VyP2 −(VyP1 −VyO1 ) このようにして求まった新しい方位円24により以後方
位測定が行なわれる。そして最後に計数C3 を0とする
(S413)。
【0041】以上のように本装置においては、外乱磁界
によって着磁が生じて、磁気センサの出力を補正する必
要が生じたことを装置が判定し、さらに補正動作も自動
的に行う。
【0042】
【発明の効果】以上、本発明においては外乱磁界を検知
することにより、着磁が生じることを判定し、着磁が生
じた場合に外乱磁界検出前後の検出値を基に補正を行
う。この時搭乗者は初期設定を再び行うことや、現在に
進行方位を入力するなどの操作を一切することがなく、
自動的に着磁補正が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気センサの原理の説明図である。
【図2】磁気センサの原理の説明図であり、特に方位円
を説明する図である。
【図3】方位測定装置の原理の説明図であり、また本発
明の原理の説明図である。
【図4】方位測定装置の着磁現象を説明するための図で
ある。
【図5】本発明にかかる方位測定装置の好適な実施例の
構成を示す図である。
【図6】本実施例の制御フローの概要を示すフローチャ
ートである。
【図7】本実施例の制御フローであり、特に着磁判定に
関する制御のフローチャートである。
【図8】本実施例の制御フローであり、特に外乱磁気検
出前の安定したデータを格納するための制御のフローチ
ャートである。
【図9】本実施例の制御フローであり、特に自動着磁補
正に関する制御のフローチャートである。
【図10】本実施例の自動着磁補正機能を説明するため
の図である。
【符号の説明】
20 方位円(外乱前) 22 外乱磁気検出時の磁気ベクトル先端の軌跡 24 方位円(外乱後) 26 第1ウインドウ 28 第2ウインドウ 30 第3ウインドウ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 17/38 G01C 17/28 G01C 17/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに直交配置された一対の磁気検出素子
    からなる磁気センサによって磁気ベクトルを検出し、当
    該磁気ベクトルに基づき地磁気方位を測定する方位測定
    装置において、 前記磁気検出素子の各々の検出上限出力および検出下限
    出力にほぼ等しい上限値および下限値を有する第1ウイ
    ンドウと、 前記磁気ベクトル先端付近に設定され、磁気ベクトルの
    検出値の変動幅が所定範囲内であることを判定するため
    第2ウインドウと、 前記第2ウインドウ内に存在する最新の連続する所定個
    の磁気ベクトル検出値に基づき算出された方位を記憶す
    る記憶手段と、 前記磁気ベクトルの検出値が第1ウインドウの外側とな
    ったときに外乱ありと判定する外乱判定手段と、 外乱が判定されると、前記記憶手段に記憶されている方
    位を外乱前の方位とする外乱前方位設定手段と、 前記磁気ベクトルが第1ウインドウ内に復帰し、その後
    第2ウインドウ内に存在する連続する所定個の磁気ベク
    トル検出値および前記外乱前方位とに基づき外乱後の着
    磁を補正する着磁補正手段と、を有する方位測定装置。
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