JP3019583U - 棒状回転切削工具による木材切削装置 - Google Patents

棒状回転切削工具による木材切削装置

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然の丸太のように断面形状が一様でなく、
且つ、ある程度の太さ又は厚さを有する木材に対して、
自由に2次元切削を行うことができ、特にログハウスの
建築におけるノッチ部の加工を容易にする棒状回転切削
工具による木材切削装置を提供する。 【構成】 棒状体の表面に多数の切歯を螺旋状の配置に
突設してなる回転切削工具の両端部を回転自在に支持す
ると共に、該回転切削工具の少なくとも一方の端部に駆
動手段を連結し、上記回転切削工具と、被切削物の支持
手段との間に、切削工具回転主軸に共に直交し、且つそ
れぞれ互いに直交する2軸方向への相対的送り手段を備
えた。そして、上記回転切削工具が棒状体の両端部に対
し中央部がわずかに大径であっても良い。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は棒状回転切削工具による木材切削装置に関するものであり、主として 、自然木よりログハウスを建築する際におけるノッチ部の加工に適した木材切削 装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、リゾート用或いは住居用としてログハウスの建築が盛んに行なわれる ようになった。従来、ログハウスを建築する際、材料となる丸太を組合わせるた めに丸太にノッチ部と称する切欠部を形成しているが、このノッチ部の一例を図 9に示す。
【0003】 図9において、ノッチ部91は、丸太90の上半部に該丸太90の長さ方向に 直角二等辺三角形断面をなすように切欠して形成した尾根状部分91aと、同部 分下半部に、該尾根上部分91aと同形の直角二等辺三角形断面をなす部分を丸 太90aの長さ方向と直交する方向に沿って切除して形成した谷状部分91bと を、丸太90の端部に上下一対にして設けてなるものであり、ログハウスを組み 上げる際には、基礎92の上に一方の壁面93をなす丸太90と、他の壁面94 をなす丸太90のそれぞれのノッチ部91の尾根状部分91aと谷状部分91b とを組合せながら順次載上して、多数の丸太90より互いに直交する壁面92, 94を形成していくのである。
【0004】 しかし、上述のノッチ部91は、丸太90の上半部と下半部にそれぞれ尾根状 部分91aと谷状部分91bとを形成しなければならず作業に手間を要した。特 に断面形状及び太さが一様でない自然木の丸太90を用いてログハウスを組み上 げる場合、ノッチ部91がきれいに合わさるように加工することは難しく、且つ 壁面93,94の高さを均一に揃えるためには、ノッチ部91の形状を適宜修正 してやる必要があるので、一旦仮組みした後に、再び丸太90を降ろして修正し 、再び合せるといった作業を頻繁に繰り返さなければならず、尚且つ丸太90は 重量物であるので、上記作業はすべてクレーンを用いて行なわれなければならず 非常な手間と時間を要していた。
【0005】 勿論、丸太90をマシンカットして円形、或いは抹角四角形等の一様な断面形 状を有する木材に加工した後にノッチ部91の加工を行えば、組み上げ作業は大 幅に簡略化されるが、ログハウス本来の自然木の持つ味わいといったものは損な われてしまうという欠点が有った。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みて、自然の丸太のよう に断面形状が一様でなく、且つ、ある程度の太さ又は厚さを有する木材に対して 、自由に2次元切削を行うことができ、特にログハウスの建築におけるノッチ部 の加工を容易にする棒状回転切削工具による木材切削装置を提供することを目的 とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
棒状体の表面に多数の切歯を螺旋状の配置に突設してなる回転切削工具の両端 部を回転自在に支持すると共に、該回転切削工具の少なくとも一方の端部に駆動 手段を連結し、上記切削工具と、被切削物の支持手段との間に、切削工具回転主 軸に共に直交し、且つそれぞれ互いに直交する2軸方向への相対的送り手段を備 えた。そして、上記回転切削工具が棒状体の両端部に対し中央部がわずかに大径 であっても良い。
【0008】
【作用】
回転切削工具を駆動手段により駆動回転した状態で、丸太等の被加工物に圧接 し、相対的送りを与えると、該回転切削工具の表面に螺旋状の配置で突設した多 数の切歯により被加工物は切削されると共に、切りくずは軸方向に排出され、該 被加工物は回転切削工具に沿って切断される。回転切削工具は軸方向以外のあら ゆる方向に切り進んでゆくことができるので、2軸方向への相対的送り手段によ り2軸同時制御を行うことにより被加工物は2次元自由切削、または、切断され る。
【0009】 そして、回転切削工具の中央部が両端部より大径であるように円弧状に膨らみ をもたせると、該回転切削工具により切削してなる切削面、切断面は、回転切削 工具の進行方向に沿って中央が凹陥することになり、このような回転切削工具に よりログハウス建築に用いる丸太にノッチ部を加工すれば、ノッチ部をなす切欠 部は、中央が凹陥し、該切欠部の周縁において、組み合わせる他の丸太の外周面 に接する良好なノッチ部が形成される。
【0010】
【実施例】
実施例について図面と共に説明する。尚、以下の説明における切削とは、切削 の結果として、被加工物が切断される場合を包含するものであり、本考案の木材 切削装置は主としてこのような切断を目的としたものである。
【0011】 図1Aは、本考案実施例の木材切削装置11に使用する回転切削工具1を示す 側面図であり、Bは、その部分拡大図である。図1A及びBにおいて、回転切削 工具1は、細長い円柱棒状体であり、表面に多数の針状の切歯2を螺旋状の配置 に突設してなるものであり、該切歯2を突設した螺旋状部分5の間には、円弧状 の浅い溝6を形成すると共に、上記回転切削工具1の両端部には、側端縁を大径 側とするテ―パを有する把持部3をそれぞれ形成しており、回転切削工具1は中 心線4を回転軸として回転されるようになっている。また、上記回転切削工具1 は、該工具1全体に亘って同方向に一様な螺旋状の配置に切歯2を突設している が、図1Cに1´として示すように、中央部8を境に両側で互いに反対方向の螺 旋状の配置に切歯2を設けることもできる。
【0012】 そして、図1A及びBに示した回転切削工具1の多数の切歯2を設けた切削部 分は、後述する理由により把持部3に連なる両端部より、中央部が大径となるよ うにわずかに円孤状に脹らみをもたせてあるが、勿論平行にすることも可能であ る。
【0013】 図2乃至図4に上述の回転切削工具1を備えた木材切削装置11の実施の一例 を示し、以下、該切削装置11について説明する。
【0014】 図2乃至図4において、木材切削装置11は、基板12の両側に立設した一対 の門形フレ―ム13,14の間に横桁15を渡設し、該横桁15に沿って水平に 移動できる水平移動部材16、該水平移動部材16に沿って垂直に移動できる、 一対の垂直昇降部材17,18をそれぞれ設け、該垂直昇降部材17,18の下 端に軸心を一にして対向して設けたモ―タ19,20の回転軸の間に形成された 回転主軸上に前記回転切削工具1を回転自在に設けてなるものである。
【0015】 基板12は、加工物の支持台を兼ねており、図示例では丸太7を固定する機構 を設けている。即ち、基板12の門形フレ―ム13,14に近接した位置に、2 個のつづみ形のロ―ラ21,22をそれぞれ一対の支持部材23,24により回 転自在に支持している。
【0016】 また、基板12の中央にはそれぞれ両側より対向させ、且つ、適宜仰角を持た せて固定した2個のエアシリンダ25,26により押圧部材27,28を出没可 能に設けると共に、横桁15を上下に貫通して、前記ロ―ラ21,21の上方に 、それぞれ下向きに設けたエアシリンダ29,30により押圧部材31,32を 下方に出没可能に設け、これら4本の押圧部材27,28,31,32及びロ― ラ21,22により一方の門形フレ―ム14側より挿入された丸太7を、該丸太 7の形状に拘らず確実に固定できるようになっている。
【0017】 横桁15は、中空の角形剛板フレ―ムの両側面を案内面33,34として、該 案内面33,34には長さ方向に沿って平行に2本づつのガイドレ―ル35,3 6設けている。
【0018】 水平移動部材16は、垂直に設けた2本の支柱37,38と梁39とでコ字状 に形成し、それぞれの支柱37,38の内側側面には前記ガイドレ―ル35,3 6に対応する位置に2個づつのコ字状の摺動部材40,41を対向して設け、該 摺動部材40,41をガイドレ―ル35,36に係合させ摺動自在に支持するこ とにより、水平移動部材16は横桁15に跨乗した状態で支持されている。更に 、支柱37,38の側面に設けた螺合部材42と、2本のガイドレ―ル35,3 6の中間に位置し、横桁15に沿って、該横桁15の両側で門形フレ―ム13と 14とで回転自在に支持され、且つ、一端が門形フレ―ム13に固定した2個の 同期回転する水平方向送り用モ―タ43の回転軸に連結されている2本の水平方 向送りネジ44に螺合することにより、水平移動部材16は、上記モ―タ43の 回転により横桁15に沿って水平方向に移動できるようになっている。
【0019】 また、水平移動部材16の頂部の梁39上には支持部材45を設け、該支持部 材45の中央に設けたコ字状断面をなすブラケット46上には、回転軸の先端が 、該ブラケット46の内部に突出するように垂直方向送り用モ―タ47を固定す る。
【0020】 そして、水平移動部材16の支柱37,38の外側側面は一対の垂直昇降部材 17,18の案内面48,49をなしており、該案内面の長さ方向に沿ってガイ ドレ―ル50,51が設けられている。垂直昇降部材17,18は、細長い平板 状に形成し、下端部には主軸をなすモ―タ19,20を軸心に一にして対向して 設けており、該モ―タ19,20の回転軸にはコレットチャック52,53を設 けて、該コレットチャック52,53により、図1に示した回転切削工具1を該 回転切削工具1の両端に形成した把持部3においてチャックして支持した状態で 、モ―タ19,20を同期回転して回転切削工具1を駆動回転できるようになっ ている。尚、モ―タ19,20は、共に回転軸上にスラスト軸受を付設して、ス ラスト荷重に耐えうる構造したものを用い、且つ、一方のモ―タ19と垂直昇降 部材17との間にはテンション装置54を設けており、該テンション装置54を 図5に示す。
【0021】 図5において、テンション装置54はモ―タ19を取り付けるブラケット54 aに突設した4本の支軸54bを垂直昇降部材17に形成した4個の軸受孔17 aに挿通してモ―タ19を軸方向に摺動自在に支持すると共に、ブラケット54 aと垂直昇降部材17との間にスプリングSを介在させることにより、該モ―タ 19を、他のモ―タ20を疎斥する方向に付勢できるようになっており、これに よりコレットチャック52,53によりモ―タ19,20の回転軸間に支持した 回転切削工具1に軸方向への引張力を付加することを可能にしている。
【0022】 また、図示例では2個のモ―タ19,20を使用する場合を示したがこれは回 転切削工具1に作用する捩りモ―メントを考慮して、該回転切削工具1の両端で の相対的な捩れをなくすためのものであり、これ以外にも、1個のモ―タより駆 動系を対称に2分して回転切削工具1の両端をそれぞれ同位相で回転するように しても同様の効果を得られるが、上述の捩りモ―メントを無視すれば、モ―タ2 0(又は19)のみを単独で設けることも勿論可能である。
【0023】 そして、垂直昇降部材17,18の上半部内側には、図3に示すように2個づ つコ字状の摺動部材55,56をそれぞれ対向して設け、該摺動部材55,56 を前記ガイドレ―ル40,41に係合することにより、垂直昇降部材17,18 は水平移動部材16に摺動自在に支持されている。また、垂直昇降部材17,1 8の外側側面に設けた螺合部材57を、支持部材45の両端張出部に回転自在に 支持されている垂直方向送りネジ58,59に螺合し、且つ、該垂直方向送りネ ジ58,59の上端に設けたプ―リ60,61とモ―タ47の回転軸に設けたプ ―リ62,63との間にタイミングベルト64,65を装架して、上記モ―タ4 7の回転により垂直方向送りネジ58,59が同期回転するようになっており、 これにより1対の垂直昇降部材17,18及び該部材17,18に回転自在に支 持されている回転切削工具1は垂直方向に昇降できるようになっている。
【0024】 以上のように構成された切削装置11には、水平方向送り用モ―タ43及び垂 直方向送り用モ―タ47に図示しない制御装置を設け、水平方向及び垂直方向の 同時2軸制御を行なうようにする。制御方法としてはNC制御あるいは、型取り り盤をいて2次元ならい削りを行うようにしても良い、また主軸回転用モ―タ1 9,20は、後述する理由により共にリバ―シブルモ―タを用いて、回転方向を 逐時反転できるようにする。そして、該モ―タ19,20を上記制御装置に連係 させ、その回転方向の制御を次のように行うものとする。
【0025】 図6において、被加工物である丸太7の木目方向をχ方向とすると、回転切削 工具1の送り方向が原点より第1象限もしくは第3象限に向かう場合、即ち、χ ,yは共に正、もしくは共に負の同符号の場合は、回転切削工具1の切削が木目 に対してならい目削りとなるよう、該回転切削工具1の回転を正回転(時計回り )とし、また、回転切削工具1の送り方向が原点より第2象限もしくは第4象限 に向かう場合、即ち、χが負でyが正、もしくはχが正でyが負の異符号の場合 は、回転切削工具1の回転を逆回転(反時計回り)とし、回転切削工具1の送り 方向に応じて該工具1の回転方向を適宜切り換えるようにする。図示例の切削装 置11においては丸太7を水平に固定するので、上述のχ方向が水平移動部材1 6の送り方向となり、y方向が垂直昇降部材17,18の送り方向となるので、 それらの送り方向に応じて回転切削工具1の回転方向を直接切り換えればよいが 、木目方向が傾斜している場合は適宜座標変換するものとする。
【0026】 次に上述の実施例に基づいて、切削装置11による木材切削作業の一例として ログハウスの建築材料となる自然木の丸太7へのノッチ部71の加工について説 明する。尚、本実施例に示すノッチ部71の形状は、従来例において図9に示し たノッチ部81とは異なり、図8(及び図4)に示すようにノッチ部71を構成 する各丸太7の下側のみを半円状に切欠して切欠部72を形成し、該切欠部72 と他の丸太7の外周面73と組み合わせるようにしたものである。
【0027】 図2乃至図4において、被加工物である丸太7は一方の門形フレ―ム14の中 間部よりロ―ラ22で案内しながら切削装置11の横桁15の下側に挿入し、上 記ロ―ラ22とロ―ラ21とで丸太7を支持し、更に図3及び図4に示す4個の エアシリンダ25,26,29,30の加圧により4本の押圧部材27,28, 31,32を突出させ、該押圧部材27,28,31,32で丸太7を押圧した 状態で支持し、これにより、丸太7は横揺れ等を防止した状態で確実に支持され る。
【0028】 このとき、垂直昇降部材17,18は、図3に示すように軌道の上限において 静止することにより、回転切削工具を被加工物である丸太7の挿入スペ―スより 退避している。
【0029】 続いて、図4において、モ―タ43により水平方向送りネジ44を回転させ、 水平移動部材16を16aに示す位置まで移動させると共に、モ―タ47により 垂直方向送りネジ58を回転させ、垂直昇降部材17を17aに示す位置まで下 降させて回転切削工具1の位置決めを行ない、このとき該工具1は図4中1aに 位置している。
【0030】 そして、モ―タ19及び20で回転切削工具1を回転させれば、図1に示す回 転切削工具1の表面に多数突設された針状の切歯2により丸太7は切削され、切 削時の切りくずは螺線状に設けた溝6より軸方向に排出されるので、回転切削工 具1に任意の方向に切り進んでいくことができる。
【0031】 図2乃至図4に示すノッチ部71の加工においては、それぞれモ―タ43及び 47の回転数を予め入力したデ―タに基づいて数値制御することにより水平移動 部材16及び垂直昇降部材17,18を適宜送り量により円弧状の軌道をなすよ うに2次元送りして、切片75を切除し、半円形状の切欠部72を形成する。
【0032】 上述の切削過程において、回転切削工具1の回転方向は図7に示すとおりであ る。即ち、切欠部72の仮想中心線76まで切り進む際には、丸太7の木目方向 に対してならい目削りとなるように回転切削工具1は正回転(図7中時計回り) し、図4において1bとして示したように上記仮想中心線76上に回転切削工具 1が位置した時点で、即ち垂直方向への送りが下方向より上方向に転じた時点で 、該工具1の回転方向を反転させ、木目方向に対して、ならい目削りとなるよう に逆回転(図7中反時計針回り)し、切り進むものとする。このように回転切削 工具1の回転方向を制御して、木目に対して常にならい目削りとなるようにする ことにより、該回転切削工具1の切削抵抗は大幅に低減されると共に、切欠部7 2をなす切削面の仕上りをきれいにすることを可能にしている。
【0033】 また、回転切削工具1を図1A及びBに示すごとく、中央部が大径となるよう に円弧状に脹みを持たせることにより、切削面は、回転切削工具1の進行方向に 沿って中央がわずかに凹陥した形状となり、これは、自然木の丸太7にノッチ部 71を形成する場合、特に重要な意味を持つものであり、上記回転切削工具1に より加工したノッチ部71を図8に示し、以下に説明する。
【0034】 図8に示されるように、ノッチ部71を切欠部72は中央部かわずかに円弧状 に窪んでいるので、該切欠部72を他の丸太への外周面72と組み合わせた場合 、切欠部72は、該切欠部72の周縁部77においてのみ他の丸太の外周面73 に接することになる。これにより、表面に不規則な凹凸を有し、且つ、断面形状 も一様とはいえない自然木の丸太7の外周面73に、他の丸太7の切欠部72を 組み合せた場合の安定性及び整合性が良く、ノッチ部71の切削面が外部に露見 しにくくなるので、外見上も非常に有利である。また、このように構成されたノ ッチ部71は丸太7の切削面である切欠部72が全て下向きに配置されているの で、切欠部72が冠水しにくいという利点もある。
【0035】 そして、回転切削工具1は、該工具1をコレットチャック52によりチャック しているモ―タ19と該モ―タ19を支持した一方の垂直昇降部材17との間に 設けたテンション装置54により、軸方向への引張力が常に付加されており、そ の状態で回転され、且つ、切削作業を行うようになっている。
【0036】 本来、回転切削工具1は、切削抵抗及び自重により微妙な撓みを生じることに なり、この撓みに耐して危険回転速度が設定されることになる。一般に、軸方向 への引張荷重を付加した細長い丸棒が回転する場合、撓みによる弾性変形の周期 が丸棒自体の固有振動数と一致する際には弾性限界を越えて破損することになり 、このような回転数を危険回転速度と呼び、該危険回転速度Ncrは次式数1で 与えられ、式数1より引張荷重Pを付加することにより、危険回転速度Ncrが 上昇することがわかる。
【0037】
【数1】
【0038】 仮に、d=10(mm),l=500(mm), γ=7.86×10-6(Kgf /mm3 ) , E=2.1×1.04 (Kgf /mm2 )として、引張荷重P(Kgf)と
危険 回転速度Ncr(r.p.m )との関係を求めれば、表1のようになる。
【0039】
【表1】
【0040】 これらより明らかなとおり、回転切削工具1に軸方向への引張力を付加した場 合、該引張力により、切削抵抗及び自重による撓みは抑制され、それにより危険 回転速度も上昇するので、回転切削工具1の破断を防止した状態で、より高速回 転することが可能となり、回転切削工具1の切削性能は向上する。
【0041】 尚、上述の実施例においては、切削作業の一例としてログハウスの建築材料と なる自然木の丸太7へのノッチ部71の加工について示したが、本考案の回転切 削工具1及び切削装置11は、これ以外にもあらゆる木材の2次元切削及び切断 を行なうことが可能であることは勿論である。
【0042】
【考案の効果】
本考案の棒状回転切削工具による木材切削装置は、上述のとおり、棒状体の表 面に多数の切歯を螺線状の配置に突設してなる回転切削工具の両端部を回転自在 に支持すると共に、該回転切削工具の少なくとも一方の端部に駆動手段を連結し 、上記回転切削工具と、被切削物の支持手段との間に、切削工具回転主軸に共に 直交し、且つそれぞれ互いに直交する2軸方向への相対的送り手段を備えたので 、自然の丸太のように断面形状が一様でなく、且つ、ある程度の太さ又は厚さを 有する木材に対して、自由に2次元切削を行うことができる。
【0043】 そして、上記回転切削工具の両端部に対して中央部をわずかに大径に形成する ことにより、ログハウス用丸太材に、整合性,安定性及び耐水性に優れ、切削面 が外部に露見しにくく、外見上も優れたノッチ部を容易に加工することが可能で ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本考案実施例の木材切断切削装置に使用す
る回転切削工具を示す側面図であり、Bは同図の要部拡
大図、Cは他の実施例を示す側面図である。
【図2】本考案実施例の木材切削装置を示す斜視図であ
る。
【図3】本考案実施例の木材切削装置を示す側断面図で
ある。
【図4】本考案実施例の木材切削装置を示す正面図であ
る。
【図5】テンション装置を示す側断面図である。
【図6】本考案回転切削工具の送り方向と回転方向との
関係を示す図である。
【図7】本考案実施例の木材切削装置により丸太にノッ
チ部を加工する状態を示す図である。
【図8】本考案実施例の木材切削装置により加工したノ
ッチ部を組み合せた状態を示す一部切除した側面図であ
る。
【図9】従来のログハウス建築におけるノッチ部を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 回転切削工具 2 切歯 3 把持部 7 丸太 11 切削装置 15 横桁 16 水平移動部材 17,18 垂直昇降部材 19,20 主軸回転用モ―タ 21,22 ロ―ラ 25,26,29,30 エアシリンダ 27,28,31,32 押圧部材 35,36,30,51 ガイドレ―ル 43 水平方向送り用モ―タ 44 水平方向送りネジ 47 垂直送り用モ―タ 52,53 コレットチャック 54 テンション装置 58,59 垂直方向送りネジ 60,61,62,63 プ―リ 64,65 タイミングベルト 71 ノッチ部 72 切欠部 73 外周面 77 周縁部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状体の表面に多数の切歯を螺旋状の配
    置に突設してなる回転切削工具の両端部を回転自在に支
    持すると共に、該回転切削工具の少なくとも一方の端部
    に駆動手段を連結し、上記回転切削工具と、被切削物の
    支持手段との間に、切削工具回転主軸に共に直交し、且
    つそれぞれ互いに直交する2軸方向への相対的送り手段
    を備えた木材切削装置。
  2. 【請求項2】 回転切削工具が、棒状体の両端部に対し
    中央部がわずかに大径であることを特徴とする請求項1
    記載の木材切削装置。
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JP2010125564A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Kyoei Tekkosho:Kk 切断加工機
CN111660378A (zh) * 2020-06-03 2020-09-15 汇森家具(龙南)有限公司 一种智能家具生产用开缝设备

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010125564A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Kyoei Tekkosho:Kk 切断加工機
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