JP3019112U - フロアー設置型置き畳 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】実際の畳のテクスチャーを保持しつつ、厚みが
薄く、軽量であって持ち運びやすく、別部材が不要で敷
設作業が容易なフロアー設置型置き畳を提供する。 【構成】1 / ４畳の大きさに形成された一対の畳ユニッ
ト１をヒンジ板２を介して折り畳み可能に接合したもの
で、各畳ユニット１は、芯材３と、芯材３上に積層され
た発泡プラスチック薄板からなるクッション材４と、ク
ッション材４の表面を覆うとともに、両側を裏面に折り
返して前記芯材３を抱持した状態に一体に貼着された畳
表材５と、畳表材５の両端縁に縫着され、かつ縁部を裏
面側に折り返し接合された縁仕上げ材６とからなってい
る。芯材３は、一対の合成樹脂製中空板３ａを積層配置
したもので、各中空板３ａは平行に対向する二枚のライ
ナー板３ａ−１を連結する多数の並行リブ３ａ−２を一
体押出し成形した折り曲げ強度が極めて高く、軽量であ
っても剛性に富む素材であり、それ自体が荷重方向に対
して弾性体として機能する。ヒンジ板７の裏面には複数
の吸着テープ７が固定されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、フロアー設置型置き畳に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近ではフローリング床の普及によって、いわゆるごろ寝や床に座るための床 居住スペースが減少しており、これらの解消を図るものとしてフロアー設置型の カーペットや置き畳が市販されている。

【０００３】 カーペットは一般に設置面積に応じた大きさのものを丸めたり折り畳んだ状態 で各種販売されており、搬送，収納に便利で薄形であるため、敷き広げても段差 が生ぜず高齢者等にとって安全性が高い。反面、遮音性が低く、保温性に劣り、 材質によっては肌触りが悪く、快適性に劣る。さらには、汚れた場合には一般家 庭などでは丸洗いや、洗浄後の乾燥が困難である。

【０００４】 一方、置き畳は芯材の表面に畳表材を積層したものであり、一般に半畳タイプ をユニットとしてこれらを間取りに応じて複数枚設置するものが知られており、 前記カーペットにはない風合いと、和室的な雰囲気が得られるので、和風的な室 内装飾を演出するための敷物として好適であり、保温性，遮音性にも富む利点が ある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の置き畳の芯材は、樹脂発泡体，合板などの木質系，プラスチ ック製段ボール、またはこれらの組合せがあるが、いずれもが半畳大の大きさで 実際の畳のテクスチャーに類似させるためにクッション性と剛性を両立させる必 要があり、このために、厚みが厚くなるため、床面との間に段差が生じ危険であ るので、別途安全用のスロープ状枠が必要であり、敷設作業が面倒であるばかり か、高価となる。

【０００６】 そこで、この考案は、実際の畳のテクスチャーを保持しつつ、厚みが薄く、軽 量であって持ち運びやすく、別部材が不要で敷設作業が容易なフロアー設置型置 き畳を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案は、合成樹脂製中空板からなる芯材と、該 芯材の表面を覆うとともに、両側を前記芯材の裏面に折り返して該芯材に一体に 貼着される畳表材と、該畳表材の両端縁に縫着され、かつ縁部を裏面側に折り返 し接合された縁仕上げ材によって構成された一対の畳ユニットとを備え、該畳ユ ニットの裏面側にあって該畳ユニット同士を前記畳表材の折り返し端を平行に配 置した状態でヒンジ板により折り畳み可能に接合し、前記ヒンジ板の裏面に複数 の滑りどめ用吸着体を取り付けたことを特徴とする（請求項１）。

【０００８】 この発明において、前記吸着体は接着テープの表面に多数の吸着要素を形成し たものであることが好ましい（請求項２） 。

【０００９】 また、前記芯材は、平行に対向する二枚のライナー板とこれらを連結する多数 の並行リブが一体押出し成形された２枚の合成樹脂製中空板を該並行リブが直交 すべく積層配置したものであることが好ましい（請求項３）。

【００１０】 さらに、前記中空板のうち、少なくとも下面側中空板と前記畳表材の厚みはほ ぼ等しく、下面側中空板の大きさを前記畳表材の折り返ししろ分縮小し、前記折 り返し面が上面側中空板の裏面に貼着されていることが好ましく（請求項４）、 前記上部側中空板の並行リブの方向を前記畳表材の折り返し面と直交する方向に 配向させることが好ましく（請求項５）、前記芯材の四隅に切り欠きを形成し、 前記縁仕上げ材の端部折込部が該切り欠き内に収まるようにすることが好ましく （請求項６）、前記ヒンジ板の四隅に、前記縁仕上げ材の端部折込部が収まる切 り欠きを形成することが好ましい（請求項７）。

【００１１】 さらにまた、前記各畳ユニットはほぼ１／４畳の大きさに形成され、展開状態 でほぼ正方形状の半畳タイプとなることが好ましい（請求項８）。

【００１２】

【作用】

請求項１の発明では、合成樹脂中空板は、薄くても剛性と荷重方向に対する弾 性に富む素材であり、全体を軽量、薄形に形成できる。持ち運びにはヒンジ板を 介して二つ折りにして持ち運ぶことができる。展開しフロア面に設置した状態で は、吸着テープの吸着性によってフロア面に固定できる。

【００１３】 請求項２の構成とした場合には、吸着のための厚みをとらない。

【００１４】 請求項３とした場合には、平面上における縦横方向の剛性を増大させる。

【００１５】 請求項４とした場合には、各畳ユニットの裏面を平坦にできる。

【００１６】 請求項５とした場合には、畳表材の折り返し縁部をシャープに折り曲げること ができる。

【００１７】 請求項６とした場合には、縁仕上げ材と、畳表材の縁部が同一線上となる。

【００１８】 請求項７とした場合には、展開状態において畳の裏面側は面一となる。

【００１９】 請求項８とした場合には、持ち運び性を確保しつつ、従来の置き畳と同一の規 格となる。

【００２０】

【実施例】

図１はこの考案にかかる畳ユニットの分解図、図２は同組立状態を示す姿図、 図３は同畳ユニットを用いた置き畳の組立姿図、図４は同一部切欠きの平面およ び底面図、図５は同一部断面側面図である。

【００２１】 図において、この置き畳は、ほぼ１／４畳の大きさに形成された一対の畳ユニ ット１をヒンジ板２を介して折り畳み可能に接合したものである。

【００２２】 各畳ユニット１は、芯材３と、芯材３上に積層された発泡プラスチック薄板か らなるクッション材４と、クッション材４の表面を覆うとともに、両側を裏面に 折り返して前記芯材３を抱持した状態に一体に貼着された畳表材５（例えば、 積水成型工業株式会社製の商品名「美草ＳＴ」）と、畳表材５の両端縁に縫着さ れ、かつ縁部を裏面側に折り返し接合された縁仕上げ材６とからなっており、そ れぞれを接着材または両面粘着テープを介して一体化される。なお、縁仕上げ材 ６のみ縫合により一体化される。

【００２３】 各中空板３ａは、図１の一部に拡大して示すように、平行に対向する二枚のラ イナー板３ａ−１を連結する多数の並行リブ３ａ−２を一体押出し成形したもの で、並行リブ３ａ−２の長手方向と直交する方向の折り曲げ強度は極めて高く、 軽量であっても剛性に富む素材であり、しかもそれ自体が荷重方向に対する弾性 体として機能している。これらの機能を満足するためのものとしては、例えば宇 部日東化成株式会社製の商品名「ダンプレート」が好適である。

【００２４】 そして、少なくとも下面側中空板３ａと前記畳表材５の厚みはほぼ等しく、下 面側中空板３ａの大きさを前記畳表材５の折り返ししろ分縮小し、前記折込面５ ａを上面側中空板３の裏面に貼着することで、面一に組み付けている。

【００２５】 また上部側中空板３ａは、中空板３ａ−２の開口面を前記畳表材５の折込面５ ａに向けて配向させ、これによって折り曲げ縁部をシャープに形作るようにして いる。一方、下面側の中空板３ａ−２は上面側と直交して配置されており、これ によって平面上における縦横方向の剛性をさらに増大させている。

【００２６】 さらに前記クッション材４および芯材３の四隅には切欠き４ａ，３ｂが形成さ れ、前記縁仕上げ材６の端部折込部６ａが切り欠き４ａ，３ｂ内に収まることに よって、縁仕上げ材６の折込縁部と畳表材５材の折込縁部を同一線上に一致させ るようにしている。

【００２７】 前記ヒンジ板２は、ポリプロピレン等の合成樹脂薄板などからなるもので、そ の中央に筋押し加工によってヒンジ２ａを形成しているとともに、周囲には前記 縁仕上げ材６の折込部６ａを避けるための切欠き２ｂを形成し、この切欠き２ｂ の部分に折込部６ａが収まることで、裏面を平坦化している。

【００２８】 したがって、畳ユニット１は、畳表材５側を表面に露出した状態でヒンジ板２ のヒンジ２ａを介して二つ折り状態に折り畳んで収納，搬送できる。

【００２９】 さらには、ヒンジ板２の裏面には複数の滑りどめ用吸着テープ７が接着固定さ れている。この吸着テープ７は、粘着テープとは異なるものであって、接着テー プの表面に微細な吸着要素を無数に一体化し、折り畳み状態で互いに畳ユニット １同士を互いに接合するとともに、展開状態で平滑なフロア面などに吸着してこ れを強固に固定する反面、指腹等の非平滑面に対しては吸着しない機能を有して いる。このような吸着テープ７としては、東洋ケミテック株式会社製の商品名 「フィットボンド」が好適である。

【００３０】 以上の構成の置き式畳は、折り畳んだ状態で持ち帰ることができ、店頭販売に より気軽に購入できる。展開時においては畳ユニット１間の接合部は隙間なく閉 じられ、一枚あたりで１／２畳の畳として機能し、従来のようなスロープ状枠を 要することなく、吸着テープ７の吸着力によってフロア面に平坦状に固定され、 複数枚の組み合わせによって和風的な室内を容易に構成することができる。

【００３１】 なお、本実施例では、芯材３と畳表材５との間にクッション材４を入れた場合 を開示したが、例えば積水成型工業株式会社製の商品名「美龍ＳＢ」等のように 、使用する畳表材によってはクッション材を用いなくても触感のよいものが得ら れる。

【００３２】

【考案の効果】

この考案によるフロアー設置型置き畳にあっては、芯材として用いる合成樹脂 中空板は、薄く軽量であっても剛性と荷重方向に対する弾性に富む素材であり、 全体を軽量、薄形に形成でき、持ち運びあるいは収納時にはヒンジ板を介して二 つ折りにして持ち運ぶことができるため、運搬，収納に便利となり、またこれに よって受注販売だけでなく、店頭販売が可能となる。また、反りが生じにくく耐 久性に富み、展開し、フロアーに設置した状態では本物の敷き畳と同様なテクス チヤーを得ることができる。さらに吸着体の吸着力によって固定されるので、滑 ったりずれたりすることがなく、敷設状態を安定して保持する。

【００３３】 請求項２とした場合には、固定のための厚みを取ることがなく、薄形化に好適 である。

【００３４】 請求項３とした場合には、平面上における縦横方向の剛性を増大させるため、 さらに反りが生じにくく、さらに耐久性を増す利点がある。

【００３５】 請求項４とした場合には、薄形化に好適である。

【００３６】 請求項５とした場合には、畳表材の折り返し縁部をシャープに折り曲げること ができ、角部の形状をシャープに造形できる。

【００３７】 請求項６とした場合には、縁仕上げ材と、畳表材の縁部が同一線上となり、展 開状態でヒンジ接合部分の隙間を閉じることができる。

【００３８】 請求項７とした場合には、展開状態において畳の裏面側は面一となるため、設 置安定性を充分確保できる。

【００３９】 請求項８とした場合には、運搬性を確保しつつ、従来の置き畳と同一の規格と なるため、一枚あたりの設置面積も充分に確保できるとともに、従来の半畳タイ プのものに比べて芯材，畳表材の接着（粘着）個所を低減しても一体性が高いと いった利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかるフロア設置型置き畳の畳ユニ
ットを示す分解斜視図である。

【図２】同畳ユニットの組立姿図である。

【図３】同畳ユニットを用いた置き畳の組立姿図であ
る。

【図４】同一部切欠きの平面および底面図である。

【図５】同一部断面側面図である。

【符号の説明】

１ 畳ユニット ２ ヒンジ板 ２ａ ヒンジ ２ｂ 切り欠き ３ 芯材 ３ａ 合成樹脂製中空板 ３ｂ，４ａ 切欠き ５ 畳表材 ５ａ 折込面 ６ 縁仕上げ材 ６ａ 折込部 ７ 吸着テープ

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製中空板からなる芯材と、該芯
   材の表面を覆うとともに、両側を前記芯材の裏面に折り
   返して該芯材に一体に貼着される畳表材と、該畳表材の
   両端縁に縫着され、かつ縁部を裏面側に折り返し接合さ
   れた縁仕上げ材によって構成された一対の畳ユニットと
   を備え、該畳ユニットの裏面側にあって該畳ユニット同
   士を前記畳表材の折り返し端を平行に配置した状態でヒ
   ンジ板により折り畳み可能に接合し、前記ヒンジ板の裏
   面に複数の滑りどめ用吸着体を取り付けたことを特徴と
   するフロアー設置型置き畳。
2. 【請求項２】 前記吸着体は接着テープの表面に多数の
   吸着要素を形成したものであることを特徴とする請求項
   １記載のフロアー設置型置き畳 。
3. 【請求項３】 前記芯材は、平行に対向する二枚のライ
   ナー板とこれらを連結する多数の並行リブが一体押出し
   成形された２枚の合成樹脂製中空板を該並行リブが直交
   すべく積層配置したものであることを特徴とする請求項
   １または２記載のフロアー設置型置き畳。
4. 【請求項４】 前記中空板のうち、少なくとも下面側中
   空板と前記畳表材の厚みはほぼ等しく、下面側中空板の
   大きさを前記畳表材の折り返ししろ分縮小し、前記折り
   返し面が上面側中空板の裏面に貼着されていることを特
   徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載のフロアー
   設置型置き畳。
5. 【請求項５】 前記上部側中空板の並行リブの方向を前
   記畳表材の折り返し面と直交する方向に配向させたこと
   を特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載のフロ
   アー設置型置き畳。
6. 【請求項６】 前記芯材の四隅に切り欠きを形成し、前
   記縁仕上げ材の端部折込部が該切り欠き内に収まるよう
   にしたことを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに
   記載のフロアー設置型置き畳。
7. 【請求項７】 前記ヒンジ板の四隅に、前記縁仕上げ材
   の端部折込部が収まる切り欠きを形成したことを特徴と
   する請求項１ないし６のいずれかに記載のフロアー設置
   型置き畳。
8. 【請求項８】 前記各畳ユニットはほぼ１／４畳の大き
   さに形成され、展開状態でほぼ正方形状の半畳タイプと
   なることを特徴とする請求項１ないし７のいずれかに記
   載のフロアー設置型置き畳。