JP3019059B2 - ブラインドビアホール加工方法 - Google Patents

ブラインドビアホール加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の層からなる
基板等に対してレーザによるブラインドビアホールを加
工するブラインドビアホール加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体装置を製造する過程にお
いて、複数の層からなる基板に対してレーザによるブラ
インドビアホールを加工する場合がある。
【0003】複数の層からなる基板は図2に示すよう
に、ポリイミド層17を挟んで両面に銅層16,18が
張り付けた構造になっており、図2に示す基板には、図
4に示すようなブラインドビアホール19が加工され
る。
【0004】図4に示すように基板に加工されるブライ
ンドビアホール19は、一側の銅層16及びポリイミド
層17をレーザにより開口し、他側の銅層18を残して
凹陥状に形成される。
【0005】従来、図2に示す基板に図4のようなブラ
インドビアホール19を加工するには、レーザビームの
径をブラインドビアホール19の直径R1に一致するよ
うに調整する。
【0006】次いで、レーザビームの出力パワーを表層
の銅層16を加工するに必要なパワー値に設定し、この
レーザビームをもって表層の銅層16に直径R1の開口
を全面加工する。これにより、表層の銅層16の箇所が
加工され、下層のポリイミド層17が露出する。
【0007】次に、レーザビームの出力パワーを低下さ
せ、この状態でポリイミド層17をレーザビームをもっ
て加工する。この場合、レーザビームの出力パワーは低
下され、最下層の銅層18を加工するには至らないた
め、図4に示すような直径R1をもつブラインドビアホ
ール19が形成される。
【0008】
【発明が解決するための課題】しかしながら、従来のブ
ラインドビアホール加工方法では、レーザビームの出力
パワーを昇圧させて、ブラインドビアホール19の全面
の範囲で加工するものであり、加工に長時間を費やすと
いう問題がある。
【0009】また、レーザ加工は、ブラインドビアホー
ル19の全面を対象範囲として行なわれるため、レーザ
ビームの出力パワーが過大となり、加工費用が嵩むとい
う問題がある。
【0010】本発明の目的は、ブラインドビアホール穴
の加工を短時間で行なうことができるブラインドビアホ
ール加工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るブラインドビアホール加工方法は、複
数の層が積層された被加工物に対してレーザによるブラ
インドビアホールを加工するブラインドビアホール加工
方法であって、ブラインドビアホールの内側と輪郭に沿
う外側とに分離してビアホールの加工を行ない、前記ブ
ラインドビアホールの輪郭に沿う外側の加工時に内側に
発生する蓄熱を利用して前記ブラインドビアホールの内
側を加工するものである。
【0012】また、前記レーザビームの焦点を絞って前
記ブラインドビアホールの輪郭に沿う外側を小幅に加工
するものである。
【0013】また、前記ブラインドビアホールの輪郭に
沿う外側を加工した後、前記レーザビームの焦点をぼか
して前記ブラインドビアホールの全面範囲で加工するも
のである。
【0014】また、複数の層が積層された被加工物は、
少なくともポリイミド層を挟んで両面に銅層を張り付け
た構造のものである。
【0015】また、前記ブラインドビアホールを、裏面
層の銅層を残して表層の銅層とポリイミド層に渡って形
成するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
より説明する。
【0017】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
に係るブラインドビアホール加工装置を示す構成図であ
る。
【0018】図1に示す本発明の実施形態に係るブライ
ンドビアホール加工装置は、レーザ発振器1と、レーザ
発振器1からのレーザビームを走査するガルバノメータ
2及びガルバノメータ3と、基板8上でのレーザビーム
の焦点(ビーム径)を変化させるエキスパンダ4と、レ
ーザビームを集光させるfθレンズ5と、基板8を保持
し基板8を水平方向及び垂直方向に移動するステージ6
と有している。
【0019】ガルバノメータ2及びガルバノメータ3
は、コントローラ7により制御される。コントローラ7
にてガルバノメータ2及びガルバノメータ3を駆動させ
ることにより、ガルバノメータ2及びガルバノメータ3
に取り付いているミラー9及びミラー10が回転し、f
θレンズ5からのレーザビームの出射角度が変わること
となり、ミラー9及びミラー10を個別に制御すること
により、基板8の上面の任意の位置にレーザビームを走
査することが可能となる。
【0020】また、エキスパンダ4は、凹レンズ11,
凸レンズ12,LMガイド13,モータ14,コントロ
ーラ15にて構成される。
【0021】凹レンズ11はガイド13に取り付いてお
り、ガイド13はモータ14の直動軸に取り付いてい
る。モータ14をコントローラ15にて制御することに
より、凹レンズ11が平行移動し、凹レンズ11と凸レ
ンズ12の距離を変えることが可能となる。これによ
り、基板8の上面における焦点(ビーム径)を変化させ
ることが可能となる。
【0022】本発明の実施形態に係るブラインドビアホ
ール加工方法は、複数の層が積層された被加工物に対し
てレーザによるブラインドビアホールを加工するもので
あり、その複数の層からなる基板は図2に示すように、
ポリイミド層17を挟んで両面に銅層16,18が張り
付けた構造になっており、図2に示す基板には、図4に
示すようなブラインドビアホール19を加工する。
【0023】図3(a),(b)に示すように本発明の
実施形態に係るブラインドビアホール加工方法は基本的
構成として、ブラインドビアホール19の内側19bと
輪郭に沿う外側19aとに分離してビアホール19の加
工を行ない、ブラインドビアホール19の輪郭に沿う外
側19aの加工時に内側19bに発生する蓄熱を利用し
てブラインドビアホール19の内側19bを加工するこ
とを特徴とするものである。
【0024】また、レーザビームの焦点を絞ってブライ
ンドビアホール19の輪郭に沿う外側19aを小幅に加
工し、ブラインドビアホール19の輪郭に沿う外側19
aの加工時に内側19bに発生する熱を有効に蓄熱す
る。
【0025】また、ブラインドビアホール19の輪郭に
沿う外側19aを加工した後、レーザビームの焦点をぼ
かしてブラインドビアホール19の全面範囲で加工す
る。
【0026】次に、本発明の実施形態に係るブラインド
ビアホール加工方法を具体例を用いて説明する。
【0027】図2,図3,図4を参照して、銅層16、
ポリイミド層17、銅層18の3層基板に対して2工程
を経て円形のブラインドビアホール19を加工する場合
について説明する。図3は、最終的に基板8にブライン
ドビアホール19を加工した後の状態を示す断面図であ
る。
【0028】まず第1工程において、レーザ発振器1か
ら出力されたレーザビームの焦点を絞り、焦点が合った
状態(ビーム径が最小になる状態)に成形する。
【0029】前記成形されたレーザビームを用いて、ブ
ラインドビアホール19の輪郭に沿って走査し、ブライ
ンドビアホール19の輪郭に沿う外側19aに位置する
銅層16aを小幅{(R1−R2)/2}に加工する。
【0030】この加工により、図3(b)に示すよう
に、ブラインドビアホール19の輪郭に沿って表層の銅
層16aがリング状に開口(削除)される。そして、ブ
ラインドビアホール19の輪郭に沿う外側19aに位置
するポリイミド層17aがリング状に露出する。
【0031】さらに、この加工により、図3(b)に示
すように、ブラインドビアホール19の内側19bに位
置する表層の銅層16aは円形に残り、外周側19aの
切り込み(開口)によって表層全体の銅層16b部分か
ら切り離されることとなり、ブラインドビアホール19
の輪郭に沿う外側19aの加工時に内側19bに発生す
る熱が有効に蓄熱することとなる。
【0032】次に、第2工程において、ブラインドビア
ホール19の輪郭に沿う外側19aを加工した後、レー
ザビームの焦点をぼかしてブラインドビアホール19の
全面範囲で加工する。
【0033】具体的には、第1工程目で残ったブライン
ドビアホール19の内側19bに位置する円形の銅層1
6aを含むブラインドビアホール19の全面範囲を、焦
点をずらした状態(ビーム径が大きくなった状態)で、
同じくガルバノメータ2及び3によるレーザ走査にて加
工する。
【0034】この際、第1工程で残ったブラインドビア
ホール19の内側19bに位置する円形の銅層16a
は、基板全面に設けられる他の銅層16から分離されて
いるため、焦点をずらした状態でも、熱が逃げないた
め、レーザビームの出力パワーを低下する、すなわちポ
リイミド層17を除去するのに必要な出力パワーをもっ
て、短時間で蒸発(溶融)温度に昇温することとなり、
加工時間を短縮することができる。
【0035】また、表層の銅16aにより隠れているポ
リイミド層17bは、表層の銅層16aを加工する際に
同時に加工される。
【0036】表層の銅16aで隠れていないポリイミド
層17aも、レーザビームの径が大きいので、同時に加
工される。
【0037】更に、この加工に用いられるレーザビーム
は焦点をずらし、銅層を加工するパワー密度にまでは達
していないため、最下層の銅層18は未加工状態とな
り、ブラインドビアホール19の底部として残る。
【0038】したがって、第2工程において、ブライン
ドビアホール19の内側19b部分の銅層16a及びポ
リイミド層17a,17bまで完全に除去し、図4に示
すブラインドビアホール19として形成される。
【0039】図3に示す本発明の実施形態では、ブライ
ンドビアホール19の加工形状を円形としたが、これに
限定されるものではなく、四角形等の多様な形状のブラ
インドビアホール19を加工することが可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
ラインドビアホールを加工するにあたって内外に分離し
て加工し、レーザ加工の際に発生する熱を有効利用すた
るため、従来例のようにブラインドビアホールを全面加
工する必要がなく、加工時間を短縮することができる。
【0041】また、レーザ加工は、ブラインドビアホー
ルの全面を対象範囲として行なう必要がなく、レーザビ
ームの必要最小限に絞ることができ、加工費用を廉価に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るブラインドビアホール
を加工するレーザ加工装置を示す構成図である。
【図2】ブラインドビアホールを加工する基板を示す断
面図である。
【図3】(a)は、本発明の実施形態に係るブラインド
ビアホール加工方法を示す断面図、(b)は同平面図で
ある。
【図4】最終的なブラインドビアホールを加工した後の
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
16,18 銅層 17 ポリミイド層 19 ブラインドビアホール 19a ブラインドビアホールの内側 19b ブラインドビアホールの外側

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の層が積層された被加工物に対して
    レーザによるブラインドビアホールを加工するブライン
    ドビアホール加工方法であって、 ブラインドビアホールの内側と輪郭に沿う外側とに分離
    してビアホールの加工を行ない、 前記ブラインドビアホールの輪郭に沿う外側の加工時に
    内側に発生する蓄熱を利用して前記ブラインドビアホー
    ルの内側を加工することを特徴とするブラインドビアホ
    ール加工方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザビームの焦点を絞って前記ブ
    ラインドビアホールの輪郭に沿う外側を小幅に加工する
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラインドビアホー
    ル加工方法。
  3. 【請求項3】 前記ブラインドビアホールの輪郭に沿う
    外側を加工した後、前記レーザビームの焦点をぼかして
    前記ブラインドビアホールの全面範囲で加工することを
    特徴とする請求項2に記載のブラインドビアホール加工
    方法。
  4. 【請求項4】 複数の層が積層された被加工物は、少な
    くともポリイミド層を挟んで両面に銅層を張り付けた構
    造のものであることを特徴とする請求項1に記載のブラ
    インドビアホール加工方法。
  5. 【請求項5】 前記ブラインドビアホールを、裏面層の
    銅層を残して表層の銅層とポリイミド層に渡って形成す
    ることを特徴とする請求項4に記載のブラインドビアホ
    ール加工方法。
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