JP3018788B2 - 油圧ポンプの制御回路 - Google Patents

油圧ポンプの制御回路

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JP3018788B2
JP3018788B2 JP4288136A JP28813692A JP3018788B2 JP 3018788 B2 JP3018788 B2 JP 3018788B2 JP 4288136 A JP4288136 A JP 4288136A JP 28813692 A JP28813692 A JP 28813692A JP 3018788 B2 JP3018788 B2 JP 3018788B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パワーショベル等の
建設機械の油圧回路において、ネガティブコントロール
(以下、ネガコンという)と呼ばれる制御回路の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3に従来公知の一般的なネガコン制御
回路を示す。可変容量油圧ポンプ1をネガコン制御する
場合、アクチュエータ2の動きを制御する方向切換弁3
には、ポンプ1からの吐出油を通すセンターバイパスと
呼ばれる通路4があり、その最下流に、ネガコン用圧力
(以下、ネガコン圧という)と呼ばれる圧力を発生させ
るためにネガコン絞り5が設けられている。
【0003】そのネガコン圧を、ネガコン用信号ライン
6を介して、図4に示すような特性を有するレギュレー
タ部7に導くと、操作中立時はポンプ流量が少なく(ス
タンバイ流量)、アクチュエータ2を操作するため方向
切換弁3を操作してポンプ流量の一部がアクチュエータ
2に供給されると、センターバイパス4を通る流量が減
少し、ネガコン絞り5で発生するネガコン圧も減少する
ので、前記図4に示す特性に従いポンプ流量が増加す
る。このようにして、操作時は所要のポンプ流量を得、
中立時にはポンプ流量を減らして省エネを図っている。
【0004】ところで、アクチュエータにポンプ流量が
供給されるまでのポンプ吐出圧力をP、スタンバイ流量
をQ、方向切換弁(又は絞り弁)のセンターバイパス開
口面積をAとすると、PとA及びQとの間には次のよう
な関係がある。 P∝Q2 /A2 ‥‥式(1)
【0005】ここで、アクチュエータにポンプ流量を供
給するためには、ポンプ吐出圧を負荷圧力より大きくし
なければならない。つまり、スタンバイ流量Qを一定と
してセンターバイパス開口面積Aは操作量に応じて減少
する(逆比例関係にある)から、ポンプ吐出圧力を負荷
圧力より大きくするには、低負荷圧力時と比較して、高
負荷圧力時は操作量を多くしなければならない。すなわ
ち、操作量に対するアクチュエータの動き出しポイント
は負荷圧力の大小により違いが生ずることになり、操作
感覚に悪影響を及ぼすという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決することを課題とするものであって、ネガコン制御
回路においてアクチュエータの負荷圧力によって生ずる
操作性の変化を最小限とし、建設機械の操作性を向上さ
せることを目的とするものである。すなわち、上記式
(1)におけるスタンバイ流量Qを、起動すべきアクチ
ュエータの負荷圧力の大小に応じて増減させ、アクチュ
エータにかかる負荷圧力の大小に拘らず、方向切換弁の
ほぼ同一操作量によって負荷に対応したポンプ吐出圧力
Pを得ることができ、負荷圧力の異なった複数のアクチ
ュエータを駆動する場合であっても、同一操作感覚で夫
々のアクチュエータを起動させることができる制御回路
を提供しようとするものである
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題解
決の手段を提供するものであって、油圧ポンプ1からア
クチュエータ2に圧油を給排するための方向切換弁3の
センターバイパス通路4の最下流にネガコン絞り5を設
けた油圧回路において、前記方向切換弁3とアクチュエ
ータ2の間に該アクチュエータ2の負荷圧力を検知する
圧力センサ2aと、前記方向切換弁3の下流のセンター
バイパス通路4にネガコン圧力を検知する圧力センサ5
aを夫々設け、両圧力センサの検出値によりコントロー
ラ8を介して電磁比例減圧弁9を制御し、該電磁比例減
圧弁9の2次圧力Piによってレギュレータ7を制御し
て可変容量油圧ポンプ1の吐出流量を制御すると共に、
前記圧力センサ2aにより検出される負荷圧力P が、
予め設定された基準負荷圧力P 以下のときは、電磁比
例減圧弁9の2次圧力Piを圧力センサ5aにより検出
されるネガコン圧力P N/C と等しくなるように制御
し、圧力センサ2aにより検出される負荷圧力P が、
予め設定された基準負荷圧力P より大きいときは、電
磁比例減圧弁9の2次圧力Piを圧力センサ5aにより
検出されるネガコン圧力P N/C より小さくなるように
制御することを特徴とする油圧ポンプの制御回路を要旨
とするものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、圧力センサ2aにより検出さ
れるアクチュエータ2の負荷圧力および圧力センサ5a
により検出されるネガコン圧力をコントローラ8に入力
し、コントローラ8により電磁比例減圧弁9の2次圧力
Piを制御し、レギュレータ7を介して可変容量油圧ポ
ンプ1の吐出流量を制御することができるから、アクチ
ュエータ2にかかる負荷圧力の大小に応じて、ポンプ1
の最小吐出量を変化させ、方向切換弁3の操作量に対す
るアクチュエータ2の動き出しポイントが負荷圧力の大
小により違いが生ずるという不具合を解消することがで
きる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す回路図である。
図3に示した従来例と同一部分には同一符号を付して説
明を省略し、新規部分について説明すると、2aはアク
チュエータ2の負荷圧力を検出する圧力センサであっ
て、負荷側の作動油ラインに接続されている。5aはネ
ガコン圧力を検出する圧力センサであって、ネガコン絞
り5の前段のセンターバイパス通路4に接続されてい
る。
【0010】8はコントローラであって、その入力側は
前記圧力センサ2a,5aに接続され、出力側は電磁比
例減圧弁9に接続されており、このコントローラ8は、
前記両圧力センサ2a,5aがらの電気信号をもとに電
磁比例減圧弁9を制御するようになっており、該電磁比
例減圧弁9の2次圧力はレギュレータ7のパイロット圧
Piとして供給されるようになっている。
【0011】レギュレータ7は図2(a)に示すような
特性を有し、パイロット圧Piの増加に伴ってポンプ1
回転当たりの吐出量qが逓減し、基準最小吐出量qmin1
が維持されるようになっている。
【0012】このような特性を有するレギュレータに対
して、基準負荷圧力P1 は次式(2)によって求められ
る。 P1 ∝Q2 /A2 ‥‥式(2) ここで、Qは前記式(1) のスタンバイ流量、Aはアクチ
ュエータ2の動き出しポイントにおけるセンターバイパ
ス開口面積である。
【0013】実際の負荷圧力P2 がこの基準負荷圧力P
1 以下であれば問題ないが、基準負荷圧力P1 より大き
いとき、すなわち、P1 <P2 のときは、ポンプ1の吐
出圧力が不足し、アクチュエータ2の動き出しポイント
にズレが生じることになる。そこで、基準負荷圧力P1
と実際の負荷圧力P2 との比;a=P2 /P1 を求め、
a≦1のときは、電磁比例減圧弁9の2次圧力Piを、
圧力センサ5aで検出されるネガコン圧力PN/C と等し
くなるように、すなわち、Pi=PN/C となるように制
御し、a>1のときは、Piの値をネガコン圧力PN/C
より小さくなるように、すなわち、Pi<PN/C となる
ように補正して、予め設定された基準の最小吐出量qmi
n1に対して、実際の最小吐出量qmin2=√a×qmin1
なるように電磁比例減圧弁9の2次圧力Piを制御す
る。
【0014】すなわち、前記圧力センサ2aにより検出
されるアクチュエータ2の負荷圧力をコントローラ8に
入力し、コントローラ8において前記a=P2 /P1
値を判断し、a>1のときは、圧力センサ5aで検出さ
れるネガコン圧力PN/C を補正するよう演算して、qmi
n2=√a×qmin1となるように、電磁比例減圧弁9の2
次圧力Piを制御し、レギュレータ7を介して可変容量
油圧ポンプ1の吐出流量を制御する。その結果、図2
(b)に示すように、負荷圧力の大小に応じて、実際の
最小吐出量qmin2を変化させ、方向切換弁3の操作量に
対するアクチュエータ2の動き出しポイントが負荷圧力
の大小により違いが生ずるという不具合を解消すること
ができる。
【0015】
【効果】本発明によれば、アクチュエータ2の負荷圧力
を検知する圧力センサ2a及びネガコン圧力を検知する
圧力センサ5aを設け、両圧力センサの検出値によりコ
ントローラ8を介して電磁比例減圧弁9を制御し、該電
磁比例減圧弁9の2次圧力Piによってレギュレータ7
を制御して可変容量油圧ポンプ1の最小吐出流量を制御
し、前記圧力センサ2aにより検出される負荷圧力P
が、予め設定された基準負荷圧力P 以下のときは、電
磁比例減圧弁9の2次圧力Piを圧力センサ5aにより
検出されるネガコン圧力P N/C と等しくなるように制
御し、圧力センサ2aにより検出される負荷圧力P
が、予め設定された基準負荷圧力P より大きいとき
は、電磁比例減圧弁9の2次圧力Piを圧力センサ5a
により検出されるネガコン圧力P N/C より小さくなる
ように制御するようにしたので、アクチュエータ2にか
かる負荷圧力P が基準負荷圧力P 以下の場合は通常
のネガティブコントロールが可能であり、一方、負荷圧
力P が基準負荷圧力P を超える場合は、その大小に
応じてポンプ1の最小吐出量(スタンバイ流量)を変化
させ、方向切換弁3の操作量に対するアクチュエータ2
の動き出しポイントが負荷圧力の大小により違いが生ず
るという不具合を解消することができる。すなわち、上
記式(2)におけるスタンバイ流量Qを、起動すべきア
クチュエータの負荷圧力に応じて増大させることができ
るから、アクチュエータにかかる負荷圧力の大小に拘ら
ず、方向切換弁のほぼ同一の操作量によって実際の負荷
に対応したポンプ吐出圧力を得ることができ、負荷圧力
の異なった複数のアクチュエータを駆動する場合であっ
ても、同一操作感覚で当該アクチュエータを起動させる
ことができる効果があり、油圧ショベルのような多くの
アクチュエータを有する建設機械用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧回路図である。
【図2】(a)はレギュレータ7の特性図、(b)はネ
ガコン圧力とポンプ吐出量との関係図である。
【図3】従来例の回路図である。
【図4】従来例におけるネガコン圧とポンプ吐出量の関
係図である。
【符号の説明】
1 可変容量形ポンプ 2 アクチュエータ 2a 圧力センサ 3 方向切換弁 4 センターバイパス通路 5 ネガコン絞り 5a 圧力センサ 6 ネガコン信号ライン 7 レギュレータ 8 コントローラ 9 電磁比例減圧弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプ(1)からアクチュエータ
    (2)に圧油を給排するための方向切換弁(3)のセン
    ターバイパス通路(4)の最下流にネガコン絞り(5)
    を設けた油圧回路において、前記方向切換弁(3)とア
    クチュエータ(2)の間に該アクチュエータ(2)の負
    荷圧力を検知する圧力センサ(2a)と、前記方向切換
    弁(3)の下流のセンターバイパス通路(4)にネガコ
    ン圧力を検知する圧力センサ(5a)を夫々設け、両圧
    力センサの検出値によりコントローラ(8)を介して電
    磁比例減圧弁(9)を制御し、該電磁比例減圧弁(9)
    の2次圧力(Pi)によってレギュレータ(7)を制御
    して可変容量油圧ポンプ(1)の吐出流量を制御すると
    共に、前記圧力センサ(2a)により検出される負荷圧
    力(P )が、予め設定された基準負荷圧力(P
    下のときは、電磁比例減圧弁(9)の2次圧力(Pi)
    を圧力センサ(5a)により検出されるネガコン圧力
    (P N/C )と等しくなるように制御し、圧力センサ
    (2a)により検出される負荷圧力(P )が、予め設
    定された基準負荷圧力(P )より大きいときは、電磁
    比例減圧弁(9)の2次圧力(Pi)を圧力センサ(5
    a)により検出されるネガコン圧力(P N/C )より小
    さくなるように制御することを特徴とする油圧ポンプの
    制御回路。
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