JP3018217B2 - チップインダクタとその製造方法 - Google Patents

チップインダクタとその製造方法

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JP3018217B2 JP5134160A JP13416093A JP3018217B2 JP 3018217 B2 JP3018217 B2 JP 3018217B2 JP 5134160 A JP5134160 A JP 5134160A JP 13416093 A JP13416093 A JP 13416093A JP 3018217 B2 JP3018217 B2 JP 3018217B2
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藤 郁 夫 加
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子機器を用いた信
号ラインにおいて発生される電磁波障害ノイズを除去す
るために利用されるインダクタなどの電子部品とその製
造方法ならびにその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フェライト材料内に金属線を埋設
してなるチップインダクタ素子は、各種実用化されてい
るところであって、例えば、特開昭63−226904
号公報(第1例)や、特開昭64−53403号公報
(第2例)などによって開示されたものなどが挙げられ
る。
【0003】この内で、前記第1例のものは、スクリュ
ーによって押出機によって押出成形される成形体中に、
ホッパから供給された金属ペーストをスクリューによっ
て押出すようにして埋設し、磁性体層中に直線状に導電
体が内装されるようにするものであり、又、前記第2例
のものにあっては、空芯の巻線コイルに磁性細線を通し
てリングを作り、これをプラスチックフェライトにより
埋込んだものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の各例のものによ
っても、電子機器に採用されるインダクタンス素子を得
ることができる点は、疑いもないことであるが、前記第
1例のものにあっては、導電体が磁性体層内に直線状に
埋設されたインダクタンス素子であるから、所要のイン
ダクタンス値を得るためには、素子全体が大型化し、最
近の表面実装技術における小型化および低背化のニーズ
に応え難い結果を招くものであり、又、第2例にあって
は、予め空芯の巻線コイルを用意しなければならないた
め、製造工程の複雑化ならびに製造装置の大型化,コス
トアップは避けられないところであった。
【0005】この発明の目的とするところは、小型で高
品質のチップインダクタを、大量にしかも低コストで製
造しうるものを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めのこの発明の構成上の特徴点は、次の通りである。
【0007】(1)フェライト磁性素材樹脂結合材
混練してペースト状とした磁性材料を成形手段により押
出加工した所要長さ寸法の成形体の内部に、塑性変形可
能な金属細線で構成された導電材料を螺旋状に配設し、
当該成形体を撓結処理した後に、長さ寸法の両端に前記
導電材料に導通される外部電極を装着させてなるチップ
インダクタ
【0008】(2)フェライト磁性素材樹脂結合材
混練してペースト状とした磁性材料を、加圧状態で押出
成形手段に供給し、塑性変形可能な金属細線で構成され
た導電材料が前記磁性材料中に連続した螺旋細線状を呈
するように供給して、前記磁性材料を押出成形処理する
ようにしたチップインダクタの製造方法。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】この発明の構成は以上の通りであるから、ペー
スト状の磁性材料を押出成形処理する際に、その内部に
塑性変形可能な金属細線で構成された導電材料を連続し
た螺旋状を呈するように埋入させつつ、磁性材料と共に
押出成形して長尺状の成形体を形成し、次いでこれを所
要の寸法に切断し、焼結処理した後に、長さ寸法の両端
に外部電極を装着するものであって、完成されたチップ
インダクタの撓結処理の結果収縮された磁性材料中に
は、所望の密度の螺旋状に導電材料が均質に配設された
高品質のチップインダクタが得られるものである。
【0014】
【実 施 例】次に、この発明の実施例を図面に基づい
て説明する。
【0015】図1には、この実施例のチップインダクタ
(TI)などの製造装置(1)が示されており、同図の
構成について見れば、磁性材料供給手段(10)から供
給されるペースト状の磁性材料(M)の押出成形手段
(20)を備えており、当該押出成形手段(20)の中
空成形ケーシング(21)には、導電材料(C)を案内
するガイド部(30)のガイド筒(31)を貫挿するよ
うに配設すると共に、前記磁性材料(M)の供給ポート
(22)ならびに、磁性材料(M)の押出成形口(2
3)を開設したものである。
【0016】一方、前記ガイド部(30)のガイド筒
(31)中には、モータなどの旋回駆動手段(40)に
よって所望の回転速度に変更調節自在な状態に回動され
るギア(32)を固着した旋回ロッド(33)を枢着す
ると共に、この旋回ロッド(33)の下端には、前記ガ
イド筒(31)の下端開放部に臨ませて回転板(34)
を連設しており、当該回転板(34)については、図3
に拡大して示す如くに、偏心孔(34A)を開設し、更
に、止着リング(35)によりガイド筒(31)の下縁
部に回動可能に装着したものである。
【0017】又、前記ガイド筒(31)には注入ポート
(31A)を開設し、当該注入ポート(31A)には、
導電材料供給手段(50)から流体状の導電材料(C)
を注入されるように構成されている。
【0018】尚、前記中空成形ケーシング(21)の押
出成形口(23)から押出成形加工された成形体(M
R)は、後続の処理工程において回転砥石などによる切
断手段(60)、燒結手段(70)および端子装着手段
(80)において、順次、所要の長さ寸法に切断され、
燒結処理され、最後にディップ処理などによって、その
両端に端子(T)を装着するように構成されている。
【0019】次に、この実施例において、チップインダ
クタ(TI)を製造する手順について説明する。
【0020】まず、高透磁率特性を備えたフェライト
材、好ましくはNiフェライト,Ni−Cuフェライ
ト,Ni−Zn−Znフェライトなどのソフトフェライ
トの粉末などの磁性素材(S)と、ポリビニールアルコ
ール,エチレンセルローズあるいは、エポキシ樹脂,A
BS樹脂その他の結合樹脂材(B)および適量の水など
の溶剤とを適当な重量%比で磁性材料供給手段(10)
において十分に混練して、所要の粘稠度を備えたペース
ト状の磁性材料(M)となし、これを加圧状態で供給ポ
ート(22)から中空成形ケーシング(21)中に供給
する。
【0021】この状態で、旋回駆動手段(40)を始動
させ、ギア(32)を介して旋回ロッド(33)と共
に、その下端に止着した回転板(34)を比較的低速状
に旋回させると共に、導電材料供給手段(50)からは
Pt,Pd,Au,Ag,Cuもしくは、これらの合金
材料などの低抵抗材料からなる流体状の導電材料(C)
を加圧状態で注入ポート(31A)からガイド筒(3
1)中に注入する。
【0022】これによって、導電材料(C)は、ガイド
筒(31)中で下向きに押し下げられ、遂には、前記回
転板(34)の偏心孔(34A)から導出されることと
なるが、当該回転板(34)は、低速で旋回駆動されて
いるため、偏心孔(34A)から細線状に導出される導
電材料(C)は、図3において仮想線矢印で示すように
螺旋状の軌跡を画いて流下されることとなり、この際
に、この導電材料(C)の周辺には、押出成形処理され
る磁性材料(M)が当該導電材料(C)を包囲するよう
にして給送されているため、予めこの磁性材料(M)の
押出速度と、前記回転板(34)の旋回速度とを調整し
ておくことにより、図1に示すように押出成形口(2
3)からは、導電材料(C)を螺旋状に埋設した磁性材
料(M)の成形体(MR)が連続状に押出成形処理され
るものである。
【0023】次に、この成形体(MR)を所望の硬度に
なるまで硬化させた後、切断手段(60)によって所要
の長さ寸法に切断して、図4(A)に示すような中間体
(MD)を形成する。
【0024】次で、この中間体(MD)を燒結手段(7
0)において約100℃/hの割合で昇温させ、100
0℃〜1200℃程度の温度条件で燒結処理を施し、そ
の後、約200℃/hの割合で降温させることによって
燒結処理をなすものであり、この結果、磁性材料(M)
は、概ね15%程度その容積が収縮された状態の燒結体
(BI)となる(図4(B)参照)。
【0025】最後にこの燒結体(BI)の両端にAg材
などを焼付処理するなどして端子電極(T)を装着し、
チップインダクタ(TI)を完成しうるものである(図
4(C)参照)。
【0026】尚、前記した如くに磁性材料(M)の押出
速度に対して、回転板(34)の旋回速度を変更するこ
とによって、磁性材料(M)中に埋入される導電材料
(C)の螺旋状部の密度は容易に調整しうるものである
ことは言うまでもないことである。
【0027】ところで、前記した実施例においては、流
体状の導電材料(C)を回転板(34)の偏心孔(34
A)から導出させて螺旋状を呈して磁性材料(M)内に
埋設されるものを挙げて説明したが、他の実施例として
導電材料(C)を、塑性変形可能な金属細線で構成し、
この金属細線を回転板(34)の偏心孔(34A)から
導出させるように構成しても、前記実施例の場合と同様
の良好な結果が得られるものである。
【0028】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明によれ
ば、押出成形加工されるペースト状の磁性材料内に、螺
旋状を呈するように塑性変形可能な金属細線で構成され
た導電材料を連続した細線状に埋設して成形体を形成す
るものであるから、単純な加工工程により、高品質の
ップインダクタが大量に生産しうる実用性の高い製造方
法が提供できるものである。
【0029】
【発明の効果】又、この発明の製法によって製造された
チップインダクタは、導電材料の螺旋密度が容易に変更
調整できるものであって、小型でしかも高インダクタン
ス値の信頼性の高いチップインダクタを得ることができ
るものであり、これを表面実装させた際の低背化の点で
も優れた性能を発揮できるものが提供できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す製造装置の説明図。
【図2】図1の実施例によって作成されたチップインダ
クタの斜視図。
【図3】図1における押出成形口付近の拡大側断面図。
【図4】図1の製造装置によるチップインダクタの製造
工程説明図。
【符号の説明】
1 製造装置 10 磁性材料供給手段 20 押出成形手段 21 中空成形ケーシング 22 供給ポート 23 押出成形口 30 ガイド部 31 ガイド筒 32 ギア 33 旋回ロッド 34 回転板 34A 偏心孔 40 旋回駆動手段 50 導電材料供給手段 TI チップインダクタ M 磁性材料 C 導電材料 MR 成形体 MD 中間体 BI 燒結体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00,41/00,41/04 B29C 47/60,47/86

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト磁性素材樹脂結合材を混練
    してペースト状とした磁性材料を、成形手段により押出
    加工した所要長さ寸法の成形体の内部に、塑性変形可能
    な金属細線で構成された導電材料を螺旋状に配設し、当
    該成形体を焼結処理した後に、長さ寸法の両端に前記導
    電材料に導通される外部電極を装着させてなるチップイ
    ンダクタ
  2. 【請求項2】 フェライト磁性素材樹脂結合材を混練
    してペースト状とした磁性材料を、加圧状態で押出成形
    手段に供給し、塑性変形可能な金属細線で構成された導
    電材料が前記磁性材料中に連続した螺旋細線状を呈する
    ように供給して、前記磁性材料を押出成形処理するよう
    にしたチップインダクタの製造方法。
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