JP3018129B2

JP3018129B2 - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP3018129B2
Application number: JP17701892A
Authority: JP
Inventors: 正樹登坂; 裕早川; 利昭大井
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1992-07-03
Filing date: 1992-07-03
Publication date: 2000-03-13
Anticipated expiration: 2015-03-13
Also published as: JPH0617095A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液体洗浄剤組成物に関
し、さらに詳しくは、豊かな泡立ちを有し、真珠様光沢
又は乳白色を呈する乳白化剤の分散安定性に優れ、長期
にわたり、分離・沈澱等を生じない液体洗浄剤組成物に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、シャンプー、リンス、洗顔料、台
所用洗剤等の液体洗浄剤においては、商品の付加価値を
高める目的で、これらの組成物の外観を真珠光沢様に調
整することが行われている。この目的のため、所謂乳白
化剤として長鎖脂肪酸グリコールエステル、長鎖脂肪酸
アルカノールアミド等が使用されている。これらの乳白
化剤を用いて真珠光沢様の洗浄剤組成物を調製するに
は、常温で固体状の乳白化剤を液体洗浄剤製造時に添加
し、加熱、融解後、再び冷却し、晶析させる方法、又は
予め乳白化剤を融解し、再冷却して得た真珠様光沢を有
する濃厚分散液を、常温で洗剤成分と混合する方法等が
採られている。従って、いずれの方法によっても最終組
成物中では、乳白化剤が組成物中に微細な結晶状となっ
て分散している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
にして得られた従来の真珠様光沢を有する洗浄剤組成物
は、乳白化剤の分散安定性が充分でなく、長期間保存す
ると、分離・沈澱を生じることがあった。また、美しい
真珠様光沢を出すために乳白化剤の添加量を増やすと、
洗浄剤の基本性能である泡立ちが著しく阻害されてしま
うという問題もあった。従って、豊かな泡立ちを維持し
ながら、長期間均一な分散状態を保ち、美しい真珠様光
沢を呈し続ける液体洗浄剤組成物が望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の界面活性剤、
乳白化剤及び多価アルコールのポリアルキレンオキシド
付加物を組合わせて用いれば、豊かな泡立ちを維持しな
がら、分散安定性に優れ、長期間保存しても分離・沈澱
を生じない、美しい真珠様光沢又は乳白色を呈する液体
洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。

【０００５】すなわち、本発明は、次の成分（ａ）〜
（ｃ）：（ａ）界面活性剤５〜４０重量％；（ｂ）一般式（１０）

【化３】（式中、Ｒ₅は炭素数１５〜２３のアルキル基又はアル
ケニル基を示す）で表される脂肪酸モノエタノールアミド及びグリセリンモノ脂肪酸（炭素数１６〜２４）エステルから選ばれる乳白化剤１〜１０重量％；（ｃ）平均分子量３００〜４０００の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物１〜１０重量％；を含有する液体洗浄剤組成物を提供するものである。

【０００６】本発明に用いられる（ａ）成分の界面活性
剤は特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の
ものを用いることができる。そのうち、陰イオン性界面
活性剤として好適なものとしてはポリオキシエチレン
（平均付加モル数＝２〜５）アルキル又はアルケニル
（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）エーテル硫酸塩、直鎖アルキル又はアル
ケニル（Ｃ₈〜Ｃ₁₈）ベンゼンスルホン酸塩、α−スル
ホ脂肪酸（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）エステル塩、α−オレフィン
（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）スルホン酸塩、アルカン（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）
スルホン酸塩、アルキル又はアルケニル（Ｃ ₁₀〜Ｃ₁₈）
硫酸塩、モノアルキル又はアルケニル（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）リ
ン酸塩等が挙げられる。尚、塩としてはアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノー
ルアミン塩等が挙げられる。

【０００７】これらの陰イオン性界面活性剤のうち、特
に好適なものとしては、一般式（１） R₁O(CH₂CH₂O)_lSO₃M （１）（式中、Ｒ₁は炭素数８〜１８のアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、ｌは平均付加モル数として１〜７の数を
示し、Ｍはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム又はアルカノールアミンを示す）で表わされるポリ
オキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩
が挙げられる。一般式（１）中、Ｒ₁のうち炭素数８〜
１８のアルキル基としては、例えばオクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、ア
ルケニル基としては、例えばオクテニル基、ノネニル
基、デセニル基、ドデセニル基、ウンデセニル基、トリ
デセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘ
キサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基
等が挙げられる。これらのポリオキシエチレンアルキル
又はアルケニルエーテル硫酸塩は、本発明の液体洗浄剤
組成物の主基剤となるものであり、全組成中に５〜３０
重量％（以下、単に％で示す）、特に１０〜２０％配合
するのが好ましい。５％未満では洗浄力、起泡力が不充
分であり、３０％を超えると組成物の粘度が著しく増加
して容器から取り出し難くなったり、溶液安定性が悪化
するので好ましくない。。

【０００８】また、非イオン性又は両性界面活性剤とし
ては、液体洗浄剤に使用されるものであれば特に限定さ
れないが、特に一般式（２）〜（８）で表わされるもの
が好ましい。

【０００９】

【化３】

【００１０】（式中、Ｒ₁は前記と同じ意味を有し、Ｒ
₂及びＲ₃はそれぞれメチル基又はエチル基を示し、Ｒ
₄は炭素数７〜１７のアルキル基又はアルケニル基を示
し、Ｘは水酸基又は水素原子を示し、ｍは平均付加モル
数として３〜２０の数を示す）

【００１１】これらの非イオン性又は両性界面活性剤
は、陰イオン性界面活性剤を併用することにより油汚れ
に対する洗浄力を高める働きを有し、さらに皮膚に対す
る作用を温和化し、手荒れ、肌荒れを起こし難くする働
きを有するものであり、１種又は２種以上を組合わせて
用いることができ、全組成中に１〜１０％、特に２〜５
％配合するのが好ましい。１％未満では充分な効果が得
られず、１０％を超えると組成物の粘度が著しく増加し
たり、溶液安定性が悪化するので好ましくない。

【００１２】本発明において、（ａ）成分の界面活性剤
は、全組成中に５〜４０％、好ましくは１０〜２５％配
合される。

【００１３】

【００１４】

【００１５】

【００１６】（ｂ）成分の乳白化剤は１種又は２種以上
を組合わせて用いることができ、全組成中に１〜１０
％、好ましくは１〜６％配合される。１％未満では美し
い真珠様光沢が得られず、１０％を超えると分散安定性
が著しく悪化する。

【００１７】（ｃ）成分の多価アルコールのポリアルキ
レンオキシド付加物は、乳白化剤配合による起泡力の低
下を抑制し、さらに乳白化剤の分散安定性を著しく向上
させるものであるが、これらの効果を得るためには、化
合物の平均分子量が３００〜４０００の範囲であること
が必要である。これらのうち、特にエチレングリコール
又はグリセリンのポリエチレンオキシド又はポリプロピ
レンオキシド付加物が好ましい。（ｃ）成分は全組成中
に１〜１０％、好ましくは１〜５％配合される。１％未
満では充分な効果が得られず、１０％を超えると分散安
定性が悪くなる。

【００１８】また、本発明の液体洗浄剤組成物には、前
記必須成分の他、本発明の効果を損わない範囲で、通常
の洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば可溶化剤とし
て、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール
類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ソルビトール等の多価アルコール類、ｐ−トル
エンスルホン酸、ｍ−キシレンスルホン酸等の芳香族ス
ルホン酸類などを；また、香料、色素、防腐・防黴剤、
pH調整剤等を、必要に応じて適宜配合することができ
る。

【００１９】本発明の液体洗浄剤組成物は、通常の方法
に従って、各成分を混合撹拌するこにより製造される。
この場合、（ｂ）成分は製造時に加熱混合し、その後晶
析させてもよいし、また、予め（ｂ）成分の濃厚分散液
を調整し、その後他成分と混合してもよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明の液体洗浄剤組成物は、優れた洗
浄力、起泡力を維持しながら、分散安定性に優れ、長期
間保存しても分離・沈澱を生じず、しかも皮膚への作用
も温和なものであり、使用者に高級感、温和感を長期に
わたり与え続けることができる。従って、例えばシャン
プー、ボディシャンプー、手洗い剤、洗顔料、台所用洗
剤、住居用洗剤、衣料用洗剤等、幅広い範囲で応用する
ことができる。

【００２１】

【実施例】次に、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例１表２に示す組成の液体洗浄剤組成物を製造し、配合初期
の外観、保存安定性及び起泡力について評価した。結果
を表２に示す。（製法）表２の成分を加熱しながら混合し、８０℃まで
昇温して（ｂ）成分を融解させた後、撹拌を続けながら
約２時間かけて３０℃まで冷却して液体洗浄剤組成物を
得る。

【００２２】

【表１】（評価方法）（１）外観観察１００ml容の透明ガラス容器に試料を入れ、肉眼にて液
の外観を観察する。判断基準は下記の通りである。 ○：均一な真珠様光沢あり。 ×：真珠様光沢が不均一であり、透明又はエマルション
様の分離層が認められる。（２）保存安定性１００ml容の透明ガラス容器に試料を入れ、−５℃、３
０℃、４０℃恒温室中に一ヵ月間保存する。保存後の外
観を上記（１）の外観観察に従って判定する。（３）起泡力汚れ成分として、市販のバターを洗浄剤組成物濃度０．
５％の洗剤溶液（用水：３．５°ＤＨ硬水）に０．１％
添加した時の起泡力を測定する。起泡力は、直径５cmの
ガラス製円筒容器に上記の試料を４０ml入れ、さらに泡
立ての機械力発生のために直径１cmのゴム球２０個を入
れ、これを２０℃で１５分間回転撹拌を行い、停止直後
の泡高さを測定することにより評価する。

【００２３】

【表２】

【００２４】

【００２５】

【００２６】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩＣ１１Ｄ 1/88 Ｃ１１Ｄ 1/88 7/26 7/26 7/32 7/32 (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) C11D 10/02 A61K 7/075 A61K 7/50 C11D 1/29 C11D 1/66 C11D 1/88 C11D 7/26 C11D 7/32

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（ａ）〜（ｃ）：（ａ）界面活性剤５〜４０重量％；（ｂ）一般式（１０）【化１】（式中、Ｒ₅は炭素数１５〜２３のアルキル基又はアル
ケニル基を示す）で表される脂肪酸モノエタノールアミド及びグリセリンモノ脂肪酸（炭素数１６〜２４）エステルから選ばれる乳白化剤１〜１０重量％；（ｃ）平均分子量３００〜４０００の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物１〜１０重量％；を含有する液体洗浄剤組成物。
【請求項２】（ａ）成分が陰イオン性界面活性剤と非
イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤との混合物であ
る請求項１記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項３】陰イオン性界面活性剤が一般式（１） R₁O(CH₂CH₂O)_lSO₃M （１）（式中、Ｒ₁ は炭素数８〜１８のアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、ｌは平均付加モル数として１〜７の数を
示し、Ｍはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム又はアルカノールアミンを示す）で表わされるポリ
オキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩
である請求項２記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項４】非イオン性界面活性剤又は両性界面活性
剤が一般式（２）〜（８）【化２】（式中、Ｒ₁ は炭素数８〜１８のアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、Ｒ₂ 及びＲ₃ はそれぞれメチル基又はエ
チル基を示し、Ｒ₄ は炭素数７〜１７のアルキル基又は
アルケニル基を示し、Ｘは水酸基又は水素原子を示し、
ｍは平均付加モル数として３〜２０の数を示す）で表わ
される非イオン性又は両性界面活性剤からなる群より選
ばれる一種又は二種以上である請求項２又は３記載の液
体洗浄剤組成物。
【請求項５】（ｃ）成分がエチレングリコール又はグ
リセリンのポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオ
キシド付加物である請求項１〜４のいずれかの項記載の
液体洗浄剤組成物。