JP3017795U - 束石と束柱の支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 束柱の支持面に浸入する雨水などの水切りを
達成する束石と、該束石と束柱とを簡易に接合するとと
もに、該束柱の長命化を達成する束柱の支持構造とを提
供するものである。 【構成】 束石ａは四角柱台１の上面中央に凹設した掘
削孔３から外周面に渡って所要数の水切り溝４を刻設
し、該水切り溝４の底面を外周面に向けて下り勾配面５
に形成して成り、束柱の支持構造ｂは束石ａと、該束石
ａの掘削孔３に嵌着立設する心棒２と、束柱６の下面中
央に凹設した該心棒２を嵌着する掘削孔７とから成るも
のである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は束石と該束石上に位置決め載置される束柱の支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の束柱における支持構造は、束柱の下端に平ほぞを削り出し、該平ほぞを 束石にに凹設した掘削孔に嵌入するものであるため、平ほぞの加工に手間を要す る上、風雨に曝される束石上では柱の下端から浸入する雨水などが平ほぞを腐食 し、束柱の寿命が短命であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記に鑑み、束柱の支持面に浸入する雨水などの水切りを達成する束 石と、束柱下端の平ほぞ加工に代えて孔加工による掘削孔を該束柱の下端に凹設 することによって、耐水性の心棒で束柱と束石とを簡易に接合するとともに、長 命化を達成する束柱の支持構造を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

第１考案の束石は、上面中央に所要径、所要深さの掘削孔を凹設してなる束石 において、前記上面に該掘削孔から外周面に渡って所要数の水切り溝を刻設し、 該水切り溝の底面を外周面に向けて下り勾配面に形成して成る。

【０００５】 第２考案の束石の支持構造は、第１考案の束石と、該束石の掘削孔に嵌着立設 する心棒と、束柱の下面中央に凹設した該心棒を嵌着する掘削孔とから成る。

【０００６】

【作用】

束石の下り勾配面は束柱の支持面から浸入する雨水を排水し、心棒は束石と束 柱とを簡易に接合する。

【０００７】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、先ず図４に示すように、所要石質の四角柱 台１（四角錐台でもよい。）の上面中央には円筒状のダイヤモンドカッターによ り心棒２を削り出し、削り代として形成されたリング状の空間１０にたがねなど の打撃具を差し込み、反対方向へ該打撃具をハンマーで打撃すると、心棒２は根 元から分断され、と同時に掘削孔１３が形成された状態となる。

【０００８】 心棒２を抜き取った後に、図２に示すように、十字状に掘削孔３から外周面に 渡って水切り溝４を刻設し、その底面を外周面に向けて下り勾配面５に形成する 。

【０００９】 一方、束柱６には図３に示すように、下面中央に前記心棒２を嵌入できる直径 の掘削孔７を凹設して成る。 したがって、この掘削孔７はドリルによって簡単に加工できるものであるから 、従来の平ほぞ加工に比して大幅に加工費を低減するものである。

【００１０】 このようにして成る束石ａには、図１に示すように、掘削孔３に所要量のモル タル８を詰め、挿入した心棒２の上端を前記四角柱台１の上面より所要高さに突 出して固定し、該心棒２の突出部９を束柱６の下面中央に凹設した掘削孔７に嵌 入し、図５に示すように、束石ａに対して心棒２を介して束柱６を支持固定する ものである。

【００１１】 このように束柱６の加工が簡易化することから、大幅なコスト削減と工期の短 縮化が達成されるほか、水切り溝４により、束柱６の下端から浸入する雨水など は排水されて該下端の支持面には滞留せず、したがって、滞水による腐食が解消 して束柱６の長命化が達成されるもので、雨曝しとなる場所までその利用範囲が 拡大されるものである。

【００１２】 なお、本実施例では心棒２が四角柱台１から削り取られたものであるが、何も このものに限定するものではなく、耐水性の金属棒や合成樹脂製のものなどが適 用され得ることは勿論である。

【００１３】

【考案の効果】

本発明によれば木造建築構造において、束柱の大幅なコスト削減と工期短縮に 資するほか、風雨に曝される領域までその利用範囲を拡大できるなどの効果を奏 するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる束柱の支持構造ｂを示す縦断面
図。

【図２】本考案に係わる束石ａの斜視図。

【図３】束柱６の下面要部の斜視図。

【図４】掘削孔３の加工途上の斜視図。

【図５】束石ａによる束柱の支持状態を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 四角柱台 ２ 心棒 ３ 掘削孔 ４ 水切り溝 ５ 下り勾配面 ６ 束柱 ７ 掘削孔 ８ モルタル ９ 突出部 １０ 空間 ａ 束石 ｂ 束柱の支持構造

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面中央に所要径、所要深さの掘削孔を
   凹設してなる束石において、前記上面に該掘削孔から外
   周面に渡って所要数の水切り溝を刻設し、該水切り溝の
   底面を外周面に向けて下り勾配面に形成して成る束石。
2. 【請求項２】 請求項１記載の束石と、外束石の掘削孔
   に嵌着立設する心棒と、束柱の下面中央に凹設した該心
   棒を嵌着する掘削孔とから成り、束石に対して心棒を介
   して束柱を支持固定することを特徴とした束柱の支持構
   造。