JP3017626B2 - 摺動用樹脂組成物 - Google Patents
摺動用樹脂組成物Info
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Description
し、とくにアルコール燃料等のガソリン代替燃料使用時
の内燃機関用摺動部材、例えばシリンダボア及びピスト
ンスカート部において、ピストンスカート部の表面に樹
脂被覆層を形成するために好適に利用することのできる
摺動用樹脂組成物に関する。
軽量化及び燃費向上対策として、軽合金部品や小型化部
品を使用する要請が年々高まっている。これに伴い摺動
部品表面に対する耐摩耗性、耐焼付き性等の摺動特性を
従来にも増して改善する必要性が高まっている。
燃機関用代替燃料としてアルコール燃料の使用が考慮さ
れている。この対応策として、アルコール燃料使用時に
おける耐食性、耐摩耗性に優れたシリンダボア、ピスト
ンスカート部等の内燃機関用摺動部材の必要性が高まっ
ており、多くの研究がなされている。このような内燃機
関用摺動部材において、例えばシリンダボア及びピスト
ンスカート部の双方の摺動面に同一金属が含まれている
と、同一金属同士の凝着により焼付きが発生しやすいと
いう問題がある。この同一金属同士の凝着を防ぐため
に、例えばピストンスカート部の表面に樹脂被覆層を形
成する試みがなされている。そして、この樹脂被覆層の
摺動特性を改善する方法として、従来より固体潤滑剤の
配合について種々検討されている。
は、結合剤としてのポリイミド樹脂又はシリコン樹脂等
の耐熱性樹脂に、固体潤滑剤としてのC(グラファイ
ト):10〜75wt%、MoS2 (二硫化モリブデ
ン):0.1〜60wt%及びPTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン):1〜20wt%を全固体潤滑剤の総
和が75wt%以下となるように配合して、樹脂被覆層
の耐久性を向上させ得る摺動用樹脂組成物が開示されて
いる。
は、ポリイミド樹脂にPTFEを配合して、ピストンの
摩耗及び騒音を低減し得る摺動用樹脂組成物が開示され
ている。また、特開昭62−63628号公報には、ポ
リアミドイミド樹脂:85wt%に、MoS2 、BN、
C(グラファイト)等の固体潤滑剤:10wt%、PT
FE:5wt%を配合した摺動用樹脂組成物が開示され
ている。
ポリイミド樹脂にPTFEを特定量(ポリイミド樹脂1
00重量部当りPTFE25〜125重量部)配合し
て、樹脂被覆層の耐摩耗性を向上し得る摺動用樹脂組成
物が開示されている。また、特開平4−175442号
公報には、ポリアミドイミド樹脂:47wt%に、Mo
S2 :38wt%、PTFE:9wt%及びC(グラフ
ァイト):6wt%を配合して、耐焼付き性を向上させ
た摺動用樹脂組成物が開示されている。
成物から形成された樹脂被覆層において、樹脂被覆層の
摩擦係数μを低下させるためには、固体潤滑剤の配合割
合を増加させる必要がある。しかしながら、樹脂被覆層
中の固体潤滑剤の配合割合を増加させると、固体潤滑剤
粒子と樹脂バインダとの結合力が低下し、固体潤滑剤粒
子が摺動により脱落し易くなるため、摩擦係数が低下せ
ず、また樹脂被覆層の摩耗量が増大する傾向がある。
の添加量を増加させると、摩擦係数は低下する傾向を示
すものの、PTFEが樹脂被覆層中で支配的になる範囲
までその添加量を増加させると、逆に摩擦係数は増大
し、樹脂被覆層の摩耗量が増大するとともに剥離が発生
する傾向がある。これは、摺動面の濡れ性が悪化するた
めである。
の添加量を増加させると、摩擦係数は低下しないが、耐
焼付性(耐荷重性)が向上する傾向がある。しかし、M
oS 2 量を特定量以上に増加させると、MoS2 粒子径
の影響により表面粗さが大となり、摩擦係数は大きくな
る傾向がある。さらに、固体潤滑剤としてC(グラファ
イト)を用いる場合、一般にMoS2との併用により耐
焼付性(耐荷重性)を向上させることが知られている。
しかしC(グラファイト)を必要以上に配合すると、樹
脂被覆層自身の強度が極端に低下し、樹脂被覆層の摩耗
量が増大する傾向がある。
MoS2 、C(グラファイト)は各々必要不可欠であ
り、かつ低摩擦係数化及び高耐摩耗性化を実現する固体
潤滑剤の最適配合比がある。本発明は、低摩擦係数化及
び高耐摩耗性化を実現するため、固体潤滑剤の配合比を
最適化した摺動用樹脂組成物を提供することを目的とす
るものである。
め、本発明者は鋭意研究した結果、上記従来の樹脂組成
物から得られる樹脂被覆層では、初期の馴染み特性が良
くないがため、相手材と一定時間摺動させた後の摩擦係
数が初期の摩擦係数と比較して大きくなり、これが耐摩
耗性の低下にもつながっていることを突き止めた。そし
て、耐摩耗性を確保しつつ、初期の馴染み特性を良好に
して、相手材と一定時間摺動させた後の摩擦係数を初期
の摩擦係数よりも低下させ得る固体潤滑材の配合比を突
き止めて、本発明を完成した。
樹脂組成物は、結合剤としてのポリアミドイミド樹脂及
びポリイミド樹脂のうちの少なくとも一方50〜73w
t%と、固体潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)3〜15wt%、二硫化モリブデン(M
oS2 )20〜30wt%及びグラファイト(C)2〜
8wt%とからなり、前記固体潤滑剤の総和が27〜5
0wt%であることを特徴とするものである。
(グラファイト)を上記範囲にて含む本発明の摺動用樹
脂組成物によれば、耐摩耗性が良好で、かつ、初期馴染
み特性も良好な樹脂被覆層が得られる。すなわち、本発
明の摺動用樹脂組成物から得られる樹脂被覆層は、摺動
初期の段階で、相手材との摺動により、滑らかで良好な
摺動面となる。このため、相手材と一定時間摺動させた
後の摩擦係数が初期の摩擦係数よりも低下し、これに伴
い定常摩耗量が低下し、耐摩耗性も良好となる。
により有機溶剤で稀釈してから基材に塗布することによ
り、樹脂被覆層が得られるものである。
る。 (第1実施例)結合剤としてのポリアミドイミド樹脂
(PAI樹脂)に溶剤(nーメチルー2ーピロリドン)
を配合して溶解したものに、固体潤滑剤(PTFE、M
oS2 、グラファイト)を加え、ボールミルにて5時間
の粉砕・攪拌を行い、粘度:120cP(25℃)のコ
ーティング材料を得た。固体潤滑剤(PTFE、MoS
2、グラファイト)とポリアミドイミド樹脂の配合量に
ついては、固体潤滑剤の配合量とポリアミドイミド樹脂
の配合量をあわせて100wt%となるように調整し
た。固体潤滑剤の割合(wt%)は表1および表2の
「固体潤滑剤の配合量」の欄に、ポリアミドイミド樹脂
の割合(wt%)は同じく「樹脂結合剤の配合量」の欄
に記した。該固体潤滑剤におけるPTFE、MoS2 、
クラファイトの配合量(重量部)については表1および
表2の「固体潤滑剤の組成」欄中の「PTFE」「Mo
S2 」「グラファイト」の各欄に記した。なお、表1に
示すNo.1〜8の試料が、結合剤としてのPAI樹脂
並びに固体潤滑剤としてのPTFE、MoS2 及びC
(グラファイト)の配合量が本発明の範囲内にある実施
例に相当するもので、表2に示すNo.9〜24の試料
が結合剤としてのPAI樹脂並びに固体潤滑剤としての
PTFE、MoS2 及びC(グラファイト)の配合量が
本発明の範囲外にある比較例に相当するものである。
合金AC8A(アルカリ脱脂済)の基材に膜厚が10〜
30μmとなるようにエアスプレーにてコーティング
し、180℃×90分の条件で焼成し、硬化させて樹脂
被覆層を形成した。
速度:60m/min、面圧:9.8MPa、相手材:
ねずみ鋳鉄FC−25の潤滑下での摩擦係数について、
試験開始直後と、試験開始から100時間経過後の摩擦
係数を調べた。その結果を表3及び表4に示す。
により、滑り速度:5m/min、面圧:5MPa、相
手材:ねずみ鋳鉄FCー25、試験時間:5分の潤滑下
での摩耗量を求めた。その結果を表3及ぶ表4に示す。 (耐焼付き性の評価試験)スラスト型試験機により、滑
り速度:60m/min、相手材:ねずみ鋳鉄FCー2
5の潤滑下で、面圧を一定周期(1MPa/2min)
で上昇させた時の焼付き発生面圧を求めた。その結果を
表3及び表4に示す。
(PTFE、MoS2、C(グラファイト))の配合量
が本発明の範囲内にある本実施例No.1〜8に係るも
のは、摩擦係数の評価試験において、いずれも試験開始
後よりも試験開始から100時間経過後の方が摩擦係数
が低下している。これは、本実施例に係る樹脂被覆層
は、初期の摩擦係数が低く、初期馴染み性が良好なため
である。つまり、樹脂被覆層の表面が相手材との摺動に
より滑らかに削られて、摺動初期の段階で良好な摺動面
を形成するためと考えられる。このように、本実施例に
係る樹脂被覆層は、試験開始直後の初期の摩擦係数が比
較例のものと比較して低く、しかも相手材と一定時間摺
動させた後の摩擦係数が初期の摩擦係数よりも低下して
おり、これに伴い定常摩耗量が低下するので、耐摩耗性
も良好となる。
は、いずれも摩擦係数の評価試験開始後よりも100時
間経過後の方が摩擦係数が増大しており、これに伴って
摩耗量も増大している。また、試験開始直後の初期の摩
擦係数も、本実施例に係るものと比較して高くなってい
る。また、比較例No.18、19に係るものは、固体
潤滑剤の総配合量が多くなっており、樹脂結合剤との結
合力不足により耐摩耗性が悪化しているとともに、Mo
S2 の配合量が多いため摩擦係数も増大傾向にある。ま
た、比較例No.18に係るものでは、C(グラファイ
ト)の配合量が多すぎることも耐摩耗性の悪化の原因と
なっている。
TFEの配合量が多すぎて支配的となっているので、摺
動面の濡れ性が低下して摩擦係数が大きくなっていると
ともに、樹脂被覆層自身の硬さも低下するため、摩耗量
が多くなっている。また、比較例No.21に係るもの
は、C(グラファイト)が未配合のため、MoS2 との
相乗効果による耐焼付性の向上が認められない。
は、摩擦特性に最も起因するPTFEが配合されていな
いため、低摩擦係数化が実現できない。なお、上記溶剤
としては、nーメチルー2ーピロリドンの他に、ジメチ
ルホルムアミド等を用いることができる。本実施例にお
いてはポリアミドイミド樹脂として市販のポリアミドイ
ミドワニス(PAI樹脂:30wt%、n−メチル−2
−ピロリドン:50wt%、キシレン:20wt%から
なる)を使用し、その固形分(PAI樹脂)の量が表1
に規定する樹脂結合剤の配合量になるように配合した。
また、上記実施例では、結合剤としてPAI樹脂を用
いたが、これの代わりにポリイミド樹脂や、PAI樹脂
及びポリイミド樹脂の混合物を用いることもできる。
に、排気量3000cc、6気筒ガソリンエンジンにお
いて、ねずみ鋳鉄FC−25よりなるシリンダボア3内
を摺動するピストン1のピストンスカート部2に樹脂被
覆層4を形成した。この樹脂被覆層4を形成したピスト
ンスカート部2の拡大図を図2に示すように、ピストン
スカート部2の表面には、所定形状の条痕21が形成さ
れている。なお、ピストンスカート部2の条痕21の形
状は、条痕深さ:D、条痕ピッチ:Pにより決定するこ
とができる。そして、ピストンスカート部2の表面に
は、条痕21の表面形状に従って樹脂被覆層4が形成さ
れており、この樹脂被覆層4にも所定形状の条痕41が
形成されている。樹脂被覆層4の条痕41の形状も、条
痕深さ:d、条痕ピッチ:pにより決定することができ
る。なお、ピストンスカート部2の条痕21の条痕ピッ
チ:Pと、樹脂被覆層4の条痕41の条痕ピッチ:pと
は同一とされている。
条痕深さ:Dと樹脂被覆層4の剪断強度との関係、ピス
トンスカート部2の条痕21の条痕ピッチ:P及び樹脂
被覆層4の条痕41の条痕深さ:dと樹脂被覆層4の耐
摩耗性との関係について調べた結果を示す。樹脂被覆層
4の剪断強度及び耐摩耗性は、上記ガソリンエンジンを
用い、6000rpmの回転数の下、500時間の連続
高速耐久試験により行った。
脂被覆層4の剪断強度との関係)前記表1に示す実施例
No.4の配合割合、つまりPAI樹脂:65wt%、
PTFE:10wt%、MoS2 :20wt%、C(グ
ラファイト):5wt%の配合割合の樹脂被覆層4を膜
厚:t=12μm、条痕41の条痕深さ:d=8μmと
してピストンスカート部2に形成した。ピストンスカー
ト部2の条痕21の条痕ピッチ:P=0.2mmと一定
にし、条痕深さ:Dを種々変化させたときの、樹脂被覆
層4の剪断強度を調べた。その結果を図3に示す。
19の配合割合、つまりPAI樹脂:47wt%、PT
FE:9wt%、MoS2 :38wt%、C(グラファ
イト):6wt%の配合割合の樹脂被覆層4を形成した
場合、同様に調べた。その結果を図3に併せて示す。図
3からも明らかなように、本実施例No.4に係る樹脂
被覆層4の場合、ピストンスカート部2の条痕21の条
痕深さ:Dを10μm以上に設定することにより、樹脂
被覆層4の剪断強度、ひいては密着強度が飛躍的に向上
することがわかる。この現象は、以下のように説明する
ことができる。つまり、ピストンスカート部2に条痕2
1が設けられていると、条痕21の凸部で剪断応力が集
中するため、樹脂被覆層4の剪断強度が低下するが、条
痕21の条痕深さ:Dを深くしてアンカー効果を増大さ
せてやれば、樹脂被覆層4の剪断強度の低下を抑制する
ことができる。しかし、ピストンスカート部2の条痕深
さ:Dを25μmよりも深くすると、ピストンスカート
部2の条痕21の剛性が極端に低下して変形や破壊を生
じたりすることがある。したがって、ピストンスカート
部2の条痕深さ:Dは10〜25μmに設定することが
好ましい。
かるように、樹脂被覆層4の樹脂結合剤及び固体潤滑剤
の配合割合により、上記ピストンスカート部2の条痕深
さ:Dの最適値が異なる。つまり、本実施例No.4に
係る樹脂被覆層よりも摩擦係数及び摩耗量が大きい比較
例No.19に係る樹脂被覆層の場合は、ピストンスカ
ート部2の条痕深さ:Dを13μm以上にしないと剪断
強度の向上が見られず、また剪断強度の増大割合も本実
施例No.4に係るものと比較して小さい。
樹脂被覆層4の摩耗量との関係)前記表1に示す実施例
No.8の配合割合、つまりPAI樹脂:50wt%、
PTFE:15wt%、MoS2 :30wt%、C(グ
ラファイト):5wt%の配合割合の樹脂被覆層4を膜
厚:t=15μm、条痕41の条痕深さ:d=5〜6μ
mとしてピストンスカート部2に形成した。ピストンス
カート部2の条痕21の条痕深さ:D=10μmと一定
にし、条痕ピッチ:Pを種々変化させたときの、500
時間経過後の樹脂被覆層4の摩耗量を調べた。その結果
を図4に示す。
o.8に係る樹脂被覆層4の場合、ピストンスカート部
2の条痕21の条痕ピッチ:Pを0.2〜0.25μm
に設定することにより、樹脂被覆層4の摩耗量を小さく
することができる。条痕ピッチPが0.25mmより大
きくなると樹脂被覆層4の摩耗量が増大するのは、条痕
間での油の保持性が悪化するためと考えられる。また、
条痕凸部の総面積の減少により条痕凸部での面圧が高く
なることも摩耗量の増大につながっていると考えられ
る。なお、本実施例No.8に係る樹脂被覆層4はPT
FEを配合しており、このPTFEは親油性が悪いた
め、このPTFEの配合量によっても条痕ピッチ:Pの
上限値が変化する。
さくなると樹脂被覆層4の摩耗量が増大するのは、条痕
ピッチ:Pを小さくし過ぎると樹脂被覆層4を塗布する
際にコーティング材料の表面張力の影響を大きく受ける
ようになり、樹脂被覆層4は平面化して油の保持性が低
下するためと考えられる。このように摺動面に油が保持
されなくなると、摩耗量が増大し、樹脂被覆層4の剥離
が発生することもある。したがって、ピストンスカート
部2の条痕ピッチ:Pの最小値は、樹脂被覆層4の条痕
41の凹部に所定の油を保持し得るように樹脂被覆層4
の条痕41の条痕深さ:dが所定値(後述するように、
本実施例の樹脂被覆層4の場合は3μm)以上となるよ
うに設定する必要がある。このように、樹脂被覆層4の
条痕深さ:dを所定値(3μm)以上とするためには、
ピストンスカート部2の条痕ピッチ:Pは0.2mm以
上とする必要がある。
4の摩耗量との関係)PAI樹脂:65wt%、PTF
E:5wt%、MoS2 :25wt%、C(グラファイ
ト):5wt%の配合割合の樹脂被覆層4を膜厚:t=
10μmとしてピストンスカート部2に形成した。ピス
トンスカート部2の条痕21の条痕深さ:D=12μm
と一定にし、条痕ピッチ:P=0.25mmと一定に
し、樹脂被覆層4の条痕深さ:dを種々変化させたとき
の、500時間経過後の樹脂被覆層4の摩耗量を調べ
た。その結果を図5に示す。
の条痕深さ:dを3〜10μmに設定することにより、
樹脂被覆層4の摩耗量を小さくすることができる。樹脂
被覆層4の条痕深さ:dが3μmよりも浅いと樹脂被覆
層4の摩耗量が増大するのは、油の保持性が低下するた
めと考えられる。一方、樹脂被覆層4の条痕深さ:dが
10μmよりも深いと樹脂被覆層4の摩耗量が増大する
のは、樹脂被覆層4の条痕41の凸部に応力が集中して
過大な摩耗が発生するためと考えられる。
脂被覆層4の膜厚:t及び条痕ピッチ:P(p)によっ
ても影響を受ける。また、樹脂被覆層4の条痕深さ:d
が深くなるにつれて、油保持性が良好になるため油の消
費量が増大する傾向となる。一方、樹脂被覆層4の条痕
深さ:dが浅くなるにつれて、油保持性が低下して摩耗
量が増大したり焼付きが発生しやすくなる傾向となる。
しかし、樹脂被覆層4中のとくにPTFEの配合量を調
整して摺動面の濡れ性を変えることにより、良好な摺動
状態を得ることができる。
1の条痕深さ:Dは10〜25μm、条痕ピッチ:Pは
0.2〜0.25mm、樹脂被覆層4の条痕41の条痕
深さ:dは3〜10μmに設定することが好ましく、こ
れにより樹脂被覆層4の密着強度及び耐摩耗性を向上さ
せることができる。 (第3実施例)溶剤としてn−メチル−2−ピロリドン
とジアセトンアルコールが重量比で1.6/1.0の混
合溶剤を使用した他は、第1実施例と同じ要領で、PA
I樹脂:60wt%、PTFE:10wt%、Mo
S2 :25wt%、C(グラファイト):5wt%の配
合割合のコーティング材料から、表5に示すコーティン
グ条件のエアスプレー法にてピストンスカート部2に膜
厚:t=10〜20μmの樹脂被覆層4を形成した。な
お、表5中、ピストンスカート部2の条痕深さ:D及び
樹脂被覆層4の条痕深さ:dの単位はμmであり、条痕
ピッチ:Pの単位はmmである。
のポリアミドイミドワニス(第1実施例で使用したもの
と同じ成分)を使用し、PAI樹脂分が前記重量%とな
るように配合した。
ピッチ:P、及び樹脂被覆層4の条痕深さ:dを種々変
化させたときの、前記と同様の高速耐久試験における樹
脂被覆層4の摩耗量の変化を調べた。その結果を表6に
示す。
結果とを比較するとわかるように、ピストンスカート部
2の条痕21の条痕深さ:Dを10〜25μm、条痕ピ
ッチ:Pを0.2〜0.25mm、樹脂被覆層4の条痕
41の条痕深さ:dを3〜10μmの範囲内に設定し、
かつ、樹脂被覆層4の配合割合を本発明の範囲内とする
ことにより、樹脂被覆層4の密着強度及び耐摩耗性を向
上させることができる。これは、樹脂被覆層4の摩擦係
数が低く、初期馴染み性も良好なために樹脂被覆層4の
定常摩耗量を低減できたことに加え、摺動面での潤滑状
態(油保持性、面圧等)を良好にすることができたこと
による。
深さ:Dを10μmよりも浅くした試料No.27のも
のでは、樹脂被覆層4の剪断強度不足により、試験開始
から100時間経過後に樹脂被覆層4が剥離した。ま
た、ピストンスカート部2の条痕深さ:Dを25μmよ
りも深くし、かつ、樹脂被覆層4の条痕深さ:dを10
μmよりも深くした試料No.28のものや、樹脂被覆
層4の条痕深さ:dを10μmよりも深くした試料N
o.30のものでは、樹脂被覆層4の条痕41の凸部で
の摩耗量が過大となり定常摩耗量が増大した。
μmよりも浅くした試料No.29のものや、ピストン
スカート部2の条痕ピッチ:Pを0.2μmよりも小さ
くした試料No.31のものや、ピストンスカート部2
の条痕ピッチ:Pを0.25μmよりも大きくした試料
No.32のものでは、油保持性の低下に伴い、樹脂被
覆層4の剥離が生じた。
て、表7に示す配合割合のコーティング材料をアルミニ
ウム合金AC8Aの基材に樹脂被覆層を形成した。N
o.33,34の試料が、結合剤としてのPAI樹脂並
びに固体潤滑剤としてのPTFE、MoS2 及びC(グ
ラファイト)の配合量が本発明の範囲内にある実施例に
相当するものである。なお、後述する評価試験結果を比
較するために、固体潤滑剤としてのPTFE、MoS2
及びC(グラファイト)の各配合量はそれぞれ本発明の
範囲内にあるが、固体潤滑剤の総和が25wt%と本発
明の範囲よりも少ない比較例に係る前記No.11の試
料も表7に併せて示す。
No.33、34について、前記第1実施例と同様にし
て、摩擦係数、摩耗量、耐焼付き性の評価試験を行っ
た。その結果を前記比較例No.11の結果とともに表
8に示す。
のは、樹脂コーティング中の固体潤滑剤の総配合量が少
ない為に、試験開始直後の初期の摩擦係数は0.33と
比較的低いレベルを示すが、経時変化と伴に増大する。
これは、摺動面に占める固体潤滑剤の面積が小さくこ
と、及び経時変化とともに摩擦係数が増大するために促
進される摩耗により摺動面の表面粗さが粗くなることに
起因すると考えられる。
は、比較例No.11と比較して、摩擦係数の値に最も
影響の与えるPTFEの配合量が多いため、試験開始直
後の初期の摩擦係数が低く、また試験開始後100Hで
の摩擦係数も低くなっている。ここで、MoS2 及びC
(グラファイト)の各配合量を、それぞれMoS2 :2
0wt%、C(グラファイト):2wt%と一定にし、
PTFEの配合量を1〜10wt%の範囲内で種々変化
させた場合、試験開始後100Hでの摩擦係数に与える
影響を、前記と同様の摩擦係数評価試験により調べた。
その結果を図6に示す。この結果、MoS2 :20wt
%、C(グラファイト):2wt%とした場合、PTF
Eの配合量を5wt%以上とすることにより、試験開始
後100Hでの摩擦係数を著しく低下させることができ
た。
o.11と比較して、耐焼付き性に影響の与えるC(グ
ラファイト)の配合量が多く、試験開始後100Hでの
摩擦係数が低くなっている。ここで、MoS2 及びPT
FEの各配合量を、それぞれMoS2 :20wt%、P
TFE:3wt%と一定にし、C(グラファイト)の配
合量を1〜8wt%の範囲内で種々変化させた場合、試
験開始後100Hでの摩擦係数に与える影響を、前記と
同様の摩擦係数評価試験により調べた。その結果を図7
に示す。
E:3wt%とした場合、C(グラファイト)の配合量
を4wt%以上とすることにより、試験開始後100H
での摩擦係数を著しく低下させることができた。これ
は、グラファイトとMoS2 との併用により、耐焼付き
性(耐荷重性)が向上し、摺動により形成される滑らか
な面が保持されることによると考えられる。なお、Mo
S2 :20wt%、PTFE:3wt%とした場合、C
(グラファイト)の配合量を3wt%以上とすると、耐
焼付き性の向上が認められず、負荷により樹脂被覆層内
の層内剥離が生じるため、摩耗を多くなった。
脂組成物によれば、摩擦係数が低く、定常摩耗量が低減
し、焼付き面圧が向上した摺動用樹脂被覆層を形成する
ことができる。したがって、エンジンのピストンスカー
ト部に本発明に係る樹脂被覆層を形成すれば、シリンダ
ボアとの間で耐焼付き性の向上を期待できる。また、摩
擦係数の低下により、エンジンの燃費向上(約1〜2
%)を期待できる。さらに、耐摩耗性の向上により、樹
脂被覆層の磨滅が抑制されるので、相手ボア面への攻撃
性を低減でき、ボア面の鏡面化が防止できる。
を形成したピストンの断面図である。
スカート部に樹脂被覆層を形成した様子を示す拡大断面
図である。
係る摺動用樹脂組成物から形成した樹脂被覆層の剪断強
度との関係を示す線図である。
に係る摺動用樹脂組成物から形成した樹脂被覆層の摩耗
量との関係を示す線図である。
脂被覆層の条痕深さ:dと樹脂被覆層の摩耗量との関係
を示す線図である。
2wt%と一定にた場合において、PTFEの配合量と
試験開始後100Hでの摩擦係数との関係を示す線図で
ある。
一定にた場合において、C(グラファイト)の配合量と
試験開始後100Hでの摩擦係数との関係を示す線図で
ある。
被覆層、21、41は条痕、Dはピストンスカート部の
条痕深さ、dは樹脂被覆層の条痕深さ、Pは条痕ピッチ
である。
Claims (1)
- 【請求項1】結合剤としてのポリアミドイミド樹脂及び
ポリイミド樹脂のうちの少なくとも一方50〜73wt
%と、固体潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレン
3〜15wt%、二硫化モリブデン20〜30wt%及
びグラファイト2〜8wt%とからなり、前記固体潤滑
剤の総和が27〜50wt%であることを特徴とする摺
動用樹脂組成物。
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