JP3017356B2 - シリアルプリンタの印字位置ずれ補正方法及びシリアルプリンタ - Google Patents

シリアルプリンタの印字位置ずれ補正方法及びシリアルプリンタ

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JP3017356B2
JP3017356B2 JP4105314A JP10531492A JP3017356B2 JP 3017356 B2 JP3017356 B2 JP 3017356B2 JP 4105314 A JP4105314 A JP 4105314A JP 10531492 A JP10531492 A JP 10531492A JP 3017356 B2 JP3017356 B2 JP 3017356B2
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洋一 新海
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印字ヘッドを搭載した
キャリッジを右方向及び左方向に移動させて左右両方向
に印字を行うシリアルプリンタにあってその印字位置ず
れを補正するシリアルプリンタの印字位置ずれ補正方法
とシリアルプリンタに係り、特に、右方向への印字と左
方向への印字の位置ずれを補正する手段として、オート
アジャストメント手段による補正の後にマニュアルアジ
ャストメント手段による補正を行うようにしたものに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のシリアルドットプリンタの印字位
置補正方法としては、例えば、特開昭63−94856
号公報及び特開昭60−168681号公報に示すよう
なものがある。まず、前者の場合であるが、これは、予
め複数の補正量を設定してこれをメモリに記憶させてお
き、これをスイッチ操作によって適宜読みだして適当な
補正量を選択して書き換えていくものである。その際、
各印字モード毎に罫線印字を行ってその印字の位置ずれ
をみながらスイッチを操作していくことになる。
【0003】一方、後者の場合には、プリンタ本体の一
端に設置された光学式位置検出センサと遮蔽板とを使用
して、左右の印字位置のずれ量を予め検出しておき、そ
の値に基づいて、右方向印字に対する左方向印字の印字
タイミングを補正するというものである。前者の場合に
はいわゆるマニュアルアジャストメント手段の一種であ
り、これに対して、後者の場合には自動で補正値を算出
していくオートアジャストメント手段の一種ということ
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と次のような問題があった。まず、前者の場合にはいわ
ゆるマニュアルアジャストメント手段による補正であっ
て、そのため、罫線印字の位置ずれをみながらスイッチ
操作を繰り返し行わなければならず、かつ、そのような
作業を各印字モード毎に行う必要があり、煩雑な作業を
余儀なくされるとともに、作業に長い時間を要してしま
うという問題があった。一方、後者の場合には、オート
アジャストメント手段による補正であるので、前者の場
合のような問題はないが、補正の精度が低いという問題
があった。すなわち、オートアジャストメント手段によ
る補正の場合には、自動計測に基づく測定誤差があると
ともに、フライトタイム等の自動計測できない要因の変
化やばらつきがあり、これらが考慮されないからであ
る。
【0005】このように従来の場合には、マニアルア
ジャストメント手段とオートアジャストメント手段のそ
れぞれに欠点があり、そこで、マニュアルアジャストメ
ント手段による補正手段とオートアジャストメント手段
による補正手段の両方を兼備させることにより、それぞ
れの欠点を補完することが考えられるが、それを実現す
るようなものはなかった。
【0006】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、マニュアルアジャスト
メント手段による補正手段とオートアジャストメント手
段による補正手段の両方を兼備させることにより、それ
ぞれの欠点を補完することを可能にするシリアルプリン
タの印字位置ずれ補正方法とシリアルプリンタを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本願発明によるシリアルプリンタの印字位置ずれ補正方
法は、印字ヘッドを搭載したキャリッジを右方向及び左
方向に移動させて印字を行うシリアルプリンタの左右方
向の印字位置ずれを補正するシリアルプリンタの印字位
置ずれ補正方法において、キャリッジを左右方向に移動
させ、キャリッジの位置を検出する位置検出センサーの
出力によって右方向移動と左方向移動のずれ量を計測
し、計測されたずれ量に基づいて印字位置ずれ補正を自
動的に行う第1調整工程と、第1調整工程によって調整
された印字位置によって印字を行い、その印字結果に基
づいて外部入力手段により印字位置ずれ補正を行う第2
調整工程と、を具備したことを特徴とするものである。
又、本願発明によるシリアルプリンタは、印字ヘッドを
搭載したキャリッジを右方向及び左方向に移動させて左
右両方向に印字を行なうシリアルプリンタにおいて、プ
リンタ本体の一端側に光学式位置検出手段を設置すると
ともに、キャリッジ側に上記光学式位置検出手段を横切
って光路を遮蔽する遮蔽体を設け、これら光学式位置検
出手段と遮蔽体とによりキャリッジのホームポジション
センサを構成し、該ホームポジションセンサを使用して
キャリッジの右方向移動と左方向移動のずれ量を計測し
て、計測されたずれ量に基づいて印字位置ずれ補正を自
動的に行うオートアジャストメント手段を設け、右方向
印字と左方向印字とを見比べながら外部入力手段から右
方向印字と左方向印字の印字位置ずれを補正するマニュ
アルアジャストメント手段を設け、オートアジャストメ
ント手段による補正を行った後マニュアルアジャストメ
ント手段による補正を行なうようにしたことを特徴とす
るものである。
【0008】その際、補正時間(th)を次の式によ
り示されるものとし、オートアジャストメント手段によ
り求めたキャリッジの遅れ時間の変化量(Δtmn’
とマニュアルアジャストメント手段により求めた補正時
間(Δtk)の両方を考慮することが考えられる。 th=th0+Δtmn’+Δtk 但し th0:予めΔtmn’=Δtk=0として大半の
同形製品が平均的に印字位置が合うように実験により算
出した固定値 Δtmn’:オートアジャストメント手段により求めた
キャリッジの遅れ時間の変化量 Δtk:マニュアルアジャストメント手段により求め
た補正時間(初期値は0) n:印字モードの数(1、2、 ― ― n ) n’:キャリッジスピードの数(1、2、 ― ―
n’)
【0009】又、その際、オートアジャストメント手段
により求めたキャリッジの遅れ時間の変化量(Δtm
n’)を、右方向への移動に要する時間(tr)と左方
向への移動に要する時間(tl)との差(tm=tl−
tr)を算出し、該差(tm)と予め実験により求めた
遅れ時間の基準値(tm0)との差(tm−tm0)と
することが考えられる。
【0010】
【作用】基本的に本願発明によるシリアルプリンタの場
合には、オートアジャストメント手段とマニュアルアジ
ャストメント手段の両方を兼備していて、補正を行なう
場合に、オートアジャストメント手段により補正を行っ
た後にマニュアルアジャストメント手段により補正を行
うものである。オートアジャストメント手段による補正
の場合には、自動計測の場合に考慮不能な要因を除け
ば、ある程度の精度をもって補正を行なうことが可能で
あり、その際、煩雑な作業を要することはない。そこか
ら、さらに高い精度で補正を行うために実際の印字結果
をみながら操作スイッチを操作していくマニュアルアジ
ャストメント手段による補正を施せばよい。
【0011】又、具体的に補正を行なう場合には、請求
項3及び請求項4に記載したような構成が一例として考
えられ、この場合、固定値(th0)を設定している
ので、万一、誤動作により算出した各補正値(Δtm
n’やΔtk)がリセットされて消去されてしまった
ような場合でも、固定値(th0)分の補正量は確実
に確保されることになり、ある程度の印字位置精度を確
保して大きな位置ずれの発生を防止することができる。
【0012】
【実施例】以下、図1乃至図5を参照して本発明の一実
施例を説明する。まず、図1を参照してシリアルドット
プリンタの基本的構成から説明する。まず、プラテン1
が矢印a方向に回転可能に設置されており、このプラテ
ン1に対向する側にはキャリッジ3が左右方向に移動可
能に設置されている。上記キャリッジ3には印字ヘッド
5が搭載されている。キャリッジ3は駆動手段7によっ
て移動される。まず、ステッピングモータ9があり、こ
のステッピングモータ9の回転軸には駆動プーリ11が
固着されている。上記駆動プーリ11と対向する位置に
は従動プーリ13が回転可能に設置されている。上記駆
動プーリ11と従動プーリ13にはタイミングベルト1
5が巻回されている。上記キャリッジ3は上記タイミン
グベルト15に固定されている。ステッピングモータ9
を適宜の方向に回転させることにより、駆動プーリ1
1、従動プーリ13、タイミングベルト15を介してキ
ャリッジ3が左右方向(矢印b方向)に移動する。
【0013】上記プラテン1には図示しない給紙手段に
より供給される用紙17が巻き付けられていき、その用
紙17に印字ヘッド5によって図示しないインクリボン
を挟んで所定の印字を施していく。尚、図中符号19は
キャリッジ3をガイドするガイドシャフトである。
【0014】上記構成をなすシリアルドットプリンタに
は、オートアジャストメント手段の一部である位置検出
手段21が設けられている。まず、光学式位置検出手段
としてのフォトインターラプタ23がプリンタ本体の図
中左端に設置されており、一方、キャリッジ3の下面に
は遮蔽体25が取り付けられている。キャリッジ3の移
動によって遮蔽体25がフォトインターラプタ23の発
光部と受光部との間を通過することにより光が遮蔽さ
れ、それによって、キャリッジ3がホームポジション
(HP)に至ったことを検出する。
【0015】次に、シリアルドットプリンタの制御装置
の構成を図2を参照して説明する。まず、マイクロコン
ピュータ27があり、このマイクロコンピュータ27に
は、マイクロプロセッサユニット(MPU)29が設け
られている。又、ROM31が設置されていて、このR
OM31には印字位置の補正プログラムが記憶されてい
る。又、ワーキング及びデータ記憶用のRAM33が設
置されている。さらに、タイマ35が設置されていると
ともに、制御信号を入出力するためのI/Oポート37
が設置されている。
【0016】上記I/Oポート37には、ヘッドドライ
バ39、キャリッジモータドライバ41、紙送りモータ
ドライバ43、既に説明したフォトインタラプタ2
3、マニュアルアジャストメント手段の一部としての操
作スイッチ群45が接続されている。上記ヘッドドライ
バ39によって印字ヘッド5を駆動する。キャリッジモ
ータドライバ41によってステッピングモータ9を駆動
する。又、紙送りモータドライバ43によって紙送りモ
ータ49(前述した紙送り手段の一部)を駆動する。上
記操作スイッチ群45には、スイッチ45a、45b、
45c、45d、45eが設置されている。又、マイク
ロコンピュータ27には、バスを介して、補正データを
記憶するEEPROM51が接続されている。さらに、
外部インターフェイス(I/F)53が設置されてい
て、マイクロンピュータ27は、このI/F53を介
して図示しない外部機器と信号の授受を行なう。
【0017】以上の構成を基に、図3乃至図5を参照し
てその作用を説明する。図3はメインフローを示すフロ
ーチャートであり、まず、電源を投入してスタートする
とHP動作(ホームポジション動作)が開始される(ス
テップ1)。このHP動作によってキャリッジ3をホー
ムポジションに戻す。次に、桁補正モードの選択の有無
が確認される(ステップ2)。ここで、桁補正選択スイ
ッチ45aをオンさせて桁補正を選択すると、ステップ
3のオートアジャストメント手段に移行する。これに対
して、桁補正選択スイッチ45aがオフになっている場
合には、ステップ7の印字データ待ちの状態に進む。
【0018】上記ステップ3のオートアジャストメント
手段においては、図4に示すフローに従ってオートアジ
ャストメント手段による補正が行なわれる。オートアジ
ャストメント手段による補正が終了するとステップ4に
移行する。このステップ4では用紙17がセットされて
いるか否かが判別される。そして、用紙17がセットさ
れている場合にはステップ5に移行し、用紙17がセッ
トされていない場合にはステップ7に移行する。ステッ
プ5ではマニュアルアジャストメント手段による補正を
行なうか否かの確認がなされる。
【0019】すなわち、LED等の表示器(図示せず)
を使用して表示することにより、マニュアルアジャスト
メント手段に移行するか否かを問い合わせる。そして、
マニュアルアジャストメント手段選択スイッチ45bを
操作することにより、マニュアルアジャストメント手段
が選択されて次のステップ6に移行する。これに対し
て、上記スイッチ45bの操作がなくて、スイッチ45
cが操作された場合には、マニュアルアジャストメント
手段を行なわずにステップ7に移行することになる。上
記マニュアルアジャストメント手段では、図5に示すよ
うな手段で補正作業が行なわれる。そして、マニュアル
アジャストメント手段による補正が終了すると、ステッ
プ7に移行して印字データ待ちの状態となる。そして、
印字データが有る場合には所定の印字が行なわれること
になる。尚、ステップ7はオンラインの状態であり、I
/F53を介して入力される印字データに応じて所定の
上記の印字が行なわれる。
【0020】次に、オートアジャストメント手段による
補正の手順について図4を参照して説明する。まず、ス
タートするとステップ1に移行する。このステップ1で
は、キャリッジ3の移動スピードを選択する。次に、ス
テップ2においてキャリッジ3をスローアップさせて右
方向に移動させる。その後、ステップ3においてキャリ
ッジ3が定速に達する。次に、ステップ4において、キ
ャリッジ3がホームポジション内に有るか否かの判別が
なされる。仮に、キャリッジ3がホームポジション内に
る場合には、ステップ3に戻ってキャリッジ3を定速
のままさらに右方向に移動させる。これを繰り返して、
キャリッジ3がホームポジションの外に出た場合にはス
テップ5に移行する。
【0021】上記ステップ5では、マイクロプロセッサ
ユニット29によってタイマ35をスタートさせる。そ
して、次のステップ6においてキャリッジ3を2インチ
だけ移動させた後、ステップ7でキャリッジ3をスロー
ダウンさせ、ステップ8でタイマ35をストップさせ
る。尚、本実施例によるシリアルドットプリンタの場合
には、ステッピングモータ9の1ステップをキャリッジ
3の移動量として1/360インチに対応させているの
で、キャリッジ3がホームポジションを出た後720ス
テップ分だけ走行することにより、キャリッジ3が2イ
ンチ移動することになる。次のステップ9において、上
記タイマ35によるカウント値を時間(tr)としてマ
イクロプロセッサユニット29によって読み取り、RA
M33に記憶させる。そして、次のステップ10におい
て、一定時間をおくことによりキャリッジ3のダンピン
グを減衰させる(インターバル)。
【0022】上記インターバルを経た後ステップ11に
移行して、マイクロプロセッサ29によってタイマ35
を再度スタートさせる。そして、ステップ12におい
て、上記タイマ35のスタートに同期させて、キャリッ
ジ3をスローアップさせてキャリッジ3を左方向に移動
させる。次のステップ13においてキャリッジ3が定速
に達し、ステップ14においてキャリッジ3がホームポ
ジション内に有るか否かの判別がなされる。キャリッジ
3がホームポジション外に有る場合にはステップ13に
戻ってキャリッジ3をさらに左側に移動させる。これに
対して、キャリッジ3がホームポジション内に有る場合
には、次のステップ15に移行してタイマ35をストッ
プさせる。
【0023】上記ステップ15ではタイマ35をストッ
プさせる。そして、ステップ16において、マイクロプ
ロセッサユニット29により、ステップ11乃至ステッ
プ15の間の時間(tl、タイマ35のカウント値)を
読み取る。次に、ステップ17において、キャリッジ3
をスローダウンさせて停止させる。次のステップ18で
は、マイクロプロセッサユニット29によって、上記計
測により計測されRAM33に記憶された時間(tr)
と(tl)とから、キャリッジモータ信号に対するキャ
リッジ3の遅れ時間(tm)を算出する。すなわち、遅
れ時間(tm)は次の式(I)により算出される。 tm=tl−tr ― ― ― (I)
【0024】次に、ステップ19に移行する。このステ
ップ19では、上記遅れ時間(tm)と、予め設定・記
憶されている基準値(tm0)との差、すなわち遅れ時
間の変化量(Δtm)を算出する。上記基準値(tm
0)は予め実験により求められた値であり、ROM31
に記憶されているものである。上記遅れ時間の変化量
(Δtm)は次の式(II)により算出される。 Δtm=tm−tm0 ― ― ―(II) そして、上記算出された遅れ時間の変化量(Δtm)
は、次のステップ20において、EEPROM51に記
憶される。
【0025】上記手順を経ることにより、当初設定した
キャリッジ3の任意の速度における遅れ時間の変化量の
算出は終了したことになる。後は、同様の手順を繰り返
し行なうことにより、複数種類のキャリッジ速度の場合
の遅れ時間の変化量を算出していく。そして、ステップ
21において、全てのキャリッジ速度における遅れ時間
の変化量(Δtm)の算出が終了したか否かが判別さ
れ、全て終了している場合には終了(END)というこ
とになり、図3に示すメインフローのステップ4に移行
することになる。
【0026】次に、図5を参照してマニュアルアジャス
トメント手段による補正の手順を説明する。まず、スタ
ートした後、印字位置の補正を必要とする印字モードを
セットする(ステップ1)。次に、ステップ2に移行し
て印字位置のずれを判別し易い縦の罫線を罫線文字の高
さ分だけ改行しながら左右双方向で印字する(ステップ
2)。このとき、左方向の印字は右方向の印字に対する
規定の印字タイミングに対して補正時間(th)だけ
遅らせて印字を開始するものとする。上記補正時間(t
)は次の式(III)で示すものである。 th=th0+Δtmn’+Δtk ― ― ―(III) 但し th0:予めΔtmn’=Δtk=0として大半の
製品が平均的に印字位置が合うように実験により算
出した固定値でROM31に記憶されている(キャリッ
ジ3の遅れ時間やフライトタイム等の桁ずれの要因を含
む値) Δtmn’:オートアジャストメント手段により求めた
任意のキャリッジ速度におけるキャリッジ3の遅れ時間
の変化量 Δtk:マニュアルアジャストメント手段により求め
た任意の印字モードにおける補正時間(初期値は0) n:印字モードの数(1、2、― ― n ) n’:キャリッジ速度の数(1、2、― ― n ’) 尚、印字モードの数(1、2、― ― n )とキャリッ
ジ速度の数(1、2、―― n ’を別々にして組み合
わせるようにしたのは、同じキャリッジ速度でも印字モ
ードにより補正値(th)が異なる場合があることに
起因する。
【0027】次に、ステップ3に移行し、紙送りモータ
49によって用紙17を所定量だけ紙送りする。これに
よって、ステップ2で行なった罫線の印字結果を容易に
確認することが可能となる。次に、ステップ4におい
て、左方向への補正の有無を確認する。すなわち、上記
罫線の印字結果をみて、右方向の印字に対して左方向の
印字がずれていて印字位置を左方向にずらしたい場合に
は、スイッチ45dを操作して左方向の印字位置を左に
ずらす。これに対して、左に補正する必要がない場合に
はステップ5に移行して、右方向への補正の有無を確認
する。そして、右方向の印字に対して左方向の印字がず
れていて印字位置を右方向にずらしたい場合には、スイ
ッチ45eを操作して左方向の印字位置を右にずらす。
尚、上記スイッチ45d及び45eを1回操作すること
により、1/720乃至1/360インチずつ印字位置
を左右それぞれにずらすことができる。
【0028】上記操作を行なうことにより、前記式(I
II)で示した補正時間(Δtk)を選択していく。
そして、左右の補正が終了するとステップ6に移行し、
そこで、上記ステップ4又はステップ5においてセット
された補正時間(Δtk)に基づいて補正時間(th
)が変更される。そして、ステップ7に移行して、紙
送りモータ49を逆転させることにより用紙17を元の
位置の直後に戻して再度ステップ2に戻る。以下、印字
位置のずれがなくなるまで同様のステップを繰り返して
いく。そして、位置ずれがなくったことを確認してス
テップ8に移行していく。尚、本実施例の場合には、補
正時間(th)に基づいて、左方向の印字タイミング
を規定のタイミングより補正時間(th)だけ遅らせ
て印字を行なう。又、補正時間(th)が(−)の場
合には早めに印字を行なうことになる。
【0029】上記ステップ8では次の印字モードについ
て同様の補正作業を行なうか否かの判別がなされる。そ
のとき、マニュアルアジャストメント手段を必要とする
全ての印字モードについて補正作業を終了していない場
合には、スイッチ45bを操作する。それによって、ス
テップ9に移行する。ステップ9においては、用紙17
を元の位置に復帰させる。そして、ステップ1に移行し
て、補正作業を必要とする別の印字モードに対して同様
の補正作業を施していく。
【0030】これに対して、補正を必要とする全ての印
字モードについて補正作業を終了した場合にはステップ
10に移行する。このステップ10においては、補正作
業が終了したことを確認するためのスイッチ45aが操
作されたか否かの判別がなされる。スイッチ45aが操
作されている場合には、ステップ11に移行して用紙1
7が元の位置に戻される。そして、ステップ12におい
て、マニュアルアジャストメント手段が終了したことを
意味する表示(例えば、「END」等の表示、又は、L
EDによる表示)を行なうとともに、ステップ13に移
行して、各印字モードの補正時間(Δtk)をEEP
ROM51に記憶させる。これで、マニュアルアジャス
トメント手段による補正作業を終了し、図3に示したメ
インフローのステップ7に移行する。
【0031】以上本実施例によると次のような効果を奏
することができる。まず、オートアジャストメント手段
による補正とマニュアルアジャストメント手段による補
正とを組み合わせた構成になっているので、簡単な操作
によって精度の高い補正を行なうことができるようにな
った。すなわち、最初にオートアジャストメント手段に
よって補正することによりある程度の精度まで補正を完
了させ、次に、オートアジャストメント手段によっては
補正できない微妙な補正をマニュアルアジャストメント
手段によって行なうことができるからである。その場
合、オートアジャストメント手段によってある程度の精
度まで補正を行なうことができているので、その後に行
なうマニュアルアジャストメント手段による補正は僅か
なものである。よって、全てマニュアルアジャストメン
ト手段により補正する場合に比べて労力を大幅に低減さ
せることができる。
【0032】又、オートアジャストメント手段だけで補
正を終了することもできるので、それ以上の高い精度の
補正を必要としない場合には、そこで補正作業を終了す
ることができる。よって、補正に要する工数を減少させ
ることができる。このように、オートアジャストメント
手段とマニュアルアジャストメント手段とを組み合わせ
ることにより、オートアジャストメント手段又はマニュ
アルアジャストメント手段のみによる補正手段しか備え
ていなかった場合の欠点をそれぞれ補完しつつ、それ以
上の効果を奏することができるようになり、使いがって
が大幅に向上するものである。
【0033】又、本実施例の場合には、補正時間(th
)を算出する際に固定値(th0)を設定している
ので、万一、EEPROM51に記憶した補正値(Δt
n’やΔtk)がリセットされて消去されてしまっ
た場合にも、固定値(th0)分の補正時間は必ず確
保されることになる。よって、ある程度の精度を確保す
ることができるので、大幅な位置ずれが生じるようなこ
とはない。
【0034】尚、本発明は前記一実施例に限定されるも
のではない。まず、前記一実施例の場合には、操作スイ
ッチ群45を別途設けるものとして説明しているが、こ
れを既設のスイッチを使用して行なうようにしてもよ
い。すなわち、図6に示すように、桁補正モード選択ス
イッチ52は専用のものを設置し、その他のスイッチは
既設のスイッチ54、55、57、59にその機能を兼
用させる。スイッチ54、55、57、59は、通常時
には、それぞれ文字のフォント切換スイッチ、頁送りス
イッチ、行送りスイッチ、オンラインスイッチであり、
これを、上記桁補正モード選択スイッチ52をオンさせ
ることにより、それぞれ、図2に示したスイッチ45
b、45c、45d、45eとして機能させるものであ
る。それによって、スイッチの増加に伴うコストの上昇
を防止しようとするものである。
【0035】又、前記一実施例の場合には、左方向への
印字タイミングをずらして補正するようにしているが、
右方向への印字タイミングをずらすことにより補正する
ようにしてもよいし、左右両方向への印字タイミングを
ずらして補正するようにしてもよい。又、オートアジャ
ストメント手段による補正の場合に、遅れ時間の変化量
(Δtm)が印字位置に影響しないような小さな値(例
えば、数μs)の場合には、遅れ時間の変化量(Δt
m)を「0」として処理してもよい。逆に、遅れ時間の
変化量(Δtm)が異常に大きな値である場合には、キ
ャリッジ走行異常が発生したものと判断して、再度計測
させるようにしてもよい。又、再度計測しても遅れ時間
の変化量(Δtm)が異常に大きな値である場合には、
「動作異常エラー」として処理して適宜表示させるよう
にしてもよい。
【0036】又、データ記憶用としては、EEPROM
51以外にも、バッテリーバックアップされたRAMを
使用してもよい。又、EEPROM51(又はバッテリ
ーバックアップされたRAM)に補正値(Δtmn’
Δtk)を記憶させているため、例えば、工場での組
立時、すなわち、Δtkが「0」の状態で印字位置が
ずれている場合には、I/F53を使用して特定のコン
トロールコマンドによりΔtkの値を書き換えて印字
位置ずれを補正するようにしてもよい。又、実施例にお
ける補正の単位を1/720インチや1/360インチ
にしたが、特にこれに限定する必要がないことは言うま
でもない。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によるシリア
ルプリンタの印字位置ずれ補正方法とシリアルプリンタ
によると、オートアジャストメント手段による補正とマ
ニュアルアジャストメント手段による補正とを組み合わ
せた構成になってい、最初にオートアジャストメント
手段によって補正することによりある程度の精度まで補
正を完了させ、次に、オートアジャストメント手段によ
っては補正できない微妙な補正をマニュアルアジャスト
メント手段によって行なうようにしており、補正に要す
る労力を大幅に軽減させることができると共に補正の精
度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図でシリアルドットプ
リンタの要部の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図でシリアルドットプ
リンタの制御装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で作用を示すフロー
チャートである。
【図4】本発明の一実施例を示す図で作用を示すフロー
チャートである。
【図5】本発明の一実施例を示す図で作用を示すフロー
チャートである。
【図6】本発明の他の実施例を示す図で操作部の構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 プラテン 3 キャリッジ 5 印字ヘッド 7 駆動手段 17 用紙 23 光学式位置検出手段 25 遮蔽体 27 マイクロコンピュータ 29 マイクロプロセッサユニット 31 ROM 33 RAM 35 タイマ 45a スイッチ 45b スイッチ 45c スイッチ 45d スイッチ 45e スイッチ 51 EEPROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 19/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字ヘッドを搭載したキャリッジを右方
    向及び左方向に移動させて印字を行うシリアルプリンタ
    の左右方向の印字位置ずれを補正するシリアルプリンタ
    の印字位置ずれ補正方法において、 キャリッジを左右方向に移動させ、キャリッジの位置を
    検出する位置検出センサーの出力によって右方向移動と
    左方向移動のずれ量を計測し、計測されたずれ量に基づ
    いて印字位置ずれ補正を自動的に行う第1調整工程と、 第1調整工程によって調整された印字位置によって印字
    を行い、その印字結果に基づいて外部入力手段により印
    字位置ずれ補正を行う第2調整工程と、 を具備したことを特徴とするシリアルプリンタの印字位
    置ずれ補正方法。
  2. 【請求項2】 印字ヘッドを搭載したキャリッジを右方
    向及び左方向に移動させて左右両方向に印字を行なうシ
    リアルプリンタにおいて、 プリンタ本体の一端側に光学式位置検出手段を設置する
    とともに、キャリッジ側に上記光学式位置検出手段を横
    切って光路を遮蔽する遮蔽体を設け、これら光学式位置
    検出手段と遮蔽体とによりキャリッジのホームポジショ
    ンセンサを構成し、 該ホームポジションセンサを使用してキャリッジの右方
    向移動と左方向移動のずれ量を計測して、計測されたず
    れ量に基づいて印字位置ずれ補正を自動的に行うオート
    アジャストメント手段を設け、 右方向印字と左方向印字とを見比べながら外部入力手段
    から右方向印字と左方向印字の印字位置ずれを補正する
    マニュアルアジャストメント手段を設け、 オートアジャストメント手段による補正を行った後マニ
    ュアルアジャストメント手段による補正を行なうように
    したことを特徴とするシリアルプリンタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシリアルプリンタにおい
    て、 補正時間(th )は次の式により示されるものであ
    り、オートアジャストメント手段により求めたキャリッ
    ジの遅れ時間の変化量(Δtm n’ )とマニュアルアジ
    ャストメント手段により求めた補正時間(Δtk )の
    両方が考慮されるものであることを特徴とするシリアル
    プリンタ。 th =th0 +Δtm n’ +Δtk 但し th0 :予めΔtm n’ =Δtk =0として大半
    の同形製品が平均的に印字 位置が合うように実験により算出した固定値 Δtm n’ :オートアジャストメント手段により求めた
    キャリッジの遅れ時間の 変化量 Δtk :マニュアルアジャストメントにより求めた補
    正時間(初期値は0) n:印字モードの数(1、2、 ― ― n ) n’:キャリッジスピードの数(1、2、 ― ―
    n’)
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシリアルプリンタにおい
    て、 オートアジャストメント手段により求めたキャリッジの
    遅れ時間の変化量(Δtm n’ )は、右方向への移動に
    要する時間(tr)と左方向への移動に要する時間(t
    l)との差(tm=tl−tr)を算出し、該差(t
    m)と予め実験により求めた遅れ時間の基準値(tm
    0)との差(tm−tm0)であることを特徴とするシ
    リアルプリンタ。
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