JP3017342B2 - 水切り用溶剤組成物 - Google Patents
水切り用溶剤組成物Info
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- JP3017342B2 JP3017342B2 JP3298938A JP29893891A JP3017342B2 JP 3017342 B2 JP3017342 B2 JP 3017342B2 JP 3298938 A JP3298938 A JP 3298938A JP 29893891 A JP29893891 A JP 29893891A JP 3017342 B2 JP3017342 B2 JP 3017342B2
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- Japan
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- draining
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、精密機器、光学機器、
電子機器等の部品を水洗浄した後に部品の表面に付着し
た水を除去する水切り用溶剤に関するものである。
電子機器等の部品を水洗浄した後に部品の表面に付着し
た水を除去する水切り用溶剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】精密機器、光学機器、電子機器等の部品
を洗浄する場合、汚染物質に応じた適切な洗剤で処理し
た後、純水洗浄する方法が広く行われているが、最終的
に物品表面に存在する水を除去する乾燥工程が必要であ
る。乾燥手段としては加熱、減圧、遠心分離等の物理的
方法が古くから行われているが、近年、エネルギーコス
トが低く、高速乾燥が可能な溶剤を用いる乾燥法が普及
している。溶剤としてはトリクロロトリフルオロエタン
（以下フロンＲ１１３と称す）に界面活性剤やエタノー
ルを添加した液が広く用いられている。
を洗浄する場合、汚染物質に応じた適切な洗剤で処理し
た後、純水洗浄する方法が広く行われているが、最終的
に物品表面に存在する水を除去する乾燥工程が必要であ
る。乾燥手段としては加熱、減圧、遠心分離等の物理的
方法が古くから行われているが、近年、エネルギーコス
トが低く、高速乾燥が可能な溶剤を用いる乾燥法が普及
している。溶剤としてはトリクロロトリフルオロエタン
（以下フロンＲ１１３と称す）に界面活性剤やエタノー
ルを添加した液が広く用いられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】フロンＲ１１３は不燃
性、低毒性、低表面張力など多くの優れた性能を有して
いるため急速に需要が伸びてきたが、化学的に安定で対
流圏内での寿命が長く、成層圏に達してオゾン層を破壊
し地表に達する有害な紫外線を増加させる結果、人類を
含む地球上の生態系に深刻な影響を与えることが近年指
摘されている。
性、低毒性、低表面張力など多くの優れた性能を有して
いるため急速に需要が伸びてきたが、化学的に安定で対
流圏内での寿命が長く、成層圏に達してオゾン層を破壊
し地表に達する有害な紫外線を増加させる結果、人類を
含む地球上の生態系に深刻な影響を与えることが近年指
摘されている。
【０００４】このため、フロンＲ１１３等オゾン破壊能
の高いフロンについて生産と消費を規制し、更に全廃す
る国際的な動きが活発になっている。オゾン層破壊のな
い水切り剤として、特開平２−１８４３０２号公報に完
全フッ素化化合物が提案されているが、該公開特許で提
案されている化合物の水切り能は極めて弱く実用に耐え
ない。
の高いフロンについて生産と消費を規制し、更に全廃す
る国際的な動きが活発になっている。オゾン層破壊のな
い水切り剤として、特開平２−１８４３０２号公報に完
全フッ素化化合物が提案されているが、該公開特許で提
案されている化合物の水切り能は極めて弱く実用に耐え
ない。
【０００５】本発明はかかる状況に対応すべく、オゾン
層を破壊せず、かつ、従来の水切り剤以上の水切り能を
有する新規な水切り用溶剤を提供するものである。
層を破壊せず、かつ、従来の水切り剤以上の水切り能を
有する新規な水切り用溶剤を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記に示す完
全フッ素化化合物が単独、或いは、それらの組合わせで
は極めて弱い水切り能しか示さないが、ある種の完全フ
ッ素化脂肪酸を少量加えることにより著しく優れた水切
り能を示すことを見出し、特許出願を行った。（特願平
３−１９６８０４号公報） しかし、その後の検討の結果、この水切り用溶剤は、被
乾燥物品が金属である場合、これに影響を与えることが
わかり、この組成物のもつ優れた水切り性能を維持した
まま、金属に対し影響のない組成物を得るべく更に検討
を加えた結果本発明に到達した。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記に示す完
全フッ素化化合物が単独、或いは、それらの組合わせで
は極めて弱い水切り能しか示さないが、ある種の完全フ
ッ素化脂肪酸を少量加えることにより著しく優れた水切
り能を示すことを見出し、特許出願を行った。（特願平
３−１９６８０４号公報） しかし、その後の検討の結果、この水切り用溶剤は、被
乾燥物品が金属である場合、これに影響を与えることが
わかり、この組成物のもつ優れた水切り性能を維持した
まま、金属に対し影響のない組成物を得るべく更に検討
を加えた結果本発明に到達した。
【０００７】すなわち、本発明は、（１）沸点３０〜１
５０℃の完全フッ素化化合物（２）炭素数５以上の完全
フッ素化脂肪酸（３）脂肪族アミンを含む水切り用溶剤
組成物である。以下、本発明を詳細に説明する。
５０℃の完全フッ素化化合物（２）炭素数５以上の完全
フッ素化脂肪酸（３）脂肪族アミンを含む水切り用溶剤
組成物である。以下、本発明を詳細に説明する。
【０００８】本発明において使用する完全フッ素化化合
物としては、蒸発によるロスと乾燥性の兼ね合いから、
沸点が３０〜１５０℃であることが必要である。例え
ば、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パ
ーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフル
オロジメチルシクロブタン、パーフルオロメチルシクロ
ペンタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフ
ルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−２−ブ
チルテトラヒドロフラン、パーフルオロ−２−プロピル
テトラヒドロピラン、パーフルオロジブチルエーテル、
パーフルオロトリプロピルアミン等が挙げられ、もちろ
ん、これらの混合物でも良い。なお、本発明において、
完全フッ素化とは、化合物の水素がフッ素で完全に置換
された状態を云う。
物としては、蒸発によるロスと乾燥性の兼ね合いから、
沸点が３０〜１５０℃であることが必要である。例え
ば、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パ
ーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフル
オロジメチルシクロブタン、パーフルオロメチルシクロ
ペンタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフ
ルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−２−ブ
チルテトラヒドロフラン、パーフルオロ−２−プロピル
テトラヒドロピラン、パーフルオロジブチルエーテル、
パーフルオロトリプロピルアミン等が挙げられ、もちろ
ん、これらの混合物でも良い。なお、本発明において、
完全フッ素化とは、化合物の水素がフッ素で完全に置換
された状態を云う。
【０００９】次に、炭素数５以上の完全フッ素化脂肪酸
としてはパーフルオロオクタン酸が好適であるが、これ
に限定されるものではない。また、その添加量は任意に
選ぶことができるが、０．５重量パーセント以下でも十
分目的が達せられる。脂肪族アミンとしては、例えば、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリイソ
プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、第
２ブチルアミン、第３ブチルアミン、ジブチルアミン、
ジイソブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシル
アミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、２−
エチルヘキシルアミン、１，３−ジメチルブチルアミ
ン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、１−メチルヘプ
チルアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、ア
ジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、アンモニアおよびこれらのハロゲン置換体が使用
できるが、もちろん、これに限定されるものではない。
としてはパーフルオロオクタン酸が好適であるが、これ
に限定されるものではない。また、その添加量は任意に
選ぶことができるが、０．５重量パーセント以下でも十
分目的が達せられる。脂肪族アミンとしては、例えば、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリイソ
プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、第
２ブチルアミン、第３ブチルアミン、ジブチルアミン、
ジイソブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシル
アミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、２−
エチルヘキシルアミン、１，３−ジメチルブチルアミ
ン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、１−メチルヘプ
チルアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、ア
ジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、アンモニアおよびこれらのハロゲン置換体が使用
できるが、もちろん、これに限定されるものではない。
【００１０】脂肪族アミンの使用量は完全フッ素化脂肪
酸と等モル、もしくは、若干、アミンを過剰に添加する
のが好ましく、両者を予め混合して添加してもまた別々
に添加しても良い。添加量は任意に選べるが両者を合わ
せて１．０重量パーセント以下で十分目的を達成するこ
とができる。本発明の水切り用溶剤には目的に応じて上
記以外の各種の他成分を含有させることができる。例え
ば、安定剤として、ニトロ化合物類、フェノール類、有
機ホスファイト類、トリアゾール類を含有させることが
できる。また、これらの安定剤の溶解性を高めるために
炭化水素類やエーテル類を含有させることも必要に応じ
て可能である。
酸と等モル、もしくは、若干、アミンを過剰に添加する
のが好ましく、両者を予め混合して添加してもまた別々
に添加しても良い。添加量は任意に選べるが両者を合わ
せて１．０重量パーセント以下で十分目的を達成するこ
とができる。本発明の水切り用溶剤には目的に応じて上
記以外の各種の他成分を含有させることができる。例え
ば、安定剤として、ニトロ化合物類、フェノール類、有
機ホスファイト類、トリアゾール類を含有させることが
できる。また、これらの安定剤の溶解性を高めるために
炭化水素類やエーテル類を含有させることも必要に応じ
て可能である。
【００１１】
【実施例】次に、実施例および参考例によって本発明を
さらに詳細に説明する。尚、水切り能の測定および金属
への影響は次の方法によった。 （水切り能の測定方法）２５ｍｌのメスシリンダーにパ
テントブルーで着色した水４ｍｌをとり、その上から直
径０．７１〜０．９９ｍｍのガラスビーズ（小島特殊硝
子製造所製；型番ＢＺ−０８）１７．５ｇを静かに加え
た後、ガラスビーズが完全に水に浸されるまでメスシリ
ンダーの底を軽くたたく。その後、水切り用溶剤６ｍｌ
を加えると着色水が上層に移動を始めるが、着色水が水
切り用溶剤に完全に置換され、加えた４ｍｌが上層に浮
くまでの時間を測定した。時間が短い程、水切り能が優
れていると判断した。 （金属への影響）各水切り用溶剤中に、鉄、銅、亜鉛、
アルミニウムの試験片を浸漬し、室温にて一夜放置後、
金属表面の状態を観察した。
さらに詳細に説明する。尚、水切り能の測定および金属
への影響は次の方法によった。 （水切り能の測定方法）２５ｍｌのメスシリンダーにパ
テントブルーで着色した水４ｍｌをとり、その上から直
径０．７１〜０．９９ｍｍのガラスビーズ（小島特殊硝
子製造所製；型番ＢＺ−０８）１７．５ｇを静かに加え
た後、ガラスビーズが完全に水に浸されるまでメスシリ
ンダーの底を軽くたたく。その後、水切り用溶剤６ｍｌ
を加えると着色水が上層に移動を始めるが、着色水が水
切り用溶剤に完全に置換され、加えた４ｍｌが上層に浮
くまでの時間を測定した。時間が短い程、水切り能が優
れていると判断した。 （金属への影響）各水切り用溶剤中に、鉄、銅、亜鉛、
アルミニウムの試験片を浸漬し、室温にて一夜放置後、
金属表面の状態を観察した。
【００１２】
【実施例１〜５】各種の完全フッ素化化合物１００重量
部に対し、パーフルオロオクタン酸０．２重量部と、こ
れと等モルの各種アミンを加えた水切り用溶剤の水切り
性能と金属への影響を測定した結果を表１に示す。いず
れも優れた水切り性能を示し、金属への影響も全く見ら
れなかった。
部に対し、パーフルオロオクタン酸０．２重量部と、こ
れと等モルの各種アミンを加えた水切り用溶剤の水切り
性能と金属への影響を測定した結果を表１に示す。いず
れも優れた水切り性能を示し、金属への影響も全く見ら
れなかった。
【００１３】
【比較例１】パーフルオロヘキサン単独での水切り性能
を測定したところ、着色水の上方への移動は見られなか
った。
を測定したところ、着色水の上方への移動は見られなか
った。
【００１４】
【比較例２】パーフルオロヘキサンにパーフルオロオク
タン酸を添加した組成物について水切り性能を測定した
ところ、優れた水切り性能を示したが、金属への影響を
確認したところ、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムの全ての
金属表面に白色物質の生成が見られた。
タン酸を添加した組成物について水切り性能を測定した
ところ、優れた水切り性能を示したが、金属への影響を
確認したところ、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムの全ての
金属表面に白色物質の生成が見られた。
【００１５】
【比較例３】フロン１１３にエタノールを６重量パーセ
ント加えた水切り用溶剤の水切り性能を測定したとこ
ろ、着色水が完全に上層に移動するのに１２０秒を要し
た。
ント加えた水切り用溶剤の水切り性能を測定したとこ
ろ、着色水が完全に上層に移動するのに１２０秒を要し
た。
【００１６】
【表１】
【００１７】
【発明の効果】本発明はオゾン層の破壊、および金属へ
の悪影響がなく、かつ、従来の水切り用溶剤よりも優れ
た水切り性能を示す水切り剤が得られる。
の悪影響がなく、かつ、従来の水切り用溶剤よりも優れ
た水切り性能を示す水切り剤が得られる。
Claims (4)
- 【請求項１】 （１）沸点３０〜１５０℃の完全フッ素
化化合物 （２）炭素数５以上の完全フッ素化脂肪酸 （３）脂肪族アミン を含む水切り用溶剤組成物。 - 【請求項２】 請求項１の沸点３０〜１５０℃の完全フ
ッ素化化合物が、パーフルオロペンタン、パーフルオロ
ヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタ
ン、パーフルオロジメチルシクロブタン、パーフルオロ
メチルシクロペンタン、パーフルオロメチルシクロヘキ
サン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン、パーフル
オロー２−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ−
２−プロピルテトラヒドロピラン、パーフルオロジブチ
ルエーテル、パーフルオロトリプロピルアミンからなる
群から選ばれる少くとも１種である水切り用溶剤組成
物。 - 【請求項３】 請求項１の炭素数５以上の完全フッ素化
脂肪酸がパーフルオロオクタン酸である水切り用溶剤組
成物。 - 【請求項４】 請求項１の脂肪族アミンが炭素数４〜７
の脂肪族１級アミンの少くとも１種である水切り用溶剤
組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3298938A JP3017342B2 (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 水切り用溶剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3298938A JP3017342B2 (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 水切り用溶剤組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05140776A JPH05140776A (ja) | 1993-06-08 |
| JP3017342B2 true JP3017342B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=17866135
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3298938A Expired - Fee Related JP3017342B2 (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 水切り用溶剤組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3017342B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006278693A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Asahi Glass Co Ltd | 水パージ剤およびそれを用いたレジストパターン形成方法 |
-
1991
- 1991-11-14 JP JP3298938A patent/JP3017342B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05140776A (ja) | 1993-06-08 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991214 |
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