JP3017231B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3017231B2 JP2008276A JP827690A JP3017231B2 JP 3017231 B2 JP3017231 B2 JP 3017231B2 JP 2008276 A JP2008276 A JP 2008276A JP 827690 A JP827690 A JP 827690A JP 3017231 B2 JP3017231 B2 JP 3017231B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、成形性が優れており、その成形品は優れた
耐熱性、剛性、耐水性、表面性および耐衝撃性(面衝撃
性)を有している樹脂組成物に関する。
[従来の技術] 一般にポリアミド樹脂は、耐摩耗性、耐衝撃性、成形
性、耐薬品性および機械的強度などが優れているが、吸
水時に剛性が低下したり、寸法変化を起こすという問題
がある。
吸水時に寸法変化を小さくし、吸水時の剛性の低下を
改良するために、ガラス繊維または無機フィラーを混合
した材料が従来より用いられてきたが、これらの組成物
は、耐衝撃性(特に耐面衝撃性)や表面性に問題がある
ため、用途分野が限られていた。
そこで、最近2種ないしはそれ以上のポリマーを混合
(ポリマーアロイ)し、このような問題点を解決しよう
とする試みがなされてきた。そして、ポリアミド樹脂の
優れた性質を保持しつつ、吸水による寸法、剛性変化の
欠点を改善した発明が提案されている。
しかし、2種ないしはそれ以上のポリマーを混合して
異なった複数の優れた性能を樹脂に付与する場合、その
2種ないしはそれ以上のポリマー同士は当然ながら融
点、結晶性などの性質が異なり、お互いに混ざりにくい
もの同士であることが多い。従って、ポリマーアロイの
アロイ化技術は、いかに2種ないしはそれ以上のポリマ
ーを相溶化させ、理想的な分散形状・分散粒径を取らせ
るかという点にポイントがある。
通常、非相溶型ポリマーアロイにおいては、海島構造
を取るのが好ましいとされており、海部となるマトリク
ス樹脂と、島部となるドメイン樹脂とからなり、この島
部の分散形状・分散粒径が物性に大きな影響を与える。
この島部(ドメイン)の分散形状・分散粒径について
は、組み合わせる樹脂によって、その適切な分散形状・
分散粒径は異なるが、多くの特許に述べられているよう
に、平均粒径は1〜2μm以下にすることが好ましい。
しかし、樹脂どうしの単なる混合で島部の平均粒径を
1〜2μm以下にすることは難しい。そこで、樹脂どう
しの相溶性を向上させ、さらには混合方法を工夫するこ
とによって、平均粒径1〜2μm以下にできる技術がい
くつか発表されている。
また、島部の平均粒径の下限についても、理論的には
最適範囲をはずれる限界があるが、実際現在の技術段階
では、ほとんどの樹脂の組み合わせにおいて、いかに島
部の平均粒径を小さくし、耐衝撃性などの物性や成形性
・耐衝撃性を向上させるかがポイントになっていると言
える。また形状についても、成形品としての変形等を防
止するためにも、なるべく球形に近づけたほうがよく、
また均一性についても、その平均粒径のバラツキが少な
く、特に平均粒径に対して極端に大きな粒子が存在しな
いことが大切である。
ある特許では、アロイ化しようとするポリマーに親和
性のある官能基を導入したり、2種ないしはそれ以上の
ポリマーそれぞれに親和性を持った第3成分を相溶化剤
として用いて相溶性を向上させ、島部の分散を良くし、
物性を向上させるかが述べられている。
しかし、今までの方法では、島部の分散は十分でな
く、特に平均粒径としては、細かいものが作成できて
も、形状や均一性の点でまだまだ十分でなく、目的とす
る物性、特にポリアミドの吸水による欠点をカバーしつ
つ、熱変形温度と耐衝撃性のバランスのとれた優れた性
能を有する材料又は材料を得るための技術はまだ開発さ
れていなかった。
[発明が解決しようとする課題] 上記のとおり、従来のポリアミドの改質(ポリマーア
ロイ等)によって、成形性、耐熱性、剛性、耐水性、表
面性および耐衝撃性の全ての特性を満足するものは開発
されておらず、かかる特性を同時に具備した材料の開発
が強く望まれているのが現状である。
本発明者らは、成形性、耐熱性、剛性、耐水性表面性
の優れた樹脂を開発することを目的とし、鋭意研究を行
なった結果、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂を配合
することにより、その目的が達成されることを見出し、
本発明を完成した。
[課題を解決するための手段] 本発明の組成物は、2種ないしはそれ以上の樹脂の海
島構造のモルホロジーをベースとし、その島部の核とな
る無機物との組み合わせからなる組成物に関するもので
ある。核となる無機物は、所望の島部の粒径にあわせた
大きさのものを選択し、島部とすべき樹脂に予め微細な
状態で分散させておき、海部となるべき樹脂と溶融混練
又はペレットブレンドし、組成物を作成する。または、
海部・島部を溶融混練する際に無機物を分散よく同時に
混合して、組成物を作成する。場合によっては海部とな
るべき樹脂に予め無機物を分散しておき、島部となるべ
き樹脂と溶融混練又はペレットブレンドし、組成物を作
成する。本発明の組成物は、このような方法によって得
られたポリマーアロイにおける島部の分散を改善し、粒
径を均一にまた形状を均一にし、さらに微細化した組成
物である。
本発明において、(A)成分と(B)成分のどちら
が、島部になってもよく、珪酸塩は(A)成分と(B)
成分のどちらか片方もしくは両方に含まれてよく、島部
に存在するものは、島部を微細にしかも均一にまた島部
の剛性、耐熱性を向上させ、海部に存在するものは、樹
脂全体の剛性・耐熱性を向上させるとともに、島部の分
散にもよい影響を与える。
具体的にその内容について説明する。
本発明の組成物は(A)ポリアミド樹脂10〜90重量%
と、(B)ポリエステル樹脂90〜10重量%、ならびに
(C)前記(A)および/または(B)成分中に層状珪
酸塩を前記(A)および(B)成分の合計量100重量部
に対して0.05〜30重量部を均一に分散させたものからな
る樹脂組成物に関する。
本発明の組成物を構成する(A)成分のポリアミド樹
脂は、分子中に酸アミド結合(−CONH−)を有するもの
であり、具体的には、ε−カプロラクタム、6−アミノ
カプロン酸、ω−エナントラクタム、7−アミノヘプタ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、
α−ピロリドン、α−ピペリドンなどから得られる重合
体または共重合体;ヘキサメチレンジアミン、ノナメチ
レンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミン
とテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン
酸などのジカルボン酸とを重縮合して得られる重合体も
しくは共重合体又はこれらの混合物を例示することがで
きる。(A)成分のポリアミド樹脂は、平均分子量が90
00〜30000のものが好ましい。
本発明に用いられるポリエステル樹脂は、一般に結晶
性構造を有し、120℃以上の融点を有し、そして熱可塑
性を有するものである。
特に有用な種類のポリエステルの例には、当業界で周
知の方法に従ってジカルボン酸またはその低級アルキル
エステルまたは酸ハライドまたは無水物誘導体と、グリ
コールとを縮合させることにより製造された熱可塑性ポ
リエステルがあげられる。
このポリエステルを製造するに適する芳香族および脂
肪族ジカルボン酸には次のものがある。ジユウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p,p′−ジカル
ボキシビフェニル、p,p′−ジカルボキシビフェニルス
ルホン酸、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボ
キシフェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフェノキ
シ酪酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、p−カルボ
キシフェノキシヘキサン酸、p,p′−ジカルボキシジフ
ェニルメタン、p,p′−ジカルボキシジフェニルプロパ
ン、p,p′−ジカルボキシジフェニルオクタン、3−ア
ルキル−4−(β−カルボキシエトキシ)−安息香酸、
2,6−ナフタリンジカルボン酸および2,7−ナフタリンジ
カルボン酸。これらジカルボン酸の混合物も使用し得
る。テレフタル酸が特に好ましい。
本発明で用いられるテレフタル酸またはイソフタル酸
またはこれらの機能性誘導体のフェニレン基はハロゲン
原子またはアルキル基で置換されていてもよい。またテ
レフタル類またはイソフタル酸あるいはこれらの機能性
誘導体に加えて、少量の他の芳香族もしくは脂肪族ジカ
ルボン酸又はその機能性誘導体を共重合成分として用い
てもよい。
前記ポリエステルを製造するに適するグリコールに
は、2ないし12個の炭素原子を有する直鎖アルキレング
リコール、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレ
ングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、1,10−デ
カメチレングリコールおよび1,12−ドデカメチレングリ
コールがある。これらのグリコールの一部または全部を
芳香族グリコールでおきかえてもよい。適当な芳香族ジ
ヒドロキシ化合物には、p−キシリレングリコール、ピ
ロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、または
これら化合物のアルキル置換誘導体がある。他の適当な
グリコールは、1,4−シクロヘキサンジメタノールであ
る。より好ましいグリコールは、炭素原子数2ないし4
の直鎖アルキレングリコールである。
好ましいポリエステルは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレン
テレフタレートである。より好ましいポリエステルは、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートである。結晶性共重合体であるポリブチレンテレフ
タレートは、1,4−ブタンジオールとジメチルテレフタ
レートまたはテレフタル酸との重縮合により製造でき、
そしてこれは一般式: (式中、nは、70ないし140である) を有する。ポリブチレンテレフタレートの分子量は、好
ましくは、20000ないし25000である。
他の有用なポリエステルの例には、セルローズエステ
ルがあげられる。ここで使用できる熱可塑性セルローズ
エステルは周知物質であって、成形、被覆およびフィル
ム形成用材料として現在広く使用されているものであ
る。このセルローズエステルの例には次のものがあげら
れる。固体熱可塑性プラスチック材料の形のセルローズ
ナイトレート、セルローズアセテート(たとえばセルロ
ーズジアセテート、セルローズトリアセテート)、セル
ローズブチレート、セルローズアセテートブチレート、
セルローズプロピオネート、セルローズトリデカノエー
ト、カルボキシメチルセルローズ、エチルセルローズ、
ヒドロキシエチルセルローズ、アセチル化ヒドロキシエ
チルセルローズがあげられる。
もう1つの有用なポリエステルは、ポリピバロラクト
ンである。ポリピバロラクトンは、主に次式: −CH2−C(CH3−C(O)−O− の繰返しエステル構造ユニット(すなわちピバロラクト
ンから導かれるユニット)を有する線状重合体である。
好ましくは、このポリエステルは、ピバロラクトンのホ
モ重合体である。他の例としては、ピバロラクトンと、
50モル%以下、好ましくは10モル%以下の他のβ−プロ
ピオラクトン(たとえばβ−プロピオラクトン、α,α
−ジエチル−β−プロピオラクトンおよびα−メチル−
α−エチル−β−プロピオラクトン)との共重合体があ
る。好ましいβ−プロピオラクトンは、カルボニル基に
関しα−位置に第三または第四炭素原子を有する種類の
ものである。特に好ましいものは、アルキル基のそれぞ
れが独立的に、1ないし4個の炭素原子を有している
α,α−ジアルキル−β−プロピオラクトンである。
有用な単量体の例を次に示す: α−エチル−α−メチル−β−プロピオラクトン、 α−メチル−α−イソプロピル−β−プロピオラクト
ン、 α−エチル−α−n−ブチル−β−プロピオラクトン、 α−クロロメチル−α−メチル−β−プロピオラクト
ン、 α,α−ビル(クロロメチル)−β−プロピオラクト
ン、 α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン(ピバロラク
トン)。
これらポリピバロラクトンの分子量は20000以上、融
点は120℃以上である。
もう1つの有用なポリエステルは、ポリカプロラクト
ンである。好ましいポリ(ε−カプロラクトン)は、次
の繰返しユニットを有する実質的に線状の重合体であ
る。これらの重合体は、ポリピバロラクトンと同様な性
質を有しており、かつ同様な重合方法により製造され得
る。
さらにもう1つの有用なポリエステルは、ポリアリレ
ートであり、一般式 で表わされるビスフェノール類(ただし−A−は、−O
−、−S−、−SO2−、−CO−、アルキレン基あるいは
アルキリデン基よりなる群から選ばれ、R1、R2、R3
R4、R5、R6、R7およびR8は水素原子、ハロゲン原子およ
び炭化水素からなる群から選ばれる)とテレフタル酸お
よび/またはイソフタル酸または、それらの反応性誘導
体とから得られるものである。
上記一般式で示されるビスフェノール類の例として
は、4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エーテル、ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)エーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジフルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4′−メチル
フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル
−2,2,2−トリクロロエタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−(4′−クロロフェニル)メタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシナフチル)プロパン等があげ
られるが、最も一般に用いられる代表的なものは、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンすなわちビ
スフェノールAと呼ばれているものである。もし必要な
らば前記ビスフェノール類の混合物あるいはビスフェノ
ール類と少量の他の2価の化合物、例えば2,2′−ジヒ
ドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレンの
如きジヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、レゾルシ
ノール、2,6−ジヒドロキシクロロベンゼン、2,6−ジヒ
ドロキシトルエン、3,6−ジヒドロキシトルエン等の混
合物を使用することができる。
テレフタル酸またはイソフタル酸の反応性誘導体と
は、これらの酸のハロゲン化物またはアルキルもしくは
アリールエステルである。
本発明で用いられるテレフタル酸等は前述したとおり
である。
本発明で用いられるポリアリレートは界面重合法、溶
液重合法、溶融重合法等の任意の方法で合成される。好
ましい物性を有する樹脂組成物を得るためには、平均分
子量が5,000から100,000のポリアリレートを用いるのが
好ましい。
(A)および(B)成分の配分比は、(A)成分が10
〜90重量部であり、(B)成分が90〜10重量部である。
(A)成分の配合比が10重量部未満だと成形性が低下
し、90重量部を越えると吸水時の剛性が低下する。
(C)成分は層状珪酸塩である。この(C)成分は樹
脂組成物から得られる成形体において、(B)成分を
(A)成分のポリアミド中に、又は(A)成分を(B)
成分中に微細に分散させるとともに、成形性が優れた機
械的性質、耐熱性および耐面衝撃性を付与するのに資す
る物質である。
さらに均一に分散された層状珪酸塩は、剛性の付与な
らびに分散粒子となる樹脂を微細に分散させるという特
徴があり、従来相反する性質である剛性と耐衝撃性(面
衝撃性)を同時に満足するという、公知技術による剛性
及び耐衝撃性付与法とは全く異なる多成分系重合体ブレ
ンド安定化法を提供するのに不可欠な成分である。
層状珪酸塩は(A)成分中に分散した際、それぞれが
平均的に20Å以上の層間距離を保ち、均一に分散してい
ることを特徴とする。本発明において層状珪酸塩とは一
辺が0.002〜1μm、厚みが6〜20Åの物質の一単位を
示すものである。
また、層間距離とは層状珪酸塩の平板の重心間の距離
を言い、均一に分散するとは層状珪酸塩の一枚一枚が、
もしくは平均的に重なりが5層以下の多層物が平行に、
またはランダムに、もしくは平行とランダムが混在した
状態で50重量%以上が、好ましくは70重量%以上が局所
的な塊を形成することなく分散する状態を言う。
このような層状珪酸塩の原料としては、珪酸マグネシ
ウムまたは珪酸アルミニウムの層から構成される層状フ
ィロ珪酸鉱物を例示することができる。具体的には、モ
ンモリロナイト、サボナイト、バイデライト、ノントロ
ナイト、ヘクトライト、スティブンサイトなどのスメク
タイト系粘土鉱物やバーミキュライト、パロイサイトな
どを例示することができ、これらは天然のものであって
も、合成されたものであってもよい、これらのなかでも
モンモリロナイトが好ましい。
(C)成分の配合割合は、(A)成分と(B)成分の
合計量が100重量部に対して0.05〜30重量部であり、好
ましくは0.1〜10重量部である。(C)成分の配合割合
が0.05重量部未満であると、成形品の耐熱性および耐衝
撃性の向上効果が小さく、30重量部を超えると、樹脂組
成物の流動性が極端に低下し、成形性が低下する。
さらに、本発明には前述の(A)、(B)、(C)成
分の他に耐衝撃性改良材を必要に応じて加えることがで
きる。耐衝撃性改良材としては、一般にポリアミドに用
いられる耐衝撃改良材ならば、特に限定はなく次に挙げ
るようなものである。ポリアミドに20重量%添加した
時、その耐衝撃性が、2倍以上になる程度のものであ
り、その曲げ弾性率は、10,000kg/cm2以下である。
耐衝撃性改良材としては、室温下でエラストマー状で
あるスチレン−ブタジエン(またはイソプレン)共重合
体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、水素添加ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体)、各種オレフィン
の共重合体を例示することができる。具体的にはスチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体;エチレン、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1お
よび4−メチルブテン−4−メチルペンテン−1などか
ら選ばれる2種以上のオレフィンの共重合体を例示する
ことができる。
この耐衝撃性改良材は、不飽和カルボン酸などで変性
したものを用いることができる。
耐衝撃性改良材の好ましい配合量は、(A)、(B)
および(C)成分の合計量100重量部に対して30重量部
以下である。30重量部を超えると成形性が低下し、成形
品の耐熱性が低下するために好ましくない。
相溶化剤は、例えばポリ(エチレン/メタクリル酸グ
リシジル)共重合体(エチレン/メタクリル酸グリシジ
ル=85/15)を70重量部と過酸化結合を側鎖に有するポ
リ(アクリル酸ブチル−b−スチレン)(アクリル酸ブ
チル/スチレン−10/90)30重量部とを溶融押出器を用
い、溶融温度200±20℃で溶融混練して得られたポリ
(エチレン/メタクリル酸グリシジル)−g−ポリ(ア
クリル酸ブチル−b−スチレン)であるグラフト化ポリ
オレフィン変性物(日本油脂(株)製グレード名モディ
パーA4100)などが使用され得る。
本発明の組成物には必要に応じて、染料、顔料、核
剤、離型剤などの充填剤、ガラス繊維、金属繊維、炭素
繊維などの補強剤、可塑剤、滑剤、耐熱性付与剤、発泡
剤、難燃剤などを配合することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に制限されるもの
ではない。例えば、(C)成分の層状珪酸塩を膨潤化剤
と接触させてあらかじめ層間を拡げて層間にモノマーを
取り込みやすくしたのち、(A)成分を形成するモノマ
ーを混合し、重合(特開昭62−74957号公報参照)さ
せ、さらに(B)成分を混合し、230〜250℃、好ましく
は250〜320℃で溶融混練する方法;重合終了後の溶融状
態にあるポリアミド中に、(B)成分を溶融させたもの
と、あらかじめ層間距離を50Å以上に拡げた(C)成分
の層状珪酸塩を混練・配合する方法等を適用することが
できる。
本発明の樹脂組成物においては、分散粒子となり得る
粒子が数平均粒子径で2μm以下で分散相を形成するこ
とが好ましい。
(C)成分の層状珪酸塩は(A)成分および(B)成
分の両方の相に分散していても、またいずれかの一方の
相に分散していてもよい。
本発明は、(A)成分と(B)成分との混合物に、さ
らに層状珪酸塩を配合することにより、成形品の耐熱性
および耐衝撃性の両方を同時に向上させることができる
ものである。通常、無機質充填剤をポリアミド樹脂と熱
可塑性樹脂との混合物中に配合した場合は剛性および耐
熱性は向上させることができるが、一方で耐衝撃性は低
下する。しかし、本発明の組成物においては、層状珪酸
塩は非常に微細な状態で分散存在しており、少量の配合
で剛性、耐熱性を向上させ、しかもポリマー同士の分散
もドメインを小さな粒子径で微細に分散させることがで
きるために、剛性、耐熱性とともに耐衝撃性も向上する
ものと考えられる。
本発明の樹脂組成物は、自動車の各種部品、電子電気
部品、機械部品、一般雑貨の製造材料として利用するこ
とができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
なお、部は重量部を表わす。また、以下において示した
各特性の試験方法は下記のとおりである。
引張り強さ:ASTM D−638 曲げ強さ、曲げ弾性率:ASTM D−790 アイゾット衝撃強さ:ASTM D−256 熱変形温度:ASTM D−648 高速衝撃強さ:まず、本発明の樹脂組成物のペレットを
厚さ3.2mm、直径100mmの円盤に成形し、その円盤を試験
片とした。次に、−30℃で先端径1/2インチラウンドミ
サイルを前記試験片中央に2.5m/秒の速度で落下させ、
その場合の破壊の際の応力ひずみ曲線の面積から、その
破壊エネルギーを算出する面衝撃測定法(UBE法)によ
った。
分散粒子径:シクロトームを用いて各成形体の小片を調
製し、その小片をローダミンBで染色し、水洗したの
ち、光学顕微鏡(×1000)で該小片中の分散粒子径を測
定した。
実施例及び比較例 下記の表に示した各成分の組合せ及び配合比で樹脂組
成物を製造し、成形体として各特性評価用の試験片を製
造した。
(A)ポリアミド 層状珪酸塩の一単位の厚みが平均的に9.5Åで一辺の
平均長さが約0.1μmのモンモリロナイト200gを10の
水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデカン酸と24m
lの濃塩酸を加え、5分間撹拌したのち、過した。さ
らにこれを十分洗浄したのち、真空乾燥した。この操作
により、12−アミノドデカン酸アンモニウムイオンとモ
ンモリロナイトの複合体を調製した。複合体中の層状珪
酸塩分は80重量%となった。また、この複合体のX線回
折による測定では珪酸塩層間距離が18.0Åであった。
次に撹拌機付きの反応容器に、10kgのε−カプロラク
タム、1kgの水および200gの乾燥した前記複合体を入
れ、100℃で反応系内が均一な状態になるように撹拌し
た。さらに温度を260℃に上昇させ、15kg/cm2の加圧下
で1時間撹拌した。その後、放圧し、水分を反応容器か
ら揮散させながら、常圧下で3時間反応をさせた。反応
終了後、反応容器の下部ノズルから、ストランド状に取
り出した反応物を水冷し、カッティングを行ない、ポリ
アミド樹脂(平均分子量15,000)およびモンモリロナイ
トからなるペレットを得た。次にこのペレットを熱水中
に浸漬し、未反応のモノマー(約10%)を抽出、除去し
たのち、真空中で乾燥した。この乾燥ペレット中におけ
るポリアミドとモンモリロナイトの割合は、ポリアミド
樹脂100重量部に対してモンモリロナイトが1.6重量部で
あった。
(B)熱可塑性ポリエステル (B−1) ポリエチレンテレフタレート(三井ペッ
ト(株)製ポリエチレンテレフタレート、グレード名J1
25…以下PETと略す) (B−2) ポリブチレンテレフタレート(帝人
(株)製ポリブチレンテレフタレート、グレード名C700
0…以下PBTと略す) (B−3) ポリアリレート(ユニチカ(株)製Uポ
リマーグレード、U−100以下PARと略す) 耐衝撃性改良材 変性エチレンプロピレンランダム共重合体(エクソン
化学(株)製グレード名EXXELOR UA1803、以下変性EPR
と略す) 相溶化剤 グラクト化ポリオレフィン変性物(日本油脂(株)製
グレード名、モディパーA4100) エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共
重合体(住友化学(株)製グレード名ボンドファースト
E) 成形体は、次の方法で製造した。まず、表に示す量の
各成分を予備混合したのち、スクリュー径30mmの押出機
を用いて250〜300℃で溶融混練してペレット化した。そ
の後、該ペレットを真空乾燥したのち、射出成形機によ
りシリンダー温度250〜300℃金型温度80℃の条件で射出
成形を行ない成形体を得た。
得られた成形体を各特性評価用の試験片として用い、
評価試験を行なった結果を表に示す。
(発明の効果) 表に示したように、ポリアミド樹脂とポリエステル樹
脂との混合物に、さらに層状珪酸塩を配合することによ
り、剛性のみならず同時に耐衝撃性も優れている。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−230766(JP,A) 特開 昭63−304048(JP,A) 特許2528163(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08L 67/00 - 67/08 C08K 3/34 - 3/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、 (B)ポリエステル樹脂、並びに (C)(A)及び/又は(B)成分中に、一単位の一辺
    が0.002〜1μm、厚みが6〜20Åで、それぞれが平均
    的に20Å以上の層間距離を保って均一に分散された層状
    硅酸塩を含む、 海部と島部からなる樹脂組成物であり、樹脂組成物中の
    該島部が、数平均粒子径2μm以下の分散層を形成して
    いる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記の組成物が、(A)成分と(B)成分
    の相溶化剤を含まないものである請求項1記載の樹脂組
    成物。
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