JP3016967B2 - 調理器用自動消火装置 - Google Patents

調理器用自動消火装置

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JP3016967B2
JP3016967B2 JP4215167A JP21516792A JP3016967B2 JP 3016967 B2 JP3016967 B2 JP 3016967B2 JP 4215167 A JP4215167 A JP 4215167A JP 21516792 A JP21516792 A JP 21516792A JP 3016967 B2 JP3016967 B2 JP 3016967B2
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克己 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鍋等の調理具に接して
その温度を検出する温度センサの検出温度が所定温度以
上となれば自動的に消火するようにした調理器、特に煮
もの料理と油もの料理のそれぞれに適した消火温度を自
動的に設定して、その消火温度を越えれば自動的に消火
するようにした調理器用自動消火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自動消火装置を備えた調理器と
しては特開平3−236518号に開示された技術があ
る。この技術では、温度検知手段の温度が判定下限度
(例97℃)から判定上限温度(例130℃)の間に温度上
昇がなくなる飽和温度(サチレート温度)があるか否か
により被調理物に水分が含まれているか否か自動判定
し、水分が含まれている場合は焦げ付きを防止する温度
に、また水分が含まれていない場合は過熱を防止する温
度に消火温度を自動的に設定して自動消火を行うように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鍋等の
調理具に接してその温度を検出する温度センサの検出温
度は、鍋等の調理具の材質、調理具の形状や変形などに
よる温度センサの当たり具合などにより、また調理物の
状態により通常と異なる変化をすることがあるので、前
述の従来技術では必ずしも常に正確に煮もの料理と油も
の料理を判別することができないという問題がある。
【0004】本発明はこのような問題を解決して煮もの
料理と油もの料理の判別の精度を向上させてそれぞれに
応じた消火温度を設定し、また始動初期における過熱を
防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る請求項1の調理器用自動消火装置は、図1に示すよう
に、鍋等の調理具に接してその温度を検出する温度セン
サ35と、この温度センサの検出温度に基づいて前記調
理具を加熱する加熱手段10の作動を停止する加熱停止
手段1を備えてなる調理器用自動消火装置において、前
記温度センサ35の検出温度に基づいて単位時間当たり
の温度上昇速度を演算する温度勾配演算手段2と、前記
温度センサ35の検出温度に基づいて沸点を検出する沸
点検出手段3と、前記温度センサ35の検出温度に基づ
いて始動時以後における最低温度を検出する最低温度検
出手段4と、前記沸点検出手段3により検出された沸点
が煮もの料理で検出される通常の沸点範囲よりやや高い
第1所定温度以下の場合は消火温度を煮もの料理に適し
た低めの温度に設定する第1消火温度設定手段5aと、
この第1消火温度設定手段が消火温度を設定しない場合
において前記最低温度検出手段4により検出された最低
温度が前記第1所定温度よりやや低い第2所定温度以下
でないときは消火温度を油もの料理に適した高めの温度
に設定する第2消火温度設定手段5bと、前記第1及び
第2消火温度設定手段5a,5bが消火温度を設定しな
い場合において前記温度勾配演算手段2により検出され
た前記第1及び第2所定温度付近における温度上昇速度
が所定値以下のときは消火温度を煮もの料理に適した低
めの温度に設定すると共に同温度上昇速度が前記所定値
を越えるときは消火温度を油もの料理に適した高めの温
度に設定する第3消火温度設定手段5cを備え、前記加
熱停止手段1は前記温度センサ35の検出温度が前記第
1〜第3消火温度設定手段5a,5b,5cにより設定
された消火温度を越えた場合に前記加熱手段10の作動
を停止することを特徴とするものである。
【0006】前記発明は、前記温度センサ35の検出温
度が前記最低温度検出手段4により検出される最低温度
を所定の小温度以上越えるまでは前記沸点検出手段3に
よる沸点の検出を禁止する沸点検出禁止手段9を更に備
えたものとすることが好ましい。
【0007】前記各発明は、前記煮もの料理に適した低
めの温度及び油もの料理に適した高めの温度の少なくと
も何れか一方を前記温度センサ35及び各検出手段3,
4の検出状態に応じて複数設定することが好ましい。
【0008】前記各発明は、起動直後における煮もの料
理及び油もの料理の状態から焼きもの料理の状態に切り
換える手動操作の選択手段を更に備え、前記第1〜第3
消火温度設定手段5a,5b,5cは煮もの料理及び油
もの料理の場合において消火温度を設定することが好ま
しい。
【0009】また本発明による請求項6の調理器用自動
消火装置は、図2に示すように、鍋等の調理具に接して
その温度を検出する温度センサ35と、この温度センサ
の検出温度に基づいて前記調理具を加熱する加熱手段1
0の作動を停止する加熱停止手段1を備えてなる調理器
用自動消火装置において、前記温度センサ35の検出温
度に基づいて始動時以後の最低温度を検出する最低温度
検出手段4と、全ての使用条件における最高制限温度を
記憶する最高消火温度記憶手段7と、油もの料理の場合
の最高制限温度を記憶する油もの消火温度記憶手段8
と、始動初期の所定時間は消火温度を前記最高消火温度
記憶手段7に記憶された最高制限温度に設定すると共に
前記所定時間内であっても前記温度センサ35の検出温
度が前記最低温度検出手段4により検出された最低温度
から上昇して所定の制限温度を越えた場合には消火温度
を前記油もの消火温度記憶手段8に記憶された最高制限
温度に設定する始動時消火温度設定手段6を備え、前記
加熱停止手段1は前記温度センサ35の検出温度が前記
始動時消火温度設定手段6により設定された消火温度を
越えた場合に前記加熱手段10の作動を停止することを
特徴とするものである。
【0010】また請求項1の発明は、全ての使用条件に
おける最高制限温度を記憶する最高消火温度記憶手段7
と、油もの料理の場合の最高制限温度を記憶する油もの
消火温度記憶手段8と、始動初期の所定時間は消火温度
を前記最高消火温度記憶手段7に記憶された最高制限温
度に設定すると共に前記所定時間内であっても前記温度
センサ35の検出温度が前記最低温度検出手段4により
検出された最低温度から上昇して所定の制限温度を越え
た場合には消火温度を前記油もの消火温度記憶手段8に
記憶された最高制限温度に設定変更する始動時消火温度
設定手段6を更に備えたものとすることが好ましい。
【0011】
【作用】請求項1の発明では、温度勾配演算手段2は温
度センサ35の検出温度に基づいて単位時間当たりの温
度上昇速度を演算し、沸点検出手段3はこの温度上昇速
度に基づいて沸点を検出し、最低温度検出手段4は温度
センサ35の検出温度に基づいて始動時以後における最
低温度を検出する。第1消火温度設定手段5aは沸点検
出手段3により検出された沸点が煮もの料理で検出され
る通常の沸点範囲よりやや高い第1所定温度以下の場合
は消火温度を煮もの料理に適した低めの温度に設定し、
第2消火温度設定手段5bは第1消火温度設定手段5a
が消火温度を設定しない場合において最低温度検出手段
4により検出された最低温度が前記第1所定温度よりや
や低い第2所定温度以下でないときは消火温度を油もの
料理に適した高めの温度に設定し、また第3消火温度設
定手段5cは第1及び第2消火温度設定手段5a,5b
が消火温度を設定しない場合において温度勾配演算手段
2により検出された前記第1及び第2所定温度付近にお
ける温度上昇速度が所定値以下のときは消火温度を煮も
の料理に適した低めの温度に設定すると共に同温度上昇
速度が前記所定値以上のときは消火温度を油もの料理に
適した高めの温度に設定する。そして加熱停止手段1
は、温度センサ35の検出温度がこのように設定された
消火温度を越えれば、加熱手段10の作動を自動的に停
止する。
【0012】請求項2の発明によれば、温度センサ35
の検出温度が最低温度検出手段4による最低温度よりも
所定の小温度以上高くなるまでは沸点検出禁止手段9が
沸点検出手段3による沸点の検出を禁止するので、温度
センサ35の検出温度が高くなっていた状態から始動さ
せた場合でも、一旦低下する検出温度が再び上昇に転じ
る一時的温度平衡状態において沸点検出手段3が誤って
沸点を検出することはない。
【0013】請求項3の発明によれば、煮もの料理に適
した低めの消火温度及び油もの料理に適した高めの消火
温度の少なくとも何れか一方が、温度センサ35及び各
検出手段3,4の検出状態に応じて複数設定される。
【0014】請求項4の発明によれば、通常は煮もの料
理及び油もの料理の状態となっていて前述のようににも
料理と油もの料理のそれぞれに適した消火温度を自動的
に設定して自動消火を行い、焼きもの料理の場合は手動
操作の選択手段により切り換えて行う。
【0015】請求項5の発明によれば、最低温度検出手
段4は温度センサ35の検出温度に基づいて始動時以後
における最低温度を検出し、始動時消火温度設定手段6
は、通常は始動初期の所定時間は消火温度を最高消火温
度記憶手段7に記憶された全ての使用条件における最高
制限温度に設定するが、温度センサ35の検出温度が最
低温度検出手段4により検出された最低温度から上昇し
て所定の制限温度を越えた場合には、前記所定時間内で
あっても消火温度を油もの消火温度記憶手段8に記憶さ
れた油もの料理の場合の最高制限温度に設定する。そし
て加熱停止手段1は、温度センサ35の検出温度がこの
ように設定された消火温度を越えれば、加熱手段10の
作動を自動的に停止する。
【0016】請求項6の発明によれば、始動初期の所定
時間は請求項5の発明と同様にして消火温度を設定し、
それ以後は請求項1の発明と同様にして消火温度を設定
して、温度センサ35の検出温度がこのように設定され
た消火温度を越えれば、加熱停止手段1は加熱手段10
の作動を自動的に停止する。
【0017】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明によれ
ば、温度センサ及び各検出手段の検出状態に応じて、消
火温度は煮もの料理に適した低めの温度と油もの料理に
適した高めの温度に自動的に設定される。しかも温度上
昇がなくなる沸点(飽和温度)があるか否かにより単純
に煮もの料理と油もの料理を区別するのではなく、沸点
が検出されない場合でも温度センサによる検出温度の状
態によっては煮もの料理と判断するので、鍋等の調理具
の材質、調理具の形状や変形などによる温度センサの当
たり具合などにより、また調理物の状態により温度セン
サの検出温度が標準的でない変化をした場合でも、常に
正確に煮もの料理と油もの料理を正確に判別して、それ
ぞれに適した消火温度を設定することができる。
【0018】請求項2の発明によれば、一旦低下した検
出温度が再び上昇に転じる一時的温度平衡状態において
沸点検出手段が誤って沸点を検出することはないので、
この誤りによる消火温度の設定の誤りが防止される。
【0019】請求項3の発明によれば、煮もの料理に適
した低めの消火温度及び油もの料理に適した高めの消火
温度の少なくとも何れか一方が複数設定されるので、実
際の調理状態により適した消火制御を行うことができ
る。
【0020】請求項4の発明によれば、消火温度を高温
に設定する焼きもの料理は手動操作の選択手段により切
り換えて行うので、油もの料理の場合に焼きものの場合
の高い消火温度に誤って設定することがなくなり、安全
性が向上する。
【0021】請求項5の発明によれば、作動初期におけ
るその時の作動状態に応じた消火温度の設定がなされる
前に、調理物の特殊な状態(例えば少量の油の加熱な
ど)により好ましくない過熱が生じかけた場合には、消
火温度を油もの料理の場合の最高制限温度に設定するの
で、安全性が向上する。
【0022】請求項6の発明によれば、請求項1の発明
と同様常に正確に煮もの料理と油もの料理とを正確に判
別して、それぞれに適した消火温度を設定することがで
きると共に、請求項5の発明と同様作動初期における過
熱を防止して安全性を向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下に図3〜図13に示す実施例により本発
明の説明をする。図3は本発明による調理器用自動消火
装置をテーブルこんろに適用した実施例の要部の断面図
である。バーナ本体11とバーナヘッド12よりなるガ
スバーナ10(加熱手段)は器枠(一部を符号13で示
す)に固定され、その上には鍋のような調理具15が五
徳(図示省略)を介して載せられる。バーナヘッド12
の中央部を通して昇降可能に器枠13に支持された可動
筒14の上端にはサーミスタ等の温度センサ35が設け
られ、図示のように可動筒14が上昇した状態において
この温度センサ35は、鍋15の底面にスプリングによ
り弾性的に押しつけられる。器枠13には点火栓36と
熱電対やフレームロッド等の炎センサ37が固定されて
いる。
【0024】ガス弁装置の弁ケーシング20は器枠13
に固定され、ガス入口20aからの燃料ガスは、電磁弁
25の弁体25a及び操作つまみ24により回転される
閉子21を介してガスバーナ10に供給される。閉状態
から操作つまみ24を回転すれば先ずマイクロスイッチ
26が作動し、操作つまみ24の回転につれて閉子21
の開度が増大し、最後にカム装置22を介して弁桿23
を移動させて通常はスプリングにより閉じられている電
磁弁25の弁体25aを押し開き、またこれと連動して
可動筒14が上昇するようになっている。
【0025】バーナコントローラ30は、周知の論理演
算回路を構成する中央処理装置(CPU)31、読出し
専用メモリ(ROM)32、書込み可能メモリ(RA
M)33及びインターフェイス34を主要な構成要素と
し、ROM32には後述する自動消火のための制御プロ
グラム及び各種の固定常数が記憶され、RAM33には
後述のように検出される温度勾配(単位時間あたりの温
度上昇速度)、検出沸点、最高沸点TM、屈曲点TT、最低
温度Tm、消火温度その他演算処理中のデータ等が記憶さ
れる。自動消火のための制御プログラムは、後述するよ
うにその作動状況に応じて消火温度を設定し、また温度
センサ35の検出温度がこの消火温度を越えた場合に加
熱手段10を消火するプログラムを含んでいる。インタ
ーフェイス34は温度センサ35等からの入力信号をC
PU31において演算可能な信号に変換し、またCPU
31からの出力信号を電磁弁25等を駆動可能な出力信
号に変換するものであり、このインターフェイス34を
介して、電磁弁25、マイクロスイッチ26、温度セン
サ35、点火栓36及び炎センサ37はCPU31に接
続されている。
【0026】次に上記実施例の作動の説明をする。先ず
手動により操作つまみ24を回転すればマイクロスイッ
チ26が作動してバーナコントローラ30の電源をオン
にすると共に可動筒14が上昇して温度センサ35が鍋
15の底面に押圧され、更に回転すれば閉子21の開度
が増大し、最後に弁桿23に押されて電磁弁25の弁体
25aが開き、ガスバーナ10に燃料ガスが供給され
る。これと同時に点火装置(図示省略)が作動して点火
栓36が火花を発生し、ガスバーナ10から噴出するガ
スに点火し、煮もの等の鍋15を加熱する炎を生じる。
この炎を炎センサ37が検知すれば、バーナコントロー
ラ30は点火装置の作動を停止すると共に電磁弁25に
電流を供給する。この状態で手を離せば操作つまみ24
は弾性的に少し戻って弁桿23は弁体25aから離れる
が、弁体25aは電磁弁25への電流により開状態に保
持されたままであり、ガスバーナ10への燃料ガスは供
給され続ける。この状態で操作つまみ24により閉子2
1の開度を調整してガスバーナ10の加熱量を調整す
る。
【0027】図7〜図13は自動消火のための制御プロ
グラムを示すフローチャートであり、図7はメインルー
チン、図8は点火直後の過熱防止ルーチン、図9は沸騰
を検知しなかった場合の第1消火ルーチン、図10は沸
騰を検知しかつ屈曲点を検知した場合の第2消火ルーチ
ン、図11は消火温度設定ルーチン、図12及び図13
はそれぞれ図11の消火温度設定ルーチンにおける温度
勾配による消火温度設定及び検出温度による消火温度設
定のサブルーチンである。このうち図8〜図10の制御
ルーチンは煮もの料理及び油もの料理の場合を対象とす
るものであり、図11〜図13の制御ルーチンは焼きも
の料理の場合を対象とするものである。本実施例では、
通常は煮もの料理及び油もの料理の状態となっており、
高温の消火温度が設定される焼きもの料理の場合は手動
による二重操作の切換スイッチ(選択手段)により切り
換えて行う。従って油もの料理の場合に消火温度が高温
に設定されることがないので安全である。
【0028】以上のフローチャートによりバーナコント
ローラ30が実行する自動消火制御処理の説明をする。
バーナコントローラ30の電源がオンになれば、CPU
31はRAM33内の各データを0または所定の初期値
にリセットし、図7〜図13のフローチャートによる制
御動作を実行する。なお以下の説明において、点火とは
始動のための点火の他にその後における消火温度Tnの設
定の取消をも含むものとする。また制御プログラムは省
略したが、本実施例では消火温度の設定後に、温度セン
サ35の検出温度が1分間に20℃以上下降した場合に
は、消火温度の設定を取り消してメインルーチンの最初
のステップ101に制御動作が戻るようになっている。
これは調理具15を1分間以上おろした場合や、ひとつ
の調理の終了直後に別の調理具15を載せた場合などに
生じる。
【0029】切換スイッチを操作せず従って煮もの及び
焼きものになっている通常の状態では、CPU31は先
ずステップ200に進んで図8の点火直後の過熱防止ル
ーチンを実行する。点火後30秒を経過するまではCP
U31はステップ201〜203,206,209を繰
り返し、検出温度Tが全ての使用条件における最高制限
温度である350℃に達すれば、電磁弁25への電流の供
給を停止し、弁体25aを閉じてガスバーナ10の作動
を停止させる。この場合において、他の料理の直後など
点火時の温度センサ35の検出温度Tが高く、調理具1
5を載せてから検出温度Tが低下する場合には、RAM
33に記憶される最低温度Tmは繰り返し更新され(ステ
ップ201,202)、図4に示すように上昇に転じた
ときの検出温度Tが最終的な最低温度Tmとなる。また、
検出温度Tが上昇に転じたか否かの判断は、図4に示す
ように検出温度Tが最低温度TmよりΔT1(本実施例では
5℃)以上上昇したか否かにより判断し、下降中のノイ
ズによる一時的上昇を検出温度Tの上昇と誤認しないよ
うにしている。なお点火時の温度センサ35の検出温度
Tが低く、直ちに上昇するときは、最低温度Tmは点火時
の検出温度Tである。
【0030】点火後30秒〜2分の間は、検出温度Tが
上昇に転じるまではCPU31はステップ201〜20
3,206,207を繰り返し、検出温度Tが上昇に転
じた後はT≧220℃でなければ実質的に上と同じステッ
プを繰り返し、T≧220℃であれば、検出温度Tが油も
の料理の場合の最高制限温度である245℃に達していれ
ばガスバーナ10の作動を停止させ、そうでなければ図
7のステップ102に制御動作を進める(ステップ20
5)。ステップ205に進むことなく点火後2分を経過
すれば、検出温度Tが上昇に転じるまではCPU31は
ステップ201〜204を繰り返し、検出温度Tが上昇
に転じた後は、前記同様検出温度Tが245℃に達してい
ればガスバーナ10の作動を停止させ、あるいはステッ
プ102に制御動作を進める(ステップ205)。
【0031】適量の調理物を入れた鍋を加熱する場合に
は、2分以内に検出温度Tが220℃に達することはない
ので、通常は2分経過後に高い消火温度350℃から低い
消火温度245℃に自動的に切り換えられる。これに対し
少量の油を入れた鍋を加熱した場合等は温度上昇速度が
早く2分以内に引火温度まで過熱される恐れがある。し
かし本実施例によれば、このような場合には2分以内で
あっても検出温度Tが220℃を越えれば低い消火温度に
切り換えられるので、過熱が生じる前に自動消火がなさ
れる。なお消火温度の初期値を高い温度に設定した理由
は、焼きもの料理の直後などでは温度センサ35の検出
温度Tが相当高温になっていることがあり、この検出温
度Tが低下する前に自動消火がなされることのないよう
にするためである。この点火直後の過熱防止ルーチン
は、点火時(始動時)及び消火温度Tnが取り消された場
合に、その都度実行される。他の料理の直後など、温度
センサ35が高温だった場合には検出温度Tが一旦低下
し再び上昇するが、その時の最低温度Tm(図4参照)付
近の一時的温度平衡状態において沸点検出手段が誤って
沸点を検出することはないので、このような誤りによる
消火温度の設定の誤りが防止される。
【0032】次に図7のメインルーチンのステップ10
2以後の作動の説明をする。先ず煮もの料理で検出され
る通常の沸点範囲よりやや高い第1所定温度(例えば15
0℃)以下で沸点が検知された場合には煮もの料理に適
した低め(120〜170℃)の消火温度が設定され、温度セ
ンサ35の検出温度Tがこれを越えれば消火がなされる
ことの説明をする。
【0033】煮もの料理において、ステップ200から
ステップ102に入ったときは、通常は温度センサ35
の検出温度Tは図5に示すように上昇過程にある。温度
センサ35の検出温度Tが範囲Aに入り最初の沸点TB
(=Ta、例えば130℃)に達すればCPU31は沸騰を
検知する(ステップ102)。この沸騰の検知は、例え
ば15秒間隔で記憶している温度センサ35の検出データ
を使用し、CPU31が1分前及び2分前の各温度デー
タを現在の温度データと比較して、その差が何れも±2
℃以内である場合に沸騰と判断することにより行う。な
おこの沸騰の検知は、前述のように記憶されている温度
センサ35の検出データによりCPU31が検出温度T
の温度上昇速度(温度勾配)を演算し、この温度勾配が
0を中心とする所定範囲内になった場合に沸騰と判断す
るようにしてもよい。次いで、RAM33の所定の記憶
領域に最高沸点TM(=Ta)が記憶される(ステップ10
3〜107)。
【0034】範囲Aの状態から操作つまみ24により閉
子21を開いて火力を増大すれば、検出温度Tは図5に
示すように上昇して、次の検出沸点TB(=Tb、例えば14
0℃)に達する。この上昇の初期にCPU31は屈曲点T
Tbを検知する(ステップ106)。この屈曲点TTbの検
知は、温度センサ35の検出データに基づいて、検出温
度Tが30秒以内に2℃上昇するという状態が続けて3回
生じた場合にその最後の検出点(すなわち6℃上昇した
点)を屈曲点TTbとすることにより行う。屈曲点TTbの検
出後、検出温度Tは更に上昇して範囲Bに入るが、この
状態ではステップ400の第2消火ルーチン(詳細は図
10に示す)が実行され、沸点Tbに達して沸騰を検知す
る(ステップ401,ステップ405〜407)。そし
て、最高沸点TMの記憶内容は先の検出沸点Taより高温の
検出沸点TB(=Tb)に更新される(ステップ103〜1
07)。通常の使用状態では検出温度Tの温度勾配は50
℃/分以上ではないので第2所定値は低い値Δb1(例え
ば15℃)であるが、検出沸点TaとTbの温度差はΔb1未満
であるので検出温度Tが先に述べた消火温度に達するこ
とはなく、従ってガスバーナ10が消火されることはな
い。
【0035】次いで、じっくり煮込みを行うために閉子
21を大幅に絞って火力を減少させれば、検出温度Tは
下降して範囲Cに入って検出沸点TBの値はTc(例えば11
0℃)になる(ステップ104〜107)。この下降中
は沸点TBはTb(=TM)のままであり、範囲Cに入ってか
ら検知される沸点TB(=Tc)は最高沸点TM未満であるの
で最高沸点TMは更新されない。
【0036】範囲Cの状態から閉子21を全開またはそ
の近くまで開いて火力を大幅に増大すれば、検出温度T
は増大して範囲Dに入り、検出沸点TBの値はTd(検出沸
点Tbより多少高い値、例えば150℃)になる。この上昇
の初期に範囲Bの場合と同様CPU31は屈曲点TTdを
検知する(ステップ106)。屈曲点TTbの検出後、検
出温度Tは更に上昇して範囲Dに入り、検出沸点Tdに達
して沸騰を検知する(ステップ401,ステップ405
〜407)。この場合も検出温度Tの温度勾配は50℃/
分以上になることはないので第2所定値は低い値Δb1で
あり、検出沸点TcとTdの温度差は第2所定値Δb1より大
である。しかし検出沸点Tdは最高沸点TM(=Tb)に比し
てそれほど高くなることはなく、最高沸点TMに第1所定
値Δa(例えば10℃)を加えた値よりは低くなる。従っ
て前述の範囲Bの場合と同様、検出温度Tが先に述べた
消火温度に達することはなく、ガスバーナ10が消火さ
れることはない。検出沸点Tdは検出沸点Tbよりも高いの
で、最高沸点TMの記憶内容は検出沸点Tdに更新される
(ステップ103〜107)。
【0037】再び火力を減少させれば、検出温度Tは下
降して範囲Eに入って検出沸点TBの値はTcに近いTeにな
る。この場合の作動は前述の範囲Cの場合と同様であ
り、最高沸点TMの値はTdのままで更新されない。
【0038】この状態で煮込みを続け、水分が蒸発すれ
ば検出温度Tは上昇し始める。しかしこの場合も検出温
度Tの温度勾配は50℃/分以上にはなることはなく、検
出温度Tは範囲Fの実線に示すように上昇する。この上
昇の初期に範囲B及びDの場合と同様にしてCPU31
は屈曲点TTfを検知する(ステップ106)。この状態
では、最高沸点TMに第1所定値Δaを加えた値と最後に
検出された屈曲点TT(=TTf)に第2所定値Δb1を加え
た値とは、図5に示すように前者の方が高いので、前者
が消火温度となる。そして図5の実線に沿って上昇する
検出温度Tが TM+Δa となる点Mに達すれば、CPU
31は電磁弁25への電流の供給を停止し、弁体25a
を閉じて加熱手段10の作動を停止させる(ステップ4
01,ステップ405〜407,110)。なお水分が
蒸発する直前の検出沸点Teが高かった場合には、TTf+
Δb1の方が消火温度となる。
【0039】なお、例えば図5の範囲Eで調理物をよく
かき混ぜるために鍋を持ち上げて鍋振りを行った場合に
は、温度センサ35が鍋底から離れて高温雰囲気中で急
激に加熱されるので検出温度Tの温度勾配が増大して50
℃/分以上となり、検出温度Tは範囲Eの二点鎖線に示
すように上昇し、また第2所定値は高い値Δb2(例えば
35℃)となる。この場合は、最高沸点TMに第1所定値Δ
aを加えた値と最後に検出された屈曲点TT(=TTf)に第
2所定値Δb2を加えた値とは、後者の方が高いのでそれ
が消火温度となる。そして図5の二点鎖線に沿って上昇
する検出温度Tが TTf+Δb2 となる点Nに達すれば、
CPU31は電磁弁25への電流の供給を停止し、弁体
25aを閉じて加熱手段10の作動を停止させることに
なる(ステップ401,ステップ415〜417,11
0)。しかしながら第2所定値Δb2は大きい値であるの
で通常の鍋振り時間では検出温度Tが点Nまで達するこ
とはなく、従って鍋振り中に自動消火がなされることは
ない。
【0040】また、カレー料理などにように沸騰検知が
なされた後に屈曲点TTは検知されないが緩やかに温度が
上昇するものにおいては、所定温度を越えれば消火がな
される(ステップ107〜111,110)。この場合
において、ステップ102で検知された沸点TMが130℃
以下の場合は150℃で、それ以外の場合には170℃で消火
がなされる。
【0041】また、調理途中で相当量の水を差したりあ
るいは鍋15を外して弱火にした場合など、温度センサ
35の検出温度Tが30秒以内に10℃以上の温度降下があ
った場合には、ステップ102に戻ってあらためて沸騰
検出を行うようにしている。
【0042】次に第1所定温度以下で沸騰が検知(ステ
ップ102)されなかった場合には、CPU31はステ
ップ300の第1消火ルーチン(詳細は図9に示す)を
実行する。この場合には次に述べるように、検出温度T
の状態によって油もの料理に適した高め(230℃)の消
火温度と煮もの料理に適した低め(170℃)の消火温度
が設定される。
【0043】ステップ200の点火直後の加熱防止ルー
チンで得られた最低温度Tmが第1所定温度(例えば150
℃)よりやや低い第2所定温度(例えば140℃)まで下
がらなかった場合には、油もの料理に適した高めの消火
温度(230℃)を設定して検出温度Tがこれを越えてい
ればガスバーナ10を消火し、そうでなければその都度
制御動作をステップ200に戻す(ステップ301,3
05)。また最低温度Tmが第2所定温度以下で、これか
ら温度が上昇して第1所定温度となる状態があった場合
には、更に140℃から150℃となる温度上昇時間を検出
し、この時間が2分未満(平均温度上昇速度が5℃/分
以上)の場合には油もの料理に適した高めの消火温度
(230℃)を設定して検出温度Tがこれを越えればガス
バーナ10を消火し(ステップ301,302,30
5)、この時間が2分以上(平均温度上昇速度が5℃/
分以下)の場合には煮もの料理に適した低めの消火温度
(170℃)を設定して検出温度Tがこれを越えればガス
バーナ10を消火する(ステップ301,302,31
5〜318)。この場合は検出温度Tが150℃以下であ
ればCPU31は沸騰検知を行い(ステップ316)、
沸騰が検知されればステップ103に制御動作を戻し、
沸騰が検知されない場合はT≦140℃であれば制御動作
をステップ102に戻し、そうでなければステップ31
5〜317を繰り返す。
【0044】鍋の変形などにより温度センサ35の接触
が悪かった場合などは煮もの料理でも温度センサ35が
沸騰を検出しないことがあるが、このような場合でも温
度上昇速度は油もの料理の場合よりは遅くなるので、以
上のようにすることにより煮もの料理と油もの料理を区
別することができる。
【0045】次に切換スイッチにより焼きものへの切換
操作を行った場合の作動の説明をする。この場合はCP
U31はステップ500に進んで図11〜図13に示す
焼きもの料理の最低温度Tm設定ルーチンを実行する。な
お本実施例の焼きものへの切換状態では、油もの料理に
対する消火温度の自動設定も行っており、従ってこの切
換状態で油もの料理を行っても、過熱による引火等の恐
れはない。
【0046】CPU31は先ず始動時の温度センサ35
の検出温度Tが T<120℃、120℃≦T<350℃、350℃
≦T の何れの範囲にあるかを判断する(ステップ50
1)。そして冷えた状態から始動の場合にはT<120℃
であるので、ステップ510の温度勾配による消火温度
設定(詳細は図12に示す)を実行し、別途演算した温
度センサ35の検出温度Tの上昇速度すなわち温度勾配
Gtに基づいて消火温度Tnを設定すると同時にブザーによ
る報知を行う(ステップ511〜517)。焼きもの料
理の場合は消火温度Tnの設定の際に必ずブザーによる報
知を行っているが、以下においては単に消火温度Tnを設
定するとのみ記載する。なおこの報知はブザーに限らず
表示ランプなどにより行ってもよく、またこれらを組み
合わせて行ってもよい。
【0047】このときの消火温度Tnは、Gt<25℃/分の
場合は230℃に、25℃/分≦Gt<60℃/分の場合は260℃
に、60℃/分≦Gt<75℃/分の場合は270℃に、75℃/
分≦Gt<90℃/分の場合は310℃に、90℃/分≦Gt<160
℃/分の場合は340℃に、160℃/分≦Gtの場合は260℃
にそれぞれ設定する。そしてバーナコントローラ30
は、温度センサ35の検出温度Tがこの消火温度Tnを越
えれば、電磁弁25への電流の供給を停止してガスバー
ナ10の作動を停止させる。なお、温度勾配Gtは、検出
温度Tが120℃から160℃まで上昇する間の時間tを検出
し、Gt=40℃/tを演算するサブルーチン(図示省略)
により得られる。また、始動初期であって検出温度Tが
160℃に達するまでは温度勾配Gtは得られないが、この
間は消火温度Tnの設定は行わず、従って自動消火も行わ
ない。
【0048】この温度勾配Gtは図6に示すように調理具
15の状態により異なり、油を入れた鍋(特性a参照)
と焼魚などの焼網(特性b参照)では後者の方がはるか
に大となり、また前者のうちでは油量が少なくなるにつ
れて大となる。これにより設定される消火温度Tnは、高
温加熱の必要がある焼網の場合は高くなるので、加熱の
途中で自動消火されることはない。またてんぷら揚げな
どの場合は消火温度Tnが低くなるので過熱の恐れはなく
なり、安全性が向上する。なお、てんぷら揚げなどの場
合は油量が多いほど引火の恐れは高くなるが、本実施例
では油量の増大につれて消火温度Tnが低下するので一層
安全性が向上する。
【0049】また二口こんろ等では、一方で加熱した油
の入った鍋を冷えた他方に移し替えることがあり、この
場合にはそちらの温度センサ35の検出温度Tは急激に
上昇する(図6の特性c参照)が、この場合の温度勾配
Gtは160℃/分以上となるので消火温度Tnは油に適した
低い値260℃に設定される。従って過熱等の恐れはなく
なる。
【0050】前述のように温度センサ35の検出温度T
が1分間に20℃以上下降して消火温度Tnの設定が取り消
された場合には、図11のステップ501における検出
温度Tは通常は120℃以上となり、CPU31は120℃≦
T<350℃の場合は検出温度による消火温度設定を行い
(ステップ520、図13で説明)、350℃≦Tの場合
はガスバーナ10を消火する。
【0051】次に、図13に示すフローチャートによ
り、点火後(始動後)または消火温度Tnが取り消された
後における検出温度による消火温度設定の説明をする。
先ず検出温度Tが、120℃≦T<180℃の場合には、CP
U31は別途演算した温度勾配Gtが正でなければ検出温
度Tの下降が停止するまで待ち、下降停止時の検出温度
Tが120℃を越えていなければ(ステップ521,52
2)図11のフローチャートのステップ510に進ん
で、前述の温度勾配Gtにによる消火温度Tの設定を実行
する。ステップ521の温度勾配Gtが正であり、ステッ
プ522の検出温度Tが120℃を越えていれば、点火後
または消火温度Tnの設定の取消後(図13の説明では以
下単に点火後という)30秒以内に検出温度Tが10℃以上
下降しないかどうか判断する(ステップ523)。10℃
以上下降しないときは加熱油の鍋または焼網と判断して
点火後10秒以内に10℃以上上昇したか否かを判断し(ス
テップ524)、そうでないときは常温油の鍋と判断し
て消火温度Tnを260℃に設定する(ステップ526)。
ステップ524で10℃以上上昇したときは加熱油の鍋と
判断して消火温度Tnを270℃に設定し(ステップ52
7)、そうでないときは低温の加熱油の鍋または焼網と
判断して上昇開始後の温度勾配Gtによる判断を行う(ス
テップ525)。この時の温度勾配Gtは、図4に示すよ
うに、検出温度Tが上昇に転じたときよりΔT1(例えば
5℃)上昇した点からΔT2(例えば30℃)上昇した点ま
での間の値をとり、Gt<50℃/分であれば低温の加熱油
の鍋と判断して消火温度Tnを270℃に設定し(ステップ
528)、Gt≧50℃/分であれば焼網と判断して消火温
度Tnを310℃に設定する(ステップ529)。すなわち
この検出温度範囲では、常温油の鍋と加熱油の鍋と焼網
を区別して判断して、消火温度Tnをそれぞれ260℃、270
℃及び310℃に設定する。
【0052】検出温度Tが、180℃≦T<230℃の場合
は、前述のステップ521,522と同様のステップ5
31,532により、CPU31は検出温度Tが低下し
て120℃以下となったときは制御動作をステップ510
に進めて温度勾配Gtによる消火温度設定を行い、そうで
なければ点火後30秒以内に検出温度Tが20℃以上下降し
ないかどうか判断する(ステップ533)。20℃以上下
降しないときは加熱油の鍋または焼網と判断して上昇開
始後の温度勾配Gtによる判断を行い(ステップ52
5)、そうでないときは常温油の鍋と判断して消火温度
Tnを260℃に設定する(ステップ534)。ステップ5
25においては前述と同様、温度勾配Gtに基づいて、Gt
<50℃/分であれば加熱油の鍋と判断して消火温度Tnを
270℃に設定し(ステップ528)、Gt≧50℃/分であ
れば焼網と判断して消火温度Tnを310℃(ステップ52
9)に設定する。すなわちこの検出温度範囲でも、常温
油の鍋と加熱油の鍋と焼網を区別して判断して、消火温
度Tnをそれぞれ260℃、270℃及び310℃に設定する。
【0053】検出温度Tが、230℃≦T<260℃の場合
は、直前の調理が焼ものモードであったときである。前
述のステップ521,522と同様のステップ541,
542により、CPU31は検出温度Tが低下して120
℃以下となったときは制御動作をステップ510に進め
て温度勾配Gtによる消火温度設定を行い、そうでなけれ
ば点火後1分以内に検出温度Tが210℃以下になったか
否かを判断する(ステップ543)。210℃以下になっ
た場合には常温または加熱油の鍋と判断して消火温度Tn
を270℃に設定し(ステップ544)、そうでなければ
焼網と判断して消火温度Tnを340℃に設定する(ステッ
プ545)。すなわちこの検出温度範囲では、油の鍋と
焼網を区別して判断して、消火温度Tnをそれぞれ270℃
及び340℃に設定する。
【0054】検出温度Tが、260℃≦T<350℃の場合は
かなり高温であるので、点火後30秒間は検出温度Tが35
0℃を越えるか否かを監視し、越えた場合には前述と同
様電磁弁25の弁体25aを閉じてガスバーナ10を消
火する(ステップ551,555,110)。検出温度
Tが350℃を越えることなく30秒経過すれば、CPU3
1は前述のステップ521,522と同様のステップ5
52,553により、検出温度Tが低下して120℃以下
となったときは制御動作をステップ510に進めて温度
勾配Gtによる消火温度設定を行い、そうでなければ点火
後1分以内に検出温度Tが20℃以上下降したか否かを判
断する(ステップ554)。20℃以上下降した場合には
加熱油または常温油の鍋と判断して消火温度Tnを270℃
に設定し(ステップ556)、そうでなければ焼網と判
断して消火温度Tnを340℃に設定する(ステップ55
7)。すなわちこの検出温度範囲でも、油の鍋と焼網を
区別して判断して、消火温度Tnをそれぞれ270℃及び340
℃に設定する。
【0055】消火温度Tnが設定された状態では、所定の
短時間毎に割込み信号が入力される都度、CPU31は
温度センサ35の検出温度Tを設定された消火温度Tnと
比較し、検出温度Tがこの消火温度Tnを越えれば電磁弁
25への制御電流の供給を停止してガスバーナ10を消
火する。
【0056】なお以上に述べた、焼きもの料理における
本実施例の作動においては、消火温度Tnが設定されるま
ではガスバーナ10は火力を最大付近の一定値として、
調理具15及び調理の量などの状態に応じた所定の温度
上昇速度が得られるようにする。調理に必要な火力の調
節は、ブザーにより消火温度Tnが設定されたことの報知
がなされた後に行う。
【0057】上述のように、焼きもの料理における本実
施例の作動によれば、冷えた状態から加熱を行う通常の
状態では、油が入った鍋の場合は低い消火温度Tnを、ま
た焼網の場合は高い消火温度Tnを自動的に設定してその
消火温度Tnに達すればガスバーナ10を消火するので、
油ものの場合は過熱の恐れはなく安全であり、本来引火
の恐れのない焼きものの場合は充分高温まで加熱するこ
とができる。油ものの場合は油量の増大に応じて消火温
度Tnを低く設定するので安全性は一層向上する。また、
加熱油が入った鍋を冷えたこんろ上に移し替えた場合に
は温度センサ35による検出温度Tの上昇速度が大とな
るが、焼網と誤認することはなく油ものに適した低い消
火温度Tnに設定するので、安全性が大となる。
【0058】このように、すでに加熱がなされている状
態において調理具を動かしたり移し替えたりした場合で
も、油もの及び焼網にそれぞれ適した消火温度Tnに自動
的に設定するので、安全動作の範囲を広げることができ
る。
【0059】また、消火温度Tnの設定がなされた際にブ
ザーによる報知がなされるので、使用者は火力調節を開
始してもよいタイミングを知ることができる。これによ
り火力の調節を早く開始し過ぎて正しい消火温度Tnの設
定が得られなくなったり、遅すぎたために焼網調理の場
合などに短時間に温度が上昇してしまって自動消火がな
され、このため充分な調理時間得られなくなるというこ
とがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による調理器用自動消火装置の一つの
構成を示す図である。
【図2】 本発明による調理器用自動消火装置の他の構
成を示す図である。
【図3】 本発明による調理器用自動消火装置の一実施
例の主要部を示す図である。
【図4】 本発明の一実施例の作動状態の一部を示す図
である。
【図5】 本発明の一実施例の作動状態の一部を示す図
である。
【図6】 各調理具の温度上昇特性を示す図である。
【図7】 本発明の一実施例の制御プログラムのメイン
ルーチンのフローチャートである。
【図8】 点火直後の過熱防止ルーチンのフローチャー
トである。
【図9】 沸騰を検知しなかった場合の第1消火ルーチ
ンのフローチャートである。
【図10】 沸騰を検知しかつ屈曲点を検知した場合の
第2消火ルーチンのフローチャートである。
【図11】 焼きもの料理の場合の消火温度設定ルーチ
ンのフローチャートである。
【図12】 図11の消火温度設定ルーチンにおける温
度勾配による消火温度設定のフローチャートである。
【図13】 図11の消火温度設定ルーチンにおける検
出温度による消火温度設定のフローチャートである。
【符号の説明】
1…加熱停止手段、2…温度勾配演算手段、3…沸点検
出手段、4…最低温度検出手段、5a…第1消火温度設
定手段、5b…第2消火温度設定手段、5c…第3消火
温度設定手段、6…始動時消火温度設定手段、7…最高
消火温度記憶手段、8…油もの消火温度記憶手段、9…
沸点検出禁止手段、10…加熱手段(ガスバーナ)、3
5…温度センサ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋等の調理具に接してその温度を検出す
    る温度センサと、この温度センサの検出温度に基づいて
    前記調理具を加熱する加熱手段の作動を停止する加熱停
    止手段を備えてなる調理器用自動消火装置において、前
    記温度センサの検出温度に基づいて単位時間当たりの温
    度上昇速度を演算する温度勾配演算手段と、前記温度セ
    ンサの検出温度に基づいて沸点を検出する沸点検出手段
    と、前記温度センサの検出温度に基づいて始動時以後に
    おける最低温度を検出する最低温度検出手段と、前記沸
    点検出手段により検出された沸点が煮もの料理で検出さ
    れる通常の沸点範囲よりやや高い第1所定温度以下の場
    合は消火温度を煮もの料理に適した低めの温度に設定す
    る第1消火温度設定手段と、この第1消火温度設定手段
    が消火温度を設定しない場合において前記最低温度検出
    手段により検出された最低温度が前記第1所定温度より
    やや低い第2所定温度以下でないときは消火温度を油も
    の料理に適した高めの温度に設定する第2消火温度設定
    手段と、前記第1及び第2消火温度設定手段が消火温度
    を設定しない場合において前記温度勾配演算手段により
    検出された前記第1及び第2所定温度付近における温度
    上昇速度が所定値以下のときは消火温度を煮もの料理に
    適した低めの温度に設定すると共に同温度上昇速度が前
    記所定値を越えるときは消火温度を油もの料理に適した
    高めの温度に設定する第3消火温度設定手段を備え、前
    記加熱停止手段は前記温度センサの検出温度が前記第1
    〜第3消火温度設定手段により設定された消火温度を越
    えた場合に前記加熱手段の作動を停止することを特徴と
    する調理器用自動消火装置。
  2. 【請求項2】 前記温度センサの検出温度が前記最低温
    度検出手段により検出される最低温度を所定の小温度以
    上越えるまでは前記沸点検出手段による沸点の検出を禁
    止する沸点検出禁止手段を更に備えてなる請求項1に記
    載の調理器用自動消火装置。
  3. 【請求項3】 前記煮もの料理に適した低めの温度及び
    油もの料理に適した高めの温度の少なくとも何れか一方
    を前記温度センサ及び各検出手段の検出状態に応じて複
    数設定してなる請求項1及び2に記載の調理器用自動消
    火装置。
  4. 【請求項4】 起動直後における煮もの料理及び油もの
    料理の状態から焼きもの料理の状態に切り換える手動操
    作の選択手段を更に備え、前記第1〜第3消火温度設定
    手段は煮もの料理及び油もの料理の場合において消火温
    度を設定する請求項1、2及び3に記載の調理器用自動
    消火装置。
  5. 【請求項5】 鍋等の調理具に接してその温度を検出す
    る温度センサと、この温度センサの検出温度に基づいて
    前記調理具を加熱する加熱手段の作動を停止する加熱停
    止手段を備えてなる調理器用自動消火装置において、前
    記温度センサの検出温度に基づいて始動時以後の最低温
    度を検出する最低温度検出手段と、全ての使用条件にお
    ける最高制限温度を記憶する最高消火温度記憶手段と、
    油もの料理の場合の最高制限温度を記憶する油もの消火
    温度記憶手段と、始動初期の所定時間は消火温度を前記
    最高消火温度記憶手段に記憶された最高制限温度に設定
    すると共に前記所定時間内であっても前記温度センサの
    検出温度が前記最低温度検出手段により検出された最低
    温度から上昇して所定の制限温度を越えた場合には消火
    温度を前記油もの消火温度記憶手段に記憶された最高制
    限温度に設定する始動時消火温度設定手段を備え、前記
    加熱停止手段は前記温度センサの検出温度が前記始動時
    消火温度設定手段により設定された消火温度を越えた場
    合に前記加熱手段の作動を停止することを特徴とする調
    理器用自動消火装置。
  6. 【請求項6】 全ての使用条件における最高制限温度を
    記憶する最高消火温度記憶手段と、油もの料理の場合の
    最高制限温度を記憶する油もの消火温度記憶手段と、始
    動初期の所定時間は消火温度を前記最高消火温度記憶手
    段に記憶された最高制限温度に設定すると共に前記所定
    時間内であっても前記温度センサの検出温度が前記最低
    温度検出手段により検出された最低温度から上昇して所
    定の制限温度を越えた場合には消火温度を前記油もの消
    火温度記憶手段に記憶された最高制限温度に設定変更す
    る始動時消火温度設定手段を更に備えてなる請求項1に
    記載の調理器用自動消火装置。
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