JP3016681B2 - 高い比表面積とコントロールされた高構造性を有するシリカゲル及びその製造方法 - Google Patents
高い比表面積とコントロールされた高構造性を有するシリカゲル及びその製造方法Info
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ロールされた高構造性を有する新規なシリカゲル、更に
は該物性を有するシリカゲルの製造方法に関するもので
ある。
合物の吸着剤、クロマト用分離剤、ビール用濾過剤とし
て有用である。
2,466,842号に詳細に述べられている。すなわ
ちシリカヒドロゲルは、ケイ酸ナトリウムと硫酸を過剰
硫酸量が0.5Nの条件下において、混合ノズルを用い
て定量的に混合することによりシリカヒドロゾルを得、
ついでゲル化してシリカヒドロゲルを得ることができ
る。
00,859号記載のように、水熱処理によって種々の
比表面積に調整される。
とにより、種々の細孔容積を有するシリカゲルとなる。
6,268号記載のように、過熱蒸気下において、瞬時
に乾燥する方法が知られている。
により所望の粒度に調整されるか、上述した様な方法に
よって、乾燥と粉砕を同時に行うことにより種々の粒子
径に調整することができる。
径を有するものは、塗料の艶消し剤、フィルムのアンチ
ブロッキング剤、粘度調整剤等として利用されており、
5μm以上の平均2次粒子径を有するものは、クロマト
用分離剤、ビール用濾過剤として利用されている。
在するシラノール基による機能と、細孔による吸着機能
により説明される。このことから、高い比表面積を有し
ながら、コントロールされた高構造性を有するシリカゲ
ルがかねてより所望されていた。ここでコントロールさ
れた高構造性のシリカゲルとは、細孔容積0.5〜2.
5cc/g、細孔容積の90%以上が細孔直径20〜5
0Åであるものをいう。
しながら、コントロールされた高構造性を有するシリカ
ゲル、例えば、BET比表面積をA(m2 /g)としメ
ジアン細孔直径をB(Å)としたときに、これらの関係
が下記の式 A×B≧25000 で表わされるシリカゲルは従来提供されていなかった。
るシリカゲルは、A×Bが25000未満のシリカゲル
に比べて、表面シラノール基による吸着能に優れ、さら
に特定の細孔径を有するので、選択吸着性に優れてい
る。
ロールされた高構造性を有するシリカゲルが従来得られ
ていなかった理由としては次の如き点が考えられる。
と硫酸をpHが2程度の酸性側で混合ノズル等を用いて
反応させてシリカヒドロゾルを得る。この時、2〜3n
m程度のシリカの一次粒子が析出する。かかる一次粒子
は1000〜1500m2 /gの比表面積を有する。こ
の一次粒子が3次元網目構造を形成し、シリカヒドロゲ
ルとなる。シリカヒドロゲルは70〜90wt%程度の
水分を含んでおり、その全細孔容積は約2.0〜9.0
cc/gも存在している。
処理すると、比表面積の低下がおこる。
態は、カラム中にシリカヒドロゲルを充填し、その上部
あるいは下部より水洗水を連続的に流し込むことによっ
て行なわれる。また水洗水の、温度、pHをコントロー
ルすることによって、水洗と併せて水熱処理の効果をも
たせることができる。
たもつためには、USPl,900,859号記載のよ
うに、水洗の際30℃程度の低い温度で水洗することが
知られている。
るが、この時シリカヒドロゲルは激しく収縮し、細孔容
積は約0.3〜0.5cc/g程度まで著しく減少す
る。
ゲルの比表面積を保つ為に、低温で水洗を行なうことか
ら、シリカの溶解・析出がほとんどなく、3次元網目構
造中の一次粒子同士のシロキサン結合が究めて少なく、
その構造が弱いものとなり、その結果、水の蒸発時に起
こるといわれている毛管凝集力によって極度に収縮する
ためであると考えられる。
面積が高いと細孔直径が小さくなる傾向があり、本発明
の如き高い比表面積の領域において (BET比表面積):A(m2 /g),(メジアン細孔
直径):B(Å) A×B≧25000 の条件を満たすシリカゲルは得られていなかった。
った、高い比表面積でありながら、細孔容積が高く、か
つ細孔直径も高く維持された新規なシリカゲルについて
かねてより鋭意研究を重ね、体系的な検討を進めたとこ
ろ、本発明による方法によって一挙に解決できることを
見出すに至った。
ロールされた高構造性を有するシリカゲルを提供するこ
とを目的とする。
リカゲルを製造する方法を提供するところにある。
を有するシリカゲルについて鋭意研究を重ねた結果、本
発明で特定する条件下で、水熱処理を行なう行なうこと
により、従来製造するに至らなかった新規なシリカゲル
を容易に製造できる知見を見いだし、本発明を完成する
に至ったものである。
表面積700〜1100m2 /g、細孔容積0.5〜
2.5cc/g、細孔容積の90%以上が細孔直径20
〜50Åにあり、かつBET比表面積をA(m2 /g)
としメジアン細孔直径をB(Å)としたときにこれらの
関係が下記の式 A×B≧25000 で表わされる特性を有する。
は、ケイ酸ナトリウムと硫酸をpH0.5〜2.0の条
件下で混合して得られたシリカヒドロゲルを、比表面積
を低下させずに一次粒子の結合のみを増加させる目的
で、80℃〜200℃、好ましくは90℃〜150℃、
pH2.0以上4.0未満、好ましくは3.0未満で水
熱処理した後、乾燥工程を経ずに水洗し、その後乾燥す
ることにより得ることができる。
0m2 /g未満では、表面シラノール基による吸着機能
が不十分である。反対に1100m2 /gを越えるもの
は、理由は定かではないが、吸着機能が安定せず、使用
に際してシリカゲルの物性が著しく変化するという問題
があるため上記の範囲とされる。
高構造性を有することが必要であり、細孔容積が0.5
cc/g未満では吸着量が不十分である。反対に2.5
cc/gを越えるものは、本発明による方法では得るこ
とができない。更に、細孔容積20〜50Åのものが9
0%未満であると吸着性能が著しく悪くなり本発明の目
的が達成できない。そして、BET比表面積をA(m2
/g)としメジアン細孔直径をB(Å)としたときにA
×Bが25000未満であると、前述したように、吸着
性能が良くない。
25wt%、モル比3.3のケイ酸ナトリウムと、H2
SO4 42wt%の硫酸を混合ノズルを用いて、pH
0.5〜2.0、温度60℃以下の条件で混合し、シリ
カヒドロゾルを得、このシリカヒドロゾルが10分以内
にゲル化してシリカヒドロゲルを得ることができる。ま
たバッチ反応槽において、ケイ酸ナトリウムと硫酸をp
H0.5〜2.0の条件で同時に滴下しながら得ること
もでき、更にまた硫酸にケイ酸ナトリウムを加えること
によって得ることもできる。なお本発明は、これらの方
法に限定されるものではなく、シリカヒドロゲル生成時
の比表面積が700m2/g以上であればよいが、反応
はpH0.5〜2.0の範囲で行なうことが必要であ
る。
を、次いで水洗、水熱処理する。
ずに、3次元網目構造中の一次粒子の構造を強化させ、
次いで行なわれる乾燥の工程において収縮の影響を受け
ないようにすることである。
行うことも出来るが、かかる操作の場合、水熱処理の影
響が不均一になる可能性がある。細孔の分布のコントロ
ールを考慮した場合、好ましくは、水熱処理の後水洗を
行なうか、或は水洗の後水熱処理を行なうかして、水洗
と水熱処理を別々に実施するのが良い。例えば、バッチ
式で水熱処理をし、ついで水洗を行なうことが望まし
い。
て一定の時間、一定の温度、pH条件にシリカヒドロゲ
ルを保持することを言う。
カゲルの一次粒子の成長がおこり高い比表面積を維持す
ることができない。高い比表面積を維持することは温度
を下げることによりできるが、温度が80℃以下では、
次いで行なわれる乾燥により極度にシリカゲルが収縮
し、高い細孔容積と高い細孔直径を維持することが出来
ない。
示す比較例l、2で明らかな様に、pH4未満で水洗す
ることが重要であるが、かかる操作のみでは、高い比表
面積のものは得られるものの、本発明によるところのコ
ントロールされた高構造性を有するには至らず、形成さ
れた細孔の径はかかる比較的弱い構造の為か非常に小さ
い状態で存在する。
ように、本発明によるところの条件において水熱処理を
行なったものについては、十分な細孔容積を保ちかつ細
孔の分布も非常に狭い分布で存在する。
pH4.0未満において温度が不十分であると、一次粒
子の結合を増加させる効果が不十分となり、乾燥時の収
縮の影響を受けるためと考えられる。
熱処理を行なったものについては、一次粒子の結合が増
加し構造が強固になったためか、乾燥時の収縮の影響が
均一に起り、その為にコントロールされた高構造性を有
すると考えられる。
によるところの細孔容積と細孔径、細孔分布は有するも
のの、比表面積を保つことができない。
比表面積700〜ll00m2/g、細孔容積0.5〜
2.5cc/g、細孔容積の90%以上が細孔直径20
〜50Åにあり、かつBET比表面積とメジアン細孔直
径の関係が下記の式 (BET比表面積):A(m2 /g),(メジアン細孔
直径):B(Å) A×B≧25000 で表わされる特性を有する新規なシリカゲルであり、上
述した製造法により容易に得ることができる。
その得意な吸着性能を利用した用途に適しており、例え
ばフィルムのアンチブロッキング剤としての使用にあっ
ては、フィルム性能を悪くする樹脂のモノマー成分の吸
着に効果を発揮し、クロマト用分離剤にあっては、分子
径10〜30Åの有機物の吸着剤用として、またビール
用濾過剤としては、ビールの保存安定性を損なうタンパ
ク質等を吸着するのに効果を発揮する。
機物の吸着特性が著しく優れており、工業的に極めて有
用である。
〜ll00m2 /g、細孔容積0.5〜2.5cc/
g、細孔容積の90%以上が細孔直径20〜50Åにあ
り、かつBET比表面積とメジアン細孔直径の関係が下
記の式 (BET比表面積):A(m2 /g),(メジアン細孔
直径):B(Å) A×B≧25000 で表わされることを特徴とする新規なシリカゲルを得る
ことができ、かかる新規なシリカゲルは、低分子有機化
合物の吸着剤、クロマト用分離剤、ビール用濾過剤とし
て有用である。
た。
吸脱着等温線を測定の後、S.Brunauer,P.H.Emett,E.Tel
ler 法(J.Am.Chem.Soc.,60,309(1938) )を用いて行な
った。
吸脱着等温線を測定の後、Barrett-Joyner-Halenda法
(J.Am.Chem.Soc.,73,373(1951) )を用いて行なった。
alenda法(J.Am.Chem.Soc.,73,373(1951) )を用いて決
定し、細孔容積との関係を表2に記載の如く求め、その
メジアンを細孔直径とした。
と硫酸H2 SO4 42wt%を、ケイ酸ナトリウム流
量約l5リットル/min、硫酸流量約7.0リットル
/minの条件で、混合ノズルを用いて混合し、シリカ
ヒドロゾルを得た。この時の温度は約50℃であった。
リカヒドロゲルを得た。
10mmに粉砕したのち、90℃、pH2.6の条件に
おいて4.0時間水熱処理を行なった。
ゲルを水洗し、200℃で乾燥してシリカゲルを得た。
孔存在率の関係を下記表1に記載した。
表2に記載した。
径を下記表3に記載した。
部、スリップ剤0.1重量部に対し、上記実施例1のシ
リカゲルを粉砕の後、0.4重量部添加したものをミキ
サーで混合の後、一軸押出機により溶融混連してしペレ
ットを作成し、次いでこのペレットを水冷インフレーシ
ョンフィルム製造装置を用いてフィルムを製造した。
した後、フィルム表面にブリードしてくる有機物量を目
視により観察した結果を参考例として表4に記載した。
は、実施例lと同様にしてシリカゲルを得た。
孔存在率の関係を上記表1に記載した。
表2に記載した。
径を上記表3に記載した。
2のシリカゲルを添加,混合、混連して作成したペレッ
トによりフィルムを製造し、製造したフィルムを30℃
で24時間保存した後、フィルム表面にブリードしてく
る有機物量を目視により観察した結果を参考例として上
記表4に記載した。
は、実施例1と同様にしてシリカゲルを得た。
孔存在率の関係を上記表1に記載した。
表2に記載した。
径を上記表3に記載した。
3のシリカゲルを添加,混合、混連して作成したペレッ
トによりフィルムを製造し、製造したフィルムを30℃
で24時間保存した後、フィルム表面にブリードしてく
る有機物量を目視により観察した結果を参考例として上
記表4に記載した。
は、実施例1と同様にしてシリカゲルを得た。
孔存在率の関係を上記表1に記載した。
表2に記載した。
径を上記表3に記載した。
1のシリカゲルを添加,混合、混連して作成したペレッ
トによりフィルムを製造し、製造したフィルムを30℃
で24時間保存した後、フィルム表面にブリードしてく
る有機物量を目視により観察した結果を参考例として上
記表4に記載した。
は、実施例lと同様にしてシリカゲルを得た。
孔存在率の関係を上記表1に記載した。
表2に記載した。
径を上記表3に記載した。
2のシリカゲルを添加,混合、混連して作成したペレッ
トによりフィルムを製造し、製造したフィルムを30℃
で24時間保存した後、フィルム表面にブリードしてく
る有機物量を目視により観察した結果を参考例として上
記表4に記載した。
は、実施例1と同様にしてシリカゲルを得た。
積、細孔直径を上記表1に記載した。この時の細孔直径
と累積細孔容積、累積細孔存在率の関係を上記表1に記
載した。
細孔直径を上記表1に記載した。
表2に記載した。
径を上記表3に記載した。
3のシリカゲルを添加,混合、混連して作成したペレッ
トによりフィルムを製造し、製造したフィルムを30℃
で24時間保存した後、フィルム表面にブリードしてく
る有機物量を目視により観察した結果を参考例として上
記表4に記載した。
は、実施例1と同様にしてシリカゲルを得た。
孔存在率の関係を上記表lに記載した。
表2に記載した。
径を上記表3に記載した。
4のシリカゲルを添加,混合、混連して作成したペレッ
トによりフィルムを製造し、製造したフィルムを30℃
で24時間保存した後、フィルム表面にブリードしてく
る有機物量を目視により観察した結果を参考例として上
記表4に記載した。
Claims (2)
- 【請求項1】 BET比表面積700〜1100m2/
g、細孔容積0.5〜2.5cc/g、細孔容積の90
%以上が細孔直径20〜50Åにあり、かつBET比表
面積をA(m2/g)としメジアン細孔直径をB(Å)
としたときにこれらの関係が下記の式 A×B≧25000 で表されることを特徴とするシリカゲル。 - 【請求項2】 ケイ酸ナトリウムと硫酸をpH0.5〜
2.0の条件下で混合して得られるシリカヒドロゲルを
80〜200℃、pH2.0以上4.0未満で水熱処理
した後、乾燥工程を経ずに水洗し、その後乾燥すること
を特徴とする請求項1に記載のシリカゲルの製造方法。
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JP28495893A JP3016681B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | 高い比表面積とコントロールされた高構造性を有するシリカゲル及びその製造方法 |
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JP28495893A JP3016681B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | 高い比表面積とコントロールされた高構造性を有するシリカゲル及びその製造方法 |
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JPH07138013A JPH07138013A (ja) | 1995-05-30 |
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-
1993
- 1993-11-15 JP JP28495893A patent/JP3016681B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Ralph K Iler "THE CHEMISTYR OF SILICA"(1979)JOHN WILEY & SONS Inc.(米)p.533 |
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