JP3016625B2 - フェノキシ酢酸誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤 - Google Patents

フェノキシ酢酸誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤

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JP3016625B2
JP3016625B2 JP3130100A JP13010091A JP3016625B2 JP 3016625 B2 JP3016625 B2 JP 3016625B2 JP 3130100 A JP3130100 A JP 3130100A JP 13010091 A JP13010091 A JP 13010091A JP 3016625 B2 JP3016625 B2 JP 3016625B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、虚血による器質性又は
機能性障害、例えば、狭心症、心筋梗塞、心不全等の虚
血性心疾患又は脳浮腫、脳卒中後遺症等の脳虚血性疾患
の治療剤として有用な新規化合物であるフェノキシ酢酸
誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品として利用されているベンゾキノ
ン誘導体には、生体内成分でもあるユビデカレノン(コ
エンザイムQ10)が代表的なものとして知られており、
これらの化合物が好気的解糖系における電子伝達物質と
して働くとともに、脂質過酸化抑制作用、細胞膜安定化
作用等の多様な生体内作用を有することより、既にその
ベンゾキノン環上の置換基を修飾した誘導体、特にその
長鎖アルキル側鎖(デカプレニル基)部分を修飾した誘
導体についての合成例が多数報告されている(例えば特
開昭50−148325号公報、特開昭51−128932号公報、特開
昭56−154433号公報、特開昭57−109739号公報など参
照) 。最近そのベンゾキノン環のアルキル側鎖部に、芳
香環または異項環を導入した誘導体の合成例およびその
医薬品としての有用性が報告されるようになり、例えば
特開昭62−286949号公報においては、一般式:
【0003】
【化4】
【0004】(式中、R11,R12及びR13は各々独立に
水素原子、メチル基又はメトキシ基、R14は、水素原
子、ヒドロキシメチル基、エステル化又はアミド化され
ていてもよいカルボキシル基を表わし、Aはエチレン基
又はビニレン基、nは0又は1を表わす)で表わされる
ユビデカレンのデカプレニル基をフェニルメチル基に変
換した型のベンゾキノン誘導体の合成例が示されてい
る。しかし、本発明化合物のようにフェノキシ酢酸型の
誘導体の合成法および合成例については従来知られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ヒトの平均寿命が長く
なり、老年人口が増加するとともに、近年、特に脳梗
塞、脳卒中、心筋梗塞、心不全等のいわゆる虚血(イス
ケミア)によりひきおこされる各臓器の器質的損傷に起
因すると考えられる諸疾患の改善、治療薬の開発研究が
盛んになってきている。
【0006】しかし、従来上記疾患に通常用いられてい
る循環改善薬あるいは代謝改善薬のみでは十分な効果が
得られていないのが現状である。
【0007】最近になり、特に動脈硬化の進展、血栓の
形成、さらには虚血および虚血再灌流後の障害の進展機
序に関する研究が活発に行なわれ、例えば脳内において
は海馬CAI領域における遅発性の細胞壊死という現象
が見出され、又、心臓においても虚血−再灌流後にみら
れる心筋収縮力の低下等、心機能の低下が一般に観察さ
れており、虚血後の生化学的変化と細胞障害機序を考察
した上で、新しい型の薬剤へのアプローチが必要である
と考えられる。
【0008】本発明者らは、血栓形成、動脈硬化の進展
および虚血あるいはそれに続く再灌流障害を抑制するこ
とのできる化合物のスクリーニングを行なってきた。そ
の結果、本発明に示される化合物は血小板凝集抑制作
用、細胞障害抑制作用、脳浮腫抑制作用等を有し、広い
有用性を示すものであることを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(Ia)または(Ib):
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R1 ,R2 及びR3 は各々独立に
炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキ
シ基、R5 及びR6 は各々独立にヒドロキシル基又は炭
素数1〜5のアルコキシ基、R4 はエステル化又はアミ
ド化されていてもよいカルボキシル基を表わす)で表わ
されるフェノキシ酢酸誘導体及びそれを有効成分として
含有する虚血に起因する器質性又は機能性障害治療剤が
提供される。
【0013】ここで、炭素数1〜5のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert−ブチル基等があげられ、炭素数1
〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基等を挙げることができる。
【0014】また、R4 のエステル化又はアミド化され
ていてもよいカルボキシル基としては、例えば、カルボ
キシル基の他、基−COOR7 (式中、R7 は水素原子、炭
素数1〜5のアルキル基、置換されていてもよいフェニ
ル基又は置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキ
ル基を示す)又は基:
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R8 及びR9 は各々独立に水素原
子、炭素数1〜5のアルキル基、置換されていてもよい
フェニル基もしくは置換されていてもよい炭素数7〜10
のアラルキル基を表わすか、又はR8 及びR9 は一緒に
なって、窒素原子を含む異項環基を表わす)が挙げられ
る。
【0017】ここで、炭素数1〜5のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert−ブチル基等があげられ、置換され
ていてもよいフェニル基としては、フェニル基の他、メ
チルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、tert
−ブチルフェニル基等のアルキル置換フェニル基、メト
キシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェ
ニル基、イソプロポキシフェニル基、ブトキシフェニル
基、tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェ
ニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオ
ロフェニル基等のハロゲン置換フェニル基又はニトロフ
ェニル基等があげられ、炭素数7〜12のアラルキル基と
しては、ベンジル基、フェネチル基又はメチルベンジル
基、エチルベンジル基、プロピルベンジル基、イソプロ
ピルベンジル基、ブチルベンジル基、tert−ブチルベン
ジル基等のアルキル置換ベンジル基、メチルフェネチル
基、エチルフェネチル基、プロピルフェネチル基、イソ
プロピルフェネチル基、ブチルフェネチル基、tert−ブ
チルフェネチル基等のアルキル置換フェネチル基等があ
げられ、窒素原子を含む異項環基としては、モルホリニ
ル基、チオモルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジ
ニル基、ピペラジニル基もしくは4位が炭素数1〜5の
炭素原子、置換されていてもよいフェニル基又は炭素数
7〜12のアラルキル基で置換されたピペラジニル基等が
挙げられる。
【0018】また、4位置換基としての置換されていて
もよいフェニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基とし
ては、上述と同様の基を挙げることができる。
【0019】本発明化合物は例えば以下のようにして合
成することができる。
【0020】一般式(II):
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R1 〜R3 は前記定義の通りであ
り、R5 ′及びR6 ′は各々独立に炭素数1〜5のアル
コキシ基を表わす)で表わされるアルデヒド化合物をハ
ロゲン化フェノール誘導体と反応させることにより、一
般式 (III):
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R1 〜R3 ,R5 ′及びR6 ′は
前記定義の通りであり、BZは置換されていてもよいベン
ジル基を表わす)を得、この化合物をルイス酸等の触媒
存在下でトリエチルシラン等の還元剤で還元、次いで脱
ベンジル化することにより、一般式(IV):
【0025】
【化10】
【0026】(式中、R1 〜R3 ,R5 ′及びR6 ′は
前記定義に同じ)を得る。
【0027】次に該化合物を、アセトン等の反応に関与
しない溶媒中、炭酸カリウム等の塩基の存在下、アルキ
ルブロモ酢酸エステル類と、室温〜50℃の温度で攪拌す
ることにより、一般式(Ib−1)で表される目的化合
物を得る。
【0028】
【化11】
【0029】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R5 ′及びR
6 ′は前記定義の通りであり、R7 ′は低級アルキル基
を表わす)。
【0030】また、上記化合物を塩基性条件で加水分解
し、カルボン酸化合物(式IbにおいてR4 =COOH)と
した後、4−ジメチルアミノピリジン等の触媒存在下又
は非存在下、脱水縮合剤を用いてR7 −OHで表されるア
ルコール類又は
【0031】
【化12】
【0032】で表わされるアミン類と縮合することによ
り、一般式(Ib−2):
【0033】
【化13】
【0034】(式中、R1 〜R4 ,R5 ′及びR6 ′は
前記定義に同じ)を得る。
【0035】さらに、該化合物(Ib−2)をアセトニ
トリルと水との混合溶媒等反応に関与しない溶媒中、硝
酸第二セリウムアンモニウム等の酸化剤で酸化すること
により、一般式(Ia):
【0036】
【化14】
【0037】(式中、R1 〜R4 は前記定義に同じ)を
得る。また、前記一般式(IV)の化合物を、アセチル化
し、次いで硝酸第二セリウムアンモニウム等の酸化剤で
酸化後、例えばメタノールと飽和重水素ナトリウム等の
溶媒中で処理し脱アセチル化することにより、一般式
(V):
【0038】
【化15】
【0039】(式中、R1 〜R3 は前記定義に同じ)を
得る。
【0040】次に、該化合物を、アセトン等の反応に関
与しない溶媒中、炭酸カリウム等の塩基存在下、アルキ
ルブロモ酢酸エステル類と、室温〜50℃の温度で攪拌す
ることにより、一般式(Ia−1)で表される化合物を
得る。
【0041】
【化16】
【0042】(式中、R7 ′は低級アルキル基を表わ
す)。
【0043】又、化合物(Ia−1)は以下の方法によ
っても合成できる。一般式(II′):
【0044】
【化17】
【0045】(式中、R1 〜R3 は前記定義の通りであ
り、R5 ″は水素原子又は炭素数1〜5のアルコキシ基
を表わす)で表わされるアルデヒド化合物をハロゲン化
フェノール誘導体と反応させることにより、一般式(II
I′) :
【0046】
【化18】
【0047】(式中、R1 〜R3 及びR5 ″は前記定義
の通りであり、BZは置換されていてもよいベンジル基を
表わす)を得、この化合物をアセチル化し、次いでルイ
ス酸等の触媒存在下で、トリエチルシラン等の還元剤で
還元、次いで脱ベンジル化及び脱アセチル化することに
より、一般式(IV′):
【0048】
【化19】
【0049】(式中、R1 〜R3 及びR5 ″は前記定義
に同じ)を得る。
【0050】次に該化合物をアセトン等の反応に関与し
ない溶媒中、炭酸カリウム等の塩基存在下、アルキルブ
ロモ酢酸エステル類と、室温〜50℃の温度で攪拌するこ
とにより、一般式(Ib−3):
【0051】
【化20】
【0052】(式中、R7 ′は低級アルキル基を表わ
す)を得る。
【0053】一般式(Ib−3)で表わされる化合物
は、反応に関与しない溶媒中、ニトロソジスルホン酸カ
リウムで酸化するか、又はサルコミンの存在下に酸素酸
化することにより、一般式(Ia−1):
【0054】
【化21】
【0055】で表わされる化合物を得ることができる。
【0056】更に、化合物(Ia−1)中、例えば
7 ′=t−Buである化合物を、ギ酸又はトリフルオロ
酢酸−塩化メチレン等の溶媒中、0℃〜室温で攪拌する
ことにより、カルボン酸化合物(式IaにおいてR4
COOH)とした後、R7 −OHで表されるアルコール類
【0057】
【化22】
【0058】で表されるアミン類と縮合することによ
り、一般式(Ia)の化合物を得ることができる。
【0059】R4 のエステル化又はアミド化されていて
もよいカルボキシル基としては、例えば、カルボキシル
基の他、基−COOR7(式中、R7 は水素原子、炭素数1
〜5のアルキル基、置換されていてもよいフェニル基又
は置換されていてもよい炭素数7〜10のアラルキル基を
示す)又は基:
【0060】
【化23】
【0061】(式中、R8 及びR9 は各々独立に水素原
子、炭素数1〜5のアルキル基、置換されていてもよい
フェニル基もしくは置換されていてもよい炭素数7〜10
のアラルキル基を示すか、又はR8 及びR9 は一緒にな
って、窒素原子を含む異項環基を示す)が挙げられる。
【0062】ここで、炭素数1〜5のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert−ブチル基等があげられ、置換され
ていてもよいフェニル基としては、フェニル基の他、メ
チルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、tert
−ブチルフェニル基等のアルキル置換フェニル基、メト
キシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェ
ニル基、イソプロポキシフェニル基、ブトキシフェニル
基、tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェ
ニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオ
ロフェニル基等のハロゲン置換フェニル基又はニトロフ
ェニル基等があげられ、炭素数7〜12のアラルキル基と
しては、ベンジル基、フェネチル基又はメチルベンジル
基、エチルベンジル基、プロピルベンジル基、イソプロ
ピルベンジル基、ブチルベンジル基、tert−ブチルベン
ジル基等のアルキル置換ベンジル基、メチルフェネチル
基、エチルフェネチル基、プロピルフェネチル基、イソ
プロピルフェネチル基、ブチルフェネチル基、tert−ブ
チルフェネチル基等のアルキル置換フェネチル基等があ
げられ、窒素原子を含む異項環基としては、モルホリニ
ル基、チオモルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジ
ニル基、ピペラジニル基もしくは4位が炭素数1〜5の
炭素原子、置換されていてもよいフェニル基又は炭素数
7〜12のアラルキル基で置換されたピペラジニル基等が
挙げられる。
【0063】また、4位置換基としての置換されていて
もよいフェニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基とし
ては、上述と同様の基を挙げることができる。
【0064】又、一般式(Ia)で表わされるベンゾキ
ノン誘導体は、ジオキサン、エタノール等の反応に関与
しない溶媒中、パラジウム−炭素等の触媒存在下に接触
還元するか、又は塩化メチレン等の溶媒に溶解し、ハイ
ドロサルファイトナトリウム水溶液等とともに激しく攪
拌することにより、容易に対応するヒドロキノン誘導体
(式IbにおいてR5 =R6 =OH)へと変換できる。
【0065】本発明の前記の一般式(Ia)又は(I
b)の化合物は、低毒性であり、それ自体単独で使用し
てもよいが、所望により他の通常の薬理学的に許容され
る担体、賦形剤、希釈剤などと混合して所望の剤型(例
えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、座剤
など)として経口的又は非経口的に投与することができ
る。
【0066】本発明の器質性又は機能性障害治療剤の投
与量は、種々の要因、例えば治療すべき患者の症状、年
齢、投与経路、剤形、投与回数などに依存するが、通
常、 0.1〜1000mg/日/人、好ましくは10〜 500mg/日
/人が適当である。
【0067】
【実施例】以下、参考例及び実施例に基づいて、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明の範囲をこれらの実
施例に限定するものでないことはいうまでもない。
【0068】参考例1 4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノール(化合物k)の合成 2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルベンズア
ルデヒド7.05g(33.90mmol) の無水テトラヒドロフラン
溶液(100ml) を、p−ベンジルオキシブロモベンゼン1
5.3g(58.17mmol) とマグネシウム1.70g(69.96mmol)
を無水テトラヒドロフラン 200ml中、50℃で処理するこ
とにより調製したグリニヤール試薬中へ0℃にて加え、
2時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液
にあけ、エーテル抽出した。抽出液を水洗、乾燥後、減
圧下濃縮し残渣を得た。この残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1にて
溶出)で精製し、化合物a:〔1−(4−ベンジルオキ
シ)フェニル−1−(2,5−ジメトキシ−3,4,6
−トリメチル)フェニルメタノール〕 10.42g(78.4
%) を得た。
【0069】上記化合物a 6.0g(15.30mmol) の塩化メ
チレン溶液 100mlを、トリエチルシラン2.14g(18.45mm
ol) およびトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシ
リル170mg(0.77mmol) の塩化メチレン溶液 200mlに滴下
した。反応液は0℃で1時間攪拌後、水洗し、乾燥後減
圧濃縮することにより、化合物c:〔2−(4−ベンジ
ルオキシ)−フェニルメチル−1,4−ジメトキシ−
3,5,6−トリメチルベンゼン〕5.70g (99.0%) を
得た。
【0070】次に化合物c 5.70g(15.16mmol) 及び5
%パラジウム−炭素 1.0gをエタノール 300ml中、水素
気流下50℃で攪拌した。反応液をろ過後、減圧下濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて溶出)で精製
し、化合物e:〔4−(2,5−ジメトキシ−3,4,
6−トリメチルフェニル)メチルフェノール〕4.05g
(93.4%) を得た。
【0071】さらに、化合物e 500mg (1.75mmol) の塩
化メチレン溶液 (30ml) に、無水酢酸 428mg、ピリジン
828mgおよびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)
43mgを加え、室温にて14時間攪拌した。反応液を5% H
Cl水溶液および飽和食塩水で洗浄後、減圧下濃縮して得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
精製(ヘキサン:酢酸エチル=6:1にて溶出)し、化
合物g:〔4−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−ト
リメチルフェニル)メチルフェニルアセテート〕 570mg
(99%) を得た。
【0072】次に化合物g 527mg (1.61mmol) のアセト
ニトリル (75ml) −水 (25ml) 溶液に、硝酸第二セリウ
ムアンモニウム2.20gを加え、室温で30分間攪拌した。
反応液を水中にあけエーテル抽出し、エーテル層は水
洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
(ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて溶出)し、化合物
i:〔4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾ
キノン−2−イル)メチルフェニルアセテート〕 403mg
(84.2%) を得た。
【0073】さらに、化合物i 380mg (1.28mmol) のメ
タノール溶液 (80ml) に飽和重炭酸水素ナトリウム水溶
液 (20ml) 及び水 (20ml) を加え、室温で1時間攪拌し
た。反応液を水で希釈後、濃塩酸を加えpH1〜2としエ
ーテル抽出した。エーテル層は水洗後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより標記化合物
278mg (1.0859mmol,85.2%)を得た。
【0074】参考例2 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノール(化合物l)の合成 参考例1の方法において、p−ベンジルオキシブロモベ
ンゼンの代わりにm−ベンジルオキシブロモベンゼンを
使用することにより、 化合物b:〔1−(3−ベンジルオキシ)フェニル−1
−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチル)フ
ェニルメタノール〕、 化合物d:〔2−(3−ベンジルオキシ)フェニルメチ
ル−1,4−ジメトキシ−3,5,6−トリメチルベン
ゼン〕、 化合物f:〔3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−
トリメチルフェニル)メチルフェノール〕、 化合物h:〔3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−
トリメチルフェニル)メチルフェニルアセテート〕、 化合物j:〔3−(3,5,6−トリメチル−1,4−
ベンゾキノン−2−イル)メチルフェニルアセテー
ト〕、 化合物l:〔3−(3,5,6−トリメチル−1,4−
ベンゾキノン−2−イル)メチルフェノール〕を得た。
【0075】参考例3 3−(2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチ
ルフェニル)メチルフェノキシ酢酸tert−ブチル(エス
テル)(化合物w)の合成 2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチルベン
ズアルデヒド1.11g (5.66mmol) の無水テトラヒドロフ
ラン溶液 (40ml) を、m−ベンジルオキシブロモベンゼ
ン4.48gとマグネシウム 440mgを無水テトラヒドロフラ
ン (40ml) 中、50℃で処理することにより調製したグリ
ニヤール試薬中へ0℃にて加え、5時間攪拌した。反応
液を飽和アンモニウム水溶液にあけ、エーテル抽出し
た。抽出液を水洗、乾燥後、減圧下濃縮し残渣を得た。
この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:1にて溶出)で精製し、化合物
m:〔1−(3−ベンジルオキシ)フェニル−1−(2
−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチル)フェ
ニルメタノール〕1.69g(4.45mmol,78%) を得た。
【0076】化合物m 1.65g(4.34mmol) 、無水酢酸
1.33g、ピリジン1.20g及び4−ジメチルアミノピリジ
ン30mgの無水塩化メチレン溶液(150ml) を室温で12時間
攪拌した。反応液を5%塩酸水溶液及び飽和食塩水で洗
浄後、乾燥、溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:
1にて溶出)にて精製し、化合物o:〔1−(3−ベン
ジルオキシ)フェニル−1−(2−アセトキシ−3,4
−ジメトキシ−6−メチル)フェニルメチルアセテー
ト〕1.87g(4.03mmol,93%) を得た。
【0077】上記化合物o 900mg(1.94mmol) の無水塩
化メチレン溶液 (40ml) を、トリエチルシラン 292mg
(2.51mmol) 及びトリフルオロメタンスルホン酸トリメ
チルシリル22mg (0.10mmol) の無水塩化メチレン溶液
(40ml) に滴下した。反応液は0℃で20分間攪拌後、水
洗し、乾燥後、減圧下濃縮することにより化合物g:
〔2−(3−ベンジルオキシ)フェニルメチル−3−ア
セトキシ−4,5−ジメトキシトルエン〕 656mg (1.62
mmol,84%) を得た。
【0078】次いで化合物q 650mg (1.60mmol) 及びパ
ラジウム−黒 100mgをジオキサン (50ml) 中、水素気流
下室温で12時間攪拌した。反応をろ過後、減圧下濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)にて精製
し、化合物s:〔3−(2−アセトキシ−3,4−ジメ
トキシ−6−メチルフェニル)メチルフェノール〕 380
mg(1.20mmol,75%) を得た。
【0079】次いで化合物s 95mg (0.30mmol)、1N水
酸化ナトリウム水溶液(10ml) 及びテトラヒドロフラン
(10ml) の混合溶液を室温にて12時間攪拌した。反応液
に濃塩酸を加えpH1〜2にした後、エーテル抽出した。
抽出液は水洗、乾燥後、減圧下濃縮し、化合物u:〔3
−(2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチル
フェニル)メチルフェノール〕72mg(0.26mmol,87%)
を得た。
【0080】化合物u 72mg(0.26mmol) のアセトン溶液
(20ml) にブロモ酢酸tert−ブチル61mg (0.31mmol) 、
無水炭酸カリウム 124mgを加え、室温で14時間攪拌し
た。反応液を濾過後、濾液を減圧下濃縮して得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し
(ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて溶出)、標記化合
物43mg(0.11mmol,42%) 及び原収回収16mg (0.06mmo
l,23%)を得た。
【0081】参考例4 4−(2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチ
ルフェニル)メチルフェノキシ酢酸tert−ブチル(エス
テル)(化合物x)の合成 参考例3の方法において、m−ベンジルオキシブロモベ
ンゼンの代わりにp−ベンジルオキシブロモベンゼンを
使用することにより、 化合物n:〔1−(4−ベンジルオキシ)フェニル−1
−(2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチ
ル)フェニルメタノール〕、 化合物p:〔1−(4−ベンジルオキシ)フェニル−1
−(2−アセトキシ−3,4−ジメトキシ−6−メチ
ル)フェニルメチルアセテート〕、 化合物r:〔2−(4−ベンジルオキシ)フェニルメチ
ル−3−アセトキシ−4,5−ジメトキシトルエン〕、 化合物t:〔4−(2−アセトキシ−3,4−ジメトキ
シ−6−メチルフェニル)メチルフェノール〕、 化合物v:〔4−(2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキ
シ−6−メチルフェニル)メチルフェノール〕、 化合物x:〔4−(2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキ
シ−6−メチルフェニル)メチルフェノキシ酢酸tert−
ブチル〕 を得た。化合物a〜xの物性データを第1表に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】実施例1 4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシ酢酸tert−ブチル (エス
テル) の合成 化合物k 150mg (0.59mmol) のアセトン溶液 (20ml)
に、無水炭酸カリウム 485mg及びブロモ酢酸tert−ブチ
ルエステル 229mgを加え、室温で14時間攪拌した。反応
液を濾過後、濾液を減圧下濃縮して得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:1)、標記化合物 145mg (0.39mm
ol,66.9%) を得た。
【0088】実施例2 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシ酢酸tert−ブチル (エス
テル) の合成 化合物l 62mg(0.24mmol) のアセトン溶液 (20ml) に、
無水炭酸カリウム 200mg及びブロモ酢酸tert−ブチルエ
ステル94mgを加え、室温で14時間攪拌した。反応液を濾
過後、濾液を減圧下濃縮して得られる残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸
エチル=6:1)、標記化合物65mg (0.18mmol,72.5
%) を得た。
【0089】実施例3 4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシ酢酸の合成 実施例1で得た化合物 130mg (0.35mmol) のギ酸溶液(1
0ml) を室温で1時間攪拌後、減圧下濃縮し、残渣をエ
ーテル−ヘキサン(3:1)で再結晶し、標記化合物82
mg (0.26mmol,74.3%) を得た。
【0090】実施例4 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシ酢酸の合成 実施例2で得た化合物65mg (0.17mmol) のギ酸溶液 (5
ml) を室温で1時間攪拌した後、減圧下濃縮し、残渣を
エーテル−ヘキサン(1:1)で再結晶し、標記化合物
40mg (0.12mmol,72.5%) を得た。
【0091】実施例5 4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシアセチルモルホリンの合
実施例3で得た化合物35mg (0.11mmol) の塩化メチレン
溶液 (20ml) に、モルホリン13mg及び1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
38mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を水洗後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮することに
より得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=1:3にて溶
出)、標記化合物26mg (0.07mmol,60.9%) を得た。
【0092】実施例6 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシアセチルモルホリンの合
実施例4で得た化合物70mg (0.22mmol) の塩化メチレン
溶液 (30ml) に、モルホリン25mg及び1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
77mgを加え、室温で3時間攪拌した。反応液を水洗後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮することに
より得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=1:3にて溶
出)、標記化合物49mg (0.13mmol,57.4%) を得た。
【0093】実施例7 4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシアセチルチオモルホリン
の合成 実施例3で得た化合物35mg (0.11mmol) の塩化メチレン
溶液 (20ml) に、チオモルホリン15mg及び1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩
酸塩38mgを加え、室温で3時間攪拌した。反応液を水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮するこ
とにより得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて
溶出)、標記化合物29mg (0.07mmol,65.2%) を得た。
【0094】実施例8 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシアセチルチオモルホリン
の合成 実施例4で得た化合物70mg (0.22mmol) の塩化メチレン
溶液 (30ml) に、チオモルホリン30mg及び1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩
酸塩77mgを加え、室温で3時間攪拌した。反応液を水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮するこ
とにより得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて
溶出)、標記化合物55mg (0.14mmol,61.8%) を得た。
【0095】実施例9 4−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフ
ェニル)メチルフェノキシ酢酸エチル(エステル)の合
化合物e 187mg (0.65mmol) のアセトン溶液 (20ml)
に、炭酸カリウム 117mg及びブロモ酢酸エチル 142mgを
加え、室温で14時間攪拌した。反応液を濾過後、濾液を
減圧下濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=3:
1にて溶出)、標記化合物 178mg (0.4784mmol,73.2
%) を得た。
【0096】実施例10 3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフ
ェニル)メチルフェノキシ酢酸エチル(エステル)の合
化合物f 404mg (1.41mmol) のアセトン溶液 (50ml)
に、炭酸カリウム 254mg及びブロモ酢酸エチル 307mgを
加え、室温で14時間攪拌した。反応液を濾過後、濾液を
減圧下濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=3:
1にて溶出)、標記化合物 382mg (1.03mmol,72.7%)
を得た。
【0097】実施例11 4−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシ酢酸エチル(エステル)
の合成 実施例9で得た化合物 380mg (1.0215mmol) のアセトニ
トリル (30ml) −水(10ml) 溶液に、硝酸第二セリウム
アンモニウム1.40gを加え、室温で30分間攪拌した。反
応液を水中にあけ、エーテル抽出し、エーテル層は水
洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し
(ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)、標記化合
物 290mg (0.8479mmol,83.0%) を得た。
【0098】実施例12 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチルフェノキシ酢酸エチル(エステル)
の合成 実施例10で得た化合物50mg (1.1344mmol) のアセトニト
リル (3ml) −水(1ml) 溶液に、硝酸第二セリウムア
ンモニウム 162mgを加え、室温で30分間攪拌した。反応
液を水中にあけ、エーテル抽出し、エーテル層は水洗、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:1にて溶出)、標記化合物32mg
(0.09mmol,69.6%) を得た。
【0099】実施例13 3−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシ酢酸tert−ブチ
ル(エステル)の合成 化合物w 30mg(0.0773mmol) 及びザルコミン〔N,N′
−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノコバルト(I
I)ハイドレート〕10mgのDMF溶液(10ml) を酸素気
流下、室温で12時間攪拌した。次いで反応液を水にあ
け、エーテル抽出した。抽出液は水洗、乾燥後、減圧下
濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)にて
精製し、標記化合物24mg (0.0597mmol,77%) を得た。
【0100】実施例14 4−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシ酢酸tert−ブチ
ル(エステル)の合成 化合物x 30mg(0.0773mmol) 及びザルコミン10mgのDM
F溶液(10ml) を酸素気流下、室温で12時間攪拌した。
次いで反応液を水にあけ、エーテル抽出した。抽出液は
水洗、乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣はシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=3:1にて溶出)にて精製し、標記化合物21mg (0.05
22mmol,68%) を得た。
【0101】実施例15 3−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシ酢酸の合成 実施例13の化合物20mg (0.0497mmol) をギ酸(5ml)
中、室温で1時間攪拌した。反応液を次いで減圧下濃縮
して得られる残渣をヘキサン−エーテル(3:1)混合
液で洗浄後、濾取し、標記化合物14mg (0.0404mmol,81
%) を得た。
【0102】実施例16 4−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシ酢酸の合成 実施例14の化合物45mg (0.1119mmol) をギ酸(5ml)
中、室温で1時間攪拌した。反応液を次いで減圧下濃縮
して得られる残渣をヘキサン−エーテル(3:1)混合
液で洗浄後、濾取し、標記化合物28mg (0.0809mmol,72
%) を得た。
【0103】実施例17 3−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシ酢酸エチル(エ
ステル)の合成 実施例15の化合物10mg (0.0289mmol) 、エタノール3mg
(0.0652mmol) 、4−ジメチルアミノピリジン2mg及び
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩8mg (0.0417mmol) の無水塩化メチレ
ン溶液 (5ml) を室温で5時間攪拌した。次いで反応液
を水洗、乾燥後、溶媒留去して得られた残渣を分取用薄
層クロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて展開
後、分取し、酢酸エチルにより溶出した)にて精製し、
標記化合物6mg(0.0160mmol,55%) を得た。
【0104】実施例18 4−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシ酢酸エチル(エ
ステル)の合成 実施例16の化合物10mg (0.0289mmol) 、エタノール3mg
(0.0652mmol) 、4−ジメチルアミノピリジン2mg及び
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩8mg (0.0417mmol) の無水塩化メチレ
ン溶液 (5ml) を室温で5時間攪拌した。次いで反応液
を水洗、乾燥後、溶媒留去して得られた残渣を分取用薄
層クロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて展開
後、分取し、酢酸エチルにより溶出した)にて精製し、
標記化合物7mg(0.0187mmol,65%) を得た。
【0105】実施例19 4−(5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)メチルフェノキシアセチルチオモ
ルホリンの合成 実施例16の化合物10mg (0.0289mmol) 、チオモルホリン
5mg (0.0485mmol) 及び1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩8mg(0.0417m
mol) の無水塩化メチレン溶液 (5ml) を室温で3時間
攪拌した。次いで反応液を水洗、乾燥後、溶媒留去して
得られた残渣を分取用薄層クロマト(ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1にて展開後、分取し、酢酸エチルにより溶
出した)にて精製し、標記化合物9mg (0.0208mmol,72
%) を得た。
【0106】上記実施例1〜19で得た化合物の物理化学
データを以下の第2表に示す。
【0107】
【表6】
【0108】
【表7】
【0109】
【表8】
【0110】
【表9】
【0111】
【発明の効果】本発明化合物が有する血小板凝集抑制作
用については、以下の方法により試験した。
【0112】1.血小板凝集抑制作用 体重4kg前後の雄性日本白色家兎の血小板を用いた。兎
の耳動脈より血液を採取し、0.38%クエン酸を加えた。
遠心分離により多血小板血漿(PRP)を調整した後、
透過性血小板凝集能測定装置を用いて血小板凝集能を測
定した。凝集惹起薬としては、ADP、アラキドン酸、
コラーゲンを使用した。被験薬はDMSOに溶解し、P
RPに添加した。
【0113】
【結果】本発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を以
下の第3表に示す。
【0114】
【表10】
【0115】以上の結果から明らかな如く、本発明化合
物は特にアラキドン酸により惹起した血小板凝集に対し
て強い抑制効果を示した。
【0116】2.細胞傷害抑制作用 10%ウシ胎児血清を含むイーグルの最小必須培地で培養
したウシ肺動脈内皮細胞を用いた。細胞をアール平衡塩
類溶液(EBS)で洗浄した後、被験薬を含むEBSを
加え、 100μM過酸化水素水を添加した後、37℃の CO2
インキュベーター (CO2 =5%)で6時間培養し、EB
S中に遊離される乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性
を測定し、細胞傷害の指標とした。被験薬はジメチルス
ルホキサイドに溶解後、EBSで希釈した。
【0117】
【結果】上記条件で遊離するLDH活性に対する抑制%
を求めたところ実施例4の化合物(1μM)で処理した
細胞において42%という抑制効果を示した。
【0118】3.抗脳浮腫作用 約10週令の雄性ウィスター系ラットを用いた。70%笑気
−30%酸素−1%ハロセン混合ガス麻酔下で、右内頸動
脈より外径 0.2〜0.3mmにシリコンコーティングした04
号ナイロン糸を挿入し、中大脳動脈起始部を閉塞した
後、麻酔を中止し覚醒させた。閉塞3時間後に再び同様
に麻酔し、ナイロン糸を除去して血流を再開させた。さ
らに3時間後に動物を断頭し、脳を前大脳動脈支配領域
にある大脳皮質、中大脳動脈支配領域にある大脳皮質及
び線条体に分割した。各部の湿重量及び乾燥重量を測定
し、その差より水分含量を算出した。被験薬は PEG100
に溶解し、血流再開直後に10mg/kg静脈内に投与した。
グリセロールは60%溶液を調製し、血流再開直後より
0.2ml/kg/min の速度で総量が4g/kgになるまで静
脈内に持続注入した。
【0119】成績:各部位の水分含量を表に示した。実
施例12の化合物(10mg/kg)及びグリセロール(4g/
kg)は共に虚血側の大脳皮質運動野にみられた脳浮腫を
有意に抑制した。被験薬による水分含量の低下は健常側
では全くみられなかった。一方、グリセロールの場合は
健常側の大脳皮質体性感覚野及び線条体の水分含量の低
下がみられた。
【0120】
【表11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/54 A61K 31/54 A61P 7/02 A61P 7/02 9/04 9/04 9/10 9/10 C07C 69/95 C07C 69/95 C07D 295/18 C07D 295/18 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 1/00 - 409/44 C07D 201/00 - 521/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Ia)または(Ib): 【化1】 【化2】 (式中、R1 ,R2 及びR3 は各々独立に炭素数1〜5
    のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基、R5
    びR6 は各々独立にヒドロキシル基又は炭素数1〜5の
    アルコキシ基、R4 はエステル化又はアミド化されてい
    てもよいカルボキシル基を表わす)で表わされるフェノ
    キシ酢酸誘導体。
  2. 【請求項2】 R4 が基−COOR7 (式中、R7 は水素原
    子、炭素数1〜5のアルキル基、置換されていてもよい
    フェニル基又は置換されていてもよい炭素数7〜10のア
    ラルキル基を表わす) である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R4 が基: 【化3】 (式中、R8 及びR9 は各々独立に水素原子、炭素数1
    〜5のアルキル基、置換されていてもよいフェニル基も
    しくは置換されていてもよい炭素数7〜10のアラルキル
    基を表わすか、又はR8 及びR9 は一緒になって、窒素
    原子を含む異項環基を表わす)で表わされる請求項1記
    載の化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(Ia)又は(Ib)で表わされ
    る請求項1に記載のフェノキシ酢酸誘導体を有効成分と
    して含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤。
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