JP3042547B2 - ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤 - Google Patents

ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤

Info

Publication number
JP3042547B2
JP3042547B2 JP3105903A JP10590391A JP3042547B2 JP 3042547 B2 JP3042547 B2 JP 3042547B2 JP 3105903 A JP3105903 A JP 3105903A JP 10590391 A JP10590391 A JP 10590391A JP 3042547 B2 JP3042547 B2 JP 3042547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
carbon atoms
ischemia
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3105903A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04225972A (ja
Inventor
敏雄 立岡
賢治 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP3105903A priority Critical patent/JP3042547B2/ja
Publication of JPH04225972A publication Critical patent/JPH04225972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3042547B2 publication Critical patent/JP3042547B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は虚血による器質性又は機
能性障害、例えば、狭心症、心筋梗塞、心不全等の虚血
性心疾患又は脳浮腫、脳卒中後遺症等の脳虚血性疾患の
治療剤として有用な新規化合物であるベンゾフラン誘導
体に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品として利用されているベンゾキノ
ン誘導体には、生体内成分でもあるユビデカレノン(コ
エンザイムQ10)が代表的なものとして知られており、
この化合物が好気的解糖系における電子伝達物質として
働くとともに、脂質過酸化抑制作用、細胞膜安定化作用
等の多様な生体内作用を有することより、既にそのベン
ゾキノン環上の置換基を修飾した誘導体、特にその長鎖
アルキル側鎖(デカプレニル基)部分を修飾した誘導体
についての合成例が多数報告されている(例えば特開昭
50−148325号公報、51−128932号公報、56−154433号公
報、57−109739号公報参照) 。最近そのベンゾキノン環
のアルキル側鎖部に、芳香環又は異項環基を導入した誘
導体の合成例及びその医薬品としての有用性が報告され
るようになり、例えば特開昭62−286949号公報において
は一般式
【0003】
【化3】
【0004】(式中、R11,R12及びR13は、それぞれ
独立に、水素原子、メチル基又はメトキシ基を表わし、
Aはエチレン基又はビニレン基を表わし、nは0又は1
を表わし、R14は、水素原子、ヒドロキシメチル基、エ
ステル化又はアミド化されていてもよいカルボキシル基
を表わす)で表わされる、ユビデカレンのデカプレニル
基部分を置換フェニルメチル基に変換した型のベンゾキ
ノン誘導体の合成例が示されているが、本発明化合物の
ように分子内にベンゾフラン環骨格を有する型のベンゾ
キノン誘導体は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ヒトの平均寿命が長く
なり老年人口が増加するとともに、近年、特に脳梗塞、
脳卒中、心筋梗塞、心不全等の、いわゆる虚血(イスケ
ミア)によってひきおこされる各臓器の器質的損傷に起
因すると考えられる諸疾患の改善、治療薬の開発研究が
盛んになってきている。
【0006】しかし、従来上記疾患に通常用いられてい
る循環改善薬または代謝改善薬のみでは十分な効果が得
られていないのが現状である。
【0007】最近になって、特に動脈硬化の進展、血栓
の生成、さらには虚血および虚血再灌流後の障害の進展
機序に関する研究が活発におこなわれ、例えば脳内にお
いては海馬CAI領域における遅発性の細胞壊死、又心
臓においては虚血−再灌流後にみられる心筋収縮力の低
下等の心機能低下の現象が一般に観察されており、虚血
後の生化学的変化と細胞障害機序を考察した上で、新し
い型の薬剤へのアプローチが必要であると考えられる。
【0008】本発明者らは、血栓形成、動脈硬化の進展
および虚血−再灌流障害を抑止するとの観点より多くの
化合物のスクリーニングをおこなってきた。その結果、
本発明に示される化合物はアラキドン酸による血小板凝
集抑制、摘出心臓の虚血−再灌流障害(心筋収縮力低
下)抑制作用、細胞障害抑制作用等を有し、広い有用性
を示すものであることを見出し本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(Ia)または(Ib):
【化4】
【0010】(式中、R1 ,R2 及びR3 は各々独立
に、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアル
コキシ基、R5 及びR6 は各々独立にヒドロキシル基又
は炭素数1〜5のアルコキシ基、R4 はエステル化又は
アミド化されていてもよいカルボキシル基を示す)で表
わされるベンゾフラン誘導体及びそれを有効成分として
含有する虚血に起因する器質性又は機能性障害治療剤が
提供される。
【0011】ここで、炭素数1〜5のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert−ブチル基等があげられ、炭素数1
〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基等を挙げることができる。
【0012】また、R4 のエステル化又はアミド化され
ていてもよいカルボキシル基としては、例えば、カルボ
キシル基の他、基−COOR7 (式中、R7 は炭素数1〜5
のアルキル基、置換されていてもよいフェニル基又は置
換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基を示
す) 又は基
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R8 ,R9 は各々独立に水素原
子、炭素数1〜5のアルキル基、置換されていてもよい
フェニル基又は置換されていてもよい炭素数7〜12のア
ラルキル基を示すか、もしくはR8,R9 は一緒になっ
て、窒素原子を含む異項環基を示す)が挙げられる。
【0015】ここで、炭素数1〜5のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert−ブチル基等があげられ、置換され
ていてもよいフェニル基としては、フェニル基の他、メ
チルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、tert
−ブチルフェニル基等のアルキル置換フェニル基、メト
キシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェ
ニル基、イソプロポキシフェニル基、ブトキシフェニル
基、tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェ
ニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオ
ロフェニル基等のハロゲン置換フェニル基又はニトロフ
ェニル基等があげられ、炭素数7〜12のアラルキル基と
しては、ベンジル基、フェネチル基又はメチルベンジル
基、エチルベンジル基、プロピルベンジル基、イソプロ
ピルベンジル基、ブチルベンジル基、tert−ブチルベン
ジル基等のアルキル置換ベンジル基、メチルフェネチル
基、エチルフェネチル基、プロピルフェネチル基、イソ
プロピルフェネチル基、ブチルフェネチル基、tert−ブ
チルフェネチル基等のアルキル置換フェネチル基等があ
げられ、窒素原子を含む異項環基としては、モルホリニ
ル基、チオモルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジ
ニル基、ピペラジニル基もしくは4位が炭素数1〜5の
炭素原子、置換されていてもよいフェニル基又は炭素数
7〜12のアラルキル基で置換されたピペラジニル基等が
挙げられる。
【0016】また、4位置換基としての置換されていて
もよいフェニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基とし
ては、上述と同様の基を挙げることができる。
【0017】本発明化合物は例えば以下のようにして合
成することができる。即ち、一般式(II):
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R1 〜R3 ,R5 及びR6 は前記
定義の通りである)で表わされるアルデヒド化合物をハ
ロゲン化フェノール誘導体と反応させることにより一般
式(III):
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R1 〜R3 ,R5 及びR6 は前記
定義の通りであり、BZ は置換されていてもよいベンジ
ル基を示す)を得、この化合物をトリエチルシラン等の
還元剤で還元し、次いで脱ベンジル化の後、例えばトリ
フルオロ酢酸溶媒中、ヘキサメチレンテトラミンと、室
温〜 100℃の温度で処理を行い、さらに加水分解するこ
とにより一般式(IV):
【0022】
【化8】
【0023】(式中、R1 〜R3 ,R5 及びR6 は前記
定義の通りである)で表わされる化合物を得ることがで
きる。
【0024】次に、該化合物をメチルエチルケトン等の
反応に関与しない溶媒中でジアルキルブロモマロン酸エ
ステル類と炭酸カリウム等の塩基の存在下に、50〜 150
℃の温度で加熱攪拌することにより、下記一般式で表わ
される低級アルキルエステル化合物を得ることができ
る。
【0025】
【化9】
【0026】(式中、R1 〜R3 ,R5 及びR6 は前記
定義の通りであり、R7 ′は低級アルキル基を示す。)
【0027】次に、上記化合物を塩基の存在下に加水分
解を行ってカルボン酸化合物b(式IbにおいてR4
COOH)を得る。更にこのカルボン酸化合物bを4−ジメ
チルアミノピリジン等の触媒存在下又は非存在下に、脱
水縮合剤を用いて、R7 −OHで表わされるアルコール類
又は
【0028】
【化10】
【0029】で表わされるアミン類と縮合させることに
より、一般式(Ib′)で表わされる化合物を得ること
ができる。
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R1 〜R3 ,R5 及びR6 は前記
定義の通りであり、R4 ′はエステル化又はアミド化さ
れているカルボキシル基を示す。)
【0032】さらに、前記化合物(Ib′)をアセトニ
トリルと水との混合溶媒などの反応に関与しない溶媒
中、硝酸第二セリウムアンモニウム等の酸化剤で酸化す
ることにより一般式(Ia′)の化合物を得ることがで
きる。
【0033】
【化12】
【0034】(式中、R1 〜R3 及びR4 ′は前記定義
の通りである。)
【0035】また、化合物(Ia′)の中、例えば
4 ′=COOCH2Phの化合物を接触還元後、二酸化マンガ
ン等の緩和な酸化剤を用いて処理することによりカルボ
ン酸化合物a(式IaにおいてR4 =COOH)を得ること
ができる。
【0036】さらに、上記カルボン酸化合物aを前記と
同様の方法で、R7 −OHで表わされるアルコール類又は
式:
【0037】
【化13】
【0038】で表わされるアミン類と縮合させることに
よっても、一般式(Ia′)の化合物を得ることができ
る。
【0039】本発明に従った前記一般式(Ia)及び
(Ib)で表わされる新規なベンゾフラン誘導体の投与
に際しては、それ自体単独で投与してもよいが、必要ま
たは所望により他の通常の薬理学的に許容される担体、
賦形剤、希釈剤と混合し、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセ
ル剤、注射剤、座剤などの形態で経口的又は非経口的に
投与することが出来る。
【0040】本発明の器質性又は機能性障害治療剤の投
与量は、種々の要因、例えば治療すべき患者の症状、年
齢、投与経路、剤形、投与回数などに依存するが、通常
成人一日当り 0.1〜1000mg、好ましくは1〜 500mgの範
囲で投与することができる。
【0041】
【実施例】以下、具体例に従って本発明を具体的に説明
するが、本発明の技術的範囲を以下の実施例に限定する
ものでないことはいうまでもない。
【0042】参考例1 5−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフ
ェニル)メチルサリシルアルデヒド(化合物g)の合成
2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルベンズア
ルデヒド7.05g(33.90mmol) の無水テトラヒドロフラン
溶液(100ml) を、p−ベンジルオキシブロモベンゼン1
5.3g(58.17mmol) とマグネシウム1.70g(69.96mmol)
を無水テトラヒドロフラン 200ml中、50℃で処理するこ
とにより調製したグリニヤール試薬中へ0℃にて加え、
2時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液
にあけ、エーテル抽出した。抽出液を水洗、乾燥後、減
圧下濃縮し残渣を得た。この残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1にて
溶出)で精製し、化合物a:〔1−(4−ベンジルオキ
シ)フェニル−1−(2,5−ジメトキシ−3,4,6
−トリメチル)フェニルメタノール〕 10.42g(78.4
%) を得た。
【0043】上記化合物a 6.0g(15.30mmol) の塩化メ
チレン溶液 100mlを、トリエチルシラン2.14g(18.45mm
ol) およびトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシ
リル170mg(0.77mmol) の塩化メチレン溶液 200mlに滴下
した。反応液は0℃で1時間攪拌後、水洗し、乾燥後減
圧濃縮することにより、化合物c:〔2−(4−ベンジ
ルオキシ)−フェニルメチル−1,4−ジメトキシ−
3,5,6−トリメチルベンゼン〕5.70g (99.0%) を
得た。
【0044】次に化合物c 5.70g(15.16mmol) 及び5
%パラジウム−炭素 1.0gをエタノール 300ml中、水素
気流下50℃で攪拌した。反応液をろ過後、減圧下濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて溶出)で精製
し、化合物e:〔4−(2,5−ジメトキシ−3,4,
6−トリメチルフェニル)メチルフェノール〕4.05g
(93.4%) を得た。
【0045】さらに、化合物e 3.50g(12.24mmol) 及
びヘキサメチレンテトラミン2.23g(15.91mmol) をトリ
フルオロ酢酸 100ml中80℃で4時間反応させた。溶媒留
去後、残渣に 150mlの水を加え、30分間攪拌後、塩化メ
チレンで抽出した。抽出液を水洗、乾燥後、濃縮して得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン:酢酸エチル=5:1にて溶出)で精製し、標記
化合物g 3.12g (9.94mmol) を得た。
【0046】参考例2 4−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフ
ェニル)メチルサリシルアルデヒド(化合物h)の合成
参考例1の方法において、p−ベンジルオキシブロモベ
ンゼンの代わりにm−ベンジルオキシブロモベンゼンを
使用することにより化合物b:〔1−(3−ベンジルオ
キシ)フェニル−1−(2,5−ジメトキシ−3,4,
6−トリメチル)フェニルメタノール〕、化合物d:
〔2−(3−ベンジルオキシ)フェニルメチル−1,4
−ジメトキシ−3,5,6−トリメチルベンゼン〕、化
合物f:〔3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−ト
リメチルフェニル)メチルフェノール〕及び標記化合物
hを得た。化合物a〜hの物性データを第1表に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】実施例1 2−エトキシカルボニル−5−(2,5−ジメトキシ−
3,4,6−トリメチル)フェニルメチルベンゾフラン
の合成
【0050】
【化14】
【0051】化合物g 3.0g (9.55mmol) のメチルエチ
ルケトン溶液(200ml) にブロモマロン酸ジエチルエステ
ル4.57g(19.12mmol) 及び炭酸カリウム5.27g (38.19m
mol)を加え、室温で1時間攪拌後、40時間加熱還流し
た。反応液を減圧下濃縮することにより得られる残渣を
酢酸エチルに溶解後、水洗、乾燥、濃縮し、この残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=5:1にて溶出)で精製し、標記化合物2.83g
(収率77.5%) を得た。
【0052】実施例2 2−エトキシカルボニル−6−(2,5−ジメトキシ−
3,4,6−トリメチル)フェニルメチルベンゾフラン
の合成実施例1の方法において化合物gの代わりに化合
物hを使用することにより標記化合物を得た。
【0053】実施例3 5−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチル)
フェニルメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成
【0054】
【化15】
【0055】実施例1の化合物 200mg (0.52mmol) のテ
トラヒドロフラン溶液(6ml) に 0.5N水酸化ナトリウ
ム3mlを加え、0℃で2時間攪拌後、室温で12時間攪拌
した。反応液に濃塩酸を加えて強酸性としエーテル抽出
を行った。エーテル層は水洗、乾燥後、減圧濃縮し、標
記化合物 174mg (収率93.9%) を得た。
【0056】実施例4 6−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチル)
フェニルメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成実
施例3において、実施例1の化合物の代わりに実施例2
の化合物を使用することにより標記化合物を得た。
【0057】実施例5 2−ベンジルオキシカルボニル−5−(2,5−ジメト
キシ−3,4,6−トリメチル)フェニルメチルベンゾ
フランの合成
【0058】
【化16】
【0059】実施例3の化合物 100mg (0.28mmol) 、ベ
ンジルアルコール40mg (0.37mmol) 、4−ジメチルアミ
ノピリジン10mg (0.08mmol) 及び1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩81
mg (0.42mmol) の塩化メチレン(20ml)
溶液を室温で3時間攪拌した。反応液を水洗、乾燥後、
減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)で精製
し、標記化合物 105mg (収率83.7%) を得た。
【0060】実施例6〜9 実施例5と同様の方法により以下の化合物を得た。2−
N,N−ジメチルアミノカルボニル−5−(2,5−ジ
メトキシ−3,4,6−トリメチル)フェニルメチルベ
ンゾフラン(化合物6)2−モルホリノカルボニル−5
−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチル)フ
ェニルメチルベンゾフラン(化合物7)2−モルホリノ
カルボニル−6−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−
トリメチル)フェニルメチルベンゾフラン(化合物8)
2−チオモルホリノカルボニル−5−(2,5−ジメト
キシ−3,4,6−トリメチル)フェニルメチルベンゾ
フラン(化合物9)
【0061】実施例10 2−エトキシカルボニル−5−(3,5,6−トリメチ
ル−1,4−ベンゾキノン−2−イル)メチルベンゾフ
ランの合成
【0062】
【化17】
【0063】実施例1の化合物40mg (0.10mmol) のアセ
トニトリル(3ml)−水(1ml)溶液に、硝酸第二セリ
ウムアンモニウム 126mg (0.23mmol) を加え、室温で30
分間攪拌した。反応液を水中にあけ、エーテル抽出し
た。抽出液を水洗、乾燥後、減圧下濃縮し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=2:1にて溶出)で精製し、標記化合物28
mg (収率75.9%) を得た。
【0064】実施例11〜16 実施例10と同様の方法により、実施例2,5,6,7,
8,9の化合物を酸化させ、以下の化合物を得た。2−
エトキシカルボニル−6−(3,5,6−トリメチル−
1,4−ベンゾキノン−2−イル)メチルベンゾフラン
(化合物11)2−ベンジルオキシカルボニル−5−
(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2
−イル)メチルベンゾフラン(化合物12)2−N,N−
ジメチルアミノカルボニル−5−(3,5,6−トリメ
チル−1,4−ベンゾキノン−2−イル)メチルベンゾ
フラン(化合物13)2−モルホリノカルボニル−5−
(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2
−イル)メチルベンゾフラン(化合物14)2−モルホリ
ノカルボニル−6−(3,5,6−トリメチル−1,4
−ベンゾキノン−2−イル)メチルベンゾフラン(化合
物15)2−チオモルホリノカルボニル−5−(3,5,
6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2−イル)メ
チルベンゾフラン(化合物16)
【0065】実施例17 5−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)メチル−1−ベンゾフラン−2−カルボン
酸の合成
【0066】
【化18】
【0067】実施例12の化合物30mg (0.07mmol) 及び塩
化パラジウム30mgより調整したパラジウム黒をテトラヒ
ドロフラン (10ml) 中、水素気流下、24時間攪拌した。
反応液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮した残渣を塩化メチ
レンに溶解し、二酸化マンガン31mgを加え室温にて2時
間攪拌した。反応液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノ
ール−塩化メチレンにて溶出) で精製し、標記化合物11
mg(収率46.8%) を得た。実施例1〜17で合成した化合
物の物性データを第2表に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【発明の効果】本発明化合物は血小板凝集抑制作用、低
酸素負荷心筋保護作用及び細胞傷害抑制作用を有し、こ
れらの作用は以下の方法により試験した。
【0073】1.血小板凝集抑制作用 体重4kg前後の雄性日本白色家兎の血小板を用いた。兎
の耳動脈より血液を採取し、0.38%クエン酸を加えた。
遠心分離により多血小板血漿(PRP)を調製した後、
透過性血小板凝集能測定装置を用いて血小板凝集能を測
定した。凝集惹起薬としては、ADP、アラキドン酸、
コラーゲンを使用した。被試薬はDMSOに溶解し、P
RPに添加した。
【0074】
【結果】本発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を以
下の第3表に示す。
【0075】
【表7】
【0076】以上の結果から明らかな如く、本発明化合
物は特にアラキドン酸により惹起した血小板凝集に対し
て強い抑制効果を示した。
【0077】2.低酸素負荷心筋保護作用 体重 300g前後のハートレー系雄性モルモットの摘出心
臓をランゲンドルフ法にて37℃に加温し、95%O2 +5
% CO2ガスで十分に酸素負荷した Krebs-Henseleit液で
灌流 (10ml/min)し、心臓の心尖部にあらかじめ 1.5g
の静止張力を与えたのち、等尺性トランスデューサーに
て収縮力を測定した。右心房のペースメーカー付近に双
極電極を当て、電気刺激装置を用いて刺激(3〜4V,
3m,sec)を与え 240回/分の頻度で心臓ペーシングを
おこないながらグルコース(11mM)を除去し、95%N2
+5% CO2ガスで飽和させた低酸素 Krebs-Henseleit液
を25分間灌流し、その後に正常な Krebs-Henseleit液で
再酸素負荷した。薬物は低酸素 Krebs-Henseleit液で灌
流する際に同時に栄養液中に希釈し投与した。評価は、
正常液での再灌流による収縮力回復の程度と、低酸素灌
流下での拡張期収縮力の増大に対する抑制作用で行っ
た。実施例14の化合物 (10-5M)を処理した心筋で、正
常液での再灌流時の収縮力回復が有意に改善された。
【0078】3.細胞傷害抑制作用 10%ウシ胎児血清を含むイーグルの最小必須培地で培養
したウシ肺動脈内皮細胞を用いた。細胞をアール平衡塩
類溶液(EBS)で洗浄した後、被験薬を含むEBSを
加え、 100μM過酸化水素水を添加した後、37℃の CO2
インキュベーター(CO2=5%)で6時間培養し、EBS
中に遊離される乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を
測定し、細胞傷害の指標とした。被験薬はジメチルスル
ホキサイドに溶解後、EBSで希釈した。実施例14の化
合物(1μM)で処理した細胞において65%という抑制
効果を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−223150(JP,A) 特表 平1−502585(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/85 A61K 31/343 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Ia)または(Ib): 【化1】 (式中、R1 ,R2 及びR3 は各々独立に、炭素数1〜
    5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基、R5
    及びR6 は各々独立にヒドロキシル基又は炭素数1〜5
    のアルコキシ基、R4 はエステル化又はアミド化されて
    いてもよいカルボキシル基を示す)で表わされるベンゾ
    フラン誘導体。
  2. 【請求項2】 R4 が基−COOR7 (式中、R7 は炭素数
    1〜5のアルキル基、置換されていてもよいフェニル基
    又は置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基
    を示す) である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R4 が基 【化2】 (式中、R8 ,R9 は各々独立に水素原子、炭素数1〜
    5のアルキル基、置換されていてもよいフェニル基又は
    置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基を示
    すか、もしくはR8 ,R9 は一緒になって、窒素原子を
    含む異項環基を示す)で表わされる請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 一般式(Ia)または(Ib)で表わさ
    れるベンゾフラン誘導体を有効成分として含む虚血によ
    る器質性又は機能性障害治療剤。
JP3105903A 1990-05-11 1991-05-10 ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤 Expired - Fee Related JP3042547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3105903A JP3042547B2 (ja) 1990-05-11 1991-05-10 ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-119988 1990-05-11
JP11998890 1990-05-11
JP3105903A JP3042547B2 (ja) 1990-05-11 1991-05-10 ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04225972A JPH04225972A (ja) 1992-08-14
JP3042547B2 true JP3042547B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=26446120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3105903A Expired - Fee Related JP3042547B2 (ja) 1990-05-11 1991-05-10 ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3042547B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001021206A1 (fr) * 1999-09-17 2001-03-29 Suntory Limited MOYENS DE PREVENTION OU REMEDES CONTRE LA MYOCARDITE, LA CARDIOMYOPATHIE DILATEE ET L'INSUFFISANCE CARDIAQUE CONTENANT DES INHIBITEURS NF-λB EN TANT QU'INGREDIENT ACTIF
EP1407782A4 (en) * 2001-06-28 2004-10-20 Takeda Chemical Industries Ltd DRUGS FOR THE PREVENTION / TREATMENT OF FUNCTIONAL ORGAN DISORDERS AND ORGAN DYSFUNCTION
WO2014145116A2 (en) 2013-03-15 2014-09-18 Edison Pharmaceuticals, Inc. Alkyl-heteroaryl substituted quinone derivatives for treatment of oxidative stress disorders

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04225972A (ja) 1992-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4482513B2 (ja) N2−(置換アリールメチル)−3−(置換フェニル)インダゾールおよびこれを含む抗血管形成剤
JPS6345257A (ja) キノン誘導体
JPH0742302B2 (ja) 新規バナジウムコンプレックス、その製法及びそれを含む医薬組成物
CN109912532B (zh) 苯并噻唑类化合物及其在制备细菌生物膜抑制剂中的应用
JPH10279477A (ja) ベンジリデン−およびシンナミリデン−マロンニトリル誘導体を有効成分として含有する哺乳類細胞での増殖工程の抑制のためのタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤
WO2019201297A1 (zh) 作为rho激酶抑制剂的苯并吡唑类化合物
CN114375193A (zh) 甲状腺激素受体β激动剂化合物
JP2003534313A (ja) ジフェニルメタン誘導体
EP4110781B1 (en) 1,3,4-oxadiazole derivative compounds as histone deacetylase 6 inhibitor, and the pharmaceutical composition comprising the same
JP3042547B2 (ja) ベンゾフラン誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤
CN108586378B (zh) 吲哚胺2,3-双加氧化酶抑制剂及其制备方法和用途
WO2023165334A1 (zh) 酮酰胺类衍生物及其制药用途
EP0117959B1 (fr) Nouveaux dérivés de la nitrosourée, leur procédé de préparation et les compositions pharmaceutiques les renfermant
JPS59161377A (ja) ピペリジンジオン誘導体、その製造方法及びそれを含む薬剤
JP3016625B2 (ja) フェノキシ酢酸誘導体及びそれを含む虚血による器質性又は機能性障害治療剤
FR2758329A1 (fr) Derives d'imidazole-4-butane boronique, leur preparation et leur utilisation en therapeutique
US6399653B1 (en) Ring fused dihydropyrans, process for preparation and use thereof
Robertson et al. Imidazole-pyridine bioisosterism: comparison of the inotropic activities of pyridine-and imidazole-substituted 6-phenyldihydropyridazinone cardiotonics
EP3560914A1 (en) Sulfonyl amidine as indoleamine-2,3-dioxygenase inhibitor, and preparation method therefor and use thereof
CH631713A5 (fr) Derives de chromones a activite medicamenteuse et leur preparation.
JPH0372221B2 (ja)
CN104513188A (zh) 一种氰基吡咯烷类衍生物及其制备方法和应用
CN112920133B (zh) (e)-4-甲基-2-(4-(三氟甲基)苯乙烯基)噁唑类化合物及其制备方法与用途
EP3546454B1 (en) Benzoheterocyclyl alkylamine compound and use thereof
PT96671B (pt) Processo para a preparacao de derivados de tetralina e de cromano, uteis no tratamento da asma,da artrite e de doencas relacionadas

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees