JP3016597U - プリペイドカード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 書込まれている情報の機密性を安価に維持す
ることのできるプリペイドカードを提供する。 【構成】 可視光領域で反射率の少ない黒色で全体を印
刷したカード基材と、その上に積層された感熱紙層とを
備え、前記感熱紙層へ熱を加えることで前記感熱紙層を
可視光領域で反射率の少ない黒色に発色させ、前記黒色
で印刷したカード基材面と前記黒色に発色した感熱紙層
との間で可視光領域以外の所定波長の電磁波に対し反射
率を相違させた記録パターンを形成することを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、プリペイドカードに印刷されたパターンの視覚による認識を困難 にして、機密性を保持できるプリペイドカードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、プリペイドカードが広く一般に普及しているが、これらプリペイドカー ド表面に通常のインクで印刷される情報は図形コードや数字により表示され、目 視により容易に認識できるものである。このため、前記プリペイドカード表面に 印刷される情報は容易に改造されてしまう可能性が生じ、機密性の保持が求めら れている。このような機密性の保持を確保するためには、印刷するのに使用する インクを磁気インクにしたり、磁気カードに磁気的に情報を書き込み、目視によ っては容易に書込まれている情報が解読できないようにするパターン印刷が用い られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のパターン印刷はこのように構成されているので、磁気カードに磁気的に 情報を書き込むための高価な書込み装置が必要となり、さらにこのような磁気カ ードへのパターン印刷では磁気的な影響を受けやすく、書込まれている情報が磁 気的に容易に破壊されてしまう問題点があった。

【０００４】 本考案の目的は、書込まれている情報の機密性を安価に維持することのできる プリペイドカードを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るプリペイドカードは、可視光領域で反射率の少ない黒色で全体を 印刷したカード基材と前記カード基材上に積層された感熱紙層とを備え、前記感 熱紙層へ熱を加えることで前記感熱紙層を可視光領域で反射率の少ない黒色に発 色させ、前記黒色で印刷したカード基材面と前記黒色に発色した感熱紙層との間 で可視光領域以外の所定波長の電磁波に対し反射率を相違させた記録パターンを 形成したことを特徴とする。 また、前記所定波長の電磁波は近赤外線であることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案におけるプリペイドカードは、ベタ黒に印刷されたカード基材上に積層 した感熱紙層を発色させ、これらの印刷ベタ黒と感熱発色の黒色は可視領域では 同程度に少ない反射率であり、判別できないが、このときの前記ベタ黒のカード 基材面と前記発色した感熱層との間で所定波長の電磁波に対し反射率の相違を生 じさせるようにカード基材への印刷インクと感熱紙層のインクの成分を整調して おき、前記所定波長の電磁波を照射することで前記反射率の相違から前記ベース 上に印刷された記録パターンの認識を可能にする。 また、前記電磁波は近赤外線であり、この光線をそれぞれの前記黒色に照射し て、その反射率の相違から、印刷パターンを認識する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図について説明する。図１は、本実施例のプリペイ ドカードを実現する記録媒体を示す断面図である。この記録パターンは、プリペ イドカードとして構成されている。図において、１はカード基材、ここでカード 基材１は紙でもよく、あるいはプラスチック等でもよい。２と３は透明な保護膜 、４はベタ黒に印刷された印刷面、５は感熱紙層である。 尚、感熱紙層５は発色しないときは透明であり、下層のベタ黒の印刷面４によ り、可視光ではベタ黒に見える。

【０００８】 図２は、このプリペイドカード表面に所定のパターンで熱を加え、このとき前 記感熱紙層５が黒色に発色することで前記プリペイドカード表面に形成される記 録コード情報を示している。

【０００９】 図３は、赤外線領域から可視領域までの電磁波を照射したときのベタ黒に印刷 された前記カード基材１表面とその上層になる発色した感熱紙層５との反射率の 違いを示す反射特性である。

【００１０】 図３に示すように、ベタ黒に印刷された前記カード基材１表面の反射特性は、 可視光領域、すなわち目視では反射率は小さくベタ黒に見えている。波長が赤外 領域にずれるに従って反射率が大きくなり赤外線に対しての反射率においては可 視光線に対しての白と同等な反射率を有している。

【００１１】 一方、発色した感熱紙層５の反射特性は、可視光領域、すなわち目視では前記 カード基材１表面と同様に反射率は小さく黒に見えている。波長が赤外領域にず れるに従って反射率が大きくなるが赤外線に対しての反射率においては可視光線 に対しての黒とほぼ同等な小さい反射率を有している。 ここで、図１に示すプリペイドカードの感熱紙層５は薄く、光に対して透明度 が大きく形成されているので、感熱紙層５は感熱記録されてなくても目視ではベ タ黒に見える。また、感熱ヘッドによって感熱紙層５が記録されたとしても、目 視では同様にベタ黒に見えて、記録コード状態を識別することは出来ない。

【００１２】 ここで、例えば近赤外線の赤外線発光体とその近赤外線検出センサとで構成し 、その近赤外線を照射したときの反射率の違いを近赤外線検出センサで検出する ことで、図２に示すように発色した感熱紙層５によるパターン６をカード基材１ に対し識別でき、前記パターン６の認識が可能になる。 すなわち、図２でパターン６は反射率少なく、近赤外線検出センサでは黒とな り、パターン６以外の場所は反射率大であり、近赤外線検出センサでは白となる 。また、このような近赤外線を利用した書込み装置や読み出し装置は安価に構成 できる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、本考案によればベタ黒に印刷されたカード基材表面と発色した 感熱層と間の所定波長の電磁波に対する反射率の違いを基にパターンを印刷する ので、所定波長の電磁波を可視光の領域からずれたものを用いることで、目視に よっては認識できないが前記所定波長の電磁波を媒体として前記パターンを認識 でき、安価に機密性を保持できる効果がある。また、所定波長の電磁波を近赤外 線とすれば容易に、低コストでパターンを認識できるセンサーを実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるプリペイドカードを実
現する記録媒体を示す断面図である。

【図２】本考案の一実施例によるプリペイドカードにお
いて、プリペイドカード表面に所定のパターンで熱を加
え、このとき前記感熱層が発色することで前記プリペイ
ドカード表面に形成されるコード情報を示す説明図であ
る。

【図３】近赤外線領域から可視領域までの電磁波を照射
したときのベタ黒に印刷された前記ベース表面と発色し
た感熱層との反射率の違いを示す反射特性である。

【符号の説明】

１ カード基材 ５ 感熱層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０６Ｋ 19/00 Ｇ０６Ｋ 19/00 Ｕ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可視光領域で反射率の少ない黒色で全体
   を印刷したカード基材と前記カード基材上に積層された
   感熱紙層とを備え、前記感熱紙層へ熱を加えることで前
   記感熱紙層を可視光領域で反射率の少ない黒色に発色さ
   せ、前記黒色で印刷したカード基材面と前記黒色に発色
   した感熱紙層との間で可視光領域以外の所定波長の電磁
   波に対し反射率を相違させた記録パターンを形成したこ
   とを特徴とするプリペイドカード。
2. 【請求項２】 前記所定波長の電磁波は近赤外線である
   ことを特徴とする請求項１記載のプリペイドカード。