JP3016366B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP3016366B2
JP3016366B2 JP8329390A JP32939096A JP3016366B2 JP 3016366 B2 JP3016366 B2 JP 3016366B2 JP 8329390 A JP8329390 A JP 8329390A JP 32939096 A JP32939096 A JP 32939096A JP 3016366 B2 JP3016366 B2 JP 3016366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクや磁
気テープなどの磁気記録媒体を用いる磁気記録再生装置
に関し、特に非線形歪みを受けた再生波形からのデータ
検出に特徴のある磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる磁気記録再生装置における
記録データの再生方法としては、しきい値によるレベル
判定法、微分回路及びゼロクロス検出回路を用いたピー
ク検出法などが用いられてきた。そして、近年では、高
記録密度化に伴う符号間干渉の増大、信号対雑音比(S
/N)の低下などによるエラーレートの悪化を低減する
ために新しい信号処理技術として、パーシャルレスポン
ス等化(PR等化)や最尤復号法であるビタビ検出法な
どが用いられつつある(特開平7−182786号公報
など)。
【0003】このPR等化とビタビ検出とを組み合わせ
た新しい信号処理方式(PRML方式)では、高記録密
度化により影響が大きくなる符号間干渉を積極的に利用
しており、再生データの前後関係を考慮することによっ
て可能性の最も高いデータ列を選択しエラーレートを改
善している。
【0004】PR等化方式とは、送出符号とは異なった
符号に等化して識別する方法の総称であり、多くの方法
が考えられている。ここでは、そのうちPR(1,0,
−1)方式(PR4)について説明する。図30にPR
4における記録再生過程を示す。記録データが図30
(A)に示す如き場合、この記録データをプリコーダに
よって予めNRZI変換して同図(B)に示すデータを
生成し、これに基づいて同図(C)に示す記録電流を生
成して磁気記録媒体に記録する。プリコードと記録電流
生成過程でNRZI変換が2回行われており、記録過程
では全体としてインターリーブNRZIが行われたこと
になる。
【0005】再生時には、磁気記録媒体のからの再生信
号に対してPR4による再生等化を行い、図30(D)
示す3値の等化波形を得る。図27に、PR4の再生等
化による孤立再生波形の等化波形を示す。同図(A)に
示す孤立再生波形は、再生等化によって同図(B)に示
す等化波形となるため、符号間干渉によるサンプリング
点での測定値は「0」、「+1」及び「−1」の3値に
限定される。このようにして得られた等化波形の「+
1」及び「−1」を「1」、等化波形の「0」を「0」
と復号することにより、図30(E)示す如く再生デー
タを得ることができる。
【0006】このデータ検出過程には、ビタビ検出法を
用いる。ビタビ検出法は、再生等化波形におけるサンプ
ル値の前後関係の規則性を利用して、存在しうるデータ
列の中から最も確からしいデータ列を選択することによ
り、エラーレートを低減させるデータ検出法である。図
28にPR4に対する状態遷移図を示す。ここで等化波
形の時刻kでのサンプル値をYk 、状態S1から状態S
2への遷移確率をP12、その時の枝メトリックをL12
表す。σは、等化波形サンプル値の基準値からのずれを
示す標準偏差である。式1に各状態遷移確率を示す。こ
の式より指数関数内の2乗項を展開して必要項のみを残
した式2で各枝メトリックを定義する。
【0007】〔式1〕 P12=Cexp{−Yk 2 /2σ2 } P21=Cexp{−Yk 2 /2σ2 } P13=Cexp{−(Yk −1)2 /2σ2 } P24=Cexp{−(Yk +1)2 /2σ2 } P32=Cexp{−(Yk +1)2 /2σ2 } P41=Cexp{−(Yk −1)2 /2σ2 } P33=Cexp{−Yk 2 /2σ} P44=Cexp{−Yk 2 /2σ} C≡1/{σ√(2π)}
【0008】〔式2〕 L12=0 L21=0 L13=0.5−Y k24=0.5+Y k32=0.5+Y k41=0.5−Y k33=0 L44=0
【0009】ある時刻kで状態S1となるパスメトリッ
クの最小値をM k(1)と表すものとすると、各状態へ
のパスメトリックの最小値は式3で表される。これに式
2を代入することにより式4を得る。
【0010】 〔式3〕 M k(1)=min{M k-1(2)+L21、M k-1(4)+L41} M k(2)=min{M k-1(1)+L12、M k-1(3)+L32} M k(3)=min{M k-1(1)+L13、M k-1(3)+L33} M k(4)=min{M k-1(2)+L24、M k-1(4)+L44
【0011】 〔式4〕 M k(1)=min{M k-1(2)、M k-1(4)+0.5−Yk } M k(2)=min{M k-1(1)、M k-1(3)+0.5+Yk } M k(3)=min{M k-1(1)+0.5−Yk 、M k-1(3)} M k(4)=min{M k-1(2)+0.5+Yk 、M k-1(4)}
【0012】上記の式4に基づいて最尤パス選択を行い
データを再生する。実際にはPR4等化を用いており、
インターリーブドNRZIを行っているので、等化信号
の偶数番目の列と奇数番目の列の間に相関関係はない。
ゆえに、それぞれを並列化して、PR(1,−1)とし
て単純化して処理することができる。図29にPR
(1,−1)等化の状態遷移図を示す。また、枝メトリ
ックと最小パスメトリックを式5及び式6に示す。
【0013】〔式5〕 L11=0 L12=0.5+Y k21=0.5−Y k22=0
【0014】 〔式6〕 M k(1)=min{M k-1(1)、M k-1(2)+0.5−Yk } M k(2)=min{M k-1(2)、M k-1(1)+0.5+Yk
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このようなPRML方
式を用いた従来の磁気記録再生装置では、再生波形が孤
立再生波形の重ね合わせで表現されること、つまり線形
性が成立することが正常なデータ再生のための基本的な
条件である。そのため、磁気記録媒体上の記録密度が上
昇すると、非線形効果が顕著になり再生データのエラー
レートが悪化する。
【0016】図31、図32、図33に非線形効果によ
り歪んだ再生波形の例を示す。図31は、再生ヘッドと
して磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)を用いた例で
ある。孤立再生波形の出力が極性によって異なる非対称
性を生じている。図32は、以前に記録された媒体磁化
からの磁界により媒体磁化遷移位置がシフトする非線形
ビットシフト(NLTS)を表している。図33は、磁
化遷移が接近しすぎたためにその一部分が相殺して消え
てしまい、再生出力が低下するパーシャルイレージャー
(PE)を表している。このような再生波形の歪みは線
形なフィルタで取り除くことは困難であり、従来の線形
なフィルタを用いた磁気記録再生装置では、再生データ
のエラーレートを悪化させてしまう。
【0017】このような非線形歪みを補償してデータを
再生する方式としては、判定帰還等化法(DFE)を用
いた方法がいくつか提案されている。RAM−DFE
は、このDFEのフィードバック部にRAMによるテー
ブルを用いた方式であり、歪みを含む再生信号値の推定
値をRAM記録しておき、入力信号と推定信号値との誤
差が最小になるデータ列を出力する(K.Fishe
r,J.Cioffi,WAbbott,P Bedn
arz,and C Melas,“An Adapt
ive RAM−DFE for Storage C
hannels”,IEEE TRANSACTION
S ON COMMUNICATIONS,Vol.3
9,No.11,pp.1559〜1568,NOV.
1991)。この方式は、非線形歪みを補正できる方式
ではあるが、判定帰還型であるためサンプル点以前のデ
ータからの非線形歪みしか除去できない。本発明は、以
上の点に鑑みなされたものであり、再生波形のサンプル
点に影響する前後のビットからの歪みを予め考慮したP
RMLチャネルを用いることにより非対称性を補償し、
再生データのエラーレートを改善し得る磁気記録再生装
置を提供することを目的とする。
【0018】
【発明の目的】本発明の目的は、磁気記録再生装置にお
いて、高記録密度化に伴う再生波形の非線形歪みによる
再生データのエラーレート悪化を補償することである。
また、補償回路の回路規模を縮小し、コストを押さえる
ことである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、磁気記録媒体からの再生信号に対してP
R等化を行い、ビタビ検出器を用いて情報を再生する磁
気記録再生装置において、孤立再生波形を限られたサン
プル点でのみ「0」以外の値を持つ波形に等化するPR
等化器を用いて波形の符号間干渉を限定することにより
非線形歪みのある等化波形のサンプル値が前後の限られ
たnビットのパターンによってのみ決定されると見なせ
るとき、孤立再生波形の極性を考慮したnビットパター
ンをそれぞれ枝とする状態遷移図に基づいてメトリック
計算を行ってビタビ検出し、データを再生する。以上に
よりエラーレートの悪化を低減する。このときメトリッ
ク計算の基準となる等化基準値は予め測定しておきテー
ブルで与えるか、又はビタビ検出での検出結果をもとに
逐次更新する。
【0020】上記の非線形歪対応型ビタビ検出器におい
て、パルスパターンの極性を無視することによってビタ
ビ検出器の状態遷移図を簡略化し、ビタビ検出器の回路
規模を縮小する。代わりに各状態に現時点での孤立波の
極性を示すパラメータである状態符号を定義する。また
記録過程に非線形ビットシフト補償用の記録等化回路を
挿入することによって非線形歪みを減少させること、記
録データを変調してビットパターンを限定することによ
ってビタビ検出器の状態遷移図を簡素化し、回路規模を
縮小する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の基本構成
を示すブロック図である。記録データ列を変調する変調
回路8と、非線形ビットシフトを補正する記録等化回路
7と、ビットデータ列をもとに記録電流を発生する記録
電流生成回路3と、磁気記録媒体1に信号を記録再生す
る磁気ヘッド2と、再生信号を増幅する信号増幅器6
と、孤立再生波形を限られたサンプル点でのみ「0」以
外の値を持つ波形に等化するPR等化器5と、非線形性
を含んだ等化出力から非線形性を補償してデータを検出
する非線形歪対応型ビタビ検出器6と、ビタビ検出器出
力を復調して再生データを出力する復調回路9からな
る。この中で、記録等化回路7、変調回路8、復調回路
9は必ずしも必要ではない。
【0022】記録等化回路7は、ビットパターンに従っ
て記録電流の反転位置を予めシフトさせておくことによ
って、非線形ビットシフトを補償する回路である。実再
生波形における非線形ビットシフトが大きく、エラーレ
ートへの影響が大きい場合に用いる。記録等化を行うこ
とにより非線形な波形干渉を減少させ、エラーレートを
改善できる。またビタビ検出器の構成を簡略化すること
もできる。変調回路8及び復調回路9は、波形干渉が大
きい場合に用いる。干渉が大きいと長いビットパターン
を考慮する必要があるためビタビ検出の状態数が多くな
り回路規模が大きくなってしまうので、変調によってビ
ットパターンを限定することによって状態数と枝数を減
少させ、ビタビ検出器を簡略化する。
【0023】図2,3,4,5は、図1における非線形
歪対応型ビタビ検出器6の詳細を示すブロック図であ
る。この非線形歪対応型ビタビ検出器6の基本動作は、
等化によって波形干渉が限定され、等化波形のサンプル
値が、再生波形の極性も考慮した限定されたビットパタ
ーンによって決定されると見なせるとき、それらのビッ
トパターンを枝とする状態遷移図に基づいて、それぞれ
のビットパターンに対応する予想サンプル値と等化信号
からメトリック計算を行い、データを再生することであ
る。再生波形の極性を考慮したビットパターンとは、再
生波形の記録点での孤立波の有無を孤立波の極性も含め
て「0」,「+1」,「−1」の3値で表したパターン
である。以後このビットパターンをパルスパターンと表
現する。
【0024】図2のビタビ検出器は、予め測定しておい
た各枝Bの非線形な等化出力値(等化基準値)AB を記
録した等化基準値テーブル13と、枝Bの等化基準値A
B と等化信号Eとから枝メトリックLB を求める枝メト
リック計算回路10と、計算された枝メトリックLB
ら状態Xに遷移するすべてのパスメトリックMを計算し
て比較し、状態Xへの最尤パスを与えるパスJx を求め
るACS回路11と、パスの収束を調べて生き残りパス
を記録し、最終的に再生データDを出力するパスメモリ
12で構成されている。
【0025】図3では、図2に示された回路に加えて、
パスメモリでの検出結果(枝B)から等化信号Y’と等
化基準値AB を用いて等化基準値の補正計算を行う等化
基準計算回路15と、補正計算のためのタイミング調整
を行う等化信号遅延回路14とを用いてる。
【0026】図4では、図2の構成で用いた状態遷移図
において、各枝に対応するパルスパターンの極性を無視
することによって、枝数及び状態数を半数に縮退させ、
その代わりに各状態に極性を表すパラメータである状態
符号を付加した状態遷移図を用いている。図4のブロッ
ク図には、各状態Xの現時点での状態符号値Fx を記録
している状態符号値テーブル17と、ACSからの選択
パスJx に基づいて状態符号値を更新する状態符号更新
回路18とが加えられている。枝メトリック計算回路1
0では、状態符号値テーブルをもとにして等化基準値を
選択し、メトリック計算を行っている。また、この状態
符号の初期値を任意に与えた場合や検出エラー等が起き
た場合には、状態符号値は再生波形に対する正しい値に
対して反転している可能性がある。これを防ぐために状
態符号判定回路16を用いて等化信号Eから直接、特定
条件下での状態符号値を求めており、状態符号値が検出
されたときだけ状態符号値テーブルを強制的に修正す
る。
【0027】図5では、図3で示した等価基準値を逐次
更新するための補正回路と、図4で示した状態符号値を
更新するための回路を共に有している。
【0028】次に、本発明の動作について図1を用いて
説明する。記録データは変調回路8で変調され、記録等
化回路7で非線形ビットシフトの補正を行った後に、記
録電流生成回路3及び磁気ヘッド2を通して磁気記録媒
体1に記録される。磁気ヘッド2からの再生信号は、信
号増幅器4を通った後、PR等化器5に入力される。P
R等化器5は、図6に示されたような孤立再生波形を、
限られたサンプル点でのみ「0」以外の値を持ち、その
外のサンプル点では「0」となる波形に等化する。図7
に孤立波等化波形の例を示す。(A),(B),
(C),(D)はそれぞれ2点,3点,4点,5点での
み「0」以外の値を持つ等化波形である(以後それぞれ
を、2ビット、3ビット、4ビット、5ビット等化と表
す)。a,b,c,d,eで示された等化信号値はどの
ような値をとっても構わない。この等化により再生波形
の等化波形は、前後の限られた孤立波の干渉のみを受け
ることになる。
【0029】図8に等化波形の例を示す。この例では図
7(B)の3ビット等化を用いている。再生波形が線形
であれば、図の細い破線で示した孤立波等化波形の重ね
合わせにより太い破線で示した等化波形が得られるが、
非線形効果が大きい場合には再生波形に歪みを生じ、図
の実線のようになる。このときサンプル点での等化信号
値を予想するためには、サンプル点前後での孤立波の極
性も含めた再生波形のビットパターンを知る必要があ
る。図8(A)に、孤立波の有無を極性も考慮して「+
1」,「−1」,「0」の3値で表したパターンを示
す。以後このパターンをパルスパターンと表現する。サ
ンプル点の予想等化信号値(等化基準値)は、サンプル
点に影響する前後のビット列のパルスパターンによって
一意に決まると仮定できれば、このパルスパターンを枝
に対応させることによってビタビ検出器の状態遷移図を
作成することができる。このとき等化基準値を決定する
ためのパルスパターン長は、PR等化器の等化ビットと
は必ずしも一致せず、R/Wチャネルを設計するときに
非線形効果の仮定と目標性能から、PR等化方式、記録
等化の有無、変調方式、回路規模などと同時に決定され
る。
【0030】図2,3,4,5は、このようにして作成
された状態遷移図に基づく非線形歪対応型ビタビ検出器
の構成を示すブロック図である。これらの図では、枝メ
トリックを計算するために必要な、限られたビット列に
おけるすべてのパルスパターンに対する予想等化出力値
(等化基準値)をテーブルとして与えている。再生デー
タは、ACS回路で計算されたパスメトリックによって
選ばれたパスのうち、パスメモリで淘汰された最終的に
生き残ったパスのパルスパターンによって決定される。
【0031】等化基準値テーブル13は、予め測定した
結果を定数として用いることもできるが、ビタビ検出器
よる検出結果とその時の等価信号から逐次更新すること
も可能である。図3は、等化基準値テーブル13を逐次
更新する場合のブロック図である。現時点の等化基準値
と実際の等価信号との差を用いて更新している。パスメ
モリなどでの時間遅れがあるため等化信号遅延回路14
でタイミング調整を行っている。パルスパターンの絶対
値をとることによって状態遷移図を縮退し、ビタビ検出
器を簡略化することも可能である。これにより状態数と
枝数を半減する代わりにパルスパターンの極性を示すた
めのパラメータである状態符号を導入した。状態符号と
は、各状態に付随しパルスパターンの定められた位置に
現れた最新のパルスの極性を表すパラメータである。
【0032】本発明の実施例における状態遷移図を示す
図9,10を用いてこの状態符号について説明する。図
9に示した各枝の等化基準値は、再生波形の4ビットの
パルスパターンによって定められている。等化基準値の
添字がパルスパターンを表しており、一番右側が最新の
パルスである。このパルスパターンの絶対値を取ること
によって、状態遷移図は枝数及び状態数が半減し図10
のようになる。各状態には状態符号値が付随しており、
その値によってそこから出る枝に対応する等化基準値が
選ばれる。図10で、状態S1から状態S2への枝「1
001」の場合、状態S1の状態符号値が“+”であれ
ば等化基準値はA+100-1となり、“−”であればA
-100+1となる。また状態符号値は、図10の実線で示さ
れた枝を通った場合には、枝の出力もとの値がその出力
先の状態符号値となるが、点線で示された枝を通った場
合は反転する。たとえば状態S2から状態S3への枝
「0010」を通った場合、現時点でのS2の状態符号
値が“+”であれば、次の時点での状態S3の状態符号
値は“−”になる。状態符号値の具体的な意味は、枝に
対応するパルスパターンにおいて、ある位置(ここで
は、右から2つめ)に現れた最新のパルスの極性であ
る。たとえば、パルスパターンが“−1000”であれ
ば、右から2つめの位置では、2時点前に“−1”のパ
ルスを検出しているので状態符号値は“−”である。図
5は、等化基準値テーブルの逐次更新と状態符号値を共
に用いた場合のブロック図を示している。
【0033】再生波形の符号間干渉が大きく、状態遷移
図の各枝に対応するパルスパターン長が長くなり、ビタ
ビ検出器の回路規模が大きくなり過ぎる場合には、記録
データを変調することによってパルスパターンを制限
し、状態遷移図を簡略化することができる。たとえばパ
ルスパターン長が4ビットの場合、状態数は16個であ
るが、1−7変調を用いれば10個に減少させることが
でき、枝数も32個から16個に減少する。
【0034】
【実施例】本発明の実施例1について説明する。図9
は、本発明の実施例1及び2に用いられている状態遷移
図である。この状態遷移図は、枝を示している。孤立波
の極性も考慮した再生波形のビットパターン(パルスパ
ターン)が4ビットであり、図7(A),(B),
(C)のように孤立波等化波形が4点以下で値をもつ等
化を行っている場合を示している。以下に、図7(A)
の2ビットの等化を行った場合について説明する。
【0035】孤立波の重ね合わせが線形であれば、等化
信号のサンプル値は連続する2ビットのパルスパターン
によって一意的に決定される。つまり、パルスパターン
が「00」,「0+1」,「0−1」,「+10」,
「−10」,「+1−1」,「−1+1」に対してサン
プル値はそれぞれ「0」,「a」,「−a」,「b」,
「−b」,「b−a」,「a−b」となる。しかし非線
形効果がある場合には単純な足し合わせにならないだけ
でなく、前後のパルスパターンの影響も受ける。ここで
は前後1ビットを加えて、計4ビットのパルスパターン
の影響のみを受けているとみなせる場合、又は、記録等
化回路を用いることによって、非線形効果を4ビットの
パルスパターンの影響にまで減少させることのできる場
合について説明する。4ビットで構成されるパルスパタ
ーンは、「0000」の場合、それまでに検出された最
新のパルスの極性によって2種類(「0000+」,
「0000−」と表す)あることを考慮すると全部で3
2個である。それらのパルスパターンに枝を対応させて
状態遷移図を作成したものが図9である。等化基準値A
の添字は、パルスパターンと枝を表しており、再生デー
タはパルスパターンの右から2つめのパルスの有無で決
まるとした。
【0036】図2は、実施例1における非線形歪対応型
ビタビ検出器6の構成を示すブロック図である。ここ
で、パルスパターンで示される枝Bのサンプル点予想等
化信号値(等化基準値)はAB であり、枝メトリックL
B は、予め求められた等化基準値テーブル13に基づい
て計算される。この計算結果から各状態に入るパスのう
ちパスメトリックの小さい方を選択していくことによっ
てパスが決定されていく。以下にパスメトリック計算過
程を示す。まず式11に状態の遷移確率を示す。ここ
で、PB は枝Bを通る遷移確率、Yk は等化信号のサン
プル値、AB は枝Bの等化基準値、σは等化波形サンプ
ル値の基準値からのずれを示す標準偏差である。kは時
刻を表している。
【0037】 〔式11〕 PB =〔1/{σ√(2π)}〕exp{−(Yk −AB 2 /(2σ2 )}
【0038】この式から、式12で枝Bの枝メトリック
B を定義する。図13に枝メトリック計算回路10の
例を示す。減算器20によって等化信号Yと等化基準値
Bとの差をとり、2乗演算器21で枝メトリックLB
を求めている。NB は枝数であり、ここでは32であ
る。
【0039】〔式12〕 LB =(Yk −AB 2
【0040】各状態Xへの最小パスメトリックM
x,k は、式13で表される。それぞれの式によって、1
時点前のパスメトリックMx,k-1 に現時点の枝メトリッ
クLB を加えてから大小を比較してそれぞれの状態Xへ
のパスメトリック最小パスJx を決定し、パスメトリッ
クMを更新する。これらの処理は、ACS回路11で行
われている。パラメータJx は、具体的には、状態Xに
入る2本の枝のどちらかを示す2値のパラメータであ
る。
【0041】図15にパスメモリ回路12の例を示す。
選択されたパスJx に従って、セレクタ22で最低デー
タ候補Dx の選択が行われるたびに途切れたパスの再生
データ候補が淘汰されていく。パスが1つに収束した時
点では、セレクタ22からの出力はすべて同じ値にな
り、その値がセレクタ24から出力される。最後まで収
束しない場合は、16個の再生データ候補の中で最も数
が多い値が出力される。
【0042】 〔式13〕 MS0,k =min{MS0,k-1+L0000- 、 MS8,k-1+L-1000 } MS1,k =min{MS0,k-1+L000+1 、 MS8,k-1+L-100+1 } MS2,k =min{MS1,k-1+L00+1-1 、 MS9,k-1+L-10+1-1 } MS3,k =min{MS1,k-1+L00+10 、 MS9,k-1+L-10+10 } MS4,k =min{MS2,k-1+L0+1-10 、 MS10,k-1 +L-1+1-10 } MS5,k =min{MS2,k-1+L0+1-1+1 、 MS10,k-1 +L-1+1-1+1} MS6,k =min{MS3,k-1+L0+10-1 、 MS11,k-1 +L-1+10-1 } MS7,k =min{MS3,k-1+L0+100 、 MS11,k-1 +L-1+100 } MS8,k =min{MS4,k-1+L+1-100 、 MS12,k-1 +L0-100 } MS9,k =min{MS4,k-1+L+1-10+1 、 MS12,k-1 +L0-10+1 } MS10,k =min{MS5,k-1+L+1-1+1-1 、 MS13,k-1 +L0-1+1-1 } MS11,k =min{MS5,k-1+L+1-1+10 、 MS13,k-1 +L0-1+10 } MS12,k =min{MS6,k-1+L+10-10 、 MS14,k-1 +L00-10 } MS13,k =min{MS6,k-1+L+10-1+1 、 MS14,k-1 +L00-1+1 } MS14,k =min{MS7,k-1+L+100-1 、 MS15,k-1 +L000-1 } MS15,k =min{MS7,k-1+L+1000 、 MS15,k-1 +L0000+
【0043】本発明の実施例2について説明する。枝B
の等価基準値AB は、図2に示したブロック図のように
予め実測によって求めた値を用いることもできるが、ビ
タビ検出器によるデータ検出結果Dと等化信号Yをもと
にして逐次補正することも可能である。図3は本発明の
実施例2における、等化基準値を逐次更新する非線形歪
対応型ビタビ検出器6の構成を示すブロック図である。
【0044】図3のパスメモリ12からは、再生データ
Dと共にその時の状態符号値Fs とパルスパターンBが
出力されている。状態符号とは、枝を示すパルスパター
ンの定められた位置で検出された最新のパルスの極性で
ある。この実施例では、4ビットのパルスパターンの右
から2つめの位置で検出するとしているので、最尤パス
の枝が「0−1+10」であると判定されれば、その時
の状態符号値は、「+1」であり、「−1000」であ
ると判定されれば、その時の状態符号値は、2時点前に
「−1」が検出されているので「−1」である。また、
パルスパターンが「0000」の場合でも、枝は「00
00+」,「0000−」の2つがあり、状態符号値は
それぞれ「+1」,「−1」である。
【0045】図16に、このパスメモリの回路構成例を
示す。パスメモリには、再生データではなくパルスパタ
ーンが記録されており、図15と同様に、選択パスJx
によってパルス候補1x を淘汰して行き、最終的に生き
残ったパルスがセレクタ24に入力される。セレクタ2
4からの出力は、3つの遅延素子23によって4ビット
のパルスパターンBとなる。また、その時の再生データ
Dは、パルスB1 (パルスパターンの右から2つめに相
当する)の値によって決まり、絶対値回路25から出力
される。さらに、パルスパターンBが「0000」の場
合にも正しい枝メトリック計算ができるようにするた
め、状態符号値も同時に出力している。状態符号保持回
路26では、信号B1 が「+1」のときは「+1」を、
「−1」のときは「−1」を出力し、「0」のときは以
前の値をそのまま保持することによって状態符号を出力
している。
【0046】図19に等化基準値テーブル13、等化信
号遅延回路14、等化基準値計算回路15の例を示す。
等価基準値テーブル13は、等化基準値記録メモリ31
と、パルスパターンBと状態符号値Fs から枝を示すア
ドレスを選択し新しい等化基準値A’をAB に書き込む
セレクタ32と、ビタビ検出器の動作開始時点における
等化基準値の初期値を記録した等化基準値初期値記録回
路30で構成されている。等化基準値計算回路15で
は、最終的に決定した等化信号に対するパルスパターン
Bから式14によって新しい等化基準値A’を求めてい
る。等化信号遅延回路14では、等化信号Yをパスメモ
リなどでの時間遅れに合わせて遅延させ、パルスパター
ンとの同期を取っている。ここでのパルスパターンB
は、等化信号Y’に対応する枝を表している。Cは補償
計算の係数であり、等化基準値AB の変化速度を決めて
いる。
【0047】〔式14〕 AB,k+1 =AB,k +C(Y’−AB,k
【0048】本発明の実施例3について説明する。図1
0は、実施例3及び4に適応される状態遷移図である。
図9と同様に、PR等化器によって図10(A),
(B),(C)のような4点以下で「0」以外の値をも
つような等化を行い、等化信号値が4ビットのパルスパ
ターンによって決定されるとみなせる場合、又は、記録
等化回路を用いることによって非線形効果を減少させた
結果、波形干渉の影響が4ビット以内となった場合につ
いてのものである。ただし図9と違い、各枝に対応する
パルスパターンは、絶対値で表されている。これにより
状態数及び枝数は半減しており、その代わりに各状態に
は新たなパラメータとして状態符号が付加されている。
この状態符号の定義は、枝に対応するパルスパターンの
特定位置で検出された最新のパルスの極性である。ここ
では4ビットパターンの右から2つめで判定している。
再生データは、状態符号値の判定位置と同じ位置でのパ
ルスの有無で決定されるとした。状態に付随する状態符
号は、点線で表された枝を通ったとき反転する。また各
枝に対応する等化基準値は、枝の出力元の状態符号によ
って2つの値からどちらかが選択される。
【0049】図4に状態符号値を用いて状態遷移図を簡
略化したときのビタビ検出器6の構成例を示す。ここで
は等化基準値テーブル13として固定値を用いている。
図14に、図4における枝メトリック計算回路の回路構
成を示す。各状態には、状態符号が付随しており、この
状態符号値によって状態から出る枝に対応する等化基準
値が決定される。図14のセレクタ22は、状態符号値
Fをセレクト信号として、2つの等化基準値のどちらか
を選択して出力する。ここでは、状態符号値が「+」の
とき上側、「−」のとき下側が出力される。その後、等
化信号Yとの差から枝メトリックLが計算される。この
ようにして求められた枝メトリックから、ACS回路1
1においてパスメトリックMが計算され、各状態への最
短パスが選択される。式15にパスメトリック計算式を
示す。ACS回路は、現時点でのパスメトリック値を内
部変数として保持しており、状態Xへのパスとしてどち
らが選ばれたかだけを選択パスJx として出力してい
る。パラメータJx は、具体的には、状態Xに入る2本
の枝のうちどちらが選択されたかを示す2値のパラメー
タである。
【0050】 〔式15〕 MS0,k =min{MS0,k-1+L0000 、 MS1,k-1+L1000} MS1,k =min{MS3,k-1+L0100 、 MS5,k-1+L1100} MS2,k =min{MS0,k-1+L0001 、 MS1,k-1+L1001} MS3,k =min{MS2,k-1+L0010 、 MS4,k-1+L1010} MS4,k =min{MS3,k-1+L0101 、 MS5,k-1+L1101} MS5,k =min{MS6,k-1+L0110 、 MS7,k-1+L1110} MS6,k =min{MS2,k-1+L0011 、 MS4,k-1+L1011} MS7,k =min{MS6,k-1+L0111 、 MS7,k-1+L1111
【0051】図4の実施例3における状態符号判定回路
16、状態符号値テーブル17、状態符号更新回路18
の回路構成例を図20に示す。状態符号値テーブル17
は、初期値としては任意の値を与えてよい。この状態符
号は、状態Xへの最短パス選択結果Jx によって更新さ
れる。状態符号更新回路18では、選択パスJx によっ
て各状態Xへの枝の出力元の状態符号値Fx ’が選択さ
れる。そして枝が状態符号反転枝である場合、つまり状
態S3、S5、S6、S7への枝である場合、状態符号
を反転し、それ以外の枝に対してはそのままの状態符号
値で更新する。このとき問題となるのは、状態符号の初
期値が間違っていた場合である。その場合は、間違った
等化基準値との間で枝メトリックの計算を行うため正し
い再生データは得られない。この問題を避けるために、
状態符号判定回路16を用いる。この回路は、等化信号
から直接状態符号値を検出する回路である。ただし常に
判定できるのではなく、ある特定のパターンが入力され
た場合にのみ判定できる可能性がある。
【0052】図21に、図20の状態符号判定回路16
で用いている判定法を説明する。図21(A)で示した
パルスパターンが入力された場合、等化信号はパルス間
が空いているため非線形効果が小さいとすると図のよう
になる。図21(B),(C)は、このときの等化基準
値(予想等化信号値)と実測の等化信号値である。ここ
で、正負のしきい値Th+ ,Th- を設けて等化信号と
の比較を行った結果を図21(D)に示す。このとき連
続する2点において点線で示したような関係が成立し、
状態符号値として「−」が検出されたと判定され、状態
符号設定回路42から信号Fとして「−」が出力され
る。状態符号値テーブル17では、この信号により、す
べての状態符号値を一斉に強制的に「−」に変更する。
「+」判定の場合も同様である。ただしFが「0」の場
合には何にも行わない。このような状態符号を判定する
ためのパターンは、予めデータの前に記録しておけば再
生データのエラーを防ぐことができる。また途中で判定
ミスを犯してもデータ中に含まれるパターンによって自
動的に修正されエラーが続くことを防いでいる。状態符
号を判定するためのパターンは、装置の再生波形の性質
によって決定する。ここで示したパターンは、1つの例
である。
【0053】実施例4について説明する。実施例4は、
実施例3の等価基準値を逐次更新する場合である。図5
にブロック図を示す。パスメモリ12の構成例を図18
に示す。図17と比較して、状態符号からパルス候補I
を選択する回路と、最終生き残りパスのパルス列から4
ビットパルスパターンB、状態符号Fs 及び再生データ
Dを求める回路が加えられている。等化基準値テーブル
13、等化信号遅延回路14、等化基準値計算回路1
5、状態符号判定回路16、状態符号値テーブル17、
状態符号更新回路18の基本構成は、図19及び図20
と同一である。
【0054】図22に、図10に示された実施例3及び
4における状態符号を用いた状態遷移図のデータ再生過
程の例をトレリス線図を用いて説明する。図22
(A),(B)は、再生波形のパルスパターンとそのと
きの等化基準値であり、同図(C)は実測の等化信号で
ある。データ検出に先立って、まず状態符号の初期化を
行う。ここでは、すべて「+」に初期化されている。こ
の状態符号にもとづいて縮退している2本の枝から1つ
を選択して、等化信号Yとの差を求め、枝メトリック、
パスメトリックの計算を行い各状態への最短パスを決定
していく。このとき状態S0,S1,S3,S5の状態
符号値はそのまま枝の出力先の状態符号値となるが、状
態S2,S4,S6,S7から出る枝は状態符号反転枝
であるため、枝の出力元の状態符号値は反転されて出力
先の状態符号となる。状態符号値の初期化は、任意に行
ったため再生波形に対して反転している可能性がある。
これを修正するために実測の等化信号を用いる。図22
(A)のパルスパターンの点線で囲まれた符号判定用の
パターンを予め加えておき、連続する2点の等化信号値
について、図21に示したしきい値Th+ ,Th- との
比較を行う。等化信号値がYk-1 <Th- 、Yk >Th
+ となれば状態符号値は「+」、Yk-1 >Th+ ,Yk
<Th- となれば状態符号値は「−」と判定される。こ
こでは時刻k=6において状態符号の「+」判定が行わ
れたため、状態符号が強制的に「+」に変更されてい
る。この例では初期設定が正しかったので再生データに
影響はないが、初期設定が誤っていた場合は、符号判定
以前のデータは誤っている可能性がある。以上の動作に
よって順次パスを選択、決定していく。この例では時刻
k=7までのパス選択が終わった時点で2ビット分の再
生データが決定している。
【0055】実施例5について説明する。ここでは記録
データを変調することによってパルスパターン数を減少
させて状態遷移図を簡略化しビタビ検出器の回路規模を
縮小させている。実施例5では、変調方式として1−7
変調を用いている。1−7変調では、再生波形のビット
パターンにおいて「1」が連続せず、間に必ず1個以上
7以下の「0」が入る。
【0056】図11に実施例5で用いている状態遷移図
を示す。状態遷移図の枝を示すパルスパターンのビット
数を5ビットとした。再生データは、枝を示すパルスパ
ターンの中央のパルスの有無で決まるとした。ビットパ
ターンに制限のない場合は状態数32個、枝数64本で
あるが、1−7変調を用いているため状態数16、枝の
数26本となっている。入力枝が1本しかない状態もあ
るため回路規模はさらに小さくできる。この状態遷移図
に基づいて図2又は図3のブロック図で示した非線形対
応型ビタビ検出器6を構成する。
【0057】実施例6について説明する。この例は実施
例5で示したものを、状態符号を用いて縮退したもので
ある。図12に、図11を縮退した状態遷移図を示す。
状態数8個、枝数13本となっている。この状態遷移図
に基づいて、図4又は図5のブロック図で示したビタビ
検出器を構成する。
【0058】
【発明の他の実施の形態】実施例1、2に用いられてい
る状態遷移図を、3ビットのパルスパターンについて構
成した例を図23に示す。状態数8、枝数16である。
再生データは、パルスパターンの中央のパルスの有無で
決まるとした。この状態遷移図に基づいて、図2又は図
3のブロック図で示したビタビ検出器を構成する。
【0059】図24に、状態符号を用いて図23を縮退
した状態遷移図を示す。状態数4、枝数8である。この
状態遷移図に基づいて、図4又は図5のブロック図で示
したビタビ検出器を構成する。
【0060】実施例5で使用されている、1−7変調を
用いた状態遷移図を4ビットパルスパターンについて構
成した例を図25に示す。状態数10、枝数16本であ
る。再生データは、パルスパターンの右から2つめのパ
ルスの有無で決まるとした。この状態遷移図に基づい
て、図2又は図3のブロック図に示したビタビ検出器を
構成する。
【0061】図26に、状態符号を用いて図25を縮退
した状態遷移図を示す。状態数5、枝の数8本である。
この状態遷移図に基づいて、図4又は図5のブロック図
に示したビタビ検出器を構成する。
【0062】
【発明の効果】非線形歪みを補償することによって、エ
ラーレート劣化を改善することができる。また非線形性
を補償するための等化基準値テーブルを逐次補正するこ
とによって、再生波形に即した補償が可能となり、非線
形歪みによるエラーレートの劣化を改善することができ
る。状態符号を導入することによってビタビ検出器の状
態遷移図を縮退し、回路規模を縮小することができる。
記録等化回路を組み合わせることによって非線形歪みを
減らし、状態遷移図を簡略化することができる。記録デ
ータを変調し、ビットパターンを制限することによっ
て、状態遷移図の状態数と枝数を削減しビタビ検出器を
簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1,5における非線形歪対応型
ビタビ検出器の構造を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例2,5における非線形歪対応型
ビタビ検出器の構造を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例3,6における非線形歪対応型
ビタビ検出器の構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例4,6における非線形歪対応型
ビタビ検出器の構造を示すブロック図である。
【図6】等化前の孤立再生波形の例を示す波形図であ
る。
【図7】本発明における孤立再生波形に対するPR等化
波形の例を示す波形図である。図7(A)は、2点で
「0」以外の値を持つ等化波形(2ビットの等化波形)
の例を示す。図7(B)は、3点で「0」以外の値を持
つ等化波形(3ビットの等化波形)の例を示す。図7
(C)は、4点で「0」以外の値を持つ等化波形(4ビ
ットの等化波形)の例を示す。図7(D)は、5点で
「0」以外の値を持つ等化波形(5ビットの等化波形)
の例を示す。
【図8】非線形歪みのある再生波形のPR等化波形の例
を示す波形図である(3ビット等化)。
【図9】本発明の実施例1,2における非線形歪対応型
ビタビ検出器の状態遷移図である。
【図10】本発明の実施例3,4における非線形歪対応
型ビタビ検出器の状態遷移図である。
【図11】本発明の実施例5における非線形歪対応型ビ
タビ検出器の状態遷移図である。
【図12】本発明の実施例6における非線形歪対応型ビ
タビ検出器の状態遷移図である。
【図13】本発明の実施例1,2における枝メトリック
計算回路の例を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例3,4における枝メトリック
計算回路の例を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施例1におけるパスメモリ回路の
例を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施例2におけるパスメモリ回路の
例を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例3におけるパスメモリ回路の
例を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施例4におけるパスメモリ回路の
例を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施例2,4における等化基準値テ
ーブル13,等化信号遅延回路14,等化基準値計算回
路15の例を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例3,4における状態符号判定
回路16,状態符号値テーブル17,状態符号更新回路
18の例を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施例3,4における等化信号によ
る状態符号判定法の例を示す説明図である。
【図22】本発明の実施例3,4におけるデータ再生過
程を示すトレリス線図である。図22(A)は状態符号
値判定用パターンを含んだパルスパターンの例を示す。
図22(B)は等化基準値を示す。図22(C)は等化
信号値を示す。図22(D)は再生データを示す。
【図23】本発明の他の実施の形態における非線形歪型
ビタビ検出器の状態遷移図である。
【図24】本発明の他の実施の形態における非線形歪型
ビタビ検出器の状態遷移図である。
【図25】本発明の他の実施の形態における非線形歪型
ビタビ検出器の状態遷移図である。
【図26】本発明の他の実施の形態における非線形歪型
ビタビ検出器の状態遷移図である。
【図27】PR(1,0,−1)等化における再生等化
を説明する波形図である。図27(A)はPR等化前の
孤立再生波形である。図27(B)はPR等化後の孤立
波形である。
【図28】PR(1,0,−1)等化の状態遷移図であ
る。
【図29】PR(1,−1)等化の状態遷移図である。
【図30】PR(1,0,−1)等化の記録再生過程を
示す説明図である。図30(A)は記録データの例を示
す。図30(B)は記録データをプリコード(NRZ
I)したデータを示す。図30(C)は記録電流波形
(NRZI)を示す。図30(D)は再生波形の等波形
を示す。図30(E)は再生データを示す。
【図31】MRヘッドによる上下非対称な孤立再生波形
の例を示す波形図である。
【図32】再生波形における非線形ビットシフトの例を
示す波形図である。
【図33】再生波形におけるパーシャルイレージャーを
示す説明図である。図33(A)はパーシャルイレージ
ャーを生じているときの媒体磁化分布の例を示す。図3
3(B)はパーシャルイレージャーを生じているときの
再生波形の例を示す。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 磁気ヘッド 3 記録電流生成回路 4 信号増幅器 5 PR等化器 6 非線形歪対応型ビタビ検出器 7 記録等化回路 8 変調回路 9 復調回路 10 枝メトリック計算回路 11 ACS回路 12 パスメモリ 13 等化基準値テーブル 14 等化信号遅延回路 15 等化基準値計算回路 16 状態符号判定回路 17 状態符号値テーブル 18 状態符号更新回路 20 減算器 21 2乗演算器 22 セレクタ(セレクト信号により2入力の一方を選
択) 23 遅延素子 24 セレクタ(入力値の中で最も多い値を出力) 25 絶対値演算器 26 状態符号保持回路(入力が「±1」のときはその
まま出力、「0」のときは直前の値を保持) 30 等化基準値初期値記録回路(ROM) 31 等化基準値記録回路(RAM) 32 セレクタ(パルスパターンBと状態符号値Fs
らアドレスを決定し、入力A’を書き込む) 33 定数倍演算器 34 セレクタ(パルスパターンBと状態符号値Fs
ら等化基準値を選択して出力) 35 加算器 40 比較器(不等号が真となったとき「1」を出力) 41 論理積演算器 42 状態符号設定回路(入力F+ が真のとき「+
1」,F- が真のとき「−1」,共に偽のとき「0」を
出力) 43 反転演算器 AB 枝Bに対応する等化基準値 AB ’ 枝Bに対応する等化基準値の更新値 B 縮退していない枝(パルスパターンで表示) B’ 縮退した枝(パルスパターンの絶対値で表示) Bp 枝B(パルスパターン)の(右から)P番目のパ
ルス(3値) D 再生データ Dx 状態Xからの枝に対応する再生データ(2値) FA 状態符号判定回路からの状態符号値 Fs パスメモリからの状態符号値 Fx 状態Xの状態符号値 Fx ’ 状態Xの状態符号値の更新値 Ix 状態Xからの枝に対応する再生データのパルスパ
ターン(3値) Jx 状態Xへの選択パス(状態Xに入る2本の枝のう
ちどちらが選ばれたかを2値で表示) LB 縮退していない枝Bの枝メトリック LB ’ 縮退した枝B’の枝メトリック NB 縮退していないときの枝の総数 NB ’ 縮退したときの枝の総数 Np 枝(パルスパターン)のパルス数 Nx 状態数 P パルスパターン上の位置(右から) X 状態 Y 等化出力 Y’ パスメモリ出力と同期した等化信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−321143(JP,A) 特開 平8−17148(JP,A) 特開 平6−295535(JP,A) 特開 平6−267200(JP,A) 特開 平8−17138(JP,A) 特開 平8−249829(JP,A) 特開 平8−251037(JP,A) 特開 平9−330565(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/14 G11B 20/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PR等化及びビタビ検出を行う磁気記録
    再生装置において、 磁気記録再生過程の非線形効果によって再生波形が歪
    み、孤立再生波形の単純な重ね合わせとはならないよう
    なとき、孤立再生波形を限られたサンプル点でのみ
    「0」以外の値を持つように等化して波形間干渉を減少
    させるPR等化器と、 PR等化によって、非線形歪みを受けた再生波形の等化
    波形が限られたビット数の影響のみを受けているとみな
    せるような場合において、孤立波の極性も考慮した限ら
    れたビット数に対するすべてのビットパターンをもとに
    した状態遷移図に基づくビタビ検出器と、 予め測定された上記ビットパターンに対する等化基準値
    を記録した等化基準値テーブルとを有し、 等化信号と等価基準値とを比較することによってメトリ
    ック計算を行って最尤パス選択を行い、データを再生す
    ることを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録再生装置におい
    て、等化信号とそれに対応するビットパターンとを用い
    て新たな等化基準値を計算する等化基準値計算回路と、
    等化基準値計算のために等化信号のタイミング調整を行
    う等価信号遅延回路とを有し、等化信号と等化基準値と
    を比較することによってメトリック計算を行って最尤パ
    ス選択を行いデータを再生すると同時に、再生データに
    対応するビットパターンとその時の等化信号を用いて新
    たな等化基準値を求め等化基準値テーブルを逐次更新す
    ることを特徴とする磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気記録再生装置におい
    て、ビタビ検出器が、孤立波の極性を考慮しない限られ
    たビット数に対するすべてのビットパターンをもとにし
    た縮退された状態遷移図に基づき、孤立波の極性につい
    ては、各状態に対して状態符号値を付加することによっ
    て対応し、各状態の状態符号値を記録する状態符号値テ
    ーブルと、各時点で状態符号を更新する状態符号更新回
    路と、状態符号値が誤ってしまった場合に、等化信号か
    ら直接の状態符号を判定し、状態符号値テーブルを強制
    的に変更する状態符号判定回路とを有し、各状態の状態
    符号値によって等化基準値を選択し、再生信号と選択さ
    れた等化基準値とを比較することによってメトリック計
    算を行って最尤パス選択を行い、データを再生すると同
    時に、状態符号値の更新を行い、また、状態符号値が誤
    った値を取ったときのために等化信号から直接状態符号
    を判定し、状態符号値テーブルを強制的に正しい値に変
    更することを特徴とする磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気記録再生装置におい
    て、請求項2に示された等化基準値テーブルの逐次更新
    回路と、等化信号のタイミング調整を行う等化信号遅延
    回路と、請求項3に示された状態符号によって縮退され
    た状態遷移図を用いたビタビ検出器と、各状態の状態符
    号値を記録する状態符号値テーブルと、選択されたパス
    から状態符号の更新を行う状態符号更新回路と、等化波
    形から直接状態符号値を求める状態符号検出回路とを有
    し、非線形歪みを受けた再生波形からのデータ検出を行
    うことを特徴とする磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の磁気記録
    再生装置において、非線形歪みのうちの非線形ビットシ
    フトを補正する記録等化回路を有し、非線形効果を減少
    させることによって、エラーレートを改善し、ビタビ検
    出器を簡略化することを特徴とする磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3又は4記載の磁気記録
    再生装置において、記録データの変調回路及びビタビ検
    出器出力の復調回路を有し、再生波形のビットパターン
    を限定することによってビタビ検出器を簡略化すること
    を特徴とする磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3又は4記載の磁気記録
    再生装置において、非線形歪みのうち非線形ビットシフ
    トを補正する記録等化回路と、記録データの変調回路及
    びビタビ検出器出力の復調回路とを有し、非線形効果を
    減少させてエラーレートを改善すると同時に、再生波形
    のビットパターンを限定することによってビタビ検出器
    を簡略化することを特徴とする磁気記録再生装置。
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